2018年2月15日 (木)

Elgar, Bruch: Violin Concertos / Rachel Barton Pine / BBC Symphony Orchestra & Andrew Litton

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Pine

Elgar, Bruch: Violin Concertos
Rachel Barton Pine
BBC Symphony Orchestra
Andrew Litton, conductor
Violin: Guarneri 'del Gesù', Cremona, 1742, the 'ex-Bazzini, ex-Soldat'
2017年セッション録音

・エルガー:ヴァイオリン協奏曲について
第1楽章のアインガングにおいて、レイチェル・バートン・パインは、いきなり真打登場のような貫禄を聴かせる。

「音楽の演奏は肉体労働だ(!)」とのたまう御仁がいらっしゃいますが(←私もまさにその通りだと思う)、バートン・パインは十分な体力を持っている演奏家だと私は思う。なぜなら、彼女の貫禄ある表現、技巧が、この長大な作品において最後まで「持続」されているからである(演奏時間:51分9秒)。尤もこれはセッション録音ではあるが・・・。

だだし、彼女の濃厚な演奏に「自信過剰」「押し付けがましさ」を感じるリスナーがあるかも知れない。

バートン・パインは、バッハの《無伴奏》において「欲」のない演奏を聴かせた。だが、このアルバムにおいて彼女は力(りき)んだか? あるいは色気(野心)が出たか?

以上、バートン・パインの弾く《エルガー:ヴァイオリン協奏曲》を「如何に受け入れるか」は、完全にリスナーの嗜好に依存すると私は思う(←私は彼女のエルガーを、その濃厚さ、聴き応えにおいて気に入ったのだが)。

・ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲について
このブルッフにおけるグァルネリの音に、私は、豊かさ、あるいは雄弁を聴く。

Stravinsky: Le Sacre du Printemps Boulez

Boulez_2

Stravinsky: Le Sacre du Printemps Boulez
フランス国立放送管弦楽団
録音:1963年6月18日 シャンゼリゼ劇場(ライブ)
ALT343/4

Boulez_1

同曲/Boulez
フランス国立放送管弦楽団
録音:1963年6月20, 21日 パリ(セッション)
TWCO-40

Works_of_igor_stravinsky

Works of Igor Stravinsky
The Rite of Spring (ballet)
Columbia Symphony Orchestra
Igor Stravinsky, conductor
(Recorded in 1960)

20世紀最大の作品「春の祭典」についてだけ言えば、ストラヴィンスキー自身の指揮の方が上手い。
ブーレーズの指揮は後年セッション録音されたものと同じ退屈なブーレーズ節だ。ワンパターン。さわがしいだけ。

2018年2月12日 (月)

(C) Apple Music 『ベル・カント・パガニーニ〜24のカプリース、無伴奏ヴァイオリン作品集』 レイチェル・バートン・パイン(2CD)/C. P. E. バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集 ヨハンナ・ローズ、ハビエル・ニュネス/J. S. バッハ:ヴァイオリン・ソナタ集 イザベル・ファウスト、クリスティアン・ベズイデンホウト(2CD)

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(C) Apple Music 検索キーワード:rachel barton pine

私の好きなヴァイオリニスト、レイチェル・バートン・パイン。

このアルバムの演奏はうまいと思うのだが、少し退屈する。

買わない。節約する。

「パガニーニ:24のカプリース/神尾真由子」の方が私の好みに合う。

【収録情報】
パガニーニ:
● パイジェッロの歌劇『水車小屋の娘』からの「虚ろな心」による序奏と変奏 ト長調 Op.38
● 24のカプリース Op.1
● 驚異の二重奏曲 Op.6『デュエット・フォー・ワン』
● 別れのカプリース Op.68

レイチェル・バートン・パイン:
● ニュージーランド国歌『神よニュージーランドを守り給え』による序奏、主題と変奏

 レイチェル・バートン・パイン(ヴァイオリン)

 録音時期:2015年8月31日〜9月3,5日、2016年11月28,29日、12月1,2日
 録音場所:シカゴ、セント・ポール・キリスト連合教会
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)





Johanna_rose
(C) Apple Music 検索キーワード:Johanna Rose

これは良い。買いたいが値段が高い(←アマゾンJPで2018年2月12日現在¥2,636)。

【収録情報】
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ:
● ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ニ長調 Wq.37
● ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ハ長調 Wq.36
● ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト短調 Wq.88
● チェンバロ・ソナタ イ短調 Wq.50-3

 ヨハンナ・ローズ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 ハビエル・ニュネス(チェンバロ)
 録音方式:ステレオ(デジタル)

(HMV.co.jp より)





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(C) Apple Music 検索キーワード:Bach Isabelle Faust

これは優等生的。しかも、うるさい。買わない。節約します。

【収録情報】
J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ集(オブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ集)

Disc1
● 第1番ロ短調 BWV.1014
● 第2番イ長調 BWV.1015
● 第3番ホ長調 BWV.1016
Disc2
● 第4番ハ短調 BWV.1017
● 第5番ヘ短調 BWV.1018
● 第6番ト長調 BWV.1019

イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
クリスティアン・ベズイデンホウト(チェンバロ)

【使用楽器】
ヴァイオリン:ヤコブ・シュタイナー 1658年製
チェンバロ:/ジョン・フィリップス、バークレー 2008年製(ヨハン・ハインリヒ・グレープナー(ジ・エルダー)、ドレスデン 1722年製モデル/トレヴァー・ピノックより貸与)

録音時期:2016年8月18-24日
録音場所:ベルリン、テルデックス・スタジオ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)

2018年2月 8日 (木)

(C) Apple Music プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番 リサ・バティアシュヴィリ、ヤニク・ネゼ=セガン&ヨーロッパ室内管弦楽団

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Batiashvili

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(C) Apple Music 検索キーワード:Batiashvili

これは買いだな。

【収録情報】
プロコフィエフ:
1. 騎士たちの踊り(『ロメオとジュリエット』から)
2. ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 op.19
3. グラン・ワルツ(『シンデレラ』から)
4. ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 op.63
5. 行進曲(『3つのオレンジへの恋』から)
 ヴァイオリンとオーケストラのための編曲:タマーシュ・バティアシュヴィリ(1,3,5)

 リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン)
 ヨーロッパ室内管弦楽団
 ヤニク・ネゼ=セガン(指揮)

 録音時期:2015年7月(2)、2017年2月(1,3,4,5)
 録音場所:バーデン=バーデン(2)、トゥールーズ(1,3,4,5)
 録音方式:ステレオ(デジタル)

(HMV.co.jp へのリンク)

(C) Apple Music エルガー:ヴァイオリン協奏曲、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 レイチェル・バートン・パイン、アンドルー・リットン&BBC交響楽団/エルガー:ヴァイオリン協奏曲、ヴォーン・ウィリアムズ:あげひばり ハーン、デイヴィス&ロンドン響

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Barton_pine

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(C) Apple Music 検索キーワード:Barton Pine

私の好きなレイチェル・バートン・パイン(Rachel Barton Pine)の新作。
エルガーのヴァイオリン・コンチェルトは、51分もあるよ。
これは買おうかな。

【収録情報】
● エルガー:ヴァイオリン協奏曲ロ短調 Op.61
● ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26

 レイチェル・バートン・パイン(ヴァイオリン)
 BBC交響楽団
 アンドルー・リットン(指揮)

 録音時期:2017年1月9-11日
 録音場所:ロンドン、BBCメディア・ヴェール・スタジオ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp へのリンク)






Hahn
(C) Apple Music 検索キーワード:Elgar Hahn

そういえば、エルガーのヴァイオリン協奏曲はヒラリー・ハーン盤もあったな。
私はそれを自宅全焼火災で失った。
ついでに、それも再取得しよう。

【収録情報】
■エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 作品61 [49:25]
I. Allegro [17:54]
II. Andante [12:09]
III. Allegro molto [19:22]
■ヴォーン・ウィリアムズ:あげひばり [16:11]

ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)
サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団

録音:2003年10月、12月 ロンドン〈デジタル録音〉

(HMV.co.jp より)

2018年2月 7日 (水)

京都リサイタル2017(ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30, 31, 32番)イリーナ・メジューエワ

Mejoueva

ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ第30番、第31番、第32番ほか
イリーナ・メジューエワ(ピアノ)
2017年ライブ録音


【収録情報】
『京都リサイタル2017』
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 op.109
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 op.110
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 op.111
● J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻〜プレリュード ヘ短調 BWV.857

 イリーナ・メジューエワ(ピアノ/1967年製ニューヨーク・スタインウェイ)

 録音時期:2017年6月9日
 録音場所:京都コンサートホール「アンサンブルホールムラタ」
 録音方式:ステレオ(デジタル24-Bit&96kHz/ライヴ)

(HMV.co.jp より)


恣意的。第32番(作品111)彼女は少し息切れしている。私の評価:星3.5Stars3


同演奏において、メジューエワはデュナーミクで勝負している(←ピアノが本来打楽器であることを考えればそれは当たり前だが...)。そのデュナーミクに伴うのは『溜め』と言うより『停滞』。
私はその停滞をメジューエワのエクスタシーと見た。そしてその停滞は『恣意的』である。

私の主観では、以前のメジューエワ(の演奏)には「彼女のコンサートを聴く聴衆」を驚かせながらも聴衆との対話のようなものがあったと思う。しかし同商品における彼女の演奏にはそれがないと私は思う(←ジャケット写真では彼女はスコアと対話しながらこちらに背を向けている)。

一般的に、演奏家が円熟期から巨匠期に移行するとき、その演奏家の演奏は新鮮さが失われがちだが、今回のメジューエワのベートーヴェンにはそれもない。同演奏における彼女の演奏はやはり新鮮である(!)。

第31番変イ長調作品110(2004年セッション録音)において、最終楽章の2度目の「嘆きの歌」のあと2度目のフーガに入る前、メジューエワは両手の和音を異様に遅く弾いていた(9分22秒あたり)。そして、同曲2009年セッション録音では、そのアプローチ(上記異様なテンポの遅さ)は薄れた。そして、今回の同曲2017年ライブ録音においてその「異様なテンポの遅さ」=「はったり」が復活している(9分13秒あたり)。

(しかしその「はったり」は、聴衆との対話ではなくメジューエワの彼女自身との対話、すなわち自己との対話であり、それは、たしかに面白い...が、彼女がライブ演奏で、それ(はったり)をやるのはリスナーである私を戸惑わせる。なぜならライブ演奏ではその「はったり」がメジューエワの「即興」=「保留された解(解釈)」なのか「最終的な解」なのか分からないからである。他方、思うに《修正可能なセッション録音》においては、彼女の「はったり」は、或る意味、彼女の「最終的な解」なのであろう。)

メジューエワによる前回の「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30, 31, 32番(2009年セッション録音盤)(下記)」よりも、彼女による今回の「ソナタ第30, 31, 32番(2017年ライブ録音盤)」の方が迫力がある。しかし、前者(2009年セッション録音盤)が...ありきたりな言葉だが...「繊細」であるのに対し、後者(2017年ライブ録音盤)は重く、乱暴、雑、そして攻撃的(!)。だが、後者(2017年ライブ録音盤)は下記の特質において、至る所、メジューエワのエクスタシーが感じられる:すなわちその特質とはフレーズの多彩(多様?)、癖、テンポ・ルバートなどである(←それらは、いかにもメジューエワらしい特質である)。

同演奏は左手がよく聞こえる。1967年製ニューヨーク・スタインウェイはベートーヴェンに合っていると私は感じた。

第32番(作品111)彼女は少し息切れしてないか?



【追記 ディスコフラフィー】

Mejoueva_1

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタNo.31、シューマン:交響的練習曲Op.13
イリーナ・メジューエワ
2004年セッション録音


Mejoueva_2

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタNos.10, 18, 23, 28, 30, 31
イリーナ・メジューエワ
2009年セッション録音


Mejoueva_1_2

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタNos.7, 15, 17, 29, 32
イリーナ・メジューエワ
2009年セッション録音

2018年2月 4日 (日)

(C) Apple Music 『イスラメイ - 100年の時を経て甦る、ピアノの黄金時代』 長富彩

Nagatomi
(C) Apple Music 検索キーワード:長富彩

この人の「ラヴェル:ラ・ヴァルス」は、なかなかうまいと思った。


【収録情報】
1. チャイコフスキー:花のワルツによるパラフレーズ(グレインジャー編曲)
2. サン=サーンス:白鳥(ゴドフスキー編曲)
3. バラキレフ:イスラメイ
4. グリンカ:ひばり(バラキレフ編)
5. ファリャ:アンダルシア幻想曲
6. グリフス:スケルツォOp.6-3
7. スクリャービン:幻想曲Op.28
8. ラヴェル:ラ・ヴァルス

長富彩(ピアノ)
使用楽器:1912製ヴィンテージ・スタインウェイ使用(Steinway CD368)

録音時期:2009年12月3-5日、2010年8月11日
録音場所:千葉県印旛郡栄町、ふれあいプラザさかえ文化ホール
録音方式:デジタル(セッション)

(HMV.co.jp より)

2018年2月 2日 (金)

(C) Apple Music スティーヴ・ライヒ(1936-):『パルス』 『カルテット』 インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル、コリン・カリー・グループ

Reich
(C) Apple Music 検索キーワード:steve reich: pulse / quartet - ep

眠くなる。買わない。


【収録情報】
ライヒ:
1. パルス (2015)
2. カルテット (2013)

 インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル(1)
 コリン・カリー・グループ(2)

 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

(HMV.co.jp より)

2018年1月26日 (金)

中島みゆきさんの『組曲(Suite)』<完全生産限定アナログレコード(LP)>/←たとえば、これ本物のアナログなのかな(?)/アナログ録音技術は、その環境も、人材も、職人技も、その歴史も、今日、失われていると思う

Nakajima

中島みゆきさんの『組曲(Suite)』<完全生産限定アナログレコード(LP)> [Analog] Limited Edition

これは、

音楽の本場アメリカ、ロサンゼルスの著名なマスタリングエンジニア、スティーブン・マーカッセンによりマスタリングされた24bit/96kHzハイレゾマスター音源を、アナログ・レコードのカッティングの第一人者とも呼ばれているJVC のカッティングエンジニア、名匠・小鐵 徹氏のカッティングによって商品化。(Amazon.co.jp より)

「24bit/96kHzハイレゾマスター音源」はデジタル(?)
すなわち「ハードディスク」に記録されたもの(?)
そうであれば、大本(おおもと)がデジタルなのだから、それをアナログレコードに記録してもアナログの音は出ないのではないか(?)
昔のように、アナログ・オープンリール・テープレコーダーに録音しなきゃ(!)

しかし、もし仮に、たとえ今日において、昔の方法で「アナログレコード」を製作したとしても(すなわち昔のアナログレコード製作方法を踏襲しても)、当時のアナログ録音技術は、その環境も、人材も、職人技も、その歴史も、今日、失われていると思う。

【結論】

「アナログレコード」は、アナログ時代に製作された商品すなわち「中古」にしか価値ない・・・。
素人の私はそう考えますが・・・。

【追記】

私は、2009年、私の自宅の全焼火災で、アナログ・レコード環境を焼損し、その後、アナログ・レコード環境を再取得していないので、同商品の CD 盤と LP 盤を購入して両者の音を比較することができない。

2018年1月25日 (木)

Irina Mejoueva plays Bösendorfer

Mejoueva

Irina Mejoueva plays Bösendorfer
2017年セッション録音


私の評価:このアルバムは音響的に成功している:Stars5


【前書き】

<---引用ここから--->
ベーゼンドルファーなどのヨーロッパの名門メーカーは、ピアノをチェンバロの発展形として、音響的に残響豊かな宮廷で使用する前提でピアノを造っていた。これに対しスタインウェイは、産業革命により豊かになったアメリカ市民が利用していた、数千人を収用できる音響的に貧弱な多目的ホールでの使用を念頭においていた。そのために、今では常識となっている音響工学を設計に初めて取り入れた。結果、スタインウェイは構造にいくつか特色がある。(ウィキペディア、スタインウェイ・アンド・サンズの項より)
<---引用ここまで--->

【本文】

『ベーゼンドルファーはチェンバロの発展形(上記参照)』。筆者が思うにベーゼンドルファーは、或る意味、打楽器的ではない(!)。そして、1000人収容のコンサートホールにおいて「ベーゼンドルファー・インペリアル」で「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲《皇帝》」を弾くときなどは、ピアニストには、バックハウス並みの豪快さ、名人芸的技巧が要求されるだろう。

さて、同アルバムにて、メジューエワが弾いているのは「ベーゼンドルファー モデル 290 インペリアル(97鍵)」ではなく「ベーゼンドルファー モデル 275(1991年頃製造、92鍵)」だ。だが、後者の低音の迫力は前者に劣らぬ。されば、その音を如何に録音するか? (ベーゼンドルファーという楽器は録音が難しい楽器・・・らしい)

昔、私の知り合いの或る学者さんが(=チェンバロのエキスパートさんが)

>>チェンバロは、その胴体の中に、頭を突っ込んで聴くと一番良い音が聴ける

と冗談を仰ってましたが「ベーゼンドルファー」もまた《胴体の中に、頭を突っ込んで》=《オンマイクで》録音するのが良いか? はたまた、その響きをやや遠方から拾えば良いのか? 


その難題を、同アルバムは解決していると思う。すなわち:


1.同録音の「特徴」は、ベーゼンドルファーの「特徴」であるところの《こもった音》・・・その《こもった音》の《うなり》が良く録れていること。それは、楽器とマイクとの距離が適度であることを物語っていると思う。

2.他方、メジューエワの怪演・・・その怪演の際、その《こもった音》の中、彼女の打鍵がノイズなく聴ける。

上記、1.2を快く聴かせる音盤を私は他に知らない。

という訳で・・・たまにこういう演奏・録音を聴かせるメジューエワ・・・彼女からは目を離せない(!)。

「うなり」についてはウィキペディア参照のこと。

【参考】 私のオーディオ環境:TANNOY Stirling HW, LUXMAN L-560, marantz sa-11s1


【収録情報】

イリーナ・メジューエワ・プレイズ・ベーゼンドルファー〜ベートーヴェン:テンペスト、ワーグナー/リスト編:イゾルデの愛の死、ドビュッシー:沈める寺、他

● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 op.31-2『テンペスト』
● シューベルト:即興曲 変イ長調 op.142-2
● シューベルト/リスト編:連祷
● リスト:エステ荘の噴水
● ワーグナー/リスト編:イゾルデの愛の死
● ドビュッシー:沈める寺
● ラフマニノフ:プレリュード op.32-12

 イリーナ・メジューエワ(ピアノ/ベーゼンドルファー Model 275)

 録音時期:2017年4月23日
 録音場所:神奈川県、相模湖交流センター
 録音方式:ステレオ(デジタル96kHz-24Bit/セッション)

(HMV.co.jp より)

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