2017年12月13日 (水)

リスト:巡礼の年 第2年 《イタリア》 《ヴェネツィアとナポリ》/イリーナ・メジューエワ

Mejoueva

フランツ・リスト:
巡礼の年 第2年 《イタリア》 《ヴェネツィアとナポリ》
イリーナ・メジューエワ
2017年録音


私の評価:失敗作。単調:Stars2


フランツ・リストの巡礼の年 第2年 《イタリア》 は、ラファエロ、ミケランジェロ、ペトラルカ、ダンテなどの芸術・文学にインスパイアされた作品集。
しかし、メジューエワは、彼女のタッチを生かしながらも(「ダンテを読んで」「補遺」)
力づくで弾いている。
上記、芸術・文学のイメージが湧いてこない。
これはオススメしない。

追伸)第1曲「婚礼」の冒頭を聴いたときは、良い演奏だと思ったのだが・・・・。


【譜例】

Sposalizio_1
「婚礼」の冒頭(midi


Dante_sonata_1
「ダンテを読んで」 序奏(midi


Liszt_dante_sonata_2
「ダンテを読んで」 第1主題(midi


Dante_sonata_3
「ダンテを読んで」 第2主題(旋律と和音のみ。midi

2017年12月10日 (日)

私の声が聞こえますか/みんな去ってしまった/中島みゆき

1st_2
1st 『私の声が聞こえますか』 1976年4月25日発売


中島みゆきさんのファースト・アルバム『私の声が聞こえますか』

このアルバムにおける中島みゆきさんは、初々しい・・・というか、可愛い。あどけなく、優しい。

以下、主な楽曲についてコメントします。

●あぶな坂
記念すべきファースト・アルバムの第1曲は、ふるさとを捨てた者たちに投げかけられた歌。「あぶな坂」とは「中島さんの歌の世界」に転げ落ちゆく「下り坂」のことだろう。

●あたしのやさしい人
ブルージーまたはジャズっぽい。
サード・アルバム『あ・り・が・と・う』の「サーチライト」の歌詞に歌われるように、彼女のファースト・アルバム&セカンド・アルバムにはブルースが多い。

●信じられない頃に
一転して、フォークソング調の3拍子。例によって《すれ違い》の歌。ソプラノで歌われている。←私、この曲は好きだなあ。

●海よ
名曲。優しい。だが、流浪の歌。

●アザミ譲のララバイ
中島みゆきさんのデビュー・シングル。比較的軽快な3拍子系。中島さんの歌詞には珍しく「ララバイ」という語が連呼される。
夜に悩める魂を受け入れる。

●ひとり遊び
これは多分、ひとりぼっちの鬼ごっこ。これも「鬼さんこちら 手の鳴るほうへ」が、連呼される。少し気味の悪い旋律を持つ佳作。

●「悲しいことはいつもある」は、ジャズ(!)。アイロニカル。

●「歌をあなたに」は、正調フォークソング。メッセージソング。応援歌。

●「渚便り」これも正調フォークソング。中島さんの初期の作曲技法が聞けると思う。

●時代
異論もあるだろうが、この曲は中島みゆきさんの最高傑作だと私は思う。
「ファイト!」も「地上の星」も名作であろうと思うが「時代」を超えることはできなかった。





2nd
2nd 『みんな去ってしまった』 1976年10月25日発売


中島みゆきさんのセカンド・アルバム『みんな去ってしまった』は、彼女が「どの方向に行けば良いかを模索している・・・」ように聞こえるアルバム。

以下、各曲ごとに、コメントを書きます。

●雨が空を捨てる日は
歌詞の内容は「中島流」だが音楽はまるで歌謡曲のようです。

●彼女の生き方
一転して、フォークソング調。反抗の歌。いきなり、
♪酒とくすりで 体がズタズタ

中島さんは、20代の時から薬をやっていたのか。←少し怖いが、私の好きな曲。

●トラックに乗せて
正調ブルース。
この曲に、のちの中島さんのモチーフ「悪女」の片鱗がうかがえる。すなわち、グレている。

●「流浪の詩」はカントリー調。長いイントロを持つ。リズミック。8ビートに始まり16ビートに行く。
(「妬いてる訳じゃないけれど」もややカントリー調)。

●真直な線
ブルース。ジャニス・ジョプリン的イントロ。歌唱の部分はアップテンポに移行しロック調になる。中島さんのため息がまだ色気ない。

●「五才の頃」「忘れられるものならば」は名曲「時代」に聞かれるシンガー・ソング・ライターとしての中島さんの実力が聞ける。

●冬を待つ季節
♪春夏秋は 冬を待つ季節

このフレーズは平凡だが、なぜか、共感させられる。

●夜風の中から
4作目のシングル。4ビートの佳作。その歌詞は男性に仮託して書かれている。

●03時
この歌のモチーフは《すれ違い》。←それはのちにしばしば歌われる。

●うそつきが好きよ
軽快なロック調。ひねくれまくっている。

●忘れられるものならば

中島さんは、その後、この路線を行く。すなわち、失意と旅の歌。

・まとめ
このアルバムには中島さんの芸達者を聞けるが、まだ統一性がありません。
彼女は次のサード・アルバム『あ・り・が・と・う』で跳躍し、次の次のアルバム『愛していると云ってくれ』でさらに跳躍する。
このアルバム『みんな去ってしまった』は、その「甘ったるさ」が、耳触り良い。私、このアルバムが好きです。

「ショパンの旅路/高橋多佳子(7CD)」を少しずつ聴く(DISC 6, 7)

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Takahashi

ショパンの旅路
高橋多佳子
2000年〜2003年録音



● DISC 6 「霊感の泉」〜ノアンとパリ II

・バラード第4番 へ短調 作品52(譜例はココを参照のこと)
コーダのカタストロフィは、イマイチ効果的ではない。

・スケルツォ第4番 ホ長調 作品54
全体的にやや粗いが、後半の盛り上がりは快い。

・幻想曲 へ短調 作品49(譜例はココを参照のこと)
この荒っぽい演奏は、アヴデーエワ盤より良いかもしれない。

・3つのマズルカ(作品56)は、第2番が気に入った。

・ポロネーズ第6番 変イ長調 作品53『英雄』
中間部の強烈な打鍵は迫力あるが、その後の叙情的なパッセージは、もっと官能的に弾いて欲しかった。

・「子守歌 変ニ長調 作品57」は美しいが、ユニークさにおいて完璧ではないと思う。

● DISC 7 「白鳥の歌」〜ノアンとパリ III

・ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58
フィナーレの技巧は激しい。美しい。スリルある。

・舟歌 嬰ヘ長調 作品60
抑制されるべきところは抑制し、他方「フォルティッシモ」は強い。そして、晩年のショパンの論理的技法を表現し得ていると思う。

・ポロネーズ第7番 変イ長調 作品61『幻想ポロネーズ』
『舟歌』と同様、抑制されているが、緊張感はかろうじて保たれていると言って良いと思う。最後の再現部は自然体。

・ノクターン第17番 ロ長調 作品62-1
これまた抑制された情念。
これは私が今までに聴いた「作品62-1」の中でもベストの部類に入るのではないだろうか?

●この商品全体のまとめ
総じて正統派であるが、ややムラがある。



【収録情報】
DISC 6
・バラード第4番
・即興曲第3番
・スケルツォ第4番
・ノクターン第16番
・幻想曲
・3つのマズルカ(作品56)
・ポロネーズ第6番『英雄』
・子守歌

DISC 7
・ピアノ・ソナタ第3番
・3つのマズルカ(作品59)
・舟歌
・ポロネーズ第7番『幻想ポロネーズ』
・ノクターン第17番
・マズルカ ヘ短調

(HMV.co.jp より)

2017年12月 7日 (木)

「ショパンの旅路/高橋多佳子(7CD)」を少しずつ聴く(DISC 4, 5)

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/7cddisc-6-7-fb5.html に続く

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Takahashi

ショパンの旅路
高橋多佳子
2000年〜2003年録音



● DISC 4 「マヨルカの風」〜マヨルカ島にて

・24の練習曲 作品28
優雅に弾いている。力強い曲もある。自然体あり、あるいはまた、恣意的演奏あり。最後の曲は技巧に聴き応えあり。ただし、この「24の練習曲」は、楽曲と楽曲のつながりが悪いと思う。←変な例えだが組曲に聞こえる。

・バラード第2番 へ長調 作品38
私はショパンのバラード2番という曲をよく知らないが、この演奏は高橋の技巧が生きていると思う。激しい。

・4つのマズルカ(作品41)は、逆に力強すぎる。

・スケルツォ第3番 嬰ハ短調 作品39
この演奏も高橋の技巧が生きていると思う。特にフィニッシュは圧巻、最高。

● DISC 5 「サンドとの愛」〜ノアンとパリ I

・ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35 『葬送』
この『葬送』第1、2楽章は騒がしい。しかし、対照的に第3楽章は美しい。

・即興曲第2番 嬰ヘ長調 作品36
軽やか。

・ノクターン第13番 ハ短調 作品47
物悲しくも、乱れるのが良い。

・「3つの新練習曲」は多分あまり弾かれない作品。小品ながら説得力ある演奏だと思う。

・「前奏曲 嬰ハ短調 作品45」は、映画音楽みたいだ。美しい。



【収録情報】
DISC 4
・24の前奏曲
・ノクターン第12番
・バラード第2番
・ポロネーズ第3番『軍隊』
・4つのマズルカ(作品41)
・スケルツォ第3番

DISC 5
・ピアノ・ソナタ第2番『葬送』
・即興曲第2番
・ポロネーズ第5番
・タランテラ
・バラード第3番
・ノクターン第13番
・3つの新練習曲
・前奏曲 嬰ハ短調 作品45

(HMV.co.jp より)

2017年12月 4日 (月)

「ショパンの旅路/高橋多佳子(7CD)」を少しずつ聴く(DISC 1, 2 & 3)

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/7cddisc-4-5-525.html に続く

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Takahashi

ショパンの旅路
高橋多佳子
2000年〜2003年録音


これは、日本人によるショパンに聞こえる。やっぱ、例えばスラブ系の人には負ける。だが、日本人も河村尚子さんのように頑張っている人がいるので、先入観なしに、これを聴こう。

このシリーズには、ショパンの生涯に渡る作品を年代順に構成したもの(各ディスクに表題がついている)。よって、ショパンの伝記を音楽で俯瞰できるのが良い。


● DISC 1 「ポーランドの心」

・練習曲 作品10
この人は、良い意味で不器用、そしてストレートな演奏をする。技巧、解釈、情感、力強さ、オリジナリティー、いずれも傷がない・・・が「もっと言いたいことを語り尽くしても良かった」かも知れない。だが、彼女の演奏の饒舌すぎないこと・・・それは良いと思う。

・『ドン・ジョヴァンニ』の『お手をどうぞ』による変奏曲 作品2 ピアノ独奏版
華やかな技巧。そして、この演奏からは「ショパンを弾く歓び」が聴こえるかも知れない。

・ノクターン第20番
文字通り表現豊かな演奏(コン・グラン・エスプレッシオーネ)だが、他のピアニストより良いとは思えなかった。

・ワルツ第13番&第14番&変奏曲『パガニーニの思い出(←これは6拍子)』
ショパンはワルシャワ時代にもワルツを書いたんですね。上記3曲、隠れた佳作を高橋はものにしている。


● DISC 2, 3 「旅立ち」〜ワルシャワからパリへ

・ノクターン 第3番 ロ長調 作品 9-3
このノクターンは私の好みに合う。高橋はノクターンがうまいのかも・・・。

・ボレロ ハ長調 作品 19
「ポロネーズ風ボレロ Boléro à la Polonaise(ニークス)」

・スケルツォ第1番 ロ短調 作品20
面白くない。小林愛実さんの方が迫力あるかも知れない。

・アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22
やっぱりこの人は「不器用でストレート」だと思う。悪い演奏ではないと思うが・・・。

・バラード第1番 ト短調 作品23
大音量で聴くと気持ちいい。ただし第2主題が弱いと思う。

・12の練習曲 作品25
これは冴えない。激しさが生きてない。

・スケルツォ第2番 変ロ短調 作品31
同上。

・「ヘクサメロン変奏曲(第6変奏)」は珍しい曲。演奏も悪くない。



【収録情報】
DISC 1
・12の練習曲(作品10)
・『ドン・ジョヴァンニ』の『お手をどうぞ』による変奏曲
・ポロネーズ第11番&第12番
・マズルカ第49番&第50番
・ノクターン第20番『レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ』
・ワルツ第13番&第14番
・変奏曲『パガニーニの思い出』

DISC 2, 3
・ノクターン第3番
・ワルツ第1番『華麗なる大円舞曲』
・ボレロ
・スケルツォ第1番
・アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
・バラード第1番
・12の練習曲(作品25)
・即興曲第1番
・スケルツォ第2番
・4つのマズルカ(作品33)
・へクサメロン変奏曲

(HMV.co.jp より)

(C) Apple Music ブルックナー:交響曲全集(第00番〜第9番)、ミサ曲第3番、詩篇146、オルガン曲集 ゲルト・シャラー&フィルハーモニー・フェスティヴァ(18CD)

Schaller
(C) Apple Music 検索キーワード:Bruckner 8 Schaller

シャラーのブルックナーは、全集が完成したということなので、第8番のフィナーレだけを聴いて見た。
シャラーの演奏は、カラヤン、ヴァントのような古いタイプに思えた。これは、悪い演奏ではないが普通の演奏。
これは美しい。が、物足りない。買わない。

・ゲルト・シャラーのブルックナー全集の収録情報は HMV.co.jp を参照のこと。

(C) Apple Music ワーグナー:『ジークフリート』全曲 ヤープ・ファン・ズヴェーデン&香港フィル、マティアス・ゲルネ、サイモン・オニール、他(2017 ステレオ)(4CD)/ワーグナー:アリア集 ニーナ・シュテンメ、フランツ・ヴェルザー=メスト、小澤征爾、ウィーン国立歌劇場(2003-2013)

Zweden
(C) Apple Music 検索キーワード:Wagner Zweden

《ジークフリート》第3幕、ジークフリートとブリュンヒルデの二重唱は何だか古臭い歌い方をしている。過去に発売された《ジークフリート》第3幕との差別化がないと思う。これは美しい演奏だが美しいだけではダメだ。

《ジークフリート》第3幕の幕が下りる直前にて『もう神々の滅亡は決定的になったこと』を言い表すためには「トンデモナイ歌唱」が要求されると思うが、この演奏はその点、弱いと思う。
やっぱり退屈する。買わない。

【収録情報】
● ワーグナー:『ジークフリート』全曲

 ジークフリート…サイモン・オニール(テノール)
 ミーメ…デヴィッド・ケンジェロシ(テノール)
 さすらい人…マティアス・ゲルネ(バス・バリトン)
 アルベリヒ…ヴェルナー・ファン・メケレン(バス・バリトン)
 ファーフナー…ファルク・シュトルックマン(バス・バリトン)
 森の小鳥…ヴァレンティナ・ファルカス(ソプラノ)
 エルダ…デボラ・ハンブル(メゾ・ソプラノ)
 ブリュンヒルデ…ハイディ・メルトン(ソプラノ)
 香港フィルハーモニー管弦楽団
 ヤープ・ファン・ズヴェーデン(指揮)

 録音時期:2017年1月6-25日 ライヴ録音
 録音場所:香港カルチュラル・センター・コンサート・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

(HMV.co.jp より)




Stemme
(C) Apple Music 検索キーワード:Wagner Stemme

《ジークフリート 第3幕》
不老不死の神性から、人間の乙女になってしまったブリュンヒルデ。
この場面で、ブリュンヒルデを歌う歌手は、神と人間の両面を歌わなければならないが、ステンメの歌唱には神性も乙女チックもない。

また《ジークフリート 第3幕》で、ブリュンヒルデは「指輪の呪い」を忘れてしまう。神々の黄昏が決定的になってしまう。ステンメの歌唱にはその切迫感がない。
また《ジークフリート 第3幕》大団円・・・迫力に乏しい。平凡か(?)。退屈してしまう。

イゾルデもイマイチか(?)。
買わない。

【収録情報】
ワーグナー:
1. 『さまよえるオランダ人』より「Johohoe! Traft ihr das Schiff im Meere an(ヨホホヘ! 大海原で、おまえたち、出会ったことがおありかね)」
2. 『さまよえるオランダ人』より「Wirst Du des Vaters Wahl nicht schelten?(おまえは、お父さんの選択に抗議しないのかい?)」
3. 『ワルキューレ』より「Raste nun hier, gonne Dir Ruh!(ここで止まろう! 休もう!)」
4. 『ジークフリート』より「Heil dir, Sonne! Heil dir, Licht!(お日さま・・・ありがとう! 光よ・・・ありがとう!)」
5. 『ジークフリート』より「 O Siegfried! Siegfried! Seliger Held!(ああ、ジークフリート! 幸せな勇者!)」
6. 『ジークフリート』より「Dort seh'ich Grane, mein selig Ross(あら、グラーネがいたわ。かわいい私の馬・・・)」
7. 『ジークフリート』より「Ewig war ich, ewig bin ich(永劫の昔から、ずっといつも)」
8. 『トリスタンとイゾルデ』より「Erfuhrest du meine Schmach(さあ、私の恥辱の意味を知りたいのなら)」
9. 『トリスタンとイゾルデ』より「Mild und leise wie er lachelt(イゾルデの愛の死)」

ニーナ・シュテンメ(ソプラノ)
トルステン・ケルル(テノール:1)
ファルク・シュトルックマン(バリトン:2)
フランツ・ハヴラタ(バス:2)
ヨハン・ボータ(テノール:3)
スティーヴン・グールド(テノール:4-7)
ウィーン国立歌劇場合唱団(1)
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
小澤征爾(指揮:1,2)
フランツ・ヴェルザー=メスト(指揮:3-9)

録音時期:2003-2013年
録音場所:ウィーン、国立歌劇場
録音方式:ステレオ(ライヴ)

(HMV.co.jp より)

2017年12月 1日 (金)

臨月/中島みゆき

8th

臨月/中島みゆき(1981年)


このアルバムに含まれる楽曲中、私の好きなフレーズ(あるいは気になるフレーズ)を集めて見ました。

●第2曲『あなたが海を見ているうちに』
イントロは、長調に始まる。この歌、私は大好きなんですけど。

・第7行
♪忘れないでね 忘れたいんだ
♪言えない言葉 背中から背中へ
・最後の4行
♪持ったサンダル わざと落として
♪もう一度だけ ふり返りたいけれど

この歌の主人公は国道を裸足でさまよう。そこまでして、彼女は恋人への思いを断ち切る。

●第3曲『あわせ鏡』
♪グラスの中に自分の背中がふいに見える夜は
♪あわせ鏡を両手でくだく 夢が血を流す

前も後ろも包み隠さず見えてしまうあわせ鏡。

♪つくり笑いとつくり言葉で あたいドレスを飾るのよ
♪袖のほつれたシャツは嫌なの あたい似合うから

主人公Aさんには、華やかなドレスは似合わない。
Aさんはクスリと酒が必要。つまり彼女の精神はすさんでいる。
Aさんはそれを無理に隠そうとするが、そのことを他者は知っている。

♪放っておいてと口に出すのは本当はこわいのよ
♪でもそう言えば誰か来るのをあたい知っているの

Aさんは『放っておいて』と言うのは怖い。なぜなら、そんなこと言うと、他者から見放されてしまうから。
しかし、いざという時『放っておいて』と、もらすことによって「誰かが来ること」をAさんは期待している。

●第4曲『ひとり上手』
F#m A Bm D C#7
♪私の帰る家はあなたの声のする街角
F#m C#m7 Bm7 C#7 F#m
♪冬の雨に打たれて あなたの足音をさがすのよ

ここでC#m7に行くのがいい。

♪心が街角で泣いている
♪ひとりはキライだとすねる

私はこのフレーズが何故か大好き。

●第5曲『雪』
三連符のピアノ伴奏。
「亡き父親の事を歌った曲である(ウィキペディアより)

●第6曲『バス通り』
私は30年前にこの曲を聴いたとき、この曲の「シチュエーション」はあり得ないと思った。しかし、今よく聴いて見るとそうではなかった:

そもそも、Aさん(=私)とBさんは昔この『店』でよく待ち合わせしたり、デートしたりしていたのだ。
そしてAさんとBさんは今から『一年半前』に別れた・・・しかし二人はその後もしばしばこの店を訪れていたのかも知れない。
そしてある日、Aさんは『昔』を偲んで(あるいはBさんとまた会えるかも知れないと期待しつつ)この店を訪れていた。
そこへBさんが、Cさん(Bさんの新しい恋人)同伴でこの店を訪れ、Aさんに気づかれることなくAさんが座っていたボックス席の隣のボックス席に座った。

これなら筋が通る。

♪私は ガラスの指輪をしずかに落とす

過去との決別。

●第7曲『友情』
♪時代というの名の諦めが
♪心という名の橋を呑み込んでゆくよ

『時代』って、中島さんの代名詞と言ってもいい代表作・名曲ですよね。その曲を否定するようなこの歌詞は、一体何なんでしょう?
「生まれ変わって歩き出すよ」という希望はもはや無いのでしょうか?

●第1曲『あした天気になれ』
最後のフレーズの
♪あした天気になれ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

みゆきさんのものすごい肺活量。

実は、この肺活量を聴きたくて私は中島みゆきさんの『臨月』を購入したのです。

●最終曲『夜曲』のハーモニカは切ないね。

2017年11月28日 (火)

Homage Vilde Frang, violin José Gallardo, piano

Frang

Homage
Vilde Frang, violin
José Gallardo, piano
2017年録音



私の評価:辛いがStars1_3


個性、自己流、自己主張を経て、自己満足に至る。

このアルバムを最初に聴いた時、フラングの良い意味でのバランス感覚、選曲の良さなどが聞こえたが、何度も聴いているうちに飽きてしまった。

ハイフェッツ&クライスラー編曲は、いかにも「ハイフェッツ&クライスラー」に聞こえる。シューマンの《献呈/アウアー編曲》を聴くと、レオポルト・アウアーって、こんな人だったのかと思わせられる。それらは良し。

しかし、問題は、フラングの作品に対するスタンス(?)あるいはアプローチ(?)。それらが単調に思えること。音楽が単調。

むしろ、フラングの技巧が冴えているので彼女の失敗が目立つ。こういうのは大音量で聴くと良いはずだが、大音量で聴いても良くなかった(TANNOY Stirling HW, marantz sa - 7s1, LUXMAN L - 560)。

これは、BGM 以上でも以下でもない。背伸びしている。物真似している。


【収録情報】
1. リース:ラ・カプリチョーザ
2. シューマン/アウアー編:献呈
3. ヴィエニャフスキ:オルベルタス
4. グルック/クライスラー編:メロディ
5. シューベルト/クライスラー編:『ロザムンデ』からのバレエ音楽
6. ポルドフスキ:タンゴ
7. ドビュッシー/ロケ編:レントより遅く(ワルツ)
8. ヴィエニャフスキ/クライスラー編:サルタレッロ
9. スクリャービン/シゲティ編:エチュード Op.8-10
10. クライスラー:ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
11. クライスラー:ジプシー奇想曲
12. ドヴォルザーク/クライスラー編:スラヴ舞曲ホ短調 Op.46-2
13. プロコフィエフ/ハイフェッツ編:仮面
14. メンデルスゾーン/クライスラー編:無言歌 Op.62-1
15. アルベニス/ハイフェッツ編:セビーリャ
16. ポンセ/ハイフェッツ編:メキシカン・セレナーデ
17. バッツィーニ/ハイフェッツ編:カラブレーゼ Op.34

 ヴィルデ・フラング(ヴァイオリン)
 ホセ・ガヤルド(ピアノ)

 録音時期:2017年3月
 録音場所:オスロ、ソフィンバル教会
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)

Beethoven: Violin Sonatas 3/4/9 Kreutzer Francesca Dego Francesca Leonardi

Dego

Beethoven:
Violin Sonatas 3/4/9 Kreutzer
Francesca Dego, violin
Francesca Leonardi, piano
2013年録音


私の評価:辛いが期待はずれなので Stars1_2


「Violin Sonatas 6/7/10」で聴かせた独特な「ヴァイオリンの太い音」は少し聞こえるが、このアルバムは期待はずれ。

力強い演奏。大音量で聴くとエレガントとは言えず少し粗い。大音量で聴くと少しうるさい。デゴ&レオナルディの弾く《クロイツェル》の力任せの演奏は作品に合ってると思いきや、やっぱり粗いと聞こえた(フィナーレは退屈する)。

結局、フランチェスカ・デゴ(ヴァイオリン)&フランチェスカ・レオナルディ(ピアノ)のベートーベンは「Violin Sonatas 6/7/10」のみが良く「Violin Sonatas 1/2/5」は悪くなく「Violin Sonatas 3/4/9 Kreutzer」は、魅力ない。


【収録情報】
ベートーヴェン:
● ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調 Op.12-3
● ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調 Op.24
● ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 Op.47『クロイツェル』

 フランチェスカ・デゴ(ヴァイオリン)
 フランチェスカ・レオナルディ(ピアノ)

 録音時期:2013年
 録音場所:イタリア
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)

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