2018年11月19日 (月)

Arvo Pärt Viktoria Mullova Estonian National Symphony Orchestra Paavo Järvi

Part

Arvo Pärt
Viktoria Mullova (violin)
Estonian National Symphony Orchestra
Paavo Järvi (conductor)
2017年録音

Tabula rasa (1977)
Fratres (1991)
Passacaglia Tabula Rasa (2003)
Darf ich… for violin, bells & strings (1995/99)
Spiegel im Spiegel for violin & piano (1978)


【結論】
上手いのだが、差し障りのない演奏であり魅力ない。

ムローヴァは名手だし、このアルバムにおいて彼女は熱演しているし演奏は美しい(M2 Fratres は Anne Akiko Meyers, Zhi-Jong Wang より上手い)。作曲者の意図に忠実、作品に忠実な演奏は多数ある(アンネ=ゾフィー・ムターのグバイドゥーリナなど)。もとより、作曲者自身の演奏・指揮、作曲家立会いのもとで録音された演奏というのは信頼できる。例えば、私はストラヴィンスキー自身が指揮した《春の祭典》を好きだ。「指揮が上手い作曲者」が自作自演するとき、それは上手く行くことがある(ペンデレツキなど)。だが、その作曲者自身が気づかないその作品の魅力・個性というものは、むしろ、作曲家自身による演奏、または、このアルバムのように作曲者自身の眼の前で録音された演奏(注:犬のマークのレコード屋さんの商品説明によるとこのアルバムはアルヴォ・ペルトの眼の前で録音された演奏)よりも、場合によっては《本質》に近いこともあろう。このアルバムは、アルヴォ・ペルトの立会いのもとペルトの代表作を収録した『ベスト・オブ・ペルト』である…そのことには意義があるだろう…が、それ以上ではない。
ただし、アルヴォ・ペルトと同じくエストニア出身であるパーヴォ・ヤルヴィのサポートは悪くない…というより上手いと思う。


【収録情報】
ペルト:
1. タブラ・ラサ (1977)
2. フラトレス (1977)
3. パッサカリア (2003)
4. ヴァイオリン、ベルと弦楽のための『ダルフ・イッヒ...』 (1995/99)
5. ヴァイオリンとピアノのための『鏡の中の鏡』

 ヴィクトリア・ムローヴァ(ヴァイオリン)
 リーアム・ダナキー(ピアノ:5)
 エストニア国立交響楽団(1-4)
 パーヴォ・ヤルヴィ(指揮:1-4)

 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)

2018年9月16日 (日)

Mirror in Mirror Anne Akiko Meyers, violin Akira Eguchi, piano Philharmonia Orchestra Kristjan Järvi, conductor

Meyers

Mirror in Mirror
Anne Akiko Meyers, violin
Akira Eguchi, piano
Philharmonia Orchestra
Kristjan Järvi, conductor
2016/18年録音

01 Philip Glass: Metamorphosis II (1988) Arr. for Violin and Piano [7:15]
02 Arvo Pärt: Fratres (1977) [10:44]
03 Arvo Pärt: Spiegel im Spiegel (1978) [7:17]
04 Maurice Ravel: Tzigane (1924) original luthéal versin [9:46]
05 John Corigliano: Lullaby for Natalie (2010) [4:51]
06 Jakub Ciupinski: Edo Lullaby (2009) violin/electronics [6:21]
07 Jakub Ciupinski: Wreck of the Umbria (2009) [10:46]
08 Morten Lauridsen: O magnum mysterium (1994) [6:43]
Philharmonia Orchetra / Kristjan Järvi


私の評価:Stars3

このアルバムにおける「エレクトロニクス・サウンド」は要らなかったのじゃないだろうか? このアルバムは、アコースティックだけで演奏しても良かったのじゃないかな? なぜなら、アン・アキコ・マイヤースのヴィオリン演奏は灰汁が強い…それだけでも聴き応えがあるからだ…したがって「エレクトロニクス」は邪魔だろう(ヴァイオリンとエレクトロニクスのコラボ、上手いってないよ)。だが、それでも、このアルバムにおいて、彼女の魅力は生きていると思う。ただし(褒めてすぐ貶すのは私の悪い癖だが)このアルバムのさらなる欠点は、そのコンセプトが分からないこと…。繰り返すが聴き応えはある。よって、私の評価:星3.5。


【収録情報】
1. グラス:メタモルフォーシスII(1988)
2. ペルト:フラトレス(1977)
3. ペルト:鏡の中の鏡(1978)
4. ラヴェル:ツィガーヌ(1924/オリジナル・リュテアル版)
5. コリリアーノ:ナタリーのための子守歌(2010)
6. ヤクブ・チュピンスキ:エド・ララバイ(2018)(ヴァイオリン/エレクトロニクス)
7. チュピンスキ:海の底のウンブリア号(2009)(ヴァイオリン/エレクトロニクス)
8. ローリゼン:おお、大いなる神秘(1994)

アン・アキコ・マイヤース(ヴァイオリン)
江口 玲(ピアノ:1,2,3,5)
エリザベス・プリジェン(キーボード:4)
ヤクブ・チュピンスキ(リュテアル・リプロダクション:4)
クリスチャン・ヤルヴィ指揮、フィルハーモニア管弦楽団(8)

録音時期:2018年5月3日(1,2,3,5)、2016年5月31日(4,6,7)、2016年5月9日(8)
録音場所:ニューヨーク(1-7) ロンドン(8)
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
世界初録音 or このバージョンによる世界初録音(1,5,6,7,8)

(HMV.co.jp より)


【追記1】
M2. アルヴォ・ペルト:ヴァイオリンとピアノのための『フラトレス』 (1977/1980) をジジョン・ワンの同曲演奏と、聴き比べてみたが、その聴き比べは、あまり面白くなかった。この作品を面白く演奏するのは難しいのかな?

【追記2】
M3. ペルト:鏡の中の鏡(1978)はピアノ・アルペジオ(3連符?)の合間に入る低音が、作品を引き締めていると思う。

2018年7月 7日 (土)

ブライト・シェン:『流れ』/ペルト:『フラトレス』/シュニトケ:『ア・パガニーニ』/アウレルバッハ:『孤独の組曲』/グバイドゥーリナ:『綱渡りの踊り子』/ジジョン・ワン&ヤシュアンジ・シエ

Zhijong_wang

Dō (Pathways)
Zhi-Jong Wang, violin
Yashuangzi Xie, piano
2014年録音


Bright Sheng (*1955)
The Stream Flows for Solo Violin (1990) [09'15]

Arvo Pärt (*1935)
Fratres for Violin & Piano (1977/1980) [10'55]

Alfred Schnittke (1934-1988)
A Paganini for Solo Violin (1982) [12'37]

Lera Auerbach (*1973)
Lonely Suite for Solo Violin (2002) [08'24]

Sofia Gubaidulina (*1931)
Dancer on a Tightrope, for Violin & Piano (1993/1995) [17'28]




【収録情報】
● ブライト・シェン(盛宗亮):無伴奏ヴァイオリンのための『流れ』
● アルヴォ・ペルト:ヴァイオリンとピアノのための『フラトレス』
● アルフレート・シュニトケ:無伴奏ヴァイオリンのための『ア・パガニーニ』
● レーラ・アウレルバッハ:無伴奏ヴァイオリンのための『孤独の組曲』
● ソフィア・グバイドゥーリナ:ヴァイオリンとピアノのための『綱渡りの踊り子』

 ジジョン・ワン(王之炅)(ヴァイオリン)
 ヤシュアンジ・シエ(ピアノ)

 録音時期:2014年7月19,20日
 録音場所:ライプツィヒ、メンデルスゾーン・ザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(以上、HMV.co.jp より)




20世紀末から21世紀初頭までの名曲を収録したアルバム。

『Dō』というのは中国語の『道』を意味する。

● ブライト・シェン(盛宗亮):無伴奏ヴァイオリンのための『流れ』 (1990)
第1楽章の「静の美」と第2楽章の「動の技巧」のコントラストが生きている。

● アルヴォ・ペルト:ヴァイオリンとピアノのための『フラトレス』 (1977/1980)
ヴァイオリン・ソロの重音奏法(アルペジオ)に始まり、その後はピアノの和音とヴァイオリンのピチカート・重音奏法・美しい旋律が絡み合う。そして次第に激しくなる。この作品は、ヴァイオリンの歌も美しいが、シンプルなピアノの和音が美しい。

● アルフレート・シュニトケ:無伴奏ヴァイオリンのための『ア・パガニーニ』 (1982)
「HMV.co.jp」の商品説明に「パガニーニの断片が織り込まれた超絶技巧曲」とあるが、私はそれが全然分からなかった。しかし、これは名演奏です。

● レーラ・アウレルバッハ:無伴奏ヴァイオリンのための『孤独の組曲』 (2002)
6つの短い楽曲からなる組曲。どうでもいいけど、レーラ・アウレルバッハという作曲家は美人だね(下記画像)。勿論、作品も美しく、素晴らしい。

● ソフィア・グバイドゥーリナ:ヴァイオリンとピアノのための『綱渡りの踊り子』 (1993/1995)
私の解釈では、ヴァイオリンが「踊り子」を、ピアノが「綱渡りの綱」を表しているのではないか。ヴァイオリンのリズムは「ベートーヴェン:交響曲第7番/第1楽章」のリズムを模倣している・・・「踊り子(ヴァイオリン)」が、人生という危険な「綱(ピアノ)」を渡るのだろう。
ピアノ演奏に、ど迫力あるが、最後は、ヴァイオリンのみで静かに終わる。

以上、ジジョン・ワン(ヴァイオリン)&ヤシュアンジ・シエ(ピアノ)の演奏は、まったく傷がなく、完璧(!)。




Lera_auerbach_3

レーラ・アウエルバッハ


【前言撤回】

まったく傷がなく、完璧(!)。もとい(!)。
ペルトの『フラトレス』は、退屈するね。

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