2018年1月25日 (木)

Irina Mejoueva plays Bösendorfer

Mejoueva

Irina Mejoueva plays Bösendorfer
2017年セッション録音


私の評価:このアルバムは音響的に成功している:Stars5


【前書き】

<---引用ここから--->
ベーゼンドルファーなどのヨーロッパの名門メーカーは、ピアノをチェンバロの発展形として、音響的に残響豊かな宮廷で使用する前提でピアノを造っていた。これに対しスタインウェイは、産業革命により豊かになったアメリカ市民が利用していた、数千人を収用できる音響的に貧弱な多目的ホールでの使用を念頭においていた。そのために、今では常識となっている音響工学を設計に初めて取り入れた。結果、スタインウェイは構造にいくつか特色がある。(ウィキペディア、スタインウェイ・アンド・サンズの項より)
<---引用ここまで--->

【本文】

『ベーゼンドルファーはチェンバロの発展形(上記参照)』。筆者が思うにベーゼンドルファーは、或る意味、打楽器的ではない(!)。そして、1000人収容のコンサートホールにおいて「ベーゼンドルファー・インペリアル」で「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲《皇帝》」を弾くときなどは、ピアニストには、バックハウス並みの豪快さ、名人芸的技巧が要求されるだろう。

さて、同アルバムにて、メジューエワが弾いているのは「ベーゼンドルファー モデル 290 インペリアル(97鍵)」ではなく「ベーゼンドルファー モデル 275(1991年頃製造、92鍵)」だ。だが、後者の低音の迫力は前者に劣らぬ。されば、その音を如何に録音するか? (ベーゼンドルファーという楽器は録音が難しい楽器・・・らしい)

昔、私の知り合いの或る学者さんが(=チェンバロのエキスパートさんが)

>>チェンバロは、その胴体の中に、頭を突っ込んで聴くと一番良い音が聴ける

と冗談を仰ってましたが「ベーゼンドルファー」もまた《胴体の中に、頭を突っ込んで》=《オンマイクで》録音するのが良いか? はたまた、その響きをやや遠方から拾えば良いのか? 


その難題を、同アルバムは解決していると思う。すなわち:


1.同録音の「特徴」は、ベーゼンドルファーの「特徴」であるところの《こもった音》・・・その《こもった音》の《うなり》が良く録れていること。それは、楽器とマイクとの距離が適度であることを物語っていると思う。

2.他方、メジューエワの怪演・・・その怪演の際、その《こもった音》の中、彼女の打鍵がノイズなく聴ける。

上記、1.2を快く聴かせる音盤を私は他に知らない。

という訳で・・・たまにこういう演奏・録音を聴かせるメジューエワ・・・彼女からは目を離せない(!)。

「うなり」についてはウィキペディア参照のこと。

【参考】 私のオーディオ環境:TANNOY Stirling HW, LUXMAN L-560, marantz sa-11s1


【収録情報】

イリーナ・メジューエワ・プレイズ・ベーゼンドルファー〜ベートーヴェン:テンペスト、ワーグナー/リスト編:イゾルデの愛の死、ドビュッシー:沈める寺、他

● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 op.31-2『テンペスト』
● シューベルト:即興曲 変イ長調 op.142-2
● シューベルト/リスト編:連祷
● リスト:エステ荘の噴水
● ワーグナー/リスト編:イゾルデの愛の死
● ドビュッシー:沈める寺
● ラフマニノフ:プレリュード op.32-12

 イリーナ・メジューエワ(ピアノ/ベーゼンドルファー Model 275)

 録音時期:2017年4月23日
 録音場所:神奈川県、相模湖交流センター
 録音方式:ステレオ(デジタル96kHz-24Bit/セッション)

(HMV.co.jp より)

2018年1月 4日 (木)

Debussy: La mer - Dutilleux: L'Arbre des songes - Ravel: La valse (Live) Dmitry Sitkovestky (violin), Royal Concertgebouw Orchestra, Mariss Jansons

Jansons

Debussy: La mer
Dutilleux: L'Arbre des songes
Ravel: La valse
Dmitry Sitkovestky, violin
Royal Concertgebouw Orchestra
Mariss Jansons
2007年ライブ録音


私の評価:Stars2


【収録情報】

1. ドビュッシー:交響詩『海』
2. デュティユー:ヴァイオリン協奏曲『夢の樹』
3. ラヴェル:ラ・ヴァルス

ドミトリー・シトコヴェツキー(ヴァイオリン, 2)
ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
マリス・ヤンソンス(指揮)
録音時期:2007年2月1、2、4日(1, 3 ライブ録音)、2007年6月7、8日(2 ライヴ録音)
録音場所:アムステルダム、コンセルトへボウ

私は、マリス・ヤンソンスという指揮者を好きではない。←人畜無害の指揮をするオジサンだと思っているから。

同商品も手放そうかと思って聴いてみたら、1 は普通の名演。
2 は何を言いたいのか分からない。
3 は怪演。

【結論】 お目当のデュティユーは良くなかったが、ラ・ヴァルスが良かったので、これを手放すのをやめた。

2017年12月23日 (土)

Debussy & Szymanowski Cathy Krier

Krier

Debussy & Szymanowski
Cathy Krier
2016年録音
(P) & (C) 2017 Avi-Service for music

Tracklisting

Claude Debussy (1862-19018) :

Images Book I L. 110 (1904/05)
01 I. Reflets dans l’eau 05:43
02 II. Hommage à Rameau 07:00
03 III. Mouvement 03:25

Images Book II L. 111 (1907)
04 I. Cloches à travers les feuilles 04:02
05 II. Et la lune descend sur le temple qui fût 05:20
06 III. Poissons d’or 03:30

07 Masques L. 105 (1890) 04:39

Karol Szymanowski (1882-1937)

Masques Op. 34 (1915)
08 I. Shéhérazade 10:21
09 II. Tantris le Bouffon 05:53
10 III. Sérénade de Don Juan 05:48

Total Time 55:33


【収録情報】
● ドビュッシー:映像 第1集(水に映る影/ラモー賛歌/動き)
● ドビュッシー:映像 第2集(葉ずえを渡る鐘/荒れた寺にかかる月/金色の魚)
● ドビュッシー:仮面
● シマノフスキ:マスク(仮面劇) Op.34(シェエラザード/道化のタントリス/ドン・ファンのセレナード)

 キャシー・クリエ(ピアノ)

 録音時期:2016年11月
 録音場所:フィルハーモニー・ルクセンブルク、室内楽ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


私の評価:才女キャシー・クリエの失敗作。期待はずれ:Stars1


残念ながら全体的に音がこもっている。
このアルバムの演奏は技巧的には申し分ない。

・第1曲「水に映る影」
最初は比較的リラックスして始まりジャズで言えばキース・ジャレットを思わせ、中間部は動的にオスカー・ピーターソンを思わせる。

・第7曲「仮面」
ドビュッシーにしては激しい。

その他の曲に特筆すべきものはない。
このアルバムは退屈する。
キャシー・クリエは、ドビュッシーの音楽を捕らえきっていないのか。ベールがかかったような演奏をしている。コンセプトが見えない。そして、このアルバムは彼女の過去3つアルバムに比して奇抜さが足りない。面白くない。大いに期待はずれ。

2016年4月 8日 (金)

1917: Works for Violin and Piano Debussy, Respighi, Sibelius, Elgar Tamsin Waley-Cohen, violin Huw Watkins, piano

Waleycohen

1917: Works for Violin and Piano
Debussy, Respighi, Sibelius, Elgar
Tamsin Waley-Cohen, violin
Huw Watkins, piano
2013年録音

www.signumrecords.com ←クリックすると「Signum Records」のオフィシャルホームページに飛びます。

--

【収録情報】
・ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 L.140
・レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 P.110
・シベリウス:5つの小品 Op.81
・エルガー:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.82

 タムシン・ウェーリー=コーエン(ヴァイオリン)
 ヒュー・ワトキンス(ピアノ)

 録音時期:2013年11月25-27日
 録音場所:イギリス、ブリストル、ブランドン・ヒル、セント・ジョージ教会
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)

--

1917年前後に書かれた作品集。

私は、多くのヴァイオリニストの演奏を、CD, SACD で聴いたが、「演奏者による解釈や表現」ではなく「演奏者が弾くヴァイオリンの音そのもの」に酔わされた記憶は、あまりない。SOLI Works for Solo Violin by Bartók, Penderecki, Benjamin, Carter and Kurtág Tamsin Waley-Cohenで、書いた通り、タムシン・ウェーリー=コーエンが弾く、1721年製のストラディヴァリウス「ex-Fenyves」は美しい。
私は、ストラディヴァリウスという楽器を生演奏で聴いたことない(アンネ=ゾフィー・ムターのストラディヴァリを聴くために、彼女の演奏会に行こうとしたら、東日本大震災のために中止になった・・・ちなみに、私は、アルゲリッチが弾くスタインウェイを聴いたことあるが、演奏は超名演だったが、「音」は大したことなかったと記憶している)。

この2枚組(トータル85分11秒)には、「私が嫌いな作曲家、あるいは、どうでもいい作曲家たち」の作品が収められてある:すなわち、ドビュッシー、レスピーギ、シベリウス、エルガー。したがって、それらの作曲家の作品に対するコーエンの解釈のうまさを、客観的にも主観的にも、私は、レビューできない・・・が、しつこいが、いま、コーエンが弾く1721年製のストラディヴァリウス「ex-Fenyves」を聴きながら、この文章を書いていると、私は、彼女の指使い(fingering)とボーイング(bowing)に酔わされる。
そして、ヒュー・ワトキンス(ピアノ)は、うまいと思う。

【Apple Music】 検索キーワード:Tamsin Waley-Cohen

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