2018年2月24日 (土)

C.P.E. Bach: 3 Sonatas for Viola da Gamba Johanna Rose Javier Núñez

Johanna_rose_1

C.P.E. Bach (1714-1788) :
3 Sonatas for Viola da Gamba
Johanna Rose, viola da gamba
Javier Núñez, harpsichord
2017年発売

【前置き】

コントラバス、エレキベースの調弦は低い音から「ミラレソ」4度調弦である。ギター(エレキギター)の調弦は「ミラレソシミ」であり4度調弦が基本になっている。それらに対してヴァイオリンの調弦は低い音から「ソレラミ」、ヴィオラ、チェロの調弦は「ドソレラ」であり5度調弦である。上記の分類に従えば「ヴィオラ・ダ・ガンバ」は4度調弦であるところの「ヴィオール属」。そして「ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ」は5度調弦であるところの「ヴァイオリン属」と言うことになる。

ところが、コントラバスは4度調弦でありながら(私の考えでは)ヴァイオリン属に思える(コントラバスはチェロとユニゾンすることが多いし...)。もしコントラバス(4度調弦)をヴァイオリン属と仮定すれば、その場合、調弦の方法をもって「ヴィオール属(4度調弦)」「ヴァイオリン属(5度調弦)」と分類できないと思う。

私の考えを書こう:
「ヴィオラ・ダ・ガンバ」とは「脚のヴィオラ」の意味で、楽器を脚で支える(挟む)ことに由来する・・・すなわち「脚のヴィオラ」=「ヴィオール属」である。それに対して「ヴィオラ・ダ・ブラッチョ」は「腕のヴィオラ」であり楽器を腕で支える・・・すなわち「腕のヴィオラ」=「ヴァイオリン属」である。つまり私は「脚」と「腕」の違いに着目する:
「脚のヴィオラ」を起源とする楽器が「ヴィオラ・ダ・ガンバ」などのヴィオール属であり、「腕のヴィオラ」を起源とする楽器が「ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ」などのヴァイオリン属。

そして、コントラバスは、たとえ4度調弦であっても、また仮にその形がヴィオール属に似ていても、おそらく「ヴィオラ・ダ・ブラッチョ(=腕のヴィオラ)」の子孫であり、ヴァイオリン属に属すると私は異説を唱えたい。そして、ヴィオール属は、C.P.E. バッハ以降、すたれていった楽器である。それゆえに、ヴィオール属は「すたれた楽器」、ヴァイオリン属は「生き残った楽器」という歴史がある(←そういう歴史的側面から両者を区別をしても良いかも知れない)・・・しかし、言うまでもないが、何と言っても大事なことは「ヴィオール属」と「ヴァイオリン属」の違いはそれらの形状・構造・音色の違いであった。

【本文】

前置きが長すぎた;;

ヨハンナ・ローズがヴィオラ・ダ・ガンバを弾いている画像(下の画像)を見ると、まさしく彼女はヴィオラ・ダ・ガンバを脚で挟んでいるのがよく分かる。その弦は6弦である。そしてヴィオラ・ダ・ガンバは「移動式のフレット」を持っているらしい。
私は「ヴィオラ・ダ・ガンバ」という楽器は、もっと金属的な音がする楽器かと思っていたが、このアルバムを聴くとそうではなかった。それは当然である。だってガット弦なのだから。
ところで、私は、チェンバロ独奏を生演奏で聴いたことはない。しかし私はチェンバロの音を想像することはできる。私の「想像」からしてこの録音では「チェンバロ」の音が良く録れている。ということであれば、このアルバムにおける「ヴィオラ・ダ・ガンバ」の音もまた良く録れているだろう。私はそう推測する。←それは本物のヴィオラ・ダ・ガンバの音(!)。
ヴィオラ・ダ・ガンバの超絶技巧は4度調弦の特性が生かされた技法によるものであろう。このアルバムの第1曲の第2楽章は軽快かつ技巧が冴えている。
ヨハンナ・ローズの演奏は正確な奏法と技巧が快い。ハビエル・ニュネスのチェンバロは上手い。

【私のオーディオ環境】TANNOY Stirling HW, LUXMAN L-560, marantz sa-7s1


Johanna_rose


【収録情報】
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ:
● ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ニ長調 Wq.37
● ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ハ長調 Wq.36
● ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト短調 Wq.88
● チェンバロ・ソナタ イ短調 Wq.50-3

 ヨハンナ・ローズ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 ハビエル・ニュネス(チェンバロ)

 録音方式:ステレオ(デジタル)

(HMV.co.jp より)

2018年2月12日 (月)

(C) Apple Music 『ベル・カント・パガニーニ〜24のカプリース、無伴奏ヴァイオリン作品集』 レイチェル・バートン・パイン(2CD)/C. P. E. バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集 ヨハンナ・ローズ、ハビエル・ニュネス/J. S. バッハ:ヴァイオリン・ソナタ集 イザベル・ファウスト、クリスティアン・ベズイデンホウト(2CD)

Rachel_barton_pine

Rachel_barton_pine_2

同商品「iTunes スタッフメモ」の拡大画像

(C) Apple Music 検索キーワード:rachel barton pine

私の好きなヴァイオリニスト、レイチェル・バートン・パイン。

このアルバムの演奏はうまいと思うのだが、少し退屈する。

買わない。節約する。

「パガニーニ:24のカプリース/神尾真由子」の方が私の好みに合う。

【収録情報】
パガニーニ:
● パイジェッロの歌劇『水車小屋の娘』からの「虚ろな心」による序奏と変奏 ト長調 Op.38
● 24のカプリース Op.1
● 驚異の二重奏曲 Op.6『デュエット・フォー・ワン』
● 別れのカプリース Op.68

レイチェル・バートン・パイン:
● ニュージーランド国歌『神よニュージーランドを守り給え』による序奏、主題と変奏

 レイチェル・バートン・パイン(ヴァイオリン)

 録音時期:2015年8月31日〜9月3,5日、2016年11月28,29日、12月1,2日
 録音場所:シカゴ、セント・ポール・キリスト連合教会
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)





Johanna_rose
(C) Apple Music 検索キーワード:Johanna Rose

これは良い。買いたいが値段が高い(←アマゾンJPで2018年2月12日現在¥2,636)。

【収録情報】
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ:
● ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ニ長調 Wq.37
● ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ハ長調 Wq.36
● ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト短調 Wq.88
● チェンバロ・ソナタ イ短調 Wq.50-3

 ヨハンナ・ローズ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 ハビエル・ニュネス(チェンバロ)
 録音方式:ステレオ(デジタル)

(HMV.co.jp より)





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Isabelle_faust_2

同商品「iTunes スタッフメモ」の拡大画像

(C) Apple Music 検索キーワード:Bach Isabelle Faust

これは優等生的。しかも、うるさい。買わない。節約します。

【収録情報】
J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ集(オブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ集)

Disc1
● 第1番ロ短調 BWV.1014
● 第2番イ長調 BWV.1015
● 第3番ホ長調 BWV.1016
Disc2
● 第4番ハ短調 BWV.1017
● 第5番ヘ短調 BWV.1018
● 第6番ト長調 BWV.1019

イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
クリスティアン・ベズイデンホウト(チェンバロ)

【使用楽器】
ヴァイオリン:ヤコブ・シュタイナー 1658年製
チェンバロ:/ジョン・フィリップス、バークレー 2008年製(ヨハン・ハインリヒ・グレープナー(ジ・エルダー)、ドレスデン 1722年製モデル/トレヴァー・ピノックより貸与)

録音時期:2016年8月18-24日
録音場所:ベルリン、テルデックス・スタジオ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)

2012年2月25日 (土)

セリーヌ・モワネの「無伴奏オーボエ作品集」

Moinet

セリーヌ・モワネの「無伴奏オーボエ作品集」

Johann Sebastian Bach (1685 - 1750)
Partita in A minor, BWV 1013
[originally for flute solo]
I. Allemande 5' 33
II. Corrente 4' 35
III. Sarabande 4' 47
IV. Bourrée Anglaise 2' 58

Luciano Berio (1925 - 2003)
Sequenza VII (1969) 8' 25

Benjamin Britten (1913 -1976)
Six Metamorphoses after Ovid for solo oboe, op. 49 (1951)
I. Pan. Senza misura 2' 42
II. Phaeton. Vivace ritmico 1' 19
III. Niobe. Andante 2' 32
IV. Bacchus. Allegro pesante 2' 05
V. Narcissus. Lento piacevole 4' 07
VI. Arethusa. Largamente 3' 08

Elliott Carter (b. 1908)
Inner Song (1992) 6' 28

Carl Philipp Emanuel Bach (1714 - 1788)
Sonata in A minor, Wq.132
[originally for flute solo]
I. Poco adagio 5' 42
II. Allegro 5' 22
III. Allegro 4' 39

Total Time 64' 31

Céline Moinet, oboe
Enregistrement avril - mai 2011, Tedex Studio Berlin
harmonia mundi s. a.

この人は、循環呼吸(英語:Circular breathing)というのをマスターしてるのだろうか? 大バッハの「アルマンド」と「コレンテ」はフレーズの切れ目が少ないので息継ぎしていないように聞こえる・・・しかし、そんなことを考えながら聞いていると、聴いている私が息苦しくなってきたので考えないことにする。いずれにしても超越技巧的演奏だと思う。

ベリオの作品も「シ」の音を軸とするバリオラージュ(a bariolage around a pivot)で演奏される【注】。セリーヌ・モワネの演奏では、その「シ」の音が全曲を通して弱音で持続しているように聞こえる。
ベリオの「Sequenza VII」は、下記、

Sequenza I for flute (1958);
II for harp (1963);
III for woman's voice (1965);
IV for piano (1966);
V for trombone (1965);
VI for viola (1967);
VII for oboe (1969) (rev. by Jacqueline Leclair and renamed "Sequenza VIIa" in 2000);
VIIb for soprano saxophone (adaptation by Claude Delangle in 1993);
VIII for violin (1976);
IXa for clarinet (1980);
IXb for alto saxophone (1981);
IXc for bass clarinet (adaptation by Rocco Parisi in 1998);
X for trumpet in C and piano resonance (1984);
XI for guitar (1987-88);
XII for bassoon (1995);
XIII for accordion "Chanson" (1995);
XIVa for violoncello (2002);
XIVb for double bass (adaptation by Stefano Scodanibbio in 2004).

の中の第7曲である。

ブリテンの「Six Metamorphoses」は、オウィディウスの『変身物語』を題材にした作品である。これはこのアルバムの中核であり、ブリテン的な親しめる作品。それぞれの神々と人間の性格を、抒情とユーモアで表している。おもうに、ブリテンの「Six Metamorphoses」は、オーボエという地味な楽器で、壮大なギリシャ神話に思いを馳せさせ、神話に登場する「神々と人間」の特異な「神格や変容」をイメージさせる名曲・名演:

パン:牧神
パエトーン:太陽神の子。パエトーンが墜落したため、地上に大火事が起き、これを消し止めるためにゼウスが川の水を氾濫させたことによってデウカリオーンの大洪水が起きたとする。
ニオベ:ギリシア神話に登場する女性。タンタロスの娘で、テーベ王アンフィオンの妻。女神レトに子供の数の多さを誇ったため、レトの子アポロンとアルテミスにすべての子供を射殺され、悲しみのあまり石になったという。
バッカス:酒の神
ナルキッソス:自分の姿に恋した美青年
アレトゥーサ:ギリシア神話に登場する精霊。シチリア島のシュラクーサイ近くのオルテュギア島にあるアレトゥーサの泉に変じたことで知られる。

エリオット・カーターの「Inner Song」は「オーボエとハープのための三部作」の中間部である。最初は、パッとしない作品に思えたが、よく聴くといい曲だった・・・非常に気に入った。こういう曲を魅惑的に吹くセリーヌ・モワネは、間違いなく実力者だ。
「Inner Song」は、リーフレットには瞑想的であると書いてあるが、むしろメランコリックで痛切な旋律が広い音域を飛び交う。

この曲のモットーは、リルケの「オルフェウスに寄せるソネット」の一節:

Worte gehen noch zart am Unsäglichen aus ...
「言葉は消える。言い知れぬままに」

--

びっくりしたのは、エマヌエル・バッハの「ソナタ」が非常によい作品であったことだ。エマヌエル・バッハの「ソナタ」のほうが、大バッハの「パルティータ」より私は気に入った。第1曲「Poco adagio」は、20世紀の音楽を思わせるかも知れない。

「Sequenza VII」と「Inner Song」はハインツ・ホリガーのために作曲された作品。

【注】バリオラージュ:バイオリン奏法の一種。音色の変化を求め、開放弦と開放弦でない弦を交互に反復する奏法。例えば、バッハの無伴奏弦楽器曲に頻出。

【HMV.co.jp へのリンク】
『無伴奏オーボエ作品集〜バッハ、C.P.E.バッハ、ブリテン、ベリオ、カーター』セリーヌ・モワネ

【MDT.co.uk へのリンク】
MOINET, CELINE Solo Oboe. Bach: Partita BWV 1013, CPE Bach: Sonata Wq. 132, Berio: Sequenza VII, Carter: Inner Song, Britten: Six Metamorphoses after Ovid. Harmonia Mundi

私は、MDT.co.uk で購入した。9.25GBP+1.50GBP (postage and packing) Total 10.75GBP だった。

【オフィシャルホームページ】
Céline Moinet Official Website

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