2015年6月24日 (水)

アリーナ・イブラギモヴァのニコライ・ロスラヴェッツ:ヴァイオリン協奏曲 第1番

Roslavets

Nikolay Roslavets (1881-1944)
Violin Concertos
Alina Ibragimova (violin)
BBC Scottish Symphony Orchestra
Ilan Volkov (conductor)
Rcorded: 2008
Hyperion

Violin Concerto No 1 (1925) [38'32]
1 Allegretto grazioso - Cadenza [13'28]
2 Adagio sostenuto [14'42]
3 Allegro moderato, risoluto [10'13]

Violin Concerto No 2 (1936) [19'07]
1 Allegro moderato [10'02]
2 Adagio [4'55]
3 Finale: Allegro giocoso [4'06]

ニコライ・ロスラヴェッツという作曲家は、1990年まで、埋もれていたようだ。彼の「ヴァイオリン協奏曲 第1番」も、1989年までは、ピアノ伴奏版しかないと思われていたらしい。そして、1989年、その協奏曲のフルスコアが発見されたらしい。

【ロスラヴェッツ:ヴァイオリン協奏曲 第1番】

「ロスラヴェッツ:ヴァイオリン協奏曲 第1番」は、失敗作だと思う。第1、2楽章に、印象に残る旋律はなく、また、その2つの楽章は、複雑でつかみどころがない。第1楽章は、カデンツァ(10:57 - 13:28)のあと、そのまま、アタッカで、第2楽章に行くのだが(つまり、第1楽章と第2楽章が一つの長い楽章を為しているように見えるが)、それらに、形式が見えない(第1楽章:冒頭の音楽が、8分6秒あたりで回帰するのだが、それは、ソナタ形式の再現部なのだろうか)。第1楽章は、バッソ・オスティナートで始まる。←(もし、この作品に統一感があるとすれば)そのオスティナートが、第1、2楽章を、統一するモットーであるようだ。そして、第3楽章になって初めて、明快な主題が現われる・・・が・・・遅過ぎる。

不適切な表現だが、この「ヴァイオリン協奏曲 第1番」は、《淫らな音楽に聞こえる》。主題やモチーフが見えないかわりに、アインガング風パッセージ、カデンツァ風パッセージが、リスナーをじらす。まるで、あちこち愛撫するが、なかなか行かせないコイトスのようだ。ヴァイオリンのアインガング風、カデンツァ風パッセージに、オケが、爆音や強音で横槍を入れる。しかし、それはある意味、断片的で、中途半端だ(第2楽章は少しマシかも)。

イブラギモヴァは、ハルトマンにつづき、あまり世に知られていない作品を、世に知らしめるという企画に基づいて、ロスラヴェッツを取り上げた(あるいは、Hyperion Records によって取り上げさせられた)。←このアルバムにおける、彼女(および、若い指揮者、Ilan Volkov)のモチベーションの高さは認める。イブラギモヴァは、オケとうまく、からみあい、なまめかしいと言ってもいい美音・快音を聞かせる・・・そして、彼女のスリルある演奏をば、この作品「ロスラヴェッツ:ヴァイオリン協奏曲 第1番」にて、聴くことができる(←ソレらは聴き応えあって良いと思う)。

イブラギモヴァは、その若さで熱演している(指揮者、Ilan Volkov も、迫力ある演奏を聞かせる)。しかし、残念ながら、ロスラヴェッツの「ヴァイオリン協奏曲 第1番」は、ベルクや、ショスタコーヴィチの Vn 協奏曲に遠く及ばない作品。イブラギモヴァのチャレンジは、ハルトマンの場合と違って、ロスラヴェッツではうまく行ってないと思う。

「ロシア出身のイブラギモヴァが、ロシアのニコライ・ロスラヴェッツを、いかに解釈したか・・・」←思うに、コノ作品は駄作過ぎて、コノ作品における、彼女の作品解釈さえも聞く気になれない。

追加)この曲は、佐村河内守の交響曲《HIROSHIMA》に少し似てると思う。

【ロスラヴェッツ:ヴァイオリン協奏曲 第2番】

 ノーコメント。

【2015−6−25 追加】

「アリーナ・イブラギモヴァのニコライ・ロスラヴェッツ:ヴァイオリン協奏曲 Nos 1 2」について、より詳細、かつ、正確なレビューがあります(下記、リンクの了承得てます)

・ロスラヴェッツ/ヴァイオリン協奏曲第1,2番
 アリーナ・イブラギモヴァ(Vn)
 イラン・ヴォルコフ指揮BBCスコティッシュ響 (Hyperion)
 ブログ名「Langsamer Satz」様

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