2017年8月29日 (火)

Galina Ustvolskaya: Piano Sonatas Nos.1-6 Antonii Baryshevskyi

Baryshevskyi

Galina Ustvolskaya:
Piano Sonatas Nos.1-6
Antonii Baryshevskyi
2016年録音
Avi Music

【収録情報】
ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ全集

● 第1番 (1947)
● 第2番 (1949)
● 第3番 (1952)
● 第4番 (1957)
● 第5番 (1986)
● 第6番 (1988)

 アントニー・バリシェフスキー(ピアノ)

 録音時期:2016年2月
 録音場所:ベルリン、テルデックス・スタジオ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


Tracklisting

01 Sonata No. 1 (1947) I 01:21
02 Sonata No. 1 (1947) II 01:28
03 Sonata No. 1 (1947) III 03:29
04 Sonata No. 1 (1947) IV 03:37

05 Sonata No. 2 (1949) I 03:26
06 Sonata No. 2 (1949) II 06:46

07 Sonata No. 3 (1952) 18:27

08 Sonata No. 4 (1957) I 01:53
09 Sonata No. 4 (1957) II 02:15
10 Sonata No. 4 (1957) III 01:01
11 Sonata No. 4 (1957) IV 05:30

12 Sonata No. 5 (1986) 19:26

13 Sonata No. 6 (1988) 07:30

Total Time 76:13


これはウストヴォーリスカヤの「ピアノ・ソナタ集」を初めて聴く人には適した音源ではなかろうか。

アントニー・バリシェフスキーは1988年生まれのウクライナのピアニスト。バリシェフスキーの弾く「ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ集」を Apple Music で試聴した際、「ピアノの音が美しいのが魅力だ」と私は感じたが、実際それを購入し大音量で聴いてみたところ思ったほど美しい音ではなかった(この人の持ち味はピアノの音の美しさよりその力強さだと思う)・・・しかしそれでも彼の演奏はメリハリありエンターテインメント(?)に徹しており、宜しい。大音量で聴くと快い。

私がこれまでに購入した「同ピアノ・ソナタ集(下記)」の決定盤はマルクス・ヒンターホイザー盤だった・・・が、ヒンターホイザー盤は「面白くなかった」。それに対してバリシェフスキーの「同ソナタ集」・・・その魅力は、そのピアノ・フォルテ(つまりデュナーミク)の明快さ・その効果的なコントラスト・・・それは21世紀に引き継がれるべき或る意味健康的なウストヴォーリスカヤ・・・リスナーの聴覚はバリシェフスキーの「同ソナタ集」の演奏に刺激され『反応』するだろう・・・またその演奏はリスナーの聴覚を快くくすぐるだろう。この演奏は聴きやすい。やっぱり良い演奏(!)。


【参考】

私が所有するガリーナ・ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ集

Piano Sonatas 1-6 Oleg Malov 1993年録音
Piano Sonatas 1-6 Marianne Schroeder 1994年録音
Complete Piano Sonatas Frank Denyer 1995年録音
Piano Sonatas 1-6, 12 Preludes Ivan Sokolov 1995年録音
Piano Sonatas 1-6 Markus Hinterhäuser 1998年録音
Piano Sonatas 1-6, 12 Preludes Sabine Liebner 2008年録音


【譜例(第1番)】

Ustvolskaya_1_1_small

ちょっと弾いてみたのだが、この楽章は、アクセント(>)が鍵。アクセントしないと、全然雰囲気でない。

Ustvolskaya_1_2_small
第1番 第1楽章の「第6小節〜」(midi <--- ココをクリックすると音が出ます)


【関連記事】

煮ても焼いても食えない作品「ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ全曲」その2(聴き比べ)

2017年3月17日 (金)

Outstanding plays of Patricia Kopatchinskaja. Three masterpieces by Galina Ustvolskaya

Ustvolskaya


Amazon.com Customer Review

Stars523 of 23 people found the following review helpful
Outstanding plays of Patricia Kopatchinskaja. Three masterpieces by Galina Ustvolskaya, November 13, 2014
By KM

Sorry, English isn't my native language.

Galina Ustvolskaya (1919-2006)

Sonata for violin and piano (1952) 22:35

Trio for clarinet, violin and piano (1949)
I Espressivo 6:07
II Dolce 3:56
III Energico 6:08

Duet for violin and piano (1964) 29:20

Patricia Kopatchinskaja, violin
Markus Hinterhäuser, piano
Reto Bieri, clarinet

Produced by Manfred Eicher
Recorded March 2013
ECM New Series 2329

These are three masterpieces written by Galina Ustvolskaya (1919-2006).

- Sonata for violin and piano (1952)
It has a single movement.
It begins with funny five notes played by violin `A-flat E-flat A-flat A-flat E-flat', that run though the whole of the sonata, on the other hand it begins with complex polyphonic notes on piano, the latter is like basso continuo, so that I can hear them as parodies of baroque music in irony (e.g. parodies of Bach's Violin Sonatas). These melodies are developed into ethnic music. The sonata relatively keeps calm and simple, until the polyphonic and accelerated music begins at 13' 50", and it quietly closes, while the violinist knocks on the body of the violin (from 21'13"). Both the simple and complex music live with in the sonata. In it there are dialogues between violin and piano. Patricia Kopatchinskaja and Markus Hinterhäuser did them well. Good job!

- Trio for clarinet, violin and piano (1949)
The first movement
It quietly begins with clarinet and piano. Then `Forte' from 1'21" with heavy polyphony of the three parts. Then from 4'00" quietly again and from 5'14" into a night music.
The second movement
A night music mostly by clarinet and violin.
The third movement
Fugato begins `Energico', that is energetically by piano. The violin repeats it incompletely, that is, the violin repeats it with a little different melody of the theme of Fugato. Then from 1'10" clarinet leads ethnic music. Then from 2'36" slows down and the theme of the Fugato is repeated by clarinet, violin and piano in order (3'06"). From 4'29" begins monolog by piano, striking same keys repeatedly, calms down at last.
They say Shostakovich quoted some melodies of this work into his works.

- Duet for violin and piano (1964)
A hot music of a single movement.
You can hear it like a musical joke with the special ways of playing, that sound like col legno (striking the string with the stick of the bow), flagioletto tones on violin and cluster tones on piano. It's an abstract music like an abstract picture. It isn't a program music. It's an abstract music but it has the nature of aggression against the USSR she was living and the violence and destructiveness like punk rock. The repetition of same melodies like Morton Feldman and the technical skill like John Cage, but Ustvolskaya had no `culture'. However this work may be entertainment. It's an avant-garde music of the old age. And Patricia Kopatchinskaja (born 1977 in Republic of Moldova), who is a popular and young violinist, plays it cool. It's nice to listen to, that a modern artist plays an old avant-garde music. Though Ustvolskaya might stick to being `minor', but she might not stick to being avant-garde, nor an outsider. And `Duet for violin and piano (1964)' might be both pessimistic and optimistic. And you can regard this work as an ultimately optimistic music, though I'm `scared' of this work. It also calms down at last.
Kopatchinskaja has made outstanding plays in this album.

Permalink



Ustvolskaja: Sonata, Trio, Duet Patricia Kopatchinskaja, violin Markus Hinterhäuser, piano Reto Bieri, clarinet Amazon.co.jp

2016年10月16日 (日)

GÉNIA: UNVEILED / Music from Russia's Women Composers

Genia

GÉNIA: UNVEILED
Music from Russia's Women Composers
Génia, piano
Recorded at Gateway Studio, December 1999 and March 2000
BLACK BOX BBM1039

Sofia GUBAIDULINA (b. 1931)
01 Chaconne (1962) 11:28

Elena FIRSOVA (b. 1950)
02 Elegy (1979) 6:30 *

Galina USTVOLSKAYA (b. 1919)
Sonata No. 2 (1949)
03 3:13
04 7:00
05 Sonata No. 6 (1988) 7:41

Lena LANGER (b. 1975)
06 Reflection (1993/98) 5:58 *

Elena FIRSOVA
07 Hymn to Spring (1993) 3:25 *

Sofia GUBAIDULINA
Sonata (1965)
08 Allegro 10:44
09 Adagio 7:31
10 Presto 2:32

* world premiere recording

Total Playing Time: 67:18

・・・

このピアニストの名前は、GÉNIA(Born in the Ukraine in 1972)。その人が、作品のベールをはぐ。あるいは、GÉNIA がおのれのベールをはぐのか?
GÉNIA というロシア系の若い(録音当時28才頃)女性ピアニストによる「ロシア女性作曲家たちの作品集」ということで、ド迫力のド派手の過激な音楽を聴けると思ったが、はたして、彼女は過激な演奏をしていない。GÉNIA は、このアルバムにおいて、真摯に作品に向き合う演奏をしている。それは、はったりなしの演奏だった。それは好感を持てる。
GÉNIA の演奏の一番の特徴は、作曲者のアイデアを壊さないこと。すなわち、作品にマッチしたアプローチ。そして、もしかしたら、彼女の演奏は、リスナーに、余裕さえも感じさせるかも知れない。激しさと静が両立している。技巧的だが、技巧に走っていない。
このアルバムに収められた作品群はもう「前衛」とは言えないかも知れない。しかしあえて言えば、このアルバムに収められた作品群の「前衛」性において、GÉNIA は逸脱しない。冷静で明晰な演奏。よって、これらの作品群を初めて聴く人に、このアルバムは聴き易いと思う。
以上、抽象的な感想文になってしまいました(汗;;

2015年1月31日 (土)

米国アマゾンにレビューを書く(コパチンスカヤのウストヴォーリスカヤ)

Kopatchinskaja
Outstanding play of Patricia Kopatchinskaja. Three masterpieces by Galina Ustvolskaya, November 13, 2014

こんな英文でも、10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

【関連記事】

パトリツィア(パトリシア)・コパチンスカヤ、マルクス・ヒンターホイザー、レート・ビエリの「ガリーナ・ウストヴォーリスカヤ:ヴァイオリン・ソナタ (1952)、クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲 (1949)、ピアノとヴァイオリンのためのデュエット (1964)」

2014年11月 4日 (火)

パトリツィア(パトリシア)・コパチンスカヤ、マルクス・ヒンターホイザー、レート・ビエリの「ガリーナ・ウストヴォーリスカヤ:ヴァイオリン・ソナタ (1952)、クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲 (1949)、ピアノとヴァイオリンのためのデュエット (1964)」

Ustvolskaya

Galina Ustvolskaya (1919-2006)

Sonata for violin and piano (1952) 22:35

Trio for clarinet, violin and piano (1949)
I Espressivo 6:07
II Dolce 3:56
III Energico 6:08

Duet for violin and piano (1964) 29:20

Patricia Kopatchinskaja, violin
Markus Hinterhäuser, piano
Reto Bieri, clarinet

Produced by Manfred Eicher
Recorded March 2013
ECM New Series 2329

Ustvolskaya_vn_sonata
OnlineSheetMusic.com より
ヴァイオリン・ソナタ (1952)
全曲を貫く音形、冒頭、ヴァイオリン(midi

Ustvolskaya_duet
OnlineSheetMusic.com より
ピアノとヴァイオリンのためのデュエット (1964)
全曲を貫く音形、冒頭、ヴァイオリン、ピアノ(midi

--

コノアルバムを、一言で言えば:

「コパチンスカヤが、やってくれました! 〜 ウストヴォーリスカヤ、3つの傑作」

--

コノアルバムに収められてあるウストヴォーリスカヤの3つの作品には標題がない。ただし、第2曲の「クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲 (1949)」は3つの楽章を持ち、それらの楽章は、それぞれ、I Espressivo(表情豊かに)II Dolce(柔らかに)III Energico(精力的に)という発想標語が付けられている。
その他の作品は、単一楽章である。
第1曲と第2曲はやや似ている。第3曲において、ウストヴォーリスカヤは飛躍していると思う。

・第1曲「ヴァイオリン・ソナタ (1952)」
ヴァイオリンのおどけたような「♭ラ♭ミ♭ラ♭ラ♭ミ」の5音の繰り返し(コレは全曲を貫く)と、ピアノの通奏低音的な四分音符(最低音はシミレドレ)に始まる(OnlineSheetMusic.com 参照)。コレは、バロック音楽を皮肉っているのかも知れない。
コノヴァイオリン・ソナタにおいて、冒頭のヴァイオリンとピアノの旋律は、ウストヴォーリスカヤの師匠であるショスタコーヴィチが己が作品に取り入れた民族音楽っぽい《音楽》に発展する・・・ように聞こえる。
全曲は、大まかに言うと、静 - 動 - 静からなる。美と美の否定が反復される。
同曲は、後半13分50秒あたりでテンポを上げ、ポリフォニックな楽想で盛り上がる以外は、単純な音楽に聞こえる。←単純さの中、音楽を上手く構成している。←つまり「複雑さ」と「必要最小限のシンプルな形式」が両立している。その中には、ヴァイオリンとピアノの対位法的な対話がある。
コノ作品は、ピアノに聞き応えがある(ピアノの音符が多い)。一方、ヴァイオリンは比較的淡々としている(ただし、後半13分50秒〜のヴァイオリンは激しい)。

・第2曲「クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲 (1949)」
第1楽章
クラリネットとピアノだけで静かに始まる。→1分21秒あたりからフォルテ。←3つの楽器によって対位法的に激しく展開。→4分00秒あたりで再び静まる。→5分14秒〜クラリネットだけの夜の音楽で終わる(第2楽章とアタッカでつながっているかも)。
第2楽章
主にクラリネットとヴァイオリンだけの楽章(後半に Pf)。←コレも静かな夜の音楽。
第3楽章
「ヴァイオリン・ソナタ (1952)」と同様にポリフォニックな速い音楽で盛り上がる。第3楽章に民族色が聞けると思う(あるいは静かな第2楽章にも民族色が聞けるかも・・・)。
【追加】第3楽章 Energico(精力的に)は Pf のフガートに始まる(そのフガートの主題は第1楽章と関係があるかも知れない)。→ Vn が不完全な模倣で絡む(Vn が、Pf によるフガートの主題と少し異なる旋律で絡む)。→1分10秒あたりから、クラリネットが民族音楽的旋律を先導する(←コノ旋律も第1楽章と関係あるかも知れない)。→2分36秒あたりで静まり、各楽器が、クラリネット(3分06秒)、Vn、Pf の順にフガートの主題を回想。→最後に、4分29秒あたりから、Pf の同音反復のモノローグ。コノ作品は《盛り下がって》終わる。
コノ作品も静と動のコントラストが強い作品であるが、他の2曲に比べて、比較的普通の作品に聞こえる。
「ショスタコーヴィチの教え子達」というサイトに「1949年作曲のクラリネット三重奏曲はショスタコーヴィチのいくつかの作品で主題が引用されていて、聴いてみれば『あれか』という人もいるかと思います。」とある。コノ作品がショスタコーヴィチによって引用されたということか・・・。
また同サイト同ページには、ウストヴォーリスカヤは「ショスタコーヴィチのプロポーズを『これ以上あなたの影響を受けたくない』と断ってしまった」とある。

・第3曲「ピアノとヴァイオリンのためのデュエット (1964)」
強烈な演奏を強いる作品。
コノ作品は特殊奏法(Vn のコル・レーニョ col legno 弓の毛ではなく棒の部分で弾く。Vn のフラジオレットのような高音。Pf のクラスターのような音など)による《音楽の遊び》にも聞こえる。
だが、コノ作品の激しさが訴えかけるものは何か?←それはベートーヴェン的感情の発露や単なるプライベートな感情の発露でもない。←なぜなら、コノ作品は抽象的だから。←【追加】ある種の抽象画のように。
ウストヴォーリスカヤのコノ作品における特殊奏法の技巧は、はったりではない。ただし、美でもない。
上にも書いた通り、コノ作品には標題がない。
徹底した抽象。←ただし、むかつくような「時代」を受け入れざるを得なかったことに対する怒り、その怒りによる激しさと攻撃性を感じることはできる・・・ソノ攻撃性でリスナーを驚かすこと・・・それさえ為せれば、それで構わないという「怖さ」が、コノ作品にはある。
暴力的で破壊的な側面は、パンクロックみたいだ。←繰り返すが、むかつくような「時代」を受け入れざるを得なかったことに対する攻撃性・・・。
単純な音を繰り返す点は、モートン・フェルドマンに似ている。技巧を凝らす点は、ジョン・ケージに似ている・・・しかし、ウストヴォーリスカヤには「カルチャー」がない。
ウストヴォーリスカヤの「ショスタコーヴィチの影響を受けたくない」という確固たるアイデンティティは「異端」ではない。← ECM とコパチンスカヤが取り上げたくなるようなエンターテインメントもある。
あるいは、マゾヒスティックORサディスティックな快感を満足させる・・・または中島らもの言う『死後の不感無覚』・・・いや、そんな大袈裟なものではない・・・やっぱりコノ音楽はエンターテインメントだ。技巧的奏法が過多であると思えるが、ウストヴォーリスカヤはその奏法に自慰してない・・・コノ音楽が書かれたシチュエーション《ソ連》を前提にすれば彼女の音楽は「前衛」である。が、いま、今日、コノ作品は「過去の前衛」である。ソレを今日の人気ある若きヴァイオリニスト、コパチンスカヤ(1977年モルドバ生まれ。録音当時35〜36才)が演奏するのだから、コノアルバムには、新しさと古さが共存している。
ウストヴォーリスカヤの芸術は「マイナー」であることにこだわる。彼女の芸術は、マイナーすぎて、「前衛芸術のレッテル」をも拒絶する。また、彼女の音楽は単なる反骨精神からなるのではない。
ウストヴォーリスカヤの「ピアノとヴァイオリンのためのデュエット (1964)」は「この世は《秒進分歩》のスピードでだんだん悪くなっている」ことを表していると解釈してもよいか? いや、コノ作品の《解釈》は「考古学上の謎解き」ように難しい。たとえば、むしろ、コノ作品は「究極のオプティミズム」なのかも知れない・・・「ペシミズム、オプティミズム、どちらでも構わない、どちらも似たようなもの!」・・・そういう「怖さ」がコノ作品にはある。ソノ「怖さ」がリスナーの欲求を充足させてくれる。
コノ作品は、消え入るように静かに終わる。

【最後に】

コノ音盤は少しノイズが聞こえるが、ソレはおそらく楽器が発するノイズと思われる。
コノアルバムは録音が良いのも魅力である。

【追加】

共演者、ヒンターホイザーの「ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ全曲録音」は、他の演奏と聴き比べた結果、ベストだと思う(「ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ全曲」その2(聴き比べ)参照)。
コノアルバムにおいて、ヒンターホイザーは、美しい演奏を聴かせていると思う。

【2014−11−6 書き忘れ】

コノアルバムにおいて、コパチンスカヤの表現・技巧は卓越している。

【追加】

円安なのに、いまなら安い!

Galina Ustvolskaya CD, Import
Patricia Kopatchinskaja (アーティスト) 形式: CD
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(2014−11−8 現在)

2014年7月 1日 (火)

煮ても焼いても食えない作品「ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ全曲」その2(聴き比べ)

Malov
Galina Ustvolskaya:
Piano Sonatas 1-6 Oleg Malov 1993年録音

Schroeder
Piano Sonatas 1-6 Marianne Schroeder 1994年録音

Denyer
Complete Piano Sonatas Frank Denyer 1995年録音

Sokolov
Piano Sonatas 1-6, 12 Preludes Ivan Sokolov 1995年録音

Hinterhauser
Piano Sonatas 1-6 Markus Hinterhäuser 1998年録音

Liebner
Piano Sonatas 1-6, 12 Preludes Sabine Liebner 2008年録音

Formenti
Piano Sonata 6 のみ
Marino Formenti, piano
2010年録音

--

ウストヴォーリスカヤのピアノ・ソナタは、つかみどころがない・・・というか、いま第何番の第何楽章を演奏してるのかも、わからなくなる。下記は、ザビーネ・リープナー盤(2枚組)の全トラックとタイミングを、NEOS のオフィシャル・ホームページからコピーして貼付けたもの。CD 1 の最初の12曲は、言うまでもなく「12の前奏曲」である。CD 1 のトラック13から、ソナタ第1番が始まる。
全トラック(ソナタの各楽章)が区切られてある音盤は、リープナー盤以外には、Frank Denyer 盤、および Ivan Sokolov 盤だけ。

--

Galina Ustvolskaya (1919-2006)

SACD 1
total time 40:28

12 Preludes (1953) 20:54
[01] No. 1 02:31
[02] No. 2 01:21
[03] No. 3 02:11
[04] No. 4 01:31
[05] No. 5 01:30
[06] No. 6 03:49
[07] No. 7 01:06
[08] No. 8 01:03
[09] No. 9 00:54
[10] No. 10 02:24
[11] No. 11 01:10
[12] No. 12 01:25

Piano Sonata No. 1 (1947) 09:12
[13] I 01:15
[14] II 01:28
[15] III 02:55
[16] IV 03:35

Piano Sonata No. 2 (1949) 10:03
[17] I 03:29
[18] II 06:34

SACD 2
total time 49:44

[01] Piano Sonata No. 3 (1952) 17:20

Piano Sonata No. 4 (1957) 09:44
[02] I 02:01
[03] II 02:28
[04] III 01:01
[05] IV 04:15

Piano Sonata No. 5 (1986) 16:00
[06] I 01:05
[07] II 01:55
[08] III 01:09
[09] IV 00:52
[10] V 02:41
[11] VI 01:01
[12] VII 02:22
[13] VIII 01:09
[14] IX 01:57
[15] X 01:50

[16] Piano Sonata No. 6 (1988) 06:09

Sabine Liebner, piano

--

第1番の第1楽章をユーチューブから写譜した:


Ustvolskaya - Piano Sonata No. 1 (Part 1/2)

Ustvolskaya_1_1_small

ちょっと弾いてみたのだが、この楽章は、アクセント(>)が鍵。アクセントしないと、全然雰囲気でない。

--

各楽曲の簡単な解説は英語版ウィキペディアにある。
ソナタ第1番については、「repeated use of single-note values 単音価がリピートされる」とある。

・第1楽章
上記、譜例では、冒頭の音型(5音)が、第6小節の左手、第12小節(4音)、19小節に繰り返される。それらの中、第6小節のみがフーガっぽく奏されるが、その他は、ただのリピートだと思う。

・第2楽章
ソナタ第1番は、おおむね、緩急緩急(四分音符=56 - 92 - 42 - 56)からなる。第2楽章は、第1楽章のドゥーブル(変奏)のように聞こえる。

・第3楽章
静寂の楽章。第1楽章の音型が使われてあるかどうか、わからないが、主な音型は、多分、新たに提示される。

・第4楽章
静かに始まり、そのあと、自由な発想で音楽が展開される。

--

・演奏比較
ザビーネ・リープナー(Sabiene Liebner)
繊細な演奏だが、この作品(第1番)が持つ、静けさと激しさのコントラストをもっと強くしたほうが良かったと思う。
その他の曲も、だらだらしてるように聞こえる。

Frank Denyer
英語版ウィキペディアに、「Frank Denyer, Ivan Sokolov, Markus Hinterhäuser による録音が、ウストヴォーリスカヤのお気に入りである」と書いてある。
Frank Denyer の演奏は力強い。はっきりした輪郭が、各楽章を性格付ける。たしかに、作曲者自身が気に入った演奏だけあって、作品に忠実な演奏:静かな楽章はリープナーの繊細さに劣るが、激しい部分(楽章)において、このつかみどころない作品群の魅力を聞かせる。
私の主観では、リープナーと Frank Denyer の演奏は両極であって、(大雑把に言って)その他の演奏者による演奏はリープナーと Frank Denyer の両者のいずれかに近い、と、私には聞こえる。すなわち表現力において細やかな技巧を聞かせる繊細なリープナーと、少々粗いが激しくストレートに作品の魅力を聞かせる Frank Denyer。

Marianne Schroeder
最後まで聴き通すのはきつい。第1番 第1楽章の「第6小節〜」の左手(冒頭の主題)がよく鳴り、かっこいい。そのテンションを最後までキープしてほしかった・・・彼女の演奏は、ウストヴォーリスカヤの「ピアノ・ソナタ全曲」に対するアプローチが、明確じゃないのか・・・。
やっぱり、英国アマゾンのカスタマーレビューが、うなずける(「ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ全曲」その1参照)。

Ustvolskaya_1_2_small
第1番 第1楽章の「第6小節〜」(midi <--- ココをクリックすると音が出ます)

(2014−7−1)

(下に続く)

Ivan Sokolov
・録音
この音盤(PIANO CLASSICS)は編集ミスがある。たとえば、第1番の各楽章はアタッカでつながっているが・・・つまり、それらは続けて演奏されなかればならないが、第1〜2楽章、第2〜3楽章、第3〜4楽章の間、音楽が途中で切れる。
・演奏
テンションが高い。メリハリがある。おおむねテンポが速い(リープナーも速いが)。しかし、たとえば、「第1番 第4楽章」の静と動のコントラスト、および、「第2番 第2楽章」のウストヴォーリスカヤのスローなテンションと雄弁さは、打鍵が強すぎて、うるさいと聞こえるかも知れない(Frank Denyer の打鍵も強いが許容範囲内か。一方、Sokolov の打鍵は強すぎるか)。
・演奏時間比較
Sabiene Liebner 第1番 1:15/1:28/2:55/3:35 第2番 3:29/6:34 第3番 17:20
Frank Denyer 第1番 1:26/1:23/4:06/3:40 第2番 3:10/7:00 第3番 19:45
Ivan Sokolov 第1番 1:13/1:23/3:04/3:33 第2番 3:44/5:47 第3番 16:39

Oleg Malov
「Symphonies 2, 3, 4 & 5」が良かったので期待したが、下のヒンターホイザーより面白くない。ただし、聞きやすい。つまり、テンポが速く、あっさりした演奏、と、言ってもいいだろう(全曲を67分あまりで演奏している。コレは、Ivan Sokolov の演奏のトータルタイムとほぼ同じ)。

マルクス・ヒンターホイザー(Markus Hinterhäuser)
マルクス・ヒンターホイザーのモートン・フェルドマン(Palais de Mari, Triadic Memories, For Bunita Marcus)は全然面白くない。彼の「ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ集」も面白くはないが、傷がないという点で、コレを決定盤と見なしていいかも知れない(ただし、私は面白いとは思わない。コノ人のピアノの音は美しいと思わない)。私の主観では、ヒンターホイザーは、ウストヴォーリスカヤのピアノ・ソナタの多様な性格を弾き分けている、と、聞こえる。第2番の第2楽章における「熱い」クライマックス(対位法)、第3番(第3番は単一楽章でありながら、ウストヴォーリスカヤの6つのピアノ・ソナタの中で一番長い。ヒンターホイザーの演奏で17分23秒)の秀でた、あるいは、巨匠的作曲技法、第4番の「荒涼」たるコントラスト(mixed with stark contrasts)、それらは、ヒンターホイザーの冷静さ、クリティカルな態度、無難さをもって、うまく料理されていると思う。しかし、それ以上でもそれ以下でもないと思う。


Ustvolskaya - Piano Sonata No. 2


Galina Ustvolskaya ~ Sonata No. 3


Ustvolskaya - Piano Sonata No. 4

ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ集は、どれがいいのかわからない。結局、米国アマゾンのレビューにあるが如くか;

Marino Formenti's 6th Sonata is edgy and violent which tells it from the other great performances by Markus Hinterhauser, Frank Denyer, Ivan Sokolov. -- Marino Formenti の第6ソナタは鋭く暴力的だ。その点、彼の演奏は、他の偉大な演奏家たち、マルクス・ヒンターホイザー、Frank Denyer, Ivan Sokolov の演奏とは違う。

(2014−7−7)


2013年6月 4日 (火)

ガリーナ・ウストヴォーリスカヤの「ピアノ協奏曲」「交響曲第1番」

Ustvolskaya

Galina Ustvolskaya
PIANO CONCERTO
SYMPHONY No1 (ON GIANNI RODARI)
THE URAL PHILHARMONIC ORCHESTRA,
DMITRI LISS, CONDUCTOR.
RECORDED AT THE YEKATERINENBURG PHILHARMONIA April 2000

1. Pianoconcerto (1946)
Piano Oleg Malov (17:51)

Symphony Nr 1 (1955)
for orchestra and two boy voices, on verses by Gianni Rodari
Canto 1 Boris Pinkhasovitch, Canto 2 Pavel Semagin
2. Part I (2:33)
Part II
3. Ciccio (1:58)
4. Merry-go-round (1:25)
5. Saturday Night (1:10)
6. The Boy from Modena (1:35)
7. “Buy Jumble” (1:12)
8. Waiting room (1:36)
9. When the Chimneys Die (1:27)
10. Sun ! (2:05)
11. Part III (5:38)

文字数節約のため、簡単に書く。

ピアノ協奏曲
ショスタコーヴィチの交響曲第5番(1937年)に似ている。オケは弦と打楽器だけ。旧ソ連の批判を避けるため消極的に逸脱している。序盤の速いピアノソロは少しジャズっぽい。最後はハ長調に終わる。

交響曲第1番
20分ほどの短い作品。2人のボーイソプラノによる可愛らしい作品。これまた、ウストヴォーリスカヤにしては控えめな作品。しかし、大音量で聴くと打楽器に迫力ある。リーフレットに歌詞が書いてないので、何を歌ってるのか分からない。宗教的歌唱に始まるが、題名を見れば分かる通り宗教曲ではない。音楽的にも宗教というより民族的歌謡を思わせる。

【参考】
Galina Ustvolskaya: Piano Concerto, Symphony Nr 1

【Amazon.co.jp へのリンク】
Galina Ustvolskaya: Symphony No.1 / Piano Concerto

2013年4月23日 (火)

煮ても焼いても食えない作品「ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ全曲」その1

Liebner

Ustvolskaya
Complete Works for Piano
Sabine Liebner
2008 年録音
SACD

12 Preludes (1953)
Piano Sonata No. 1 (1947)
Piano Sonata No. 2 (1949)
Piano Sonata No. 3 (1952)
Piano Sonata No. 4 (1957)
Piano Sonata No. 5 (1986)
Piano Sonata No. 6 (1988)

--

Schroeder

Ustvolskaya
Piano Sonatas 1-6
Marianne Schroeder
1994 年録音

--

ことの発端は、

英国アマゾンのカスタマーレビューにて、私の好きなピアニスト、マリアンネ・シュレーダー(フェルドマンのジョン・ケージのためにを録音している)の「ウストヴォーリスカヤ:ソナタ全曲」を、ボロクソけなしていたので、「あま‐の‐じゃく」の私は、シュレーダー(Marianne Schroeder)とリープナー(Sabine Liebner)を購入して聴き比べてみようと思ったこと。

リープナー盤は、昨年12月に入手した。しかし、これはピンと来なかった。シュレーダー盤は、今年1月入手した。しかし、これもピンと来なかった。

リープナー盤は、録音が新しいし、SACD なので、期待したが、美しすぎる。シュレーダー盤は、粗い。

この作品は、

・バッハ
・ショスタコーヴィチ(24の前奏曲とフーガ)
・民族音楽(ロシア、スラブ)

を合体させた音楽だと思う。

「ウストヴォーリスカヤ:ソナタ第2番」の第2楽章が平均律第2巻の変ロ短調フーガに似ている・・・と思ったがよく聴くと似てない。ウストヴォーリスカヤは、フーガ的開始でフーガと見せかけといてフーガをやらない。

ただ、彼女自身は、これらの作品群にアイデアを持っていたことが、下の手紙で分かる・・・と言いたいところだが、私の英語の語学力では、意味を読み取れない(下の手紙は上記英国アマゾンのカスタマーレビューアさんが「See her letter about it on ustvolskaya's official site, "performers" section. "」と紹介している手紙である。

Schroeder_e
A letter from G. Ustvolskaya concerning Marianne Schroeder's play (http://ustvolskaya.org より)

--

その後、以下2点も購入
ウストヴォーリスカヤ:ピアノ・ソナタ全曲
Ivan Sokolov(1995 年録音)
Markus Hiterhäuser(1998 年録音)

(つづく)

2013年1月29日 (火)

ガリーナ・ウストヴォーリスカヤの「Symphonies 2, 3, 4 & 5」

Ustvolskaya

Galina Ustvolskaya
Symphonies 2, 3, 4 & 5

Symphony Nr 2 "True And Eternal Bliss" (1979) 16' 10
for orchestra and solo voice
THE URAL PHILHARMONIC ORCHESTRA
conducted by Dmitri Liss
Piano Oleg Malov, Voice Pavel Nemytov

Symphony Nr 3 "Jesus Messiah, Save Us!" (1983) 13' 08
for orchestra and soloist
THE URAL PHILHARMONIC ORCHESTRA
conducted by Dmitri Liss
Piano Oleg Malov, Voice Pavel Nemytov

Symphony Nr 4 "Prayer" (1985/87) 6'43
for trumpet, tam-tam, piano and contralto
OLEG MALOV & THE ST.PETERSBURG SOLOISTS
Trumpet Vassili Kan, Tam-tam Valery Javnerchik,
Piano Oleg Malov, Contralto Elena Popova

Symphony Nr 5 (1989/90) 13' 48
for oboe, trumpet, tuba, violin, percussion and recitant
OLEG MALOV & THE ST.PETERSBURG SOLOISTS
Oboe Pjotr Tosenko, Trumpet Vassili Kan, Tuba Valentin Abbakumov, Violin
Alexander Shustin, Percussion Valery Javnerchik, Recitant Oleg Popkov,
Conducted by Oleg Malov

Recorded: 1994 (3 & 4), 1999 (1 & 2)

このアルバムは現在廃盤である。

米国アマゾンのカスタマーレビューには「買うな」と書いてあるが、私は、とてつもないド迫力が気に入った。録音は良い。

これらの作品群は、宗教曲(2、3、4番は題名付き、全曲、声楽またはナレーション付き)の名を借りた化け物音楽なのか、本当にウストヴォーリスカヤは宗教的メッセージをこれらの作品に込めたのか分からない。

ゴジラの映画音楽にぴったり(つまり伊福部昭を思わせる)。ペンデレツキーを思わせる。しかし、ショスタコーヴィチには似ていない。再発売して欲しい。

【参考】 Galina Ustvolskaya Symphonies 2, 3, 4 & 5

2012年12月12日 (水)

ガリーナ・ウストヴォーリスカヤの「Composition No. 2 "Dies irae" 」ほか

Galina_ustvolskaya

Galina Ustvolskaya
Composition No. 2 "Dies irae"
Sonata No. 6
Grand Duet
Live Recording: 2010

1. Composition No. 2 "Dies irae" for eight double basses, wooden cube and piano (1972/73) (21: 16)
Ludus Gravis: Daniele Roccato: principal double bass, Stefano Battaglia, Maurizio Bucci, Pablo Di Gironimo, Simone Masina, Giacomo Piermatti, Francesco Platoni, Alessandro Schillaci: double bass
Laura ancini: wooden cube
Fabrizio Ottaviucci: piano
Stefano Scodanibbio: conductor

2. Sonata No. 6 for piano (1988) (6: 42)
Marino Formenti: piano

3 - 7. Grand Duet (1959) (23: 59)
Rohan de Saram: violoncello
Marino Formenti: piano


ウィキペディアによるとガリーナ・ウストヴォーリスカヤはショスタコーヴィチの弟子らしいが、作風はショスタコーヴィチと全然違う。つまり、ウストヴォーリスカヤはショスタコーヴィチよりはるかに前衛的。よくもこんな作曲家が旧ソ連で生きていられたもんだ(作風についてはウィキペディア参照のこと)。

1曲目の「Dies irae (1972/73)」の8人のコントラバス・アンサンブルは大音量で聴くに耐える。この曲は、グバイドゥーリナを思わせる。しかし、宗教的なメッセージ(モーツァルトのレクイエムの「Dies irae」のようなダイレクトな最後の審判の描写)がないので、その中途半端な宗教性は、むしろグバイドゥーリナに対するアンチテーゼに聞こえる。

第2曲は、いかれたピアノ独奏曲だ。しかし、大音量で聴くと気持ちいい。こういう作品で「美」を表現してくれたら、私は有頂天になってしまうだろう。

5楽章からなる「Grand Duet (1959)」が私は気に入った。Rohan de Saram と、ピアニスト(Marino Formenti)の演奏がここでは明快だ。この曲は、少しロシア風に聞こえる。最後は夜の音楽で終わる。

ウストヴォーリスカヤの作品はある意味、はみだしの音楽である。しかしそれ故、むしろ、今日(21世紀)において、価値がある音楽だと思う。「はみだし」と言っても、彼女の音楽には、ブーレーズとは違って、情感がある(私は、20世紀のブーレーズの音楽は嫌いじゃ)。

2、3曲目は、グバイドゥーリナやペンデレツキの作品のような宗教や政治的コンセプトがないという意味で純音楽。
私は、純音楽の隠れた作曲家、しかも孤高の女性作曲家を発見できてうれしい。こういう作曲家を見つけると長生きしたくなる。

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