2011年10月14日 (金)

フィリップ・マヌリ作曲 合唱作品集「インハーモニーズ」ほか

Inharmonies

Philippe Manoury (né en 1952)
1. Fragments d'Héraclite 2002-2003 [12' 01]
2. Inharmonies 2008 [7' 54]
3. Slova 2001-2002 [17' 49]
4. Trakl Gedichte 2006 [9' 27]
Accentus
Laurence Equilbey, conductor
Recorded live in 2 concerts at the opéra de rouen haute-normandie, 16 October 2009 and 4 June 2010
Naïve

【HMV.co.jp へのリンク】
フィリップ・マヌリ:合唱作品集 エキルベイ&アクサンチュス

HMV.co.jp のレビューに追加して
これは、マヌリとアクサンチュスのコラボレーションであり、アクサンチュスの優れた合唱能力とロランス・エキルベイの指揮は聴きごたえがある。しかし、合唱曲なら、歌われている内容は大事なはずであるが、これら4曲の詩的テーマを私は理解できなかった(「Slova」の歌詞はこの作品のために書かれたらしい)。これら4つの作品は詩にこだわることなく、音(人間の声)を聴くべきなのだろう(それなら、SACD にして欲しかった)。「Slova は拡大された第1楽章、スケルツァンド、アダージョからなり、マーラーの交響曲的である」とマヌリ自身がブックレットに書いている。Slova はチェコ語で歌われている。Slova のアダージョは例外的に宗教的な響きがある。この作品だけはストーリー性があるような気がするが私はそれを理解できなかった。

この CD の1曲目と3曲目は打楽器が演奏されるが、それらは歌手自身によって演奏される。その他の曲は無伴奏合唱曲である。

2011年10月 9日 (日)

フィリップ・マヌリ作曲「ピアノ・ソナタ第1番」"LA VILLE (,,,première sonate,,,)"

La_ville

PHILIPPE MANOURY (1952-) -"LA VILLE (,,,première sonate,,,)" (2002) (first world recording)
Jean-François Heisser ジャン=フランソワ・エッセール, piano
Recorded: 2003
Praga Digital
Total Time 36' 22

“La Ville” for solo piano, can be understood as a sort of postlude to K, a stroll outside of time, a tribute to the historic quarters of Prague haunted by the shade of Kafka, as much a psychological labyrinth as a seemingly abstract construction with a strange power of fascination (world premiere).

この作品は、マヌリのオペラ「K(カー)」(カフカに基づくオペラ)の後奏曲とあるが、その「K」というオペラが(現時点で)録音されてないので、この作品がオペラ「K」とどういう関係にあるか分からない。ただ、ブックレットに付いているマヌリ自身が書いた解説(エッセイみたいな解説)によると、この作品は「カフカの時代の面影を残すプラハをそぞろ歩きしたこと」「リストのソナタの思い出」「ベルクの形式」がその前奏になったと書いてある。私は、リストのピアノ・ソナタは「折返点」を持つ「橋梁形式(アーチ形式)」ではないかと思っていたので、このソナタがリストのソナタを手本にしているという点は理解できる。下図の破線で囲んだ四角の中の D1, D2 の下降音型は、リストのソナタの冒頭と最後の「枠」の下降音型を思わせる。また二重線で囲んだ四角の中の F は、ベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」の最終楽章の巨大なフーガを思い出させた。そして二重線で囲んだ四角の中は、トッカータとフーガが交互にある。それはバッハのまねである。この作品は、C, D, E, F の部分と、A, B との間を、2ないし3トラックおきに行ったり来ているのだから、シンプルな構造になっていると思った。もともと、私がこの作品に興味を持ったのは、Amazon.de のレビューに「この作品を30回も聴いた」と書いてあったからである。確かに下の図を見ながら聴くと退屈しない作品である。

Manoury_sonata_thumbnail
この CD に付いているマヌリの手書きのスケッチ
この CD は、マヌリの手書きのスケッチのとおりにトラックが仕切ってあるので聴きやすい(クリックすると拡大します)。
トラック10は、[G], Centre, およびフェルマータのような記号がある。ここは長い休止がある。

2011年9月23日 (金)

スザンナ・マルッキ指揮 フィリップ・マヌリ作曲「肖像画のための断章 (1998)」「パルティータ I (2006)」

Manoury

PHILIPPE MANOURY (*1952) - Fragments pour un portrait

Christophe Desjardins viola
Ensemble intercontemporain / Susanna Mälkki
IRCAM

Includes booklet with text by Martin Kaltenecker
0012922KAI - 2009

tracklisting:

Fragments pour un portrait (1998) 38:59
for ensemble
(01) Chemins 4:58
(02) Choral 4:53
(03) Vagues paradoxales 5:50
(04) Nuit (avec turbulences) 11:16
(05) Ombres 2:28
(06) Bagatelle 1:31
(07) Totem 8:01

Partita I (2006) 40:57
for viola and live electronics
(01) I 3:55
(02) II 2:36
(03) III 2:59
(04) IV 5:00
(05) V 4:20
(06) VI 5:48
(07) VII 6:40
(08) VIII 6:16
(09) IX 3:25

TT: 79:59

2008 年録音

KAIROS

【Amazon.co.jp へのリンク】
PHILIPPE MANOURY - Fragments pour un portrait (1998) Partita I (2006) Christophe Desjardins, Ensemble intercontemporain / IRCAM, Susanna Mälkki

Fragments pour un portrait (1998)
ブックレットによると、ベラスケスの『教皇インノケンティウス10世の肖像』による習作を書いたフランシス・ベーコンの作品を基にした作品らしい。だが、題材が気味悪い割には、全然面白くない。

Pope_innocent_x

Partita I (2006)
これは、大音量で聞くと気持ちよい。といっても、非常に変わった作品である。基本的に、ヴィオラソロと電子音だけの作品なので、これもまた、ルカ・フランチェスコーニ作曲「アニムス Animus (1995) For trombone and electronics」と同様、スザンナ・マルッキが指揮をしているとは言い難い。ブックレットには、ヴィオラとエレクトロニクスが、ある種の「インタラクティヴ」な演奏をしているというようなことを書いてあるが、多分、この演奏は、ヴィオラ奏者が、プログラムされた電子音に合わせて弾いているのであって、即興性はないと思う。私がこの曲を気に入った理由は、ひとつは、クラシック音楽の楽器がエレクトロニクスとうまく調和している点。もうひとつは、新しい音楽の可能性を示唆している点。というのも・・・録音技術・再生技術が電子化されてしまった今日において、私たちは、クラシック音楽の本当の音を聴いているのだろうか。なぜなら、クラシック音楽の演奏家は誰もが電子化された技術に馴れているわけではない。中には商品として世に出た音に「自分の CD を聴いてびっくり。これは私が弾いたピアノの音なのか」と言うピアニストもいらっしゃる。逆に、最新の電子技術による優秀な録音・編集は、クラシック音楽を理想的に再現する。したがって、演奏家自身が、演奏手段・伝達手段としての電子音と関わりを持ち、それを知ることは良いことだと思う。

Partita I は、組曲である。第5組曲は3拍子、第7組曲は付点のリズムを持っている。

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