2017年1月22日 (日)

Rachmaninov & Prokofiev: Cello Sonatas with two smaller pieces by Tchaikovsky, Nina Kotova Fabio Bidini

Kotova

Rachmaninov & Prokofiev: Cello Sonatas
Nina Kotova, cello
Fabio Bidini, piano
2014年録音
WARNER CLASSICS

Sergei Rachmaninov (1873-1943)
Sonata for cello and piano in G minor, Op. 19 [34:56]
1 Lento - Allegro moderato [12:29]
2 Allegro scherzando [6:26]
3 Andante [5:36]
4 Allegro mosso [10:24]

Sergei Prokofiev (1891-1953)
Sonata for cello and piano in C Major, Op. 119 [23:37]
5 Andante grave [11:06]
6 Moderato [4:38]
7 Allegro, ma non troppo [7:52]

Pyotr Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
8 Romance (No.5: Andante cantabile from 6 pieces, Op. 51) [5:21]
9 Meditation (No.5 from 18 pieces, Op. 72) [3:57]

Total Timing: 67:52


【収録情報】
● ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19
● プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119
● チャイコフスキー:ロマンス Op.51-5
● チャイコフスキー:瞑想曲Op.72-5,

 ニーナ・コトワ(チェロ)
 ファビオ・ビディーニ(ピアノ)

 録音時期:2014年12月
 録音場所:ダラス、カルース・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


ニーナ・コトワ、大作(ラフマニノフ:チェロ・ソナタ)、傑作(プロコフィエフ:チェロ・ソナタ)に挑む。

私の評価:Stars4


私は、ラフマニノフ、プロコフィエフ、この2人の作曲家は苦手。だから、下記レビューは、引用部分を除いては、あまり参考にならないと思う。しかしながら、私は、ニーナ・コトワのこのアルバムを気に入りました。なぜなら、コトワというチェリストは(主観的で抽象的表現だが)リスナーに向いて演奏している(=リスナーにやさしい。フレンドリー)と感じるからです。彼女の演奏はソフトなのが良い。


楽曲についての大まかな説明は、ウィキペディアが参考になる。「ウィキペディア英語版(Cello Sonata (Rachmaninoff)より)」。それによると「ラフマニノフは(この作品19を)チェロ・ソナタと呼ぶのを嫌った。なぜなら、彼はこの作品においてチェロとピアノは対等であると思ったからである。Rachmaninoff disliked calling it a cello sonata because he thought the two instruments were equal.」また、同ページに「多くの主題は、ピアノにより開始され、それらは、チェロ・パートによって装飾・拡張される。Most of the themes are introduced by the piano, while they are embellished and expanded in the cello's part.」とある。

ピアノ・パートの重要性については、プロコフィエフのチェロ・ソナタについても同じことが言えると思う。なにしろ、プロコフィエフのチェロ・ソナタは、ロストロポーヴィチとスヴャトスラフ・リヒテルによる初演だからである(ウィキペディア日本語版(チェロソナタ (プロコフィエフ))より)

ただし、それぞれの作品(ラフマニノフとプロコフィエフのチェロ・ソナタ)の形式についての説明は、英語のリーフレット(輸入盤)にも書いてないようだ・・・どこかに書いてないかな・・・と思いつつ、グーグルで検索してみたら、下記ページを発見しました(←これは非常に参考になります)(←そして、当該ブログ開設者様へ、リンク快諾、有難うございます)。

eflatのチェロ講座/20世紀ロシア3大チェロソナタリサイタル楽曲解説(2012年11月9日)

上記ページによると「(ラフマニノフのチェロ・ソナタは)全楽章をとおして、厳格なソナタの形式を踏まえ、最後(第4楽章)もそれを踏襲している」「(プロコフィエフのチェロ・ソナタ、第1楽章の)一見、気まぐれに見えるこの楽章は、変則的なソナタ形式とみなすことができます」とのこと。

ラフマニノフのチェロ・ソナタもプロコフィエフのそれも、形式的にソナタ形式を踏襲しているということだが、それらは、ユニークにして難解なので、正直言って私には、それらのソナタ形式をつかめない(汗;;。

コトワのラフマニノフをアリサ・ウェイラーズテイン(ワイラースタイン)盤と比較すると、ウェイラーズテイン盤の方が、コトワのそれより力強くメリハリあり輪郭がはっきりしているので、前者の演奏の方が「聴き応えある」と思う人も多いと思う。

「コトワ盤」は、ビディーニのピアノ伴奏の音量が大きい。が、それは、ビディーニが、コトワを、よくサポートしているのか、それとも、よくサポートしていないのか・・・意見が分かれると思う。上記ラフマニノフのチェロ・ソナタも、プロコフィエフのそれもピアノ伴奏が重要だが、このビディーニの伴奏は、全曲の楽想の中で、適宜、控えめに弾いたり、または、エキサイトして弾いたりしていると思う。ただし、この2人のアンサンブルは、絶妙とまでは言えないと思う。


【最後に】

とは言え、コトワのラフマニノフは、第4楽章「アレグロ・モッソ」が鮮やか。コトワのプロコフィエフは、第1楽章の技巧が気持ち良い(9分40秒〜)。

 
 
Kotova
(C) Apple Music

2016年6月13日 (月)

ハチャトゥリアン/プロコフィエフ/グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲集(ユリア・フィッシャー/ロシア・ナショナル/クライツベルク)/この人のアルバムは、結局、これが一番良かった・・・という、面白くない結論に至った

Russische_konzerte

Russian Violin Concertos
Julia Fischer, Violin
Russian National Orchestra
Conducted by Yakov Kreizberg

Recorded at DZZ Studio 5, Moscow, May 12th & 13th, 2004
PTC 5186059
Pentatone

Aram Khachaturian (1903-1978)
Violin Concerto in D minor (1940)

Serge Prokofiev (1891 - 1953)
Violin Concerto No. 1 in D, Op. 19 (1916-1917)

Alexander Glazunov (1865-1936)
Violin Concerto in A minor, Op. 82 (1906)

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私の中では、この人のアルバムは、結局、彼女が、20才の時に録音した、この盤が一番良かった・・・という、面白くない結論に至ってしまった。

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【Apple Music】 検索キーワード:Julia Fischer

2015年10月23日 (金)

外国のレコード会社は、傷物として返品されたものを、新しくパッケージしなおして、新品として売ったりするのだろうか

このエントリーはhttp://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/trio-1980-dvd-b.htmlに続きます。

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Prokofiev

Prokofiev: Violin Concetos 1&2 / Five Melodies for violin & piano, Op. 35 bis
Anne Akiko Meyers, violin
Li Jian, piano
Frankfurt Radio Symphony Orchestra
Dmitri Kitayenko, conductor
1995 / 1997年録音
RCA

←この商品も、新品未開封なのに、小さい異物(0.5ミリ〜1ミリ)が、一つ、CD盤に付着していた。ごく小さな擦り傷も、外縁、約8ミリ、擦ったようにあった。
←その小さい異物(付着物)を、用心深く、掃除したけど、それは、完全にはとれなかった。
←幸い、再生に、異常ないようだ。
←これは、モートン・フェルドマンの “Trio (1980) [DVD]”と同じくアマゾン・マーケットプレイスにて購入。

※ 外国のレコード会社は、傷物として返品されたものや、あるいは、なんらかのトラブル・事情で返品されたものを、繰り返し、新しくパッケージしなおして、新品として売ったりするのだろうか。

2015年10月20日 (火)

ムローヴァの「プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63」「2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.56」「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115」

Prokofiev

Viktoria Mullova
Prokofiev

Sergei Prokofiev
Violin Concerto No.2 in G op.63 (1935)* (live recording)
1 I Allegro moderato 10.15
2 II Andante assai 9.15
3 III Allegro, ben marcato 6.09

Sonata for two violins in C op.56 (1932)† (live recording)
4 I Andante cantabile 2.27
5 II Allegro 2.45
6 III Commodo (quasi Allegretto) 3.30
7 IV Allegro con brio 5.08

Solo Violin Sonata in D op.115 (1947) (live recording)
8 I Moderato 4.33
9 II Andante dolce. Tema con variazioni 2.37
10 III Con brio 3.48

Total timing: 50.55

Viktoria Mullova, violin
*Frankfurt Radio Symphony Orchestra
*Paavo Järvi, conductor
†Tedi Papavrami, violin II

Recorded: 2012 / 2014

Catalogue No: ONYX4142

(以上、onyxclassics.com より)

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【収録情報】

プロコフィエフ:

1. ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63(ライヴ・レコーディング)
2. 2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.56(同上)
3. 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115(同上)

 ヴィクトリア・ムローヴァ(ヴァイオリン)
 テディ・パパヴラミ(ヴァイオリン:3)
 フランクフルト放送交響楽団(1)
 パーヴォ・ヤルヴィ(指揮:1)
 2012 / 2014年録音

(以上、HMV.co.jp より)

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私の評価:星4つ。老獪な演奏。しかし、後輩たちより、格が上だとは思わない。

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私は、「プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63」を、いつの間にか、9種類も持っていた(←ムローヴァの旧録音(1988年録音)を含む)(下記)。

Shostakovich: Violin Concerto No. 1 Prokofiev: Violin Concerto No. 2 Viktoria Mullova André Previn 1988年録音

Prokofiev: Violin Concerto No 2 Shostakovich: Violin Concerto No 2 Vengerov Rostropovich London Symphony Orchestra 1996年

Prokofiev: Violin Concertos Nos.1 & 2 Tchaikovsky: Sérénade mélancolique Charles Dutoit and Leila Josefowicz and Orchestre Symphonique de Montréal 1999年

Tchaikovsky: Violin Concerto, Op. 35 Prokofiev: Violin Concerto No. 2, Op.63 神尾真由子 Sanderling 2010年

Prokofiev: Violin Concerto No.2 in G minor, op.63 Sonata for 2 violins in C major, op.56 Sonata for violin and piano in F minor, op.80 no.1 Janine Jansen, violin Boris Brovtsyn, violin Itamar Golan, piano London Philharmonic Orchestra Vladimir Jurowski 2012年

Prokofiev: Violin Concertos Nos 1 2 Sonata for Violin Solo in D major Op. 115 Arabella Steinbacher Vasily Petrenko 2012年

Prokofiev: Violin Concertos Nos 1 2 庄司紗矢香 Temirkanov 2012年

Prokofiev: Violin Concerto No.2, Op.63 Stravinsky: Violin Concerto in D Kopatchinskaja Jurowski 2013年

Prokofiev: Violin Concerto No. 2, G Minor, Op. 63 Max Bruch: Violin Concerto No. 1, G Minor, Op. 26 Guro Kleven Hagen Oslo Philharmonic Orchestra Bjarte Engese 2013年

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「ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63」

結論から先に書くと、ヴェンゲーロフ盤が、ベストであると思う。

ヴェンゲーロフ「Op.63」について

プロコフィエフの Vn 協奏曲(1、2番)は、本当はこういう曲だったのかと思わせられた(プロコフィエフ1番にはカデンツァがないけど、テーマがダカーポする前にヴァイオリンソロがあるということに、私はヴェンゲーロフの演奏を聴いて初めて気がついた)。
オケとソロイストがつぼを押さえているような気がする、かつ雄弁である(オケの音がよく聞こえる)。
ロストロポーヴィチは、プロコフィエフと親交があったのかどうか知らないけど、ロストロポーヴィチの指揮する微妙なテンポ、デュナーミク、アーティキュレーション、音色は作曲家の意図に近いのだろうと推測される。
ヴェンゲーロフとロストロポーヴィチのコンビは相性が良いと思う。息が合っている。ロシア製高級車&豪華客船に乗っているような気分にさせる。
それに対し、シュタインバッハーとペトレンコの演奏は粗いし、息が合ってない(音がぶつかる、かぶる)。
しかしながら、私はシュタインバッハーに思い入れがあるので、シュタインバッハーの荒くれ演奏のほうに快感を感じる。

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ムローヴァの「Op.63」について(ボロが出ないように出来るだけ簡単に書きます)

このアルバムの「Op.63」を聴いて、私は「ムローヴァは、コノ作品に慣れている」と思った。「彼女は、満を持して、同曲を初録音した」と私は思った。しかし、コレは、彼女の2度目の録音だった。

ちなみに、ムローヴァの同曲旧盤の第2楽章は、堂々たる演奏。力強くも、よく歌っている。

彼女の「Op.63 新録音」(さらに「二重奏 Op.56」「ソロ Op.115」)は、御歳五十を過ぎたムローヴァの、良い意味でも悪い意味でも老獪(ろうかい)な演奏だと思う(良い意味では、キレがあり、力強く、適度に歌い、緻密。悪い意味では、新鮮さ・若さが消えた)。

【注】老獪:(ろうかい)経験を積んでいて,非常にわるがしこいこと(さま)。「―な手口」「―な政治家」「―ぶりを発揮する」(大辞林より)

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その他の演奏者の「Op.63」について

・ジャニーヌ・ヤンセン:若々しくて新鮮。ムローヴァに比べて自然体。←つまり癖がない。←コレを好む人は多いだろう。
・コパチンスカヤ:表現が強すぎる。
・庄司紗矢香:第2楽章を、ねちっこく歌っているのが美しい。しかし、彼女の「プロコフィエフ:Vn 協奏曲 Nos 1 2」は、私にとって期待はずれだった。
・Leila Josefowicz:久しぶりに、改めて聴いてみると、意外に良かった。
・シュタインバッハー:第2楽章の歌が素晴らしい。←この第2楽章は、ムローヴァの「技巧と表現の両立」に比べると、素直、自然体、作為的でないのが良い。
そして、シュタインバッハーの第3楽章(Allegro, ben marcato アレグロ、十分にアクセントをつけて)は、第2楽章とは対照的に荒々しいのが良い&退屈させない(ムローヴァ新盤を含めてシュタインバッハー以外の人が弾いた同曲第3楽章は、私を退屈させる)。

上記の演奏者に対し、ムローヴァは、当然、ベテランの域に達している。しかし、彼女が後輩たちより、格が上だとは私には思えなかった。

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私は、このアルバムの中で、下記「Op.56」「Op.115」が気に入った。

「2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.56」

緩急緩急の4楽章からなる。ムローヴァの技巧は衰えていない。
遅い楽章は、たっぷり歌っているが、歌いすぎない。速い楽章は「やや表現がきつく、やや粗い」が、それが気持ち良い。また、ムローヴァとテディ・パパヴラミは、プロコフィエフ独特の旋律・テクスチュアを、技巧だけに走らず、肩に力を入れずに、インティメートに弾いていると思う。
第3、4楽章の民族性が良い。
上手い。

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「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115」

これまた、上手い。
これは「Op.56」より、さらに、インティメート。聞きやすい。そして、民族的旋律が生きている。
第2楽章は「テーマ(アンンダンテ、ドルチェ)」と5つの変奏曲からなる。
ムローヴァは、リスナーのために、一風変わった「Op.115」の形式を「聞きやすくしている」と思う。繰り返すが、旋律の生き生きした美しさ!
第4楽章は、なんだか分からないが、全曲を《閉めている》(ジャケットに、The third movement shows something of Prokofiev’s wry humour in its wayward yet nostalgic waltz theme. 気まぐれでノスタルジックなワルツのテーマにおいて、皮肉なユーモアを見せる、と書いてある)。

2014年8月19日 (火)

アリーナ・イブラギモヴァの「プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1、2番」

Prokofiev

Serge Prokofiev (1891-1953)
Violin Sonatas
Alina Ibragimova, violin
Steven Osborne, piano
Hyperion Records
2013年録音

【収録情報および演奏時間】

Violin Sonata No 1 in F minor Op 80 [26'50]
Five Melodies Op 35bis [11'49]
Violin Sonata No 2 in D major Op 94bis [22'04]

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私はプロコフィエフが苦手だ。彼の作品は、「Pf協奏曲第3番」と「Vn協奏曲第1、2番」しか知らない。したがって、以下のレヴューは《信頼できない》と思ってください。

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英国アマゾンのレビューで評価が高かったので、イブラギモヴァの「プロコフィエフ:Vnソナタ」を購入。

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プロコフィエフのVnソナタの決定盤は、オイストラフ盤だと思う。
(ただし、私は「同曲/オイストラフ盤」を持たない。上記のユーチューブで聴いたのみ)

プロコフィエフのVnソナタは、私には手に負えない作品。つまり、煮ても焼いても食えない作品。
(私、アイヴズのVnソナタの方がわかりやすいです)

「同曲/庄司紗矢香盤」は、火事で焼失したが、この度、聴き比べのために買い戻した。庄司の演奏は、勿論悪くなかった。彼女のプロコフィエフは、繊細かつ力強く雄弁であり冴えた演奏。庄司は、彼女の技巧で、プロコフィエフの特長を生かしていると思う。思うに、「プロコフィエフ:Vnソナタ」の特長とは:

・複雑さ(複雑なソナタ形式、形式的と非形式的の同居やアンビバレントなど)
・旋律、音形のユニークさ(複雑?)
・調性のあやふやさ
・ユニークな奏法(必ずしも特殊奏法ではなく、ヴァイオリンの重音。また、たとえば第2番の第3楽章の中間部は四分音に聞こえる)
・激しさと甘美さの同居、コントラスト
・リズムの不規則性(ヘミオラなど?)
・テンポの緩急変化
・アクロバティック(ヴァイオリンのアクロバティックな技巧。ヴァイオリンとピアノの掛け合いなど)
・ポリフォニー(ヴァイオリンとピアノとの対位法など)
・民族性など

私は、上で、「複雑、ユニーク」と書いたが、本当は、私は同曲をグロテスクだと思っている。そして、その「グロテスク(?)」とプロコフィエフの「擬古典(??)」が異様に(???)結びついていると思う・・・同曲の特長は、オイストラフの演奏(すなわち上記ユーチューブにおけるオイストラフの演奏)を見ると、よくわかる。

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話が脇道にそれるが、件のユーチューブの動画は著作権侵害にならないのだろうか? その動画ではプロコフィエフ:Vnソナタ全曲のスコアを見ることができる(同曲スコアは高くて買えないので助かる!)。また、その動画は、動画上、音楽の進行と「スコア」のページが《めくられる》のが同期しているので、(音楽・作品を知る上で)分かりやすく、かつ有意義・・・。そしてさらに言えば・・・プロコフィエフのVnソナタのスコアは複雑なので、私などは、スコアを購入しても音楽を聴きながら音楽がスコアのどこを演奏しているかを追うこと、繰り返すが、《音楽を聴きながらスコアを追うこと》は私にはできないだろう。だから、ユーチューブの動画における「音楽とスコアの同期」は非常に有難い。

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さて、本題のイブラギモヴァのプロコフィエフだが、それを庄司のプロコフィエフと比べるのは面白いと思う。
イブラギモヴァのプロコフィエフは手堅い演奏だと思う。渋い。彼女は秀でた技巧を聴かせているが、それでも寡黙に聞こえる。イブラギモヴァの「寡黙」というのは感情移入の無さだと思う。それは、硬派な演奏であると思う。ただし、イブラギモヴァの「寡黙」とは、飽くまで、《庄司紗矢香の「雄弁」との比較において》である。イブラギモヴァもよく歌いながもさわがしい。ただイブラギモヴァの庄司に対する優位は、激しさから静かさへと移行するのがうまいこと、だと思う(たとえば、第1番第4楽章の終わり、第2番第2楽章スケルツォ1分40秒あたりなど)。したがって、余韻がある。ただし一つ思うことがある。それは、イブラギモヴァは重音をもっと生かして欲しかった・・・オイストラフの演奏は重音が生きている。

庄司はプロコフィエフのユニークさを技巧と歌で聴かせる。だがしかし、庄司のプロコフィエフにロシアの民族性はあるのか、は、疑問だ。ちなみに私が、プロコフィエフ:Vnソナタに、民族性を感じるのは、たとえば、第1番第4楽章の終わりの部分(下記)。
イブラギモヴァ、クレーメル、オイストラフの民族性が随分違うと感ずるのが面白い。

クレーメル&アルゲリッチ盤は、2人のバトルを期待したが、アルゲリッチはもうちょっと強く弾いて欲しかった(クレーメルの演奏はまあまあだと思う)。アルゲリッチは、「ベートーベン:Vnソナタ」で強烈だったと私は記憶しているが、このプロコフィエフの伴奏は普通に聞こえた。彼女の十八番、プロコフィエフのPf協奏曲第3番を、私は、生で聴いたことがあるが、それはすごかった・・・そのことについて、ココで書くと長くなるので書かない。

イブラギモヴァ盤ピアノ伴奏 Steven Osborne は、庄司紗矢香盤のイタマール・ゴランと同様にうまいと思う。

(追加)イブラギモヴァ盤は、ソナタ1番より2番が良いかも知れない。そして、ソナタより「5つのメロディー」が良いかも知れない。

Prokofiev_vn_sonata_1_1_9
プロコフィエフ:Vnソナタ 第1番第1楽章の終わり(midi

2014年7月22日 (火)

グーロ・クレーヴェン・ハーゲンの「プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第2番」

Hagen

Sergei Prokofiev:
Violin Concerto No. 2, G Minor, Op. 63

Max Bruch:
Violin Concerto No. 1, G Minor, Op. 26

Guro Kleven Hagen, violin
Oslo Philharmonic Orchestra
Bjarte Engeset, conductor
Recorded 27-29 May 2013

私の評価:星3.5

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グーロ・クレーヴェン・ハーゲン(Guro Kleven Hagen)は1994生まれ。ノルウェー出身(HMV.co.jp参照のこと)。

コパチンスカヤのプロコフィエフ2番と比較する。

・コパチンスカヤのプロコフィエフ第2番
プロコフィエフ2番、コパチンスカヤとグーロ・クレーヴェン・ハーゲン(Guro Kleven Hagen)の演奏時間はあまり変わらない(後者のほうが全楽章若干短い)。コパチンスカヤの演奏は、例によって粘っこく、ねちっこい(第1楽章冒頭のヴァイオリンソロでいきなり彼女独特の節回しが聞こえる)。だが、彼女の演奏は、ある意味、表現が細かく精密でありテクチュアはよく聞こえる。コパチンスカヤは第2楽章をよく歌っているし、第3楽章はビザールな演奏であるが大音量で聴くと迫力あり言いたいことは伝わる。しかし「(繰り返しが多い)プロコフィエフ2番の第3楽章」は、コパチンスカヤの個性的な演奏をもってしても、例によって私を退屈させる。

・グーロ・クレーヴェン・ハーゲンのプロコフィエフ第2番
第1楽章の第2主題の前の部分、ハーゲンのギアチェンジはメリハリがあるのが気持ち良い。テンポが速くなってもそれは乱れない。そして、その際、ヴァイオリンの弦や弓の毛が切れそうな激しさ、乱暴さはない。それがハーゲンの弾くプロコフィエフ2番の特徴だと思う。第2主題は、最初聴いたとき淡白に聞こえたが、ちゃんと歌っている(端正に)。

第2楽章は、これまた淡白に聞こえたが、ちゃんと歌っている(これまた端正に)。第2楽章のソロとオケがからむところは、うまくからんでいて、まあまあ奇麗だと思う。全曲を通して、オケがよくつけていると思う。ひいき目に見れば、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、ビャッテ・エンゲセット(指揮)は、ソロイストをよくカバーしていると思う。

第3楽章は、最初に聴いたとき、技巧だけで弾いているように聞こえたが、これまた、大音量で聴くと迫力あり言いたいことは伝わる。オケがよくつけていると思う。しかしだ。プロコフィエフ2番の第3楽章は、「チャイコフスキー:Vn協奏曲」の第3楽章(ロシアの民族舞曲トレパークに基づく)の面白さに比べ、つかみどころがない、と、私は思う。プロコフィエフ2番の第3楽章の「部品」は、ある種のダンスミュージックじゃないかと思うのだけど・・・しかし、上記のコパチンスカヤ、および、グーロ・クレーヴェン・ハーゲン(この2人は健闘していると思うが)の第3楽章を聴いても、つかみどころないし、退屈する。同曲の第3楽章、誰かもっと面白く演奏してくれないかなぁ・・・というか、私が、グーロ・クレーヴェン・ハーゲンのプロコフィエフ2番を買った理由は、同曲の第3楽章に期待したからだった。

・まとめ
技巧は十分。安定感あり見通しの良い演奏。しかし、残念ながら華がない。演奏自体は平均点以上だが・・・私の主観では、ソロもオケもやや渋い?(ややモノトーンに聞こえる)。ハーゲンのプロコフィエフは私の主観では民俗色に乏しいと思う(プロコフィエフを聞いたという気分になれない)。プロコフィエフのファンには物足りないだろう。

・追加
グーロ・クレーヴェン・ハーゲンのブルッフは、第3楽章が良いと思う。

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Kopatchinskaja

Stravinsky:
Violin Concerto in D

Prokofiev:
Violin Concerto No. 2 in G minor, Op. 63

Patricia Kopatchinskaja, violin
London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski, conductor
Recorded in May 2013

2014年2月24日 (月)

庄司紗矢香の「プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1、2番」

Prokofiev

庄司紗矢香の「プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1、2番」

プロコフィエフ:
ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品19
ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63

庄司紗矢香(ヴァイオリン)
サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団
ユーリ・テミルカーノフ(指揮)
2012年録音

評価:星3.5

庄司の前作、ショスタコーヴィチが良かったので期待したが、期待はずれだった。

シュタインバッハーのプロコフィエと大音量で聴き比べると分かるが、どちらも荒いところは荒いが、庄司のプロコフィエフはうるさい。
指揮とオケも、シュタインバッハー盤の Vasily Petrenko、ロシア・ナショナル管弦楽団のほうが良いと思う(ソロとの掛け合い、からみ合い)。

総じて、シュタインバッハーのボーイングのほうがプロコフィエフの形式に合った弾き方をしているように思える。

2013年6月 4日 (火)

神尾真由子の「プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第2番」

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-7f1b.html の続き】

Kamio

チャイコフスキー
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品 35
プロコフィエフ
ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品 63
神尾真由子
ハレ管弦楽団
指揮:トーマス・ザンデルリンク
2010 年 6, 7月録音

CD の置き場所が無くなったので、この人のチャイコフスキーを処分しようとしたら、盤に傷があったので、再生に問題ないかどうかを調べるために、改めて聴いてみた。

この人のプロコフィエフの2番は良かった。特に第2楽章はよく歌っている。第3楽章はやっぱり退屈する。しかし、神尾の暑さ(熱さではない)はこの楽章にあっているかも・・・。結局、これは売らないことにした。

2013年1月17日 (木)

ヤンセンのプロコフィエフ2番

Jansen

Prokofiev
Violin Concerto No.2 in G minor, op.63
Sonata for 2 violins in C major, op.56
Sonata for violin and piano in F minor, op.80 no.1
Janine Jansen, violin
Boris Brovtsyn, violin
Itamar Golan, piano
London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski
2012年録音

ジャニーヌ・ヤンセン
この人の名字は、ヤンセンだが、名前はヤニーヌじゃないのが変だ。

ヴァイオリン協奏曲第2番
この CD のヴァイオリン協奏曲第2番は、私のスピーカ(TANNOY Stirling HW)で大音量で鳴らすと低音がよく響くので気持ちいい。

ヴァイオリンはやや控えめに歌っている。オケとのからみ合いも奇麗だ(ロンドンフィルの音も程良く鳴り程良く聞こえるし・・・)。

私は、プロコフィエフの第2番第3楽章ロンドは退屈する(ヴェンゲーロフ&ロストロポーヴィチ盤でさえ退屈する)。
他の楽章が、テンポや楽想に変化があるのに対し、第3楽章は同じ旋律・リズム(3拍子系、ほぼ同じテンポ)の繰り返し・・・それがうまく機能していないと思う。
ヤンセンの演奏(第3楽章)は上記の程良さがアダになりやっぱり退屈する。
しかし、このプロコフィエフ第2番は、ヤンセンというヴァイオリニストを好きにさせる。良い演奏。

プロコフィエフの第2番第3楽章は、むしろ、シュタインバッハーのねちっこい演奏のほうが私は好きだ。

他の2曲は、全然知らない曲なので、簡単に書く。

2つのヴァイオリンのためのソナタ
絶妙なアンサンブル。緩急緩急の古典的形式にのっとっている。

ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調
緩急緩急。4楽章。各楽章が約7〜8分、全曲で約30分。聴くのにかまえてしまうが意外に聞きやすい。重苦しく激しい部分はベートーヴェンの「熱情」(この曲と同じヘ短調)に通じる雰囲気。ただし第4楽章は静かに終わる(Allegrissimo - Andante assai come prima 非常に速く - 最初と同じように十分に遅く)。ヤンセンはアンサンブルに気を配って重苦しさを払拭している。共演者が弱いのが残念。

2012年11月 6日 (火)

アラベラ・シュタインバッハーのプロコフィエフ

Steinbacher

Sergei Prokofiev
The 2 Violin Concertos
Sonata for Violin Solo in D major, Op.115
Arabella Steinbacher, violin
Russian National Orchestra
conducted by Vasily Petrenko
2012 年録音

Sergei Prokofiev
Violin Concert No. 1 in D major Op. 19
1 Andantino 10. 22
2 Scherzo - Vivacissimo 3. 59
3 Moderato-Allegro moderato-Più tranquillo 9. 09

Violin Concerto No. 2 in G minor Op. 63
4 Allegro moderato 11. 20
5 Andante assai-Allegretto-Andante assai 10. 06
6 Allegro, ben marcato 6. 12

Sonata for Violin Solo in D major Op. 115
7 Moderato 5. 15
8 Theme - Andante dolce 0. 28
9 Variation 1 0. 28
10 Variation 2 - Scherzando 0. 26
11 Variation 3 - Andante 0. 32
12 Variation 4 0. 37
13 Variation 5 0. 41
14 Con brio-Allegro precipitato 4. 07
Total playing time: 64.27

私はプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲をまったく知らんが、この演奏はシュタインバッハーがこれまで発表したアルバムのなかで最も出来が良いものかも知れない。ただしプロコフィエフにうるさいリスナーには「欠点が見える」かも知れない。
1番の冒頭、ヴァイオリンの長い旋律にオケが対位法的にからむ(そのあとオケの旋律にヴァイオリンがからむ)。その長い旋律を彼女はうまく持ち上げている。そこを聴いただけで私はこのアルバムが気に入った。
激しく速い旋律もうまく持ちこたえていると思う。

--

Frang

Sibelius: Violin Concerto
Three Humoresques
Prokofiev: Violin Concerto No. 1
Vilde Frang
WDR Sinfonieorchester Köln
Conductor: Thomas Søndergård

よく聴いてみたら、この人のプロコフィエフも良かった。

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