2017年3月19日 (日)

Sergei Rachmaninov: Piano Concerto No. 2 & Corelli Variations Vanessa Benelli Mosell London Philharmonic Orchestra Kirill Karabits

Mosell

Sergei Rachmaninov (1873-1943)
Piano Concerto No. 2 in C minor, Op. 18
Variations on a theme of Corelli, Op. 42
Vanessa Benelli Mosell (born 15 November 1987)
London Philharmonic Orchestra
Kirill Karabits
Piano: Steinway model D
Recorded: 2015/16
Decca: 4814393


【収録情報】

ラフマニノフ:
1. ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
2. コレッリの主題による変奏曲 Op.42

 ヴァネッサ・ベネッリ・モーゼル(ピアノ)
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(1)
 キリル・カラビツ(指揮:1)

 録音方式:ステレオ(デジタル)

(HMV.co.jp より)


私の評価:辛いが、星3.5。


「第一楽章冒頭の和音の連打部分において、ピアニストは一度に10度の間隔に手を広げることが要求されており、手の小さいピアニストの場合はこの和音塊をアルペッジョにして弾くことが通例となっている(ウィキペディア、ピアノ協奏曲第2番 (ラフマニノフ)より)」。ヴァネッサ・ベネッリ・モーゼルは、比較的、手が小さいので、ラフマニノフの第2協奏曲の冒頭をアルペジオで弾いている。

この人は、モスクワ音楽院卒業という経歴を持つためか、ロシアものをよく弾く(スクリャービン:Pf ソナタ第1番、プロコフィエフ、ストラヴィンスキー、スクリャービン:24の前奏曲 Op.11ほか)。しかし、何と言っても、彼女の得意技は、シュトックハウゼンだ。なにしろ、彼女は、シュトックハウゼンから、御墨付きをいただいている。「Following her recording of Klavierstücke I-IV, she was invited by the composer to study under him, as he believed that she has the power to let people appreciate my music(彼女のシュトックハウゼン『ピアノ曲集第1〜4番』録音後、彼女は、シュトックハウゼンに招かれ、シュトックハウゼンのもとで学んだ。というのも、シュトックハウゼンが『ヴァネッサ・ベネッリ・モーゼルはシュトックハウゼンの音楽を人々に正しく理解させる力を持つ』と信じたからだ)」(米国アマゾンの商品説明より)

・シュトックハウゼン「8つのピアノ曲集」
・シュトックハウゼン:クラヴィーア曲 XII『試験』(歌劇『光の木曜日』より)

今回、彼女は、コンテンポラリー・ミュージック(現代音楽)を、録音しなかったので、少し物足りない。

彼女の演奏は、例によって、健康的なのが良い。

このアルバムにおけるラフマニノフの「協奏曲第2番」についてはノーコメント。

「コレッリの主題による変奏曲 Op.42」について:
彼女が変奏曲を弾くのは、これが初めてだと思う。
彼女がシュトックハウゼンから学んだスキル、すなわち、複数の楽曲を一つにまとめ上げるというスキルを、この変奏曲にて彼女は生かすことができなかったのだろうか。この変奏曲は退屈する。

この度、くしくも時を同じくして、ヴァネッサ・ベネッリ・モーゼル(1987年11月15日生)と同い年のカティア・ブニアティシヴィリ(1987年6月21日生)が、同じ曲、ラフマニノフ:Pf 協奏曲第2番を、発売したので、それらを聴き比べるのは面白いだろうと思った。しかし、この二人は、性格が違いすぎる。比較できない(汗;;。


【おまけ】

ベネッリ・モーゼルは写真うつりがいいので、このアルバムのリーフレットには写真が多い。

Mosell_02

2017年3月17日 (金)

Sergei Rachmaninoff: Piano Concertos Nos. 2 & 3 Khatia Buniatishvili Czech Philharmonic Orchestra Paavo Järvi

Buniatishvili

Sergei Rachmaninoff (1873-1943)
Piano Concerto No. 2 in C Minor, Op. 18 (1900-1901)
Piano Concerto No. 3 in D Minor, Op. 30 (1909)
Khatia Buniatishvili (born June 21, 1987)
Czech Philharmonic Orchestra
Paavo Järvi
Recorded in the Dvořák Hall, Rudolfinum, Prague, November 11/12, 2016
SONY

Concerto No. 2 in C Minor, Op. 18 31:29
1 I. Moderato 09:59
2 II. Adagio sostenuto 10:55
3 III. Allegro scherzando 10:35

Concerto No. 3 in D Minor, Op. 30 38:50
4 I. Allegro ma non tanto 16:08
5 II. Intermezzo - Adagio 09:36
6 III. Finale - alla breve 13:06


【収録情報】

ラフマニノフ:
● ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18
● ピアノ協奏曲第3番ニ短調 op.30

 カティア・ブニアティシヴィリ(ピアノ)
 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
 パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)

 録音時期:2016年11月11,12日
 録音場所:プラハ、ルドルフィヌム
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


私の評価:Stars3
なぜなら受けを狙っている。


Rachmaninov_3_01
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 第1楽章 第1主題(midi

もし冒頭の序奏(2小節)がはっきりしたシンコペーションだったら「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番」の第1楽章の第1主題は、モーツァルトのニ短調協奏曲(KV466)の第1楽章に聴こえたかも知れない。私には絶対音感はないが、両者が同じニ短調であることと、両者が似ていることを何となく感じる。ただし、モーツァルトの KV466 が、ロマンティシズムの入口に位置し、まだ、すべてを語り尽くしていないのに対し、ラフマニノフの第3協奏曲の第1楽章第1主題はロシアを代表するメロディーメーカーが書いた逸品であり、言わば《大人の旋律》である。そして、その息の長い旋律(=25小節)はカッコいいし、私の嗜好に合う。
ただし、私は、ラフマニノフの入門者です(汗;;


Rachmaninov_3_02_02
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 第2楽章 変奏曲の主題(オーボエによる)(midi

第2楽章の変奏曲のやや民俗的でシンプルな旋律もまた、大人の音楽だ。「第2楽章を長大な変奏曲とする作品」として、私は、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番を思い浮かべるが、その両者の第2楽章はいずれも作品全体の中間部分として、よく機能していると思う。


さて、カティア・ブニアティシヴィリのラフマニノフ。結論を言うと、ラフマニノフの第2協奏曲は、このヴィルトゥオーザに合っていると思うし、比較的聴き易く、なんとか楽しめる・・・が、第3協奏曲は、受けを狙っているように聴こえ、聴くのが疲れる。たとえば、第3協奏曲は、ソロとオケがともに超絶技巧を有する必要はないし、ソロとオケがともに超絶技巧を誇示する必要もない。すなわち:

話が横道にそれるが、私は、2008年に開催された『第10回 別府アルゲリッチ音楽祭』にて『プロコフィエフの第3協奏曲、マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)チョ ン・ミョンフン(指揮)桐朋学園オーケストラ』を聴いた。その時、そのアマチュアオーケストラとの共演において、アルゲリッチは理想的な演奏をした。アルゲリッチと桐朋学園オーケストラとのアイコンタクト。それはまるでアルゲリッチが「我が娘や我が息子」に「ココは難しいので頑張ってちょうだいね」と目で合図を送っているようだった。アルゲリッチのオケへの配慮。それはプロコフィエフの第3協奏曲を聴き易くし分かり易くしチャーミングなパフォーマンスへと導き、その結果、その難曲は私の頭の中にストンと入ってきた(私はそのコンサートに行く前に、アルゲリッチの弾くプロコフィエフの第3協奏曲を CD で幾度か聴いて予習していたのだが同曲をつかめなかった。しかし、上記生演奏において同曲はまるで別の曲であるかのように分かり易くチャーミングに聴こえた)。

しかし、ブニアティシヴィリのラフマニノフ第3協奏曲は、私の頭にストンと入って来ない。おそらく、ブニアティシヴィリとパーヴォ・ヤルヴィは「超絶技巧曲はソロだけではなくオケも超絶技巧で演奏しなければならない」と誤解しているようだ。しかし、それは違う・・・技巧よりチームワークの方が大事。そのことを私は上記「別府アルゲリッチ音楽祭」にて肌で感じた(!)。たしかに、ブニアティシヴィリの技巧には光るものがある。だが、ブニアティシヴィリとパーヴォ・ヤルヴィのラフマニノフ第3協奏曲は下手(!)。それは焦点がボケ、粗く、流れが悪く、ちぐはぐであり、クライマックスが見えず、言いたいことが聴こえず、ロマンティシズムを感じさせない。

ブニアティシヴィリは、まだ、29歳。ラフマニノフの第3協奏曲はちょっと背伸びしたかな(無理をしたか)。彼女は《聴くのが難しい演奏》をしているように聴こえる(繰り返すが聴くのが疲れる)。たとえば、ヴァレンティーナ・リシッツァのように、ブニアティシヴィリにも、自然体に演奏して欲しかった。ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、同第2番と同様、サービス精神旺盛なエンターテインメントであるが、両者は質が違う。第3協奏曲は深化している。


【おまけ】

展開部から再現部への移行部に第1主題の再現を兼ねたカデンツァが置かれている。ラフマニノフはこれを穏やかな短いもの(「オリジナル」もしくは「小カデンツァ」)と、重厚な和音を使った派手なもの(「オッシア」もしくは「大カデンツァ」。右参照)の2種類を用意しているが、難易度の高い後半部は共通であり巷間でいわれている難易度の差は無い。midi

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オッシア(大カデンツァ)の一部。様々な和音が飛び交う。(ウィキペディアより)

2017年1月22日 (日)

Rachmaninov & Prokofiev: Cello Sonatas with two smaller pieces by Tchaikovsky, Nina Kotova Fabio Bidini

Kotova

Rachmaninov & Prokofiev: Cello Sonatas
Nina Kotova, cello
Fabio Bidini, piano
2014年録音
WARNER CLASSICS

Sergei Rachmaninov (1873-1943)
Sonata for cello and piano in G minor, Op. 19 [34:56]
1 Lento - Allegro moderato [12:29]
2 Allegro scherzando [6:26]
3 Andante [5:36]
4 Allegro mosso [10:24]

Sergei Prokofiev (1891-1953)
Sonata for cello and piano in C Major, Op. 119 [23:37]
5 Andante grave [11:06]
6 Moderato [4:38]
7 Allegro, ma non troppo [7:52]

Pyotr Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
8 Romance (No.5: Andante cantabile from 6 pieces, Op. 51) [5:21]
9 Meditation (No.5 from 18 pieces, Op. 72) [3:57]

Total Timing: 67:52


【収録情報】
● ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19
● プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119
● チャイコフスキー:ロマンス Op.51-5
● チャイコフスキー:瞑想曲Op.72-5,

 ニーナ・コトワ(チェロ)
 ファビオ・ビディーニ(ピアノ)

 録音時期:2014年12月
 録音場所:ダラス、カルース・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


ニーナ・コトワ、大作(ラフマニノフ:チェロ・ソナタ)、傑作(プロコフィエフ:チェロ・ソナタ)に挑む。

私の評価:Stars4


私は、ラフマニノフ、プロコフィエフ、この2人の作曲家は苦手。だから、下記レビューは、引用部分を除いては、あまり参考にならないと思う。しかしながら、私は、ニーナ・コトワのこのアルバムを気に入りました。なぜなら、コトワというチェリストは(主観的で抽象的表現だが)リスナーに向いて演奏している(=リスナーにやさしい。フレンドリー)と感じるからです。彼女の演奏はソフトなのが良い。


楽曲についての大まかな説明は、ウィキペディアが参考になる。「ウィキペディア英語版(Cello Sonata (Rachmaninoff)より)」。それによると「ラフマニノフは(この作品19を)チェロ・ソナタと呼ぶのを嫌った。なぜなら、彼はこの作品においてチェロとピアノは対等であると思ったからである。Rachmaninoff disliked calling it a cello sonata because he thought the two instruments were equal.」また、同ページに「多くの主題は、ピアノにより開始され、それらは、チェロ・パートによって装飾・拡張される。Most of the themes are introduced by the piano, while they are embellished and expanded in the cello's part.」とある。

ピアノ・パートの重要性については、プロコフィエフのチェロ・ソナタについても同じことが言えると思う。なにしろ、プロコフィエフのチェロ・ソナタは、ロストロポーヴィチとスヴャトスラフ・リヒテルによる初演だからである(ウィキペディア日本語版(チェロソナタ (プロコフィエフ))より)

ただし、それぞれの作品(ラフマニノフとプロコフィエフのチェロ・ソナタ)の形式についての説明は、英語のリーフレット(輸入盤)にも書いてないようだ・・・どこかに書いてないかな・・・と思いつつ、グーグルで検索してみたら、下記ページを発見しました(←これは非常に参考になります)(←そして、当該ブログ開設者様へ、リンク快諾、有難うございます)。

eflatのチェロ講座/20世紀ロシア3大チェロソナタリサイタル楽曲解説(2012年11月9日)

上記ページによると「(ラフマニノフのチェロ・ソナタは)全楽章をとおして、厳格なソナタの形式を踏まえ、最後(第4楽章)もそれを踏襲している」「(プロコフィエフのチェロ・ソナタ、第1楽章の)一見、気まぐれに見えるこの楽章は、変則的なソナタ形式とみなすことができます」とのこと。

ラフマニノフのチェロ・ソナタもプロコフィエフのそれも、形式的にソナタ形式を踏襲しているということだが、それらは、ユニークにして難解なので、正直言って私には、それらのソナタ形式をつかめない(汗;;。

コトワのラフマニノフをアリサ・ウェイラーズテイン(ワイラースタイン)盤と比較すると、ウェイラーズテイン盤の方が、コトワのそれより力強くメリハリあり輪郭がはっきりしているので、前者の演奏の方が「聴き応えある」と思う人も多いと思う。

「コトワ盤」は、ビディーニのピアノ伴奏の音量が大きい。が、それは、ビディーニが、コトワを、よくサポートしているのか、それとも、よくサポートしていないのか・・・意見が分かれると思う。上記ラフマニノフのチェロ・ソナタも、プロコフィエフのそれもピアノ伴奏が重要だが、このビディーニの伴奏は、全曲の楽想の中で、適宜、控えめに弾いたり、または、エキサイトして弾いたりしていると思う。ただし、この2人のアンサンブルは、絶妙とまでは言えないと思う。


【最後に】

とは言え、コトワのラフマニノフは、第4楽章「アレグロ・モッソ」が鮮やか。コトワのプロコフィエフは、第1楽章の技巧が気持ち良い(9分40秒〜)。

 
 
Kotova
(C) Apple Music

2016年6月27日 (月)

【Apple Music】 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18/ガブリエラ・モンテーロ作曲 『エクス・パトリア』 Op.1、インプロヴィゼーション Nos 1 2 3/ガブリエラ・モンテーロ(ピアノ)/もうちょっとで、のめり込みそうになった・・・けど、買わない!

Gabriela_montero

(C) Apple Music 検索キーワード:Gabriela Montero

・・・

【収録情報】

● ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
● モンテーロ:『エクス・パトリア』 Op.1

 ガブリエラ・モンテーロ(ピアノ)
 ユース・オーケストラ・オブ・ジ・アメリカ
 カルロス・ミゲル・プリエト(指揮)

 録音時期:2013年7月
 録音場所:テアトル・ナショナル・デ・コスタリカ
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

● モンテーロ:インプロヴィゼーション第1番
● モンテーロ:インプロヴィゼーション第2番
● モンテーロ:インプロヴィゼーション第3番

 ガブリエラ・モンテーロ(ピアノ)

 録音時期:2013年7月
 録音場所:テアトル・ナショナル・デ・コスタリカ
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

(HMV.co.jp より)

2016年1月22日 (金)

Rachmaninov and Chopin Cello Sonatas by Alisa Weilerstein and Inon Barnatan

Weilerstein

Rachmaninov
Chopin
Cello Sonatas
Alisa Weilerstein, cello
Inon Barnatan, piano
2014年録音
DECCA

Sergei Rachmaninov
Cello Sonata op. 19
Vocalise op. 34 No. 14

Frédéric Chopin
Cello Sonata op. 65
Étude op. 25 No. 7
Introduction & Polonaise Brillante op.3

--

もともと、私は、チェロという楽器の良さが分からなかった。しかし、例のデュ・プレの Box Set で、チェロの良さを初めて知り、そして、アリサ・ワイラースタイン(ウェイラーズテイン)のエリオット・カーターで、アリサのファンになった。しかし、前作「Alisa Weilerstein Solo」は、私には難しく「ちょっとやり過ぎじゃないか」と思わされた。だが、今回のラフマニノフとショパンにおいて、私は、彼女の歌に目頭が熱くなる(ショパンの練習曲作品25の7)。彼女の弾くチェロの技と美音に酔わされ、このディスクは、私の愛聴盤となる。

というわけで、「Alisa Weilerstein Solo」をもう一度聴いてみよう!

2015年12月 2日 (水)

Rachmaninoff: Études-Tableaux Zlata Chochieva

Chochieva

Rachmaninoff: Études-Tableaux (Complete)
Zlata Chochieva, piano
2015年録音
PIANO CLASSICS

【参考レビュー1】 ズラータ・チェチエヴァのラフマニノフ

【参考レビュー2】 ズラータ・チェチエヴァの「ショパン:練習曲集」

私は、ラフマニノフが苦手なので(ラフマニノフのピアノ独奏曲は、ホロヴィッツが弾いたソナタ2番以外はあまり聴いたことがない)、ズラータ・チェチエヴァがラフマニノフのエキスパートなのかどうか分からない。また、彼女の弾く『音の絵(全曲)』は、ラフマニノフにうるさいリスナーには、不満かも知れない。だが、コレは、私の気に入った。なぜなら、今回は、前2作に比べると、おそらく、技巧的じゃない・・・いや、今回も作品39の第5番などは技巧的演奏だが、この『音の絵(全曲)』の印象は、「技巧」より、作品に作品を語らせている。そして、地味だが美しい・・・と、私は思った。私にとって、コレは、ラフマニノフ:練習曲集『音の絵』入門盤かも知れない。そして、そもそも、ズラータ・チェチエヴァは、私好みのピアニストである。

【追伸】 ウィキペディアの『音の絵』楽曲解説と同様、このアルバムのリーフレットの楽曲解説は、役に立つだろう。ただし、英文(汗

--

ラフマニノフ:練習曲集『音の絵(全曲)』
ズラータ・チェチエヴァ

【収録情報】
ラフマニノフ:
● 練習曲集『音の絵』 op.33
● 練習曲集『音の絵』 op.39

 ズラータ・チェチエヴァ(ピアノ)

 録音時期:2015年9月4,5日
 録音場所:オランダ、スキーダム、ヴェストフェスト教会
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)

--

【例によって】

ズラータ・チェチエヴァのファースト、セカンド、サード・アルバム:Rachmaninoff: Variations on a Theme of Chopin Op. 22, Piano Sonata No. 1 in D minor Op. 28 / Chopin: Études Complete / Rachmaninoff: Études-Tableaux Complete は、Apple Music にて、試聴できます。

検索キーワード:Chochieva

Rachmaninoff
(C) Apple Music

2014年6月10日 (火)

ズラータ・チェチエヴァのラフマニノフ

【このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-1b5f.html に続きます】


Chochieva

Sergei Rachmaninoff
Chopin Variations Op. 22
Piano Sonata No.1
Zlata Chochieva, piano
Recording: 2012
PIANO CLASSICS

Variations on a Theme of Chopin Op. 22

1. Theme Largo 1:13
2. Var. 1 Moderato 0:42
3. Var. 2 Allegro 0:15
4. Var. 3 0:15
5. Var. 4 0:50
6. Var. 5 Meno Mosso 0:24
7. Var. 6 Meno Mosso 1:02
8. Var. 7 Allegro 0:17
9. Var. 8 0:21
10. Var. 9 0:20
11. Var. 10 Piu Vivo 0:30
12. Var. 11 Lento 1:27
13. Var. 12 Moderato 2:05
14. Var. 13 Largo 1:15
15. Var. 14 Moderato 1:20
16. Var. 15 Allegro Scherzando 1:23
17. Var. 16 Lento 1:08
18. Var. 17 Grave 1:33
19. Var. 18 Piu Mosso 0:50
20. Var. 19 Allegro Vivace 1:11
21. Var. 20 Presto 1:07
22. Var. 21 Andante-piu Vivo 2:36
23. Var. 22 Maestoso 4:50

Piano Sonata No. 1 in D minor Op. 28

24. Allegro Moderato 12:05
25. Lento 8:06
26. Allegro Molto 14:16

Total time: 61:34

私の評価:★★★★☆

ズラータ・チェチエヴァ。1985年、モスクワ生まれ。

結論を言えば、私は、このピアニストが気に入った。しかし、このアルバムより、次のアルバム「ショパン:練習曲集 (2014/6/24)」に私は期待したい。

1曲目の「ショパンの主題による変奏曲」は、ショパンの「24の前奏曲 第20番 ハ短調」による。22の変奏を持つ堂々たる変奏曲。楽曲説明は、ウィキペディアおよびピティナ・ピアノ曲事典をご参照ください。

2曲目の「ピアノ・ソナタ 第1番 作品28 ニ短調」も、約35分の大作。この曲は当初、ゲーテのファウストを題材にして書かれた。詳しくは、これも、ウィキペディアおよびピティナ・ピアノ曲事典をご参照ください。

私が、このピアニストを気に入った理由は、彼女の演奏において、一瞬、ホロヴィッツを思わせるところがあるからだ(変奏曲「第10変奏」と「第12変奏の終わりの部分」の技巧の鮮やかさ。第17変奏の豪快さ。第18変奏のロマン性。第19、20、22変奏の派手さ・華麗さ・技巧)。

複雑な作品である「ピアノ・ソナタ第1番」に対して彼女は、クリティカルな態度よりむしろ「求められるヴィルトゥオージティ」に応じているような気がする。この演奏(ソナタ1番)は聞きやすい。しかし「積極的な作品解釈が聞かれるか(特に最終楽章において)」それは疑問だ。

彼女は、どちらかというと、古いタイプのヴィルトゥオーサだと思う。
ピアノはヤマハを弾いている。

(追加)

「ラフマニノフ:Pf ソナタ 第1番」の第2楽章は、ポール・マッカートニーの「イエスタデイ」に音型が似ていると思う。

2013年5月19日 (日)

Forgotten Melodies: Polina Leschenko plays Rachmaninov and Medtner

Leschenko

Forgotten Melodies
Polina Leschenko plays Rachmaninov and Medtner
Recorded: 2011

Mischa Levitzki (1898-1941)
01. Valse ‘Amour’, op. 2 (1:46)
02. Arabesque valsante, op. 6 (3:16)

Sergei Rachmaninov (1873-1943)
Piano Sonata no 2, op. 36 - Horowitz Version
03. Allegro Agitato (9:07)
04. Non Allegro (5:55)
05. Allegro Molto (5:54)

Nikolai Medtner (1879-1951)
Forgotten Melodies Cycle 1, op. 38
06. No 1: Sonata-Reminiscenza in A minor. Allegretto tranquillo (12:52)
07. No 2: Danza graziosa. Con moto leggiero (2:24)
08. No 3: Danza festiva. Presto (5:15)
09. No 4: Canzona fluviala. Allegretto con moto (3:23)
10. No 5: Danza rustica. Allegro commodo (2:04)
11. No 6: Canzona serenata in F minor. Moderato (4:17)
12. No 7: Danza silvestra (4:06)
13. No 8: Alla Reminiscenza. Quasi coda (2:17)

これは本来、メトネルがメインだろうが、文字数節約するために、メトネルについては書かない。

これは、2012年の12月に購入したのだが、当時私は、ラフマニノフの良さが分からなかったので、一度しか聴いていなかった。改めて聴いてみると「やっぱりホロヴィッツ版はホロヴィッツの演奏が良い」と感じた。たとえば、ホロヴィッツの演奏は何となくジャズっぽいのがかっこいい。レスチェンコの演奏はそれが後退している。

リストのロ短調ソナタでは「勢い余って土俵を飛び出す演奏」を聴かせたレスチェンコも、ココではホロヴィッツのあのとてつもない演奏に比べ小振りに聞こえる(ただし、レスチェンコが、ホロヴィッツと比較され得るのであれば、それはすごいことです)。

演奏時間は、第1楽章に差がある。

ホロヴィッツ 9分40秒
レスチェンコ 9分07秒

第2、3楽章も、レスチェンコのほうが(十数秒)短いが、その差は聞き取れない。

このアルバムは、やっぱり、メトネルが良かった。私の第一印象は正しかった。

2013年5月14日 (火)

Rachmaninov Piano Concerto No. 3 & Piano Sonata No. 2 Vladimir Horowitz

Horowitz

Rachmaninov

Piano Concerto No. 3 in D Minor, Op. 30 (43:23)
New York Philharmonic Orchestra
Eugene Ormandy, conductor
Recorded in concerto in 1978

Piano Sonata No. 2 in B-Flat Minor, Op. 36 (22:03)
Recorded in concerto in 1980

Vladimir Horowitz, piano

「他のピアニストは、ホロヴィッツの真似をしている」・・・という言葉が不適切なら・・・「他のピアニストは、ホロヴィッツを、どう超えるか・・・」
このアルバムはそんなことを思わせるアルバム。その意味で、このアルバムに入っている2曲の演奏は、リスナーを殺してしまう。

「どこがいいか」と問われても「ラフマニノフは、こう弾いた」としか言えない。
古い弾き方だが、そのロマンティシズムはむしろ新鮮。
私は、昔、ホロヴィッツのファンだったが・・・再びそれを確認。

私は、最近、CD買うなら「新しい録音でなければダメ!」「若いアーティストでなければダメ!」と、ほとんどのお金を新人発掘と、その紹介に使って来た(つもり)・・・だが、久しぶりに往事を思い出させるアルバムを聴いて陶酔した。

Pf コン3番も、ソナタ2番もこれでいいじゃないか! いままで分からなかったラフマニノフという作曲家が分かったような気がする・・・ラフマニノフとはホロヴィッツなのだ。

・閑話休題
いまの円安ドル高はきついね。このアルバムは去年の12月に買ったのだが、890円だった(アマゾン)。いまは、1,323 円。

[2013−5−19 追加]

第1楽章
カデンツァは2種類あるが、ホロヴィッツは「オシア(Ossia)」のほうを弾いているようだ(midi)。

展開部から再現部への移行部に第1主題の再現を兼ねたカデンツァが置かれている。ラフマニノフはこれを穏やかな短いもの(「オリジナル」もしくは「小カデンツァ」)と、重厚な和音を使った派手なもの(「オッシア」もしくは「大カデンツァ」。右参照)の2種類を用意している(ウィキペディアより)

Rachmaninov_pf_concerto_3_ossia

オッシア(大カデンツァ)の一部(ウィキペディアより)


2013年5月10日 (金)

アルゲリッチのラフマニノフ3番

Argerich

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲
アルゲリッチ、シャイー、コンドラシン、ベルリン放送、バイエルン放送
1980/82 年録音
ADD

私は、ラフマニノフの3番を知らないので、これを買いました。
ヴァレンティーナ・リシッツァのラフマニノフ集と比較するために。
私は、いい音楽を聴くと身体がピクッと反応する本能を持っている。
アルゲリッチのラフマニノフ、たしかに、第1楽章で、私の身体は反応した。しかし、この演奏は粗い。アルゲリッチは好き勝手に演奏している。
私は、別府アルゲリッチ音楽祭で、彼女のプロコフィエフ3番を聴いた・・・アルゲリッチという人は、生で聴くと本当にピアノうまいよ!!!
彼女には、ラフマニノフよりプロコフィエフが合っているのだろうか(彼女にはラフマニノフ合ってないのか)。

チャイコのほうは歴史的名演。LP レコードで聴くべし。

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