2017年3月23日 (木)

(C) Apple Music Shostakovich: Violin Concerto No. 1 - Gubaidulina: In tempus praesens, Simone Lamsma, Netherlands Radio Philharmonic Orchestra, James Gaffigan & Reinbert de Leeuw

Lamsma
(C) Apple Music 検索キーワード:Lamsma

このブログの読者様は、私が美人演奏家ばかり買っていると思っていらっしゃるかも知れませんが、実は、その通りです。冗談はさておき(ショスタコとグバイドゥーリナ、2つの重い作品を取り上げた)シモーネ・ラムスマさんを試聴しました。線が細い。下手じゃないだけど、既存の演奏と比べて特に個性的ではない(だが、こういう比較的フツーの、瑕疵のないショスタコを1枚持っていてもいいかも知れない)。指揮者が上手い。そして、この商品は SACD 盤であり、それを大音量で聴きたい。グバイドゥーリナは面白そう・・・なので買おうかな。むしろ、グバイドゥーリナがお目当て。


【収録情報】

● ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.77

シモーネ・ラムスマ(ヴァイオリン/ストラディヴァリウス「Mlynarski」 1718)
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
ジェイムズ・ガフィガン(指揮)

録音時期:2016年5月12,14日
録音場所:ヒルフェルスム
録音方式:ステレオ(DSD/セッション)

● グバイドゥーリナ:ヴァイオリン協奏曲『今この時の中で』

シモーネ・ラムスマ(ヴァイオリン/ストラディヴァリウス「ex Chanot-Chardon」 1718)
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
ラインベルト・デ・レーウ(指揮)

録音時期:2011年10月22日
録音場所:アムステルダム、コンセルトヘボウ
録音方式:ステレオ(DSD/ライヴ)

SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND

(HMV.co.jp より)


【2017−4−27 追加】

↑結局、買わなかった。

2016年10月16日 (日)

GÉNIA: UNVEILED / Music from Russia's Women Composers

Genia

GÉNIA: UNVEILED
Music from Russia's Women Composers
Génia, piano
Recorded at Gateway Studio, December 1999 and March 2000
BLACK BOX BBM1039

Sofia GUBAIDULINA (b. 1931)
01 Chaconne (1962) 11:28

Elena FIRSOVA (b. 1950)
02 Elegy (1979) 6:30 *

Galina USTVOLSKAYA (b. 1919)
Sonata No. 2 (1949)
03 3:13
04 7:00
05 Sonata No. 6 (1988) 7:41

Lena LANGER (b. 1975)
06 Reflection (1993/98) 5:58 *

Elena FIRSOVA
07 Hymn to Spring (1993) 3:25 *

Sofia GUBAIDULINA
Sonata (1965)
08 Allegro 10:44
09 Adagio 7:31
10 Presto 2:32

* world premiere recording

Total Playing Time: 67:18

・・・

このピアニストの名前は、GÉNIA(Born in the Ukraine in 1972)。その人が、作品のベールをはぐ。あるいは、GÉNIA がおのれのベールをはぐのか?
GÉNIA というロシア系の若い(録音当時28才頃)女性ピアニストによる「ロシア女性作曲家たちの作品集」ということで、ド迫力のド派手の過激な音楽を聴けると思ったが、はたして、彼女は過激な演奏をしていない。GÉNIA は、このアルバムにおいて、真摯に作品に向き合う演奏をしている。それは、はったりなしの演奏だった。それは好感を持てる。
GÉNIA の演奏の一番の特徴は、作曲者のアイデアを壊さないこと。すなわち、作品にマッチしたアプローチ。そして、もしかしたら、彼女の演奏は、リスナーに、余裕さえも感じさせるかも知れない。激しさと静が両立している。技巧的だが、技巧に走っていない。
このアルバムに収められた作品群はもう「前衛」とは言えないかも知れない。しかしあえて言えば、このアルバムに収められた作品群の「前衛」性において、GÉNIA は逸脱しない。冷静で明晰な演奏。よって、これらの作品群を初めて聴く人に、このアルバムは聴き易いと思う。
以上、抽象的な感想文になってしまいました(汗;;

2016年1月22日 (金)

Sofia Gubaidulina Works for Double Bass

Gubaidulina

Sofia Gubaidulina ( * 1931)
Works for Double Bass
Daniele Roccato, Bass
Fabrizio Ottaviucci, Piano
Massimiliano Pitocco, Bayan
2009 / 12 年録音
WERGO

Content

01 Sonata for double bass and piano (1975) 14:00

02 Pantomime for double bass and piano (1966) 9'53

03 In Croce for double bass and bayan (2009). Version by the composer after the original version for violoncello and organ (1979) resp. violoncello and bayan (1991) 17:15

04-12 Preludes for solo double bass (2009). Version by the composer after the original version for violoncello and organ (1974) 20:13

Total Time 61:21

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私の評価:グバイドゥーリナを好き人には、星4つ。グバイドゥーリナを好きでない人には、星3つ。ただし、私は非常に気に入った。

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この音盤は、録音が良く、私の環境(TANNOY Stirling/HW, Lux L-560, Marantz sa-7s1)で聴いたとき、大音量で聴くと、とても迫力がある。

「怪獣映画『ゴジラ』において、効果音:ゴジラの鳴き声を作るとき、音響技師がコントラバスを利用した」というエピソードを、テレビで見たことあるが、実際、このアルバムでは、ゴジラのおたけびのように、コントラバスが、おたけんでいる。

しかし、このアルバム中、グバイドゥーリナの新作はない。つまり、このアルバムの収録作品(および、演奏)は、これまで、録音・発売されたグバイドゥーリナの作品(および、演奏)の域を出ない。

私のように、グバイドゥーリナを好きな人、コントラバスを好きな人、また、オーディオ的に迫力ある音を鳴らしたい人以外の人は、買わなくていい商品だと思う。

・追加

最後の曲は、ジミー・ギャリソンを思わせる。

・蛇足

私はこの音盤をアマゾンJPで購入したが、2,818 円だった! 円安はきつい。

2015年3月24日 (火)

グバイドゥーリナとペンデレツキを聴くきっかけは、アンネ=ゾフィー・ムター!!!

Gubaidulina

Bach, J.S.: Violin Concertos BWV1041 & BWV1042; Gubaidulina: Violin Concerto In tempus praesens Anne-Sophie Mutter Valery Gergiev 2007/08年録音

Penderecki

Krzysztof Penderecki: Violin Concerto No.2; Bartok: Violin Sonata No.2 Anne-Sophie Mutter Conducted by Krzysztof Penderecki Lambert Orkis 1995年録音

考えてみれば、私に、グバイドゥーリナとペンデレツキを聴くきっかけを作ってくれたのは、アンネ=ゾフィー・ムターだった。

もしかしたら、ヴォルフガング・リームも?

Rihm

Alban Berg & Wolfgang Rihm: Violin Concertos Anne-Sphie Mutter Chicago Symphony Orchestra James Levine1992年録音

2014年9月 2日 (火)

グバイドゥーリナの隠れた名曲「Piano Sonata」

Gubaidulina

Sofia Gubaidulina (b. 1931)
Repentance

Repentance for cello, three guitars and double bass (2008) [21:50]
Wen-Sinn Yang (cello)
Franz Halász (guitar I)
Jacob Kellermann (guitar II)
Lucas Brar (guitar III)
Philipp Stubenrauch (double bass)

Serenade for solo guitar (1960) [2:32]
Franz Halász (guitar)

Piano Sonata (1965) [21:10]
Débora Halász (piano)

Sotto voce for viola, double bass, two guitars (2010-2013) world première recording [23:13]
Hariolf Schlichtig (viola)
Philipp Stubenrauch (double bass)
Jacob Kellermann (guitar I)
Lucas Brar (guitar II)
rec. June 2013, Studio 2, Bayerischer Rundfunk, Munich, Germany
BIS

【収録情報(HMV.co.jp より)】

グバイドゥーリナ:
・悔い改め (2008)〜チェロ、3本のギター、コントラバスのための
・セレナード (1960)〜ギターのための
・ピアノ・ソナタ (1965)
・ソット・ヴォーチェ (2010/3)〜ヴィオラ、コントラバス、2本のギターのための

 フランツ・ハラース(ギター)
 ウェン=シン・ヤン(チェロ)
 デボラ・ハラース(ピアノ)
 ヤコブ・ケレルマン(ギター)
 ルーカス・ブラル(ギター)
 フィリップ・シュトゥーベンラウフ(コントラバス)
 ハリオルフ・シュリヒティヒ(ヴィオラ)

 録音時期:2013年6月
 録音場所:バイエルン放送スタジオ2
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND

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グバイドゥーリナの「ピアノ・ソナタ」。この作品が、いままで、演奏される機会が少なかったのは不思議だ! 結論を先に言えば、《グバイドゥーリナは意外に秀でたピアノ曲の作曲家だった!》

グバイドゥーリナ:ピアノ・ソナタの構成その他について、英語版ウィキペディアに、長い記事が載っているので、それをそのまま転載する。

The Piano Sonata is dedicated to Henrietta Mirvis, a pianist greatly admired by the composer. The work follows the classical formal structure in 3 movements: Allegro (Sonata form), Adagio, and Allegretto. Four motives (pitch sets) are utilized throughout the entire sonata, which also constitute the cyclical elements upon which the rhetoric of the piece is constructed. Each motive is given a particular name: "spring", "struggle", "consolation," and "faith".

There are two elements in the primary thematic complex of the first movement: (1) a "swing" theme, characterized by syncopation and dotted rhythms and (2) a chord progression, juxtaposing minor and major seconds over an ostinato pattern in the left hand. The slower secondary theme introduces a melodic element associated with the ostinato element of the previous theme.

In the development section, these sets are explored melodically, while the dotted rhythm figure gains even more importance. In the recapitulation, the chord progression of the first thematic complex is brought to the higher registers, preparing the coda based on secondary theme cantabile element, which gradually broadens.

The second movement shifts to a different expressive world. A simple ternary form with a cadenza–AB (cadenza) A, the B section represents an acoustic departure as the chromatic figurations in the left hand, originating in section A, are muted.

In the cadenza the performer improvises within a framework given by the composer, inviting a deeper exploration of the secrets of sound. It consists of two alternating elements– open-sounding strings, stroke by fingers, with no pitch determination, and muted articulation of the strings in the bass register—separated by rests marked with fermatas. The third movement is constructed of 7 episodes, in which there is a continuous liberation of energy accumulated during the previous movement.

Musical expression in this work is achieved through a variety of means. Rhythm is a very important element in the construction of the work, articulating a distinct rhetoric, as well as in the development of the musical material. Exploration of a wide range of sounds, within the possibilities of the instrument, involving both traditional and nontraditional methods of sound productions are another important mean.

Some examples of the nontraditional sounds produced are a glissando performed with a bamboo stick on the piano pegs against a cluster performed on the keyboard, placing the bamboo stick on vibrating strings, plucking the strings, glissando along the strings using fingernail, touching the strings creating a muted effect.

Two distinct aspects of the sonata—the driving force and the meditative state—can be seen through the architecture of the work as portraying the image of the cross. The first movement is related to the "horizontal" line, which symbolizes human experience while the second movement reflects the "vertical" line, which represents man's striving for full realization in the Divine. The meeting point of these two lines in music happens at the end of second movement, and that reflects transformation of the human being at crossing this two dimensions. The third movement "celebrates the newly obtained freedom of the spirit".

私は英語をスラスラ読めるわけではないので、上の文章を、ちゃんと読んでない。ただ、

1. この作品が古典的形式をうまく、また、効果的に取り込んでいること。第1楽章はソナタ形式である。
2. 4つのモチーフ(pitch sets?)が全曲に使われていること。それは、循環要素(循環形式)を組み立てている。その要素によって、この作品の修辞法は構成されている。

コノ2点は留意すべきだと思う。グバイドゥーリナの「ピアノ・ソナタ」は論理的に構成されていると思う。そして、前衛と聴きやすさの均衡。静と動、激しい部分と静けさ、複雑と単純、音形・リズムのコントラストと変化交替、演奏法は内部奏法をうまく取り入れている(プリペアドは用いていない)。同曲は、高度な技巧で書かれている(内部奏法じゃないところも難しいし、内部奏法も難しい)。しかし、技巧を誇示した作品ではない。同曲は、様々な「面」を持つ。ジャズ、ロック、ストラヴィンスキー、バーンスタイン、(やや)ミニマム、アメリカ音楽 vs. ロシア音楽(?)。繰り返すが、アメリカ音楽であるジャズとスラブ・ロシア系の宗教または民族音楽。そして、「調性の安定した12音技法(?!)」が聞こえる。
そして何と言っても、特殊奏法(内部奏法)が、主役ではなくて脇役として活躍するのが良い。私は、ジョン・ケージのプリペアド・ピアノによる作品を聴いたことがないが、ケージの場合、特殊奏法は脇役に徹しているのだろうか?

・グバイドゥーリナ:ピアノ・ソナタの構成について(下の動画を参照に。ただし、下の動画はダウンロードするのにかなり時間がかかりますのでご注意下さい! 容量174.8MB)

Sofia Gubaidulina Piano Sonata (1965) Mvt. I: Allegro; Mvt. II: Adagio; Mvt. III: Allegretto
http://koshiro56.la.coocan.jp/blog/Gubaidulina_Piano_Sonata.mov


第1楽章(アレグロ、自由なソナタ形式だと私は思う)

第1楽章の第1小節から12音技法が聞かれるわけではない。そうではなくて第8小節に12音技法が使われている。練習番号1(0'14")を第1のモチーフ、または第1主題と捕らえてもいいと思う。しかし、練習番号1を序奏と捕らえると、練習番号2(0'28")のジャズ主題を第1主題ととっていいだろう(<<すなわち、ジャズ主題に着目した場合。練習番号2までの難解な旋律を提示部への序奏と見た場合。)。
そして、練習番号7(1'22")を第2主題と見てもいいだろうと思う。そして、おそらく、練習番号8(1'48")にて、すぐに展開部に入ると思う。ココで、Dの音が連打される(左手でピアノ線を押さえながら弾かれる)。そのような同音連打は他の楽章にも多用されていて効果的である(つまりソノ同音連打はコノ作品が無調でありながらある種の調性の安定感があることに寄与しているかも。)。
練習番号12(4'06")から再現部か? ココからはジャズっぽさがアクセントになっている。私は、クラシック音楽の作曲家が、ジャズを取り入れた作品をいくつか聞いたことがあるが、ココは、それがとてもうまく行った《場合》の一つだと思う(練習番号12以降の変拍子すなわちラグタイム・ジャズっぽい旋律反復・躍動)。
練習番号18(5'44")にて、コーダに入ったと思ったが違った。練習番号19(6'02")から音程を下げながら、約25小節にわたって、B♭の音が連打される。練習番号22(6'57")にて第2主題が再現され繰り返される(もう一つのモチーフとの対話)。練習番号26から(8'22"。ココからがコーダだろう)、テンポを落とし、重々しい民族音楽的低音に導かれ、最後は高音がAの音を繰り返し第1楽章は静かに終わる。この終わり方は、効果的であり、激しく、複雑で、超絶技巧的な第1楽章の「面」と、素朴で静かな「面」を対比させている。
アタッカで、第2楽章へ。

第2楽章(アダージョ)

内部奏法を多用した不気味な楽章。しかし、技巧に走ることはない。練習番号1番(0'50")から、不気味な半音階的低音(速い走句。多分第1楽章のどれかのモチーフと関係ありそう。)の上に、E♭が連打される。次第に、3分50秒あたりからカデンツァに行く。そのカデンツァでは、「演奏者は即興的に音を鳴らしてもよい」という指示がある。そして、音楽が複雑かつ激しくなって行く。そして、また、E♭が連打によって静けさが回帰し音楽は美しく閉じられる。

第3楽章(アレグレット)

終始激しい。ジャズっぽい。私は、コノ第3楽章が無かったなら、グバイドゥーリナのピアノ・ソナタは、ピアニストにとって挑戦しがいのない音楽になっていたと思う。コノ楽章は、速いテンポにおける技巧が問われる楽章(内部奏法無し)。練習番号9(8'22")の最初の17小節、A♭の連打。そして、クライマックスであるフィニッシュに向かって、再び激しさを増しながら、突き進む。
グバイドゥーリナは、作品の最終楽章に「クライマックスを持ってくる」というベートーヴェンやリストの定石を裏切らなかった。繰り返すが、コノ第3楽章はリスナーに、過去のピアノ・ソナタの名曲を思い出させる。そして、20世紀に(私たちと同時代人に)にそのような曲を書いた作曲家が居たことは、妖怪じみた音楽だけではなく、時には《古典》を聴きたい私を安心させる。1965年において、グバイドゥーリナは、「ソ連邦時代」に迎合して、古典・ロマン的形式に則った作品を書いたのか? いや違う。グバイドゥーリナは《ピアノ・ソナタを書ける人》だったのだ! そう思うと、彼女のファンである私にとって、彼女の「ピアノ・ソナタ」との意外な出会い(発見)は喜びであった。それにしても、この名曲を、今日のヴィルトゥオーゾたちは、何故弾かないんだろう。

・演奏者 Débora Halász について

彼女は、私が上に書いたこの作品の特長、そのままの演奏をしている。良いピアニストに出会えてうれしい。

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【その他の曲について】

・悔い改め (2008)〜チェロ、3本のギター、コントラバスのための
・セレナード (1960)〜ギターのための
・ソット・ヴォーチェ (2010/3)〜ヴィオラ、コントラバス、2本のギターのための

あとの3曲はいずれも、技巧に走った凡作と言えば、言い過ぎだが、《はったりではない大胆さ、激しさ、凶暴さ》それらがない。いずれも弦楽器によるアンサンブルだが、そのアンサンブルが美しくない(SACDなのに)。その3曲はギターがダメだと思う。すなわち、それらにはグバイドゥーリナの書法は聞こえるものの、これまでに私が聴いたグバイドゥーリナの作品に匹敵する作品はなかった。ギター以外の楽器:チェロ、コントラバスは、それなりにおたけんでいるが、とにかくギターがダメ! ギターが失敗のもとではないか。もともと音量が弱いクラシックギターを特殊奏法するのは失敗していると思う(HMVレビュー参照のこと)。エレキギターを使えば良かったんじゃないか? マジでそう思います。「ソット・ヴォーチェ」は退屈する。
まあ、コノアルバムで、クラシックギターを用いたのは、作曲者に忠実ではある。

このアルバムは、「ピアノ・ソナタ」がなかったら、星2つ。このアルバムは、私にとって、グバイドゥーリナの「ピアノ・ソナタ」の発見にこそ価値がある。その意味において、星4つに値する。

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【追加】

リーフレットによると:グバイドゥーリナのピアノ曲は比較的少ないが、貧しく憂鬱な彼女の少女時代、両親の農家にあったピアノは、彼女にとって「唯一の光だった」と彼女は思い述べている。グバイドゥーリナのピアノへの愛着は思いのほか強かったようだ。そうでなければ、彼女の力作・傑作である『ピアノ・ソナタ』は生まれなかっただろうと、私は思う。

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【参考映像】


Sofia Gubaidulina Piano Sonata Mvt. I: Allegro- Ivana Cojbasic, piano



Sofia Gubaidulina, Piano Sonata Movement I
Ally Costello's Senior Recital at Schwartz Center, Emory University, April 6th, 2013.


私は、下の Ally Costello という人の演奏の方が分かりやすくていいと思う。

2013年5月 7日 (火)

世界初録音:グバイドゥーリナ作曲「弦楽四重奏曲全集」

Gubaidulina

Sofia Gubaidulina (*1931)
Complete String Quartets
Stamic Quartet
2011 年録音

1. String Quartet No. 1 (1971) 21:32
2. String Quartet No. 2 (1987) 08:03
3. String Quartet No. 3 (1987) 17:54
4. String Quartet No. 4 with tape (1993) 12:16
5. Reflections on the Theme B-A-C-H (2002) 07:18

第1番
フガートに始まる。おそらくヴィオラ、次にチェロ、次に第2ヴァイオリン・・・。それは呪術的な「歌」である。この作品は、フラジオレット、ピチカート、グリッサンドなどの器楽音も聞こえるが、「歌」である。しかも、呪術的。そういう音楽が嫌いな人は聴かないほうが良い。私は好きだから聴く。

第2番
「In Croce (1979)」に少し似ている。「In Croce」では、チェロが縦の線、オルガン(またはロシアンアコーディオン:バヤン Bajan)が横の線を表し十字架を表していたと思うが、この第2番は「ソ」の音の連続が横の線ではないかと思う。そして、ヴァイオリンの動的な高音を経たのち、半音階。そののち、コーダ。

第3番
約18分のうち、最初の9分はオールピチカートである(グリッサンドを含む)。チェロソロに導かれて展開する後半は(グバイドゥーリナにしては)意外にまともである。Stamic Quartet のアンサンブルが美しい。

第4番
これはあまり面白くない。テープ(コル・レーニョのエコー(?))に合わせて演奏される。

5曲目は、B-A-C-H の主題による反影(?)
バッハへのオマージュか? 奇抜なことは避けているようだ。古典的、あるいはロマン的。

このアルバムの魅力は、Stamic Quartet のアンサンブルである。性格が異なる5つの作品をあたかも一つの壮大な弦楽四重奏曲のようにまとめている。

2012年3月 2日 (金)

グバイドゥーリナ作曲「7つの言葉」「イン・クローチェ」「カデンツァ」「われ死者の復活を待ち望む」

Gubaidulina

Gubaidulina
Seven Words
For classical accordion, violoncello and strings
1. Father, forgive them; for they know not what they do 4:07
2. Woman, behold thy son! - Behold, thy mother! 4:02
3. Verily I say unto thee, today shalt thou be with me in paradise 4:05
4. My God, my God, why hast thou forsaken me? 8:38
5. I thirst 5:01
6. It is finished 2:37
7. Father, into thy hands I commend my spirit 3:39

8. In croce
For classical accordion and violoncello 14:37

9. Kadenza
For classical accordion 7:48

10. Et exspecto
Sonata for classical accordion in five movements 18:26

Iñaki Alberdi, classical accordion
Asier Polo, violoncello
Basque National Orchestra
José Ramón Encinar, conductor
Recorded: 2010
ET'CETERA

7つの言葉
イン・クローチェ
カデンツァ
われ死者の復活を待ち望む

おすすめ度:★★★☆☆

「7つの言葉」は、グバイドゥーリナ:希望と絶望の偽りの顔で聴いたときは、ピンと来なかったが、この演奏は輪郭がはっきりしているので、これを聴いてやっと作品の構成が分かった。「7つの言葉」は同音反復が多い作品だが、それは、7曲がおもに、a --> d --> b --> d --> f --> (?) --> e を同音反復しているようだ。クライマックスは、第4曲の「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか マタイ 27 - 46」と第6曲「成し遂げられた ヨハネ 19 - 30」である。

「7つの言葉」で弦楽合奏をつとめる Basque National Orchestra の音は美しい。

聴き比べてみると、グバイドゥーリナ:希望と絶望の偽りの顔とカップリングされている「7つの言葉」のほうが丁寧な演奏であることが分かった。

「イン・クローチェ」は Sofia Gubaidulina: Am Rande des Abgrunds / De profundis / Quaternion / In croce のほうが迫力があると思う。

このアルバムは、Iñaki Alberdi によるグバイドゥーリナのアコーディオン独奏曲を取り上げたことに意義がある。特に「われ死者の復活を待ち望む」は比較的良い演奏だと思う。ただし、二人の独奏者 Iñaki Alberdi, Asier Polo はともにうまいのだが、若干演奏が大味であるという印象を私に与えた。そしてこのアルバムは、全体的には散漫な企画に思えた(グバイドゥーリナ:希望と絶望の偽りの顔Sofia Gubaidulina: Am Rande des Abgrunds / De profundis / Quaternion / In croceのほうが企画がいいと思う)。

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Gubaidulina
グバイドゥーリナ:希望と絶望の偽りの顔

Am_rande_des_abgrunds
Sofia Gubaidulina: Am Rande des Abgrunds / De profundis / Quaternion / In croce

2012年3月 1日 (木)

グバイドゥーリナ作曲「今この時の中で」「栄光のパーカッション」

Gubaidulina

Sofia Gubaidulina
1. In tempus praesens (2007)
Concerto for violin and orchestra 31'50

2. Glorious Percussion (2008)
Concerto for percussion ensemble and orchestra 38'42

Vadim Gluzman, violin
Glorious Percussion
Anders Loguin, Anders Haag, Mika Takehara, Eirik Raude, Robyn Schulkowsky
Lucerne Symphony Orchestra, orchestra
Jonathan Nott, conductor
Recording: 2008 / 2011
BIS

【収録情報】
グバイドゥーリナ:
1. 今この時の中で(ヴァイオリン協奏曲) (2007)
2. 栄光のパーカッション(打楽器アンサンブルと管弦楽のための協奏曲) (2008)

 ワジム・グルズマン(ヴァイオリン)
 グロリアス・パーカッション(アンデシュ・ログイン、アンデシュ・ヘーグ、竹原美歌、アイリク・ラウデ、ロビン・シュルコフスキー)
 ルツェルン交響楽団
 ジョナサン・ノット(指揮)

 録音:2011年3月16,17日/ルツェルンKKL(1)、2008年12月3,4日/公開コンサートのライヴ(2)
HMV.co.jp より)

おすすめ度:★★★★

このアルバムは「栄光のパーカッション Glorious Percussion」のほうがメインだと思う。協奏曲「栄光のパーカッション」は基本的にグバイドゥーリナが過去に用いたイディオム(音形や音色)からなると思う。よって、グバイドゥーリナのイディオムを嫌う人にはこのアルバムをおすすめしない。

「グバイドゥーリナは若い頃から打楽器に興味を持っていた(Sofia Gubaidulina also has a long history of interest in percussion instruments.)」とリーフレットに書いてある。「栄光のパーカッション」は打楽器を主役にした点が特徴であり魅力である。しかし、この作品は、オーケストラの役割も大切である(ジョナサン・ノットの指揮はうまいと思う)。

「栄光のパーカッション」の24分あたりから音楽が、打楽器を中心に次第にゆっくりと盛り上がり、31分30秒あたりからはじまるカデンツァ(多分大太鼓)は大音量で聴くと快感である。その部分は音量を大きくして聴くとスピーカが壊れるかも知れない。

「この作品には、7つの打楽器ソロが挿入されている。その演奏の際、演奏者はオーケストラの前に歩み出て、音符無しの即興演奏を行う(In this work, the solo percussionists have seven episodes in which they step in front of the orchestra and improvise, without noted music.)」とリーフレットに書いてある。

「今この時の中で In tempus praesens」も良い演奏だが、これは、やはり、ムターに献呈された作品であり、しかも作曲者がレコーディングに立ち会っているので、ムター&ゲルギエフの演奏の方が、テクスチュアやニュアンスはグバイドゥーリナの意図に近いと思う。

Mutter_1
In Tempus Praesens Mutter Gergiev Lso 2008 年録音

Mutter_2
(C) Deutsche Grammophon

2012年1月23日 (月)

グバイドゥーリナの「アッシジの聖フランチェスコによる太陽の賛歌」聴き比べ(2)

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-8400.htmlの続き

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Emi

Gubaidulina
The Canticle of the Sun (1997) [44' 39]
Mstislav Rostropovich, cello
London Voices
Ryusuke Numajiri (沼尻竜典), conductor
Music for Flute, Strings and Percussion (1994) [30' 42]
Emmanuel Pahud, flutes
London Symphony Orchestra
Mstislav Rostropovich, conductor
Recorded: 1999 / 2001
EMI
現在廃盤

Chandos

Gubaidulina
The Canticle of the Sun by St Francis of Assisi
for Cello, Chamber Choir and Percussion
Dedicated to Mstislav Rostropovich (1997) [36' 46]
Hommage à Marina Tsvetayeva (1984) [17' 56]
David Geringas, cello
Danish National Choir / DR
Stefan Parkman, conductor
Recorded: 1999 / 2002
CHANDOS

Channel

Gubaidulina
The Canticle of the Sun (1997) [40' 41]
Preludes for Solo (1974) (5曲のみ)
In Croce for Cello and Bajan (1973) [16' 29]
Pieter Wispelwey, violoncello
An Raskin, bajan
Collegium Vocale Gent
Daniel Reuss, conductor
Members of the Prometheus Ensemble
Recorded: 2003
Channel Classics Super Audio CD

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下記、Nicolas Altstaedt, violoncello によるグバイドゥーリナ作曲『太陽の賛歌』を英国アマゾンにて一足先に入手。

Gubaidulina

Gubaidulina
The Lyre of Orpheus (2006)
for violin, percussion and string orchestra
Gidon Kremer, violin
Marta Sudraba, violoncello
Kremerata Baltica

The Canticle of the Sun (1997, rev. 1998)
for violoncello, chamber choir, percussion and celesta
Nicolas Altstaedt, violoncello
Andrei Pushkarev, percussion
Rihards Zalupe, percussion
Rostislav Krimer, celesta
Riga Chamber Choir "Kamer..."
Maris Sirmais, conductor
Recorded: 2006 / 2010
ECM

【HMV.co.jp へのリンク】
グバイドゥーリナ:『オルフェの竪琴』、『太陽の賛歌』 クレーメル、クレメラータ・バルティカ、アルステット、他

おすすめ度:★★★★

この演奏は、リスナーを宗教的トランス状態に至らしめるに十分な熱演である。

Nicolas Altstaedt, violoncello によるグバイドゥーリナ作曲『太陽の賛歌』は、David Geringas および Pieter Wispelwey 盤より気に入った。ロストロポーヴィチ盤が現在廃盤なので、Nicolas Altstaedt 盤は現在決定盤だと言っていいだろう。

グバイドゥーリナ作曲『太陽の賛歌』は、宗教色が強い作品なので好まない人もあると思う。

Nicolas Altstaedt は、基本的にはロストロポーヴィチの演奏を踏襲していると思う。荒い息づかいらしきものが聞こえる熱演である。

チェロ以外の演奏も美しい。合唱は素朴だが作品にマッチした技巧を聴かせていると思う。打楽器の演奏も充実している。

後半のチェロと打楽器のカデンツァ(ソロ)の部分を含め『太陽の賛歌』は動きはあるが静かな部分が多い。その中で大型の打楽器が鳴るのは音響的に効果的である。したがって、アンプのヴォリューム・レベルを上げて聴くと迫力あり面白い。録音はライブ録音にしては良いと思う。迫力ある録音だと思う。

HMV.co.jp のレビュー(ユニバーサルIMS)に「グバイドゥーリナ自身が絶賛」と書いてあるを見て購入したが、これは期待通りだった。しかし、クレーメルのために作曲された『オルフェの竪琴』があまり良い曲ではなかったので、おすすめ度は、星4つ。

グバイドゥリーナ作曲「アッシジの聖フランチェスコによる太陽の賛歌」歌詞対訳

【1月24日 付記】
この作品を始め、グバイドゥーリナの作品は、リストの「巡礼の年」に似た和音進行が聞けるような気がする。

2011年5月26日 (木)

グバイドゥリーナの「アッシジの聖フランチェスコによる太陽の賛歌」聴き比べ(1)

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-7fd4.htmlに続く

==

グバイドゥリーナの「アッシジの聖フランチェスコによる太陽の賛歌」を聴き比べてみた。
これは、米国アマゾンの Christopher Culver 氏と R. Hutchinson 氏のレビューが、参考になる。
下記にそれぞれへのリンクをはった。

The Canticle of the Sun / CHANDOS 盤

The Canticle of the Sun / EMI 盤

The Canticle of the Sun / Channel Classics 盤

私は、米国アマゾンのレビューを補足する。

Chandos

Gubaidulina
The Canticle of the Sun by St Francis of Assisi
for Cello, Chamber Choir and Percussion
Dedicated to Mstislav Rostropovich (1997) [36' 46]
Hommage à Marina Tsvetayeva (1984) [17' 56]
David Geringas, cello
Danish National Choir / DR
Stefan Parkman, conductor
Recorded: 1999 / 2002
CHANDOS

私が最初に聴いたのは CHANDOS 盤であった。
CHANDOS 盤は、明らかに David Geringas のチェロが弱いと思った。もっと激しい演奏が、この作品には合うと思った。

米国アマゾンのレビューアー Christopher Culver 氏は「このCHANDOS 盤は『太陽の賛歌』より『マリーナ・ツヴェターエワへのオマージュ Hommage à Marina Tsvetayeva (1984)』のほうが価値ある録音である」と述べている。

Christopher Culver 氏いわく

「敬虔なギリシャ正教の信者である作曲家が、どうして、不道徳な詩人マリーナ・ツヴェターエワ (Tsvetaeva lived a pretty sordid life) を取り上げたかが不可解である」

Christopher Culver 氏は、彼のアマゾンレビューの中で「re-ligio」という難しい言葉を用いてグバイドゥリーナとツヴェターエワの接点を記述している。

Emi

Gubaidulina
The Canticle of the Sun (1997) [44' 39]
Mstislav Rostropovich, cello
London Voices
Ryusuke Numajiri (沼尻竜典), conductor
Music for Flute, Strings and Percussion (1994) [30' 42]
Emmanuel Pahud, flutes
London Symphony Orchestra
Mstislav Rostropovich, conductor
Recorded: 1999 / 2001
EMI

非常に残念なことに、この CD は現在、廃盤である。このアルバムには、作曲者自身が参加(立ち会いまたは指導)している。

R. Hutchinson 氏のレビューに、

>As the composer says, "This is the glorification of the Creator and His Creation by a very humble, simple Christian friar. I tried, therefore, to make the choral part very restrained, even secretive and to put all the expression in the hands of the cellist and the percussionists." Rostropovich is certainly expressive, and this is a unique and uniquely powerful 45-minute work, a great example of Gubaidulina's singular vision.

>グバイドゥリーナいわく「これは、謙遜で質素な修道士(アッシジの聖フランチェスコ)による創造者と創造物への賛歌である。したがって、合唱パートは抑制され秘密主義的でさえあるが、それに対し、私はチェロと打楽器に全表現をゆだねた」
ロストロポーヴィチは表現に富み、ユニークであり、力強い 45 分の演奏をしている。それは、作曲者グバイドゥリーナの秀でたヴィジョンの具現化である。

私もまったくその通りだと思う。私は、この演奏を聴いて涙が出そうになった。この作品の題材は、13 世紀のカトリック修道士アッシジの聖フランチェスコの詩であり、それは、古くさいし、日本人が苦手なキリスト教の臭いが強い。しかし、この音源(アルバム)において、作曲者と演奏者は、その共同作業によって、上記のように「力強いヴィジョン」を具現化している。

ロストロポーヴィチは特に激しい演奏をしているわけではない。しかし、彼の演奏は最初の一音からして、David Geringas とは違う。ロストロポーヴィチが、こんなにチェロがうまいとは、私は知らなかった。

>We may take this one as definitive, as Gubaidulina supervised the performance and the cellist who inspired the work performs. (Christopher Culver)

>このアルバムは「太陽の賛歌」の決定盤である。グバイドゥリーナがこのアルバムの演奏を監督した。そして、この作品「太陽の賛歌」に霊感を与えたチェリスト、ロストロポーヴィチが演奏しているのだから。(Christopher Culver)

上の、Christopher Culver 氏のレビューに尽きると私は思う。

この演奏において、ロストロポーヴィチはチェロに専念している。したがって、全体を指揮しているのは沼尻竜典であるが、この人が非常にうまいと思う。チェロと合唱とパーカッションのバランスの良さは、沼尻竜典のうまさの現れであろう。

この演奏の圧巻は、

Laudato si, mi Signore
あなたを称えます、私の主よ
per quelli ke perdonano
互いにゆるし合う者たちによって

(Glorification of life: 生による賛歌)

Laudato si, mi Signore
あなたを称えます、私の主よ
per sora nostra morte corporale,
私たちの姉妹である肉体の死によって

(Glorification of death: 死による賛歌)

生と死による賛歌の間に演奏される不可思議なインストルメントの演奏は、10 分以上に及ぶ。それは力演である。その部分で、チェリストがチェロの胴体をたたく音がする。その音は、ロストロポーヴィチによる演奏が一番印象的だ。

ロストロポーヴィチの演奏は静寂が伴う。その静寂は、CD で聴いても息が詰まる。ましてや、生演奏でなら、もっと、その静寂は緊張感を高めるだろう。

リーフレットには「Mstislav Rostropovich, cello & percussion」と書いてあるので、上記、10 分以上に及ぶチェロ演奏の部分で、チェリストはチェロを捨てて、打楽器を演奏するとある(下記参照)。その部分は、フレクサトーン(flexatone)の高音の持続音(電子音のような音)を伴う。

【参考】
and finally, he abandons his instrument altogether. Now he plays initially on the bass drum (legato with a friction stick [an india rubber ball, 3 - 4 cm in diameter, fixed to a piece of piano wire])(from Sofia Gubaidulina, 2001)(リーフレットより)

最後に、チェリストはすべての楽器を捨てる。彼はまず、バスドラムを演奏する。すなわち、3〜4センチのインディアボールをピアノ線に固定したスティックを使ってレガートでこする。

--

グバイドゥリーナは、「アッシジの聖フランチェスコによる太陽の賛歌」を以下の4つのエピソードに分けている。

1. Glorification of the Creator, and His Creations - the Sun and the Moon (太陽と月)
2. Glorification of the Creator; the Maker of the four elements: air, water, fire and earth (四元素)
3. Glorification of life (生)
4. Glorification of death (死)

上を見ると、この賛歌は論理的に組み立てられていることが分る。「太陽の賛歌」は古いイタリア語方言(Umbrian dialect)で書かれた詩ではあるが科学的に書かれてあるのかも知れない。

このアルバムもカップリングの作品がすごい。エマニュエル・パユ(Emmanuel Pahud)のフルート演奏がすごい(Music for Flute, Strings and Percussion (1994))。フルートが好きな人は、その演奏を聴く価値あると思う。

Channel

Gubaidulina
The Canticle of the Sun (1997) [40' 41]
Preludes for Solo (1974) (5曲のみ)
In Croce for Cello and Bajan (1973) [16' 29]
Pieter Wispelwey, violoncello
An Raskin, bajan
Collegium Vocale Gent
Daniel Reuss, conductor
Members of the Prometheus Ensemble
Recorded: 2003
Channel Classics Super Audio CD

これは、録音が良い。Pieter Wispelwey の演奏は手堅い。彼の技巧は「Preludes for Solo」(ただし5曲のみ。本来は 10 曲)と「In Croce for Cello and Bajan (1973)」において聴き応えがある。その Wispelwey の優秀な技巧が「太陽の賛歌」でも生かされているかは、よく分らない。

>The performance of Collegium Vocale Gent and Wispelwey here falls into second place alongside the Chandos one, but the sound quality is much better here. (Christopher Culver)

>Collegium Vocale Gent と Wispelwey の演奏は、CHANDOS 盤と同様、EMI 盤を超えるものではないが、サウンドクオリティはずっと良い。

Christopher Culver 氏の評価が低いのは、演奏が散漫であるからか。

この Channel Classics 盤は、SACD であり音が良いので、CHANDOS 盤より私は好きである。

グバイドゥリーナ作曲「アッシジの聖フランチェスコによる太陽の賛歌」歌詞対訳

(つづく)

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