2016年3月25日 (金)

【メモ】 私に、デュティユーとエリオット・カーターを教えてくれた人は、この人でした/クレール=マリ・ル・ゲの「デュティユー、バルトーク、エリオット・カーター作曲:ピアノ・ソナタ集」

Le_guay

Dutilleux / Bartók / Elliott Carter: Piano Sonatas
Claire-Marie Le Guay
2000年録音
ACCORD

いま、ふと、思い出したのですが、私に、デュティユーとエリオット・カーターを教えてくれた人は、他ならない、この人でした。久しぶりに、聴いてみようかなぁ。

※ デュティユーの「メタボール」は、チョン・ミョンフンの「幻想交響曲」と、カップリングされたものを、持っていたが、その CD は、ほとんど聴かずに、焼失した。

(続く)

SOLI Works for Solo Violin by Bartók, Penderecki, Benjamin, Carter and Kurtág Tamsin Waley-Cohen

Soli

SOLI(←多分、Solo の複数形)
Works for Solo Violin by Bartók, Penderecki, Benjamin, Carter and Kurtág
Tamsin Waley-Cohen, violin
Recorded at the Menuhin Hall, Yehudi Menuhin School, Surrey, UK from 20th to 22nd September 2014.

www.signumrecords.com ←クリックすると「Signum Records」のオフィシャルホームページに飛びます。

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Béla Bartók (1881-1945)
Sonata for Solo Violin, Sz. 117 (1944)
01 I. Tempo di ciaccona [14.12]
02 II. Fuga. Risoluto, non troppo vivo [5.00]
03 III. Melodia. Adagio [8.36]
04 IV. Presto. [6.09]

George Benjamin (b.1960)
Three Miniatures for Solo Violin (2001)
05 I. A Lullaby for Lalit [3.52]
06 II. A Canon for Sally [2.29]
07 III. Lauer Lied [3.16]

Krzysztof Penderecki (b.1933)
08 Cadenza (1984) [10.05]

Elliott Carter (1908-2012)
From Four Lauds
09 I. Statement – Remembering Aaron (1999) [4.09]
10 III. Rhapsodic Musings (2000) [3.36]

György Kurtág (b.1926)
Six Miniatures
11 In Nomine all'ungherese (Damjanich emlékko) (2001) [5.45]
12 Anziksz Kellerannanak (Postcard to Anna Keller) (1993) [0.31]
13 Hommage a John Cage (1987, rev.1991) [1.53]
14 Thomas Blum in memoriam (1995) [2.38]
15 ...féerie d'automne... (2004) [2.26]
16 Hommage a JSB (2005) [1.53]

Total timings: [76.33]

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『ソリ〜無伴奏ヴァイオリン作品集』
● バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz.117
● ベンジャミン:無伴奏ヴァイオリンのための3つの小品
● ペンデレツキ:カデンツァ
● エリオット・カーター:無伴奏ヴァイオリンのための『4つの賛美』より第1番、第3番
● クルターグ:6つの小品

 タムシン・ウェーリー=コーエン(ヴァイオリン)

 録音時期:2014年9月20-22日
 録音場所:イギリス、メニューイン・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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・このアルバムについて

このアルバムは、ユニークであり、消化するのが難しいので、以下、箇条書きで書く。


結論から書くと、私は、タムシン・ウェーリー=コーエンの各作品に対する適切な解釈と、彼女の弾く「1721年製のストラディヴァリウス『ex-Fenyves』という楽器」の美しさが、大いに気に入った。彼女は、2007年以来そのヴァイオリンを弾いていると、リーフレットに書いてある。


私は、このアルバムに嵌ってしまった。
私は、このアルバムを気に入った:ありきたりな言い方だが、このアルバムは、リスナーを引きつけ、納得させる不思議な説得力を持っていると思う。


このアルバムのメインは「バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz.117(以下「Sz.117」と略す)」である。その他の作品は、文字通り「ミニチュア(ベンジャミン、クルターグ)」であったり「抜粋(エリオット・カーター)」であったり「寄せ集め(クルターグ)」であったりする:「クルターグ:6つの小品」は、標題を持つ組曲様だが、作曲年を見てみると、作曲年がまちまち:古いものは「Hommage a John Cage (1987, rev.1991)」新しいものは「Hommage a JSB (2005) 」:その隔たりは18年もある:寄せ集めに見える。ただし、ペンデレツキの「カデンツァ」のみは「単一楽章、かつ、演奏時間約10分」という点で大作の部類に「聞こえる」。しかし、その他の作品は、概ね演奏時間が短い小品の集合体である。


「ベンジャミン:無伴奏ヴァイオリンのための3つの小品」の演奏時間は、合計約9分37秒。
「カーター:無伴奏ヴァイオリンのための『4つの賛美』より第1番、第3番」は合計約7分45秒。
「クルターグ:6つの小品」は、合計約15分であるが、中身は短い曲の集合体である。
「ペンデレツキ:カデンツァ」だけは、上にも書いた通り単一楽章なのに演奏時間約10分の力作。
それに対し、バルトークの「Sz.117」は、堂々たる4つの楽章を持ち、その全曲演奏時間は(コーエンの演奏で)14’12+5’00+8’36+6’09=合計約33分57秒:すなわち、バルトークの「Sz.117」は、このアルバムにおいて、他の作品に対する《作品の完成度・充実度》の差を見せつける大作。


とはいえ、このアルバムに収録された作品は(バルトークの「Sz.117」以外も)テンションが高い難曲ばかりであり、それらは充実している。私は、当初、この CD を聴く前、「ペンデレツキ、カーターあたりは《能天気》な作品だろう」と思いきや、そうではなかった。このアルバムのプログラムにおいて、ベンジャミンとベンジャミンよりあとの作品は、ある意味、暗くて、じめじめした(陰気?)、似たような曲が続く(?)。しかし、それらは充実している。そして、それらの「暗さ」から、私は「私たちが生きている時代の暗さ」を感じる・・・そして、それらに比べれば、バルトークの「Sz.117」は、むしろ、明るく、また、可愛いく思えた。


結局、このアルバムを聴いて思うことは、バルトークの偉大さである。
彼は、1943年の秋頃、メニューインから「無伴奏ヴァイオリンのための作品を書いてもらえないか」と依頼され、1944年3月14日には、それを完成している(作曲期間については「わずか数週間」と作曲者自身が述べている)(ウィキペディアより)。どんな形式・様式・ジャンルの作曲であっても、決して手抜きをせず、半端な作品を書かず、「Sz.117」のような大作を書くバルトークの偉大さ! しかも、短期間で書く! しかも、その作品は「メニューイン自身『初めて楽譜を見せてもらった時は冷や汗が流れた』と回想」するほどの超絶技巧曲!(ウィキペディアより)
しかも、突然変異的作品(後述)!

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・「バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz.117」(1944) について

私が所有する「Sz.117」は:

イザベル・ファウスト 1996年録音
バイバ・スクリデ 2004年録音
Elise Båtnes(←読み方不明) 2005年、または、2007年録音
ヴィルデ・フラング 2010年録音
・タムシン・ウェーリー=コーエン 2014年録音

【演奏時間(参考までに)】

メニューイン 9' 36 4' 28 6' 56 5' 02 ←Apple Music より引用
ファウスト 11' 40 5' 04 8'27 5' 51
スクリデ 10' 16 4' 49 7' 30 5' 12
Båtnes 10' 40 4' 57 7' 34 5' 32
フラング 9' 26 5' 01 7' 15 5' 28
コーエン 14' 12 5' 00 8' 36 6' 09

上記を改めて聴いてみると、私のこのブログにコメントを寄せて下さるNさんおすすめの Elise Båtnes の演奏が、淀みなく、流れが良く、悲痛さも表れている、一番良い演奏だと思う。若い時に録音されたスクリデ(23才頃録音)もまた、なかなか明快にして、ある意味ディープ(第3楽章)、かつ、鋭くてよろしいと思う。ヴィルデ・フラング(24才頃録音)は、基本的に外してないと思う。←ただし、スピード感があり技巧的だが少し軽くてつかみどころがないかも知れない(第1、2楽章)。←第3、4楽章は、より見通しが良く挽回していると思う。イザベル・ファウストの「Sz.117」は、良いのか悪いのかよく分からない・・・と言っても、私は、「Sz.117」という作品を消化できてないので、同曲演奏について、評価・感想を書く自信はあまりない。たとえば、バルトークのソナタ形式(第1楽章)は難しい・・・(汗;;

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バルトークの「無伴奏ヴァイオリン Sz.117」は初演者メニューインの委嘱によって書かれ、彼に献呈されている(この作品についての概要・詳細はウィキペディアの項が参考になる)。したがって、メニューインによるこの作品の演奏が、この世に残っているなら、それが参考になるはずだが・・・←ありました。Apple Music にて、bartok menuhin 117 で検索したら、アップロード(ストリーミング)されていました。

Menuhin
(C) Apple Music

私は(メニューインがグレン・グールドと共演したシェーンベルクは良かったという記憶はおぼろげにあるが)メニューインというヴァイオリニストを(名前しか)知らない。だが、メニューインの「Sz.117」を、Apple Music にて聴いてみると、やっぱり、彼の同曲演奏は、かなり上手い。メニューインの「Sz.117」にはスピード感がある(上記演奏時間参照のこと)。そして、当然のことだが、メニューインの同曲演奏は、同曲が《メニューインのために作曲された作品》であることを感じさせる。したがって、上記の5人の演奏者たちが、メニューインの同曲演奏と対峙しなければならなかったとすれば、彼女らが同曲を演奏するのは難しかっただろう。

・肝心のタムシン・ウェーリー=コーエンの「Sz.117」について

結論から言うと、コーエンの遅いテンポの演奏を、私は、気に入った。彼女の「Sz.117」を聴いて、何故かしら「この作品は、バッハの『無伴奏 Vn ソナタ BWV 1001』に似ているなあ」と私は《初めて》思った。コーエンは、バッハを真似ているのか。もしそうだとしたら、多分、それは成功しているのだろう。

ウィキペディアにあるように、バルトークはヨーロッパ時代に「若い頃の私にはバッハとモーツァルトは美の理想ではなく、むしろベートーヴェンがそうだった」と回想している。そのバルトークが何故はっきりとバッハへのオマージュを感じさせる作品として仕上げたのかは分かっていない。ベートーヴェンに傾倒していたバルトーク(たとえば弦楽四重奏曲において)がバッハにインスパイアされて書いた「Sz.117」は「突然変異」。←演奏者は、その《特異性》を表わすのは難しいだろうし、リスナーはそれを受け入れにくいと思う。←だから、私は、バルトークの作品は難しくて苦手。つまり、バルトークが、バッハをいかに受容したか・・・そういう謎解きは、私は苦手。たとえば、この本を読んでもそれは分からないんじゃないか・・・このアルバムにおいて、同じ無伴奏にしても、ジョージ・ベンジャミン、ペンデレツキ、エリオット・カーター、クルターグの無伴奏のほうが、私は受け入れやすい・・・そもそも、私は、バッハの無伴奏ヴァイオリンという6つの作品は嫌い・・・しかし、コーエンやその他の人たちが弾く「Sz.117」は、嫌いになれない私。(←面白くない話になってしまった(汗;;)。

コーエンの「Sz.117」の演奏時間を見れば分かるように(第1楽章:14分12秒)、彼女は(第1楽章のみならず)この「超絶技巧的な作品全曲」を丹念に弾いていると思う。←ただし、他方で、第1楽章は「引き締まってなくて退屈する」第2、4楽章は「粗い」という異論があるかも知れない。繰り返すが、Elise Båtnes の「Sz.117」の締まった解釈のほうが、(コーエンより)ベター、あるいは、ベストだろう。
ちなみに、コーエンの「Sz.117」第1楽章の8分23秒に、間が空く。←インターバル(?)。

「Sz.117」の」特長の一つは《民族性》だと思うが【注】、私の主観では、コーエンのアプローチは、民族性を殺している(あるいは、民族色を表わしきれてない)ような気がする・・・←あるいは、それは、コーエンの「Sz.117」に対する《正しい解釈》なのかも知れない・・・あるいは、それは、私がバルトークの民族性を理解していないからかも知れない。
第3楽章は、多分、弱音器を付けずに演奏しているようだが、彼女が弾く弱音とフラジオレットは、物悲しくも美しい。第4楽章は、荒いが上手い。
コーエンは、メニューインの速いテンポ(Sz.117)に対し、《遅いテンポ》で挑戦している・・・そして、彼女は健闘していると思う。

【注】 ピアニストであったバルトークだが、民謡採集活動の中でハンガリー農民やジプシーの奏でるヴァイオリンに触れ、更にヨゼフ・シゲティら多くのヴァイオリニストの知己がいたことからヴァイオリンの演奏テクニックにはかなり詳しかった。(ウィキペディアより)

・ベンジャミン:無伴奏ヴァイオリンのための3つの小品 (2001)

「静 - 動 - 静」の構成からなる。第1楽章:ララバイは静的で内向的。重音奏法が多い。技巧的。重音・フラジオレットが美しい。中間部に同じ旋律のリピートがある(1分56秒)。
第2楽章:カノンで爆発する。
第3楽章:ラウアー(人名?)のリート:は、再び静的で内向的。前半はピチカート。何が何だか分からない作品だが、コーエンのこの作品に対する解釈は、多分、的確。

・ペンデレツキ:カデンツァ (1984)

この作品は、実在する Vn 協奏曲の一部ではない。そして、ペンデレツキの能天気さがなく、暗くて、悲痛な慟哭の音楽。
この作品は、静かな「うめき」で始まる。そして、次第に盛り上がる。中間部は激しく技巧的で、ショスタコーヴィチの Vn 協奏曲第1番のカデンツァを思い起こさせる。また、この作品は、静と動の両端を持つが、それは「ポーランド・レクイエム(1984 年初演)」のそれを思い起こさせる。最後の部分のヴァイオリンの短い独白は美しい(フラジオレット)。

・エリオット・カーター:無伴奏ヴァイオリンのための『4つの賛美』より第1番、第3番 (1999 / 2000)

この作品は、カーター、91〜92才のときの作品であるが、彼は全然衰えていない。いかにもカーターらしく、激しく暴力的に、入り組んだ「曲集(抜粋)」だが、コーエンはそれを技巧で持ちこたえていると思う。この作品は、どことなく、ヨーロッパ的であり、このアルバムの他の作品にうまく溶け込んでいると思う。
「カーターは本当に演奏者を愛し、楽器の潜在能力に夢中な作曲家です(Carter is a composer who really likes performers and excited by the instrument's potential.)」と、アリサ・ワイラースタインが述べたごとく、この「曲集」においては、ストラディヴァリウス「ex-Fenyves」の高音が美しい。これは、私の好みの作品である。

・クルターグ:6つの小品

この「6つの小品」には、上にも書いた通り各曲に、標題らしきものがついている(第1曲:In Nomine all'ungherese は、すべてのハンガリー人の名において、という意味なのだろうか)。この小品集は、バラバラ、気まぐれ、まとまりのない固まりである。
第1曲:In Nomine all'ungherese は、クルターグの非西欧的な旋律が、イギリス人コーエンによって、朗々と吟じられるが、それは、まったく不自然ではない。
第2曲は、彼の「カフカ断章」に似ている。
第3曲は「ジョン・ケージへのオマージュ(Hommage a John Cage)」だが、どこが、ケージへのオマージュなのか分からない。
最後の曲「バッハへのオマージュ(Hommage a JSB)」は、唐突に終わる。
このクルターグの小品集は、このアルバムのオマケのようでもあるが、このアルバムを《解決》するのに、悪い作品ではないと思う。いや、それどころか、コーエンが、このクルターグの作品の特異性(=まとまりのない6曲の固まり)を、このアルバムを締めるために《利用》したのは、彼女の実力の現れか。

・まとめ

ハンガリーの作曲家、2人を、始めと終わりに持ってきて(イギリス、ポーランド、米国の作曲家を挿入し)、終わりは、21世紀ハンガリーの作曲家の作品で締めたプログラム・選曲がうまい。そして、何度も言うが、コーエンの弾くストラディヴァリウス「ex-Fenyves」の音が美しい。

【Apple Music】 検索キーワード:Tamsin Waley-Cohen

【2016−3−27 追加】 クルターグの「6つの小品」が、ある意味、能天気か。

【2016−5−24 追加】 クルターグの「6つの小品」これは、寄せ集めのオマケかと思ったが、ウェーリー=コーエンのストラディヴァリウスが、よく鳴っている。名演だ。オマケじゃなかった(汗;;

2016年2月 7日 (日)

Music of Elliott Carter, Volume Eight, 16 Compositions (2002-2009) Recorded 2008/09 (C)2010 Bridge Records, Inc.

Elliott_carter

Music of Elliott Carter
Volume Eight
16 Compositions (2002 - 2009)
Recorded 2008/09
(C) 2010 Bridge Records, Inc.

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DISC A (49: 29)

01 Horn Concerto (2006) (10: 32)
Martin Owen, horn
BBC Symphony Orchestra
Oliver Knussen, conductor

02 Mad Regales on poems of John Ashbery for six solo voices (2007) (6: 53)
I. 8 Haiku (2: 37)
II. Meditations of a Parrot (1: 16)
III. At North Farm (2: 52)
BBC Singers

03 Tintinnabulation for six percussionists (2008) (7: 56)
New England Conservatory Percussion Ensemble
Frank Epstein, conductor

04 Wind Rose for wind ensemble (2008) (6: 09)
BBC Symphony Orchestra
Oliver Knussen, conductor

05 Sound Fields for string orchestra (2007) (7: 19)
BBC Symphony Orchestra
Oliver Knussen, conductor

06 On Conversing with Paradise for baritone and chamber ensemble (2008) (11: 40)
text excerpted from Cantos of Ezra Pound
Leigh Melrose, baritone
Birmingham Contemporary Music Group
Oliver Knussen, conductor

DISC B (53:42)

07 Retracing for bassoon (2002) (1: 32)
Peter Kolkay, bassoon

08 Clarinet Quintet for clarinet and string quartet (2007) (13: 57)
Charles Neidich, clarinet
Juilliard String Quartet

09 Figment V for marimba (2009) (1: 57)
Simon Boyar, marimba

10 La Musique for solo voice (2007) (2: 28)
text by Charles Baudelaire
Lucy Shelton, soprano

11 Retracing III for trumpet (2009) (1: 57)
Jon Nelson, trumpet

12 Due Duetti for violin & cello (2009) (8: 42)
I. Duettone (4: 27)
II. Duettino (4: 14)
Rolf Schulte, violin
Fred Sherry, cello

13 Figment III for contrabass (2007) (3: 10)
Donald Palma, contrabass

14 Figment IV for viola (2007) (3: 06)
Hsin-Yun Huang, viola

15 Poems of Louis Zukofsky for soprano and clarinet (2008) (13: 44)
I. Tall and Singularly Dark (3: 14)
II. Alba (1: 23)
III. Finally a Valentine (00: 45)
IV. O Sleep (1: 36)
V. The Rains (00: 47)
VI. Rune (00: 37)
VII. Strange (00: 47)
VIII. Daisy (00:49)
IX. You who were made for this music (3: 04)
Lucy Shelton, soprano
Charles Neidich, clarinet

16 Retracing II for horn (2009) (2: 35)
William Purvis, horn

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【収録情報】
カーター:2002〜2009年の16作品
1:ホルン協奏曲
2:マッド・リーガルス〜ジョン・アッシュベリーの詩による
3:ティンティナビュレーション
4:風配図(ウィンドローズ)〜管楽のための
5:サウンド・フィールズ〜弦楽のための
6:楽園との会話で
7:リトレーシング
8:クラリネット五重奏曲
9:フィグメント5
10:ラ・ムジーク
11:リトレーシング3
12:二重奏曲
13:フィグメント3
14:フィグメント4
15:ルイス・ズーコフスキーの詩
16:リトレーシング2
 マーティン・オーウェン(ホルン/1)
 レイ・メルローズ(バリトン/6)
 ピーター・コルケイ(ファゴット/7)
 チャールズ・ナイディック(クラリネット/8,15)
 ジュリアード弦楽四重奏団(8)
 サイモン・ボイアー(マリンバ/9)
 ルーシー・シェルトン(ソプラノ/10,15)
 ジョン・ネルソン(トランペット/11)
 ロルフ・シュルテ(ヴァイオリン/12)
 フレッド・シェリー(チェロ/12)
 ドナルド・パルマ(コントラバス/13)
 シン=ユン・ファン(ヴィオラ/14)
 ウィリアム・パーヴィス(ホルン/16)
 BBCシンガーズ(2)
 ニューイングランド音楽院打楽器アンサンブル(3)
 バーミンガム現代音楽グループ(6)
 BBC交響楽団(1,4,5)
 オリヴァー・ナッセン(指揮/1,4,5,6)

 録音時期:2008年、2009年
 録音方式:デジタル

(HMV.co.jp より)

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エリオット・カーター(Elliott Carter, 1908年12月11日生、2012年11月5日没。享年103歳)

私は、ハインツ・ホリガーたちによるエリオット・カーターと尹伊桑(ユン・イサン)の作品集のレビューの中で「こっち(上記のアルバム)のほうが、面白かったと、私は記憶している」と書いたが、久しぶりに、改めて、それを聴いてみると、インパクない。しかし、このアルバムは、エリオット・カーターのファンには、十分楽しめる、と、私は思うので、このアルバムに対する私の評価は、星4つ。

このアルバムは、ホルン協奏曲に始まり、ホルン独奏曲に終わる。第1曲「ホルン協奏曲 (2006)」は、リスナーに期待を抱かせるだろう。しかし、このアルバムに収められているカーターの作品は、確かに、名作が少なくないが、メインになる作品が無い。そして、このアルバムは、寄せ集めであるので、当然のことながら、全体的に散漫。

このアルバムに収められた作品群は「21世紀の作曲家が書いた21世紀の音楽」とは、私には、思えない。すなわち、このアルバムに収められた作品群は、20世紀の作曲家が書いたものであることが否めない。リスナーは、このアルバムに、21世紀的なアイデアが、ほとばしっているとは思えないだろう。

このアルバムに、単一楽章で、10分を超える作品がある(第1曲:ホルン協奏曲、第8曲:クラリネット五重奏曲)。だが、第2、第3楽章を持つ作品は無い。つまり、大作は無い。ただし、第12曲「二重奏曲(Due Duetti for violin & cello (2009))」は、2つの楽章を持つ名作である。

このアルバムに収められている作品群には、ユニークな作品が在る。しかし、繰り返すが、それらの作品は《作風に新しいアイデアがほとばしる巨匠エリオット・カーター》の作品ではない:すなわち、それらの作品に彼の新機軸はない・・・彼の過去の作品を超えるものはない。

このアルバムが発売されたとき、又、私がこのアルバムを購入したとき、エリオット・カーターは、まだ生きていた。しかし、今、彼の死後、コレを改めて聴き直すと、これは、カーターの遺作集に聞こえる。

第15曲「ルイス・ズーコフスキーの詩(Poems of Louis Zukofsky for soprano and clarinet (2008))」だけは、唯一、聴き応えあり。

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【Apple Music】 検索キーワード:Elliott Carter Vol. 8

2016年1月 8日 (金)

Lauds and Lamentations - Music of Elliott Carter and Isang Yun by Heinz Holliger, Thomas Zehetmair, Ruth Killius and Thomas Demenga

Lauds_and_lamentations

Lauds and Lamentations - Music of Elliott Carter and Isang Yun
Heinz Holliger, Oboe
Thomas Zehetmair, Violin
Ruth Killius, Viola
Thomas Demenga, Violoncello
2001 / 02 年録音
ECM

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Track list

CD 1 (46:38)

Elliott Carter (1908 - 2012)

1. Oboe Quartet for oboe, violin, viola, violoncello (2001) 16:38

4 Lauds for violin solo

2. Statement - Remembering Aaron (1999) 03:35
3. Riconoscenza per Goffredo Petrassi (1984) 04:40
4. Rhapsodic Musings (2000) 02:41
5. Fantasy - Remembering Roger (1999) 04:12

6. A 6 letter letter for english horn in F (1996) 04:57

7. Figment for cello alone (1994) 05:35
8. Figment II - Remembering Mr. Ives for cello alone (2001) 03:56

CD 2 (33:49)

Isang Yun (1917 - 1995)

1. Piri for oboe solo (1971) 14:51

Quartet for oboe and string trio (1994)

2. I 05:45
3. II 08:48
4. III 04:17

==

私の評価:星5つ

==

エリオット・カーターの作品も素晴らしいのだが、彼の音楽(たとえば、このアルバムの1曲目)は、その激しさが、マンネリ化していると感じる(エリオット・カーターの新作集であれば、こっちのほうが、面白かったと、私は記憶している)。
ただし、コノアルバム中、「Elliott Carter: 4 Lauds for violin solo」におけるトマス・ツェートマイアーの狂演は素晴らしい(私は、トマス・ツェートマイアーというヴァイオリニストに興味なかったが、このアルバムを聴いて、彼を見直さなければならないと感じた)。
さらに、このアルバムにおける Ruth Killius, Viola (* 20. Juni 1968 in Lahr, Baden-Württemberg), Thomas Demenga, Violoncello (* 12. Juni 1954 in Bern) のサポート、および、ソロは聴き応えがある。

私にとって、このアルバムは、エリオット・カーターより尹伊桑(ユン・イサン)を、そして、衰えを知らぬ巨匠ハインツ・ホリガーよりも、若きトマス・ツェートマイアーらを聴くのが面白かった。
「カーターより尹伊桑(ユン・イサン)が面白かった」と、私は書いたが、しかし、もしかして、尹伊桑(ユン・イサン)の作品に、カーターの影響が聞こえるかも知れん(汗)

ホリガーのヴィルトゥオージティ、巨匠的名演は素晴らしい。だが、ホリガーをサポートする若い演奏者たちの好サポート、および、彼らの、難易度の難しいソロ演奏が在ればこそ、このアルバムは面白い(←それが、このアルバムのコンセプト!)。後者(ツェートマイアーら)の爆演を、私は気に入った。

追伸1)ヴィオラ奏者、Ruth Killius を、ドイツ・ウィキペディアで、調べていて、初めて知ったんですが、ヴィオラ奏者のことを、ドイツ語で、der Bratschist (ブラチスト), die Bratschistin (ブラチスティン), der Bratscher (ブラーチャー) と言うんですね。そして、ヴィオラのことを、ドイツ語で、die Bratsche (ブラーチェ) と言う。

追伸2)このアルバムは、CD2枚組。演奏時間は計約80分。よって、このアルバム全曲を、CD 1枚に詰め込もうと思えば、詰め込むことが不可能ではなかったかも知れない。しかし、ソレを、あえて、CD2枚組にした ECM に、好感が持てる。

追伸3)このアルバム、および、尹伊桑(ユン・イサン)という作曲家を教えて下さった、このブログを訪問される或る読者さんに感謝!

【2016−1−11 蛇足】

蛇足ですが、ホリガーが上手いのは当たり前。
彼のために集った演奏者たちが、まるで、ホリガーが乗り移ったかのように、巧みな演奏をしていると思う。

2013年3月 8日 (金)

Rhapsodic Musings: 21st century works for solo violin Jennifer Koh

Koh

Rhapsodic Musings: 21st century works for solo violin
Jennifer Koh
Recorded: 2008 / 09

Esa-Pekka Salonen
Lachen Verlernt (2002) (9:43)
video by Tal Rosner

Elliott Carter
Four Lauds (17:22)
Statement - Remembering Aaron (1999) (3:59)
Riconoscenza per Goffredo Petrassi (1984) (5:10)
Rhapsodic Musings (2000) (3:05)
Fantasy (1999) (5:00)

Augusta Read Thomas
Pulsar (2003) (5:33)

John Zorn
Goetia (2002) (19:00)
I (1:24)
II (3:13)
III (1:15)
IV (2:35)
V (1:44)
VI (2:56)
VII (3:45)
VIII (1:52)

Total Time: (52:00)

最初に大音量で聴いたとき、あまりの演奏の激しさに、気分が悪くなったが(注意:このアルバムは最初から大音量で聴いてはならない)、よく聴いてみると、各作品は明確なコンセプトを持っているらしい。

【サロネン】シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」の「ピエロへの祈り」からタイトルをとっている。シャコンヌ様。比較的メロディアス(東洋風?)。【カーター】寄せ集め。題名(着想)が付いている(Aaron はコープランドのこと)。ちゃんと静と動を持つが、カーター独特のつかみどころの無さがあると思う。【トーマス】パルサー。自転する中性子星。美しい曲だ。【ゾーン】この作品は、ジェニファー・コーのために書かれた。John Zorn という人は「フリー・ジャズ、前衛音楽、グラインド・コアなどの様々な音楽を吸収しており、ジャンルを特定するのは困難(ウィキペディアより)」。繰り返すがこの曲を最初に聴いたとき気分が悪くなった。これもちゃんと静と動を持つ。厳格な論理的形式を持つらしい(「the same sequence of 277 pitches」を利用していると書いてあるが何のことか分からない)。

演奏者のジェニファー・コー(Jennifer Choi とは別人)は、パーソナル・ステートメントで、このアルバムのプログラムは「2001年9月11日(同時多発テロ)以後の月日の意味を探すことで生まれた」と書いている。

【2013−3−18 追加】
ゾーンの作品が一番気に入った。

2012年11月 7日 (水)

アリサ・ワイラースタインの「エリオット・カーター:チェロ協奏曲」

Weilerstein

Edward Elgar & Elliott Carter
Cello Concertos
Alisa Weilerstein, cello
Staatskapelle Berlin
Daniel Barenboim
Live Recordings 2012

Edward Elgar (1857 - 1934)
Concerto for cello and orchestra in E minor, op. 85
1. I. Adagio - Moderato 7:48
2. II. Lento - Allegro molto 4:26
3. III. Adagio 5:08
4. IV. Allegro - Moderato - Allegro, ma non troppo - Poco più lento - Adagio 11:55

Elliott Carter (b. 1908)
Cello Concerto (2001)
5. I. Drammatico 劇的に 1:40
6. II. Allegro appassionato 速く 熱情的に 2:43
7. III. Giocoso 陽気に 3:11
8. IV. Lento 遅く 3:40
9. V. Maestoso 厳かに 3:04
10. VI. Tranquillo 静かに 4:11
11. VII. Allegro fantastico 速く 幻想的に 3:48

Max Bruch
12. Kol Nidrei, op. 47 10:49

--

エリオット・カーターの「チェロ協奏曲」を聴きたくて購入。私がこれまで購入したカーターをとりあげた CD は期待はずれが少なくなかったが、これには満足した。これを大音響で聴くと良きフラストレーション解消になる。しかし、ワイラースタインの本当の狙いはエリオット・カーターの凶暴さではなくて、チェロという楽器の美しさだと思う・・・私は彼女の技巧・表現力より音に魅力を感じた。ワイラースタイン曰く「カーターは本当に演奏者を愛し、楽器の潜在能力に夢中な作曲家です(Carter is a composer who really likes performers and excited by the instrument's potential.)」とリーフレットに書いてある。

ピアニスト Ursula Oppens、指揮者 Michael Gielen による「ピアノ協奏曲(1964 - 1965)」が、ただ騒がしい曲に聞こえる人には、アリサ・ワイラースタインのエリオット・カーターは良き「カーター入門」ではなかろうか。

エリオット・カーターの「チェロ協奏曲」は、2001年に作曲された作品であり、カーターが93才頃の作品。作曲家自身が、7つの楽章を指定している(上記)。カーター曰く「チェロ独奏に導かれたしばしば中断される歌がアイデアを生じさせ、それが各楽章へと拡張する(My Cello Concerto is introduced by the soloist alone, playing a frequently interrupted cantilena that presents ideas to be expanded into movements.)」・・・前半、第九交響曲終楽章レチタチーボ様が歌われ、第4楽章レント(遅く)、第6楽章トランクイロ(静かに)は「歌」が歌われる。

「ピアノ協奏曲(1964 - 1965)」がオケとソロイストの煽り合いのバトルような曲であるのに対し、「チェロ協奏曲」はオケが伴奏の役割をしている(よって、ソロイストの技巧がよく聞こえる)。「ピアノ協奏曲(1964 - 1965)」にも静と動がある。しかし「チェロ協奏曲」には「ピアノ協奏曲」よりも自然でわかりやすい静と動の流れがある(7つの楽章は切れ目なく演奏される22分あまりの一つの曲である)。ワイラースタインはその流れを「気負わず自由に自然に」演奏している思う。「He's never austere or relentless(彼は厳格ではない)」

2012年2月25日 (土)

セリーヌ・モワネの「無伴奏オーボエ作品集」

Moinet

セリーヌ・モワネの「無伴奏オーボエ作品集」

Johann Sebastian Bach (1685 - 1750)
Partita in A minor, BWV 1013
[originally for flute solo]
I. Allemande 5' 33
II. Corrente 4' 35
III. Sarabande 4' 47
IV. Bourrée Anglaise 2' 58

Luciano Berio (1925 - 2003)
Sequenza VII (1969) 8' 25

Benjamin Britten (1913 -1976)
Six Metamorphoses after Ovid for solo oboe, op. 49 (1951)
I. Pan. Senza misura 2' 42
II. Phaeton. Vivace ritmico 1' 19
III. Niobe. Andante 2' 32
IV. Bacchus. Allegro pesante 2' 05
V. Narcissus. Lento piacevole 4' 07
VI. Arethusa. Largamente 3' 08

Elliott Carter (b. 1908)
Inner Song (1992) 6' 28

Carl Philipp Emanuel Bach (1714 - 1788)
Sonata in A minor, Wq.132
[originally for flute solo]
I. Poco adagio 5' 42
II. Allegro 5' 22
III. Allegro 4' 39

Total Time 64' 31

Céline Moinet, oboe
Enregistrement avril - mai 2011, Tedex Studio Berlin
harmonia mundi s. a.

この人は、循環呼吸(英語:Circular breathing)というのをマスターしてるのだろうか? 大バッハの「アルマンド」と「コレンテ」はフレーズの切れ目が少ないので息継ぎしていないように聞こえる・・・しかし、そんなことを考えながら聞いていると、聴いている私が息苦しくなってきたので考えないことにする。いずれにしても超越技巧的演奏だと思う。

ベリオの作品も「シ」の音を軸とするバリオラージュ(a bariolage around a pivot)で演奏される【注】。セリーヌ・モワネの演奏では、その「シ」の音が全曲を通して弱音で持続しているように聞こえる。
ベリオの「Sequenza VII」は、下記、

Sequenza I for flute (1958);
II for harp (1963);
III for woman's voice (1965);
IV for piano (1966);
V for trombone (1965);
VI for viola (1967);
VII for oboe (1969) (rev. by Jacqueline Leclair and renamed "Sequenza VIIa" in 2000);
VIIb for soprano saxophone (adaptation by Claude Delangle in 1993);
VIII for violin (1976);
IXa for clarinet (1980);
IXb for alto saxophone (1981);
IXc for bass clarinet (adaptation by Rocco Parisi in 1998);
X for trumpet in C and piano resonance (1984);
XI for guitar (1987-88);
XII for bassoon (1995);
XIII for accordion "Chanson" (1995);
XIVa for violoncello (2002);
XIVb for double bass (adaptation by Stefano Scodanibbio in 2004).

の中の第7曲である。

ブリテンの「Six Metamorphoses」は、オウィディウスの『変身物語』を題材にした作品である。これはこのアルバムの中核であり、ブリテン的な親しめる作品。それぞれの神々と人間の性格を、抒情とユーモアで表している。おもうに、ブリテンの「Six Metamorphoses」は、オーボエという地味な楽器で、壮大なギリシャ神話に思いを馳せさせ、神話に登場する「神々と人間」の特異な「神格や変容」をイメージさせる名曲・名演:

パン:牧神
パエトーン:太陽神の子。パエトーンが墜落したため、地上に大火事が起き、これを消し止めるためにゼウスが川の水を氾濫させたことによってデウカリオーンの大洪水が起きたとする。
ニオベ:ギリシア神話に登場する女性。タンタロスの娘で、テーベ王アンフィオンの妻。女神レトに子供の数の多さを誇ったため、レトの子アポロンとアルテミスにすべての子供を射殺され、悲しみのあまり石になったという。
バッカス:酒の神
ナルキッソス:自分の姿に恋した美青年
アレトゥーサ:ギリシア神話に登場する精霊。シチリア島のシュラクーサイ近くのオルテュギア島にあるアレトゥーサの泉に変じたことで知られる。

エリオット・カーターの「Inner Song」は「オーボエとハープのための三部作」の中間部である。最初は、パッとしない作品に思えたが、よく聴くといい曲だった・・・非常に気に入った。こういう曲を魅惑的に吹くセリーヌ・モワネは、間違いなく実力者だ。
「Inner Song」は、リーフレットには瞑想的であると書いてあるが、むしろメランコリックで痛切な旋律が広い音域を飛び交う。

この曲のモットーは、リルケの「オルフェウスに寄せるソネット」の一節:

Worte gehen noch zart am Unsäglichen aus ...
「言葉は消える。言い知れぬままに」

--

びっくりしたのは、エマヌエル・バッハの「ソナタ」が非常によい作品であったことだ。エマヌエル・バッハの「ソナタ」のほうが、大バッハの「パルティータ」より私は気に入った。第1曲「Poco adagio」は、20世紀の音楽を思わせるかも知れない。

「Sequenza VII」と「Inner Song」はハインツ・ホリガーのために作曲された作品。

【注】バリオラージュ:バイオリン奏法の一種。音色の変化を求め、開放弦と開放弦でない弦を交互に反復する奏法。例えば、バッハの無伴奏弦楽器曲に頻出。

【HMV.co.jp へのリンク】
『無伴奏オーボエ作品集〜バッハ、C.P.E.バッハ、ブリテン、ベリオ、カーター』セリーヌ・モワネ

【MDT.co.uk へのリンク】
MOINET, CELINE Solo Oboe. Bach: Partita BWV 1013, CPE Bach: Sonata Wq. 132, Berio: Sequenza VII, Carter: Inner Song, Britten: Six Metamorphoses after Ovid. Harmonia Mundi

私は、MDT.co.uk で購入した。9.25GBP+1.50GBP (postage and packing) Total 10.75GBP だった。

【オフィシャルホームページ】
Céline Moinet Official Website

2011年2月 8日 (火)

エリオット・カーターのピアノ独奏曲を聴き比べてはみたが(続き)

Rosen

Elliott Carter
The Complete Music for Piano
90+ [6' 13]
Piano Sonata [22' 41]
Night Fantasies [21' 00]
Elliott Carter in conversation with Charles Rosen [6' 40]
Charles Rosen
Recorded: 1982 and 1996 (90+)

Le_guay_dutilleux

Dutilleux Sonate pour piano (1947)
Bartók Sonate pour piano, Sz 80 (1926)
Elliott Carter Sonate pour piano (1946 révisée 1982)
Claire - Marie Le Guay
Enregistrement réalisé du 12 au 17 février 2000

Aimard

Ravel
Gaspard de la nuit [23' 10]
Elliott Carter
Night Fantasies [22' 13]
Two Diversions [7' 37]
90+ [5' 29]
Pierre - Laurent Aimard
Recorded: 2005

Oppens

Oppens plays Carter
Elliott Carter at 100
The Complete Piano Music
90+ (1994) [4' 55]
Retrouvailles (2000) [1' 38]
Night Fantasies (1980) [19' 48]
Two Diversions (1999) [7' 28]
Matribute (2007) [2' 05]
Piano Sonata (1945 - 46) [23' 31]
Two Thought About the Piano (2005 - 06) [10' 55]
Ursula Oppens
Recorded: 2008

Choi


Elliott Carter
Piano Works
Two Diversions (1999) [4' 11]
Two Diversions (1999) [3' 43]
Piano Sonata 1er mouvement (1945 - 46, rev. 1982) [10' 54]
Piano Sonata 2e mouvement (1945 - 46, rev. 1982) [14' 10]
90+ (1994) [5' 43]
Night Fantasies (1980) [20' 36]
Retrouvailles (2000) [1' 30]
Winston Choi
Enregistrement 2002
Yamaha CF IIIS
l'empreinte digitale

エリオット・カーターのピアノ独奏曲集は、Winston Choi のも買った。この人は上手いのだが、やっぱりピンと来ない。上記の作品の中で一番難しいのは、Night Fantasies (1980) だと思う。この作品は技巧的に難しい上に、単一楽章で、20 分もある。

上記、CD は、どれもカーターの名曲が収められていて、それらは決してつかみどころがないような迷曲集ではないはずだし、私も、とくに名演奏を求めているわけではないはずだが、特に、Night Fantasies (1980) に関しては、どれも、散漫に聞こえる。私は、ブーレーズが苦手なので、カーターのピアノ曲も理解できないのかも知れない。

2011年1月27日 (木)

エリオット・カーターのピアノ独奏曲を聴き比べてはみたが(続き)

Rosen

Elliott Carter
90+ [6' 13]
Piano Sonata [22' 41]
Night Fantasies [21' 00]
Elliott Carter in conversation with Charles Rosen
Charles Rosen
Recorded: 1982 and 1996 (90+)

再度聴き直してみるとチャールズ・ローゼンのが良い(ただし、"Night Fantasies" だけは、ローゼンの技巧ではちょっときついと思う)。

エリオット・カーターとチャールズ・ローゼンの関係は、シェーンベルクとシュトイアーマン(Eduard Steuermann)の関係に似てるような気がする。

「グレン・グールド以前に北米大陸にすぐれたピアニストはいなかった」となにかの本で読んだような気がするが(そんなこと誰も言ってないか?!)、チャールズ・ローゼン Charles Rosen (born May 5, 1927) というすごいピアニストがいたではないか。この人の演奏は「Works of Igor Stravinsky [22cd]」の DISC 10 の「Movements for Piano and Orchestra」で聴くことができる(私は Works of Igor Stravinsky [22cd] も焼失したので聴けないが)。

エリオット・カーターのピアノ独奏曲を聴き比べてはみたが(続き)

Le_guay_dutilleux

Dutilleux Sonate pour piano (1947)
Bartók Sonate pour piano, Sz 80 (1926)
Elliott Carter Sonate pour piano (1946 révisée 1982)
Claire - Marie Le Guay
Enregistrement réalisé du 12 au 17 février 2000

(私にエリオット・カーターという作曲家を教えてくれた)クレール=マリ・ル・ゲ(Claire - Marie Le Guay)の上記エリオット・カーターの「ピアノ・ソナタ」を聴き直してみると、これは聴きやすいが、やはり、よくない。重要な第2楽章がよくないと思うし、フーガはうまくない。

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