2016年2月 5日 (金)

コパチンスカヤ、クルレンツィス&ムジカエテルナの「チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲」「ストラヴィンスキー:結婚」

Tchaikovsky_kopatchinskaja_1

TCHAIKOVSKY: Violin Concerto in D major, Op. 35
Patricia Kopatchinskaja, violin

STRAVINSKY: Les Noces
Nadine Koutcher, soprano
Natalya Buklaga, mezzo-soprano
Stanislav Leontieff, tenor
Vasiliy Korostelev, bass

MusicAeterna (Orchetra & Chorus)
Teodor Currentzis, conductor
SONY

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、ストラヴィンスキー:結婚
コパチンスカヤ、クルレンツィス&ムジカエテルナ
2013 / 14 年録音

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コノアルバについては、Amazon.co.jp の3件のカスタマーレビューが良いレビューだ(私はそれらに1票ずつ、参考になりました、を投じた)。私は、それらより、悪いレビューしかかけない。したがって、私のレビューは無し・・・

だが、あえて付け加えれば、

コノチャイコフスキーの魅力はメリハリ。たとえば、コパチンスカヤ嬢は、第1楽章再現部第2主題(13分49秒〜)に、(強に対する)弱のコントラストをつけている。クール。第2、3楽章は雄弁。
だが、彼女の演奏は、アクロバティックじゃなくて、クレージー。
ハイフェッツが、ラリって演奏したら、こういう演奏になるだろう。技巧をひけらかしている点では、アンネ=ゾフィー・ムター的だが、ムターと違って、いかれている。コパチンスカヤの「暴力(追加:乱暴な演奏)」を、指揮者クルレンツィスが、よくカバーしている。

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ブックレットもしゃれている。「結婚」にひっかけて、コパチンスカヤとクレンツィスが婚姻衣装に身を包み、ラブレターのような形で解説を書いてます。遊び心にあふれた一枚。アマゾンJPのカスタマーレビューより

Tchaikovsky_kopatchinskaja_2

クルレンツィスとコパチンスカヤは、本当に結婚したの? ↑接吻している。

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Tchaikovsky_kopatchinskaja_3

せっかく、意匠を凝らしたジャケットなので、厚紙か、プラスティック・カバーなどで、ジャケットを保護して欲しかった。 ↑めくれてしまった。

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ストラヴィンスキー:結婚は、大音量で聴くと気持ち良い。多分、良い演奏か・・・。ただし、この曲を私は、知らない。

2015年7月 8日 (水)

Tchaikovsky Violin Concerto Baiba Skride vs. Arabella Steinbacher

Skride

Tchaikovsky
Violin Concerto Op. 35 D Major
Souvenir d'un lieu cher Op. 42
Pas d'action, Swan Lake Op. 20 , Act 2
Danse russe, Swan Lake Op. 20 , Act 3
Baiba Skride, violin
City Of Birmingham Symphony Orchestra
Andris Nelsons, conductor
2007年9月録音
SONY BMG

Stenbacher

Felix Mendelssohn-Bartholdy
Concerto for Violin and Orchestra in E Minor, Op. 64

Peter Ilyich Tchaikovsky
Concerto for Violin and Orchestra in D Major, Op. 35

Arabella Steinbacher, violin
Orchestre de la Suisse Romande
Conducted by Charles Dutoit
2014年9月録音
PENTATONE

シュタインバッハーのチャイコはスリルがある。すなわち、彼女の演奏には、デュトワの指揮とあいまって、トスカニーニや、若い頃のブルーノ・ワルターのようなパワフルな表現が聞かれると思う。私がしびれるのは、たとえば、第1楽章再現部(15分16秒)、シュタインバッハーのボーイングの運動量のスゴさ・・・。彼女の第1楽章のアインガング、カデンツァは格好良すぎる。しかも、彼女は、第1楽章第2主題などの「歌」を思いっきり歌っている。だが、シュタインバッハーの演奏には「私はこれが言いたいんです」という(いい意味での)作為を聞くことができないと思う。それに対して、スクリデは、たとえば、第1楽章再現部において第2主題がニ長調で再現するところ(15分37秒)、そして、その第2主題がニ長調からさらに移調するのと同期しつつスクリデは「この再現部の形式美を聞いてくれ」と主張する、または、そう聞こえる。ソコはうまいと思う(ソコは、シュタインバッハーと聴き比べたい)。そして、第3楽章のロシア民族舞曲トレパークのリズム感は、私が知る演奏の中では、スクリデが、一番うまい。

・追加

私は、メンデルスゾーンは苦手なので、それについては、ノーコメント。

2012年6月 9日 (土)

ヴィルデ・フラングのチャイコフスキー

Frang

PETER TSCHAIKOWSKI Violin Concerto
CARL NIELSEN Violin Concerto
VILDE FRANG violin
Danish National Symphony Orchestra
Eivind Gullberg Jensen
Recorded: 2011
EMI

ニールセンは知らないのでノーコメント(本当はニールセンのほうがメインなんだろうけど)。

チャイコフスキーのほうは非常に気に入った。この人は少しムターに似ているが、ムターとはまったく違う素質を持っていると思う。第1楽章第2主題4分16秒あたり、再現部第2主題15分18秒あたりは力の抜き方がうまい。この人は技巧も持っているが、歌がうまい。スクリデ(ラトビア出身)のスラブ的歌ではなく、この人(ノルウェー出身)の歌は北欧的歌ということになるのだろうか? 私は北欧の作曲家を知らないのでよくわからない。第2楽章カンツォネッタ アンダンテの歌はうまい。酔わされる。しかし、上記は、けっして「悪質なはったり」ではなく、自然で素直であり真のエンターテインメントである。第3楽章アレグロ・ヴィヴァーチェシモのロシアの民族舞曲トレパークは、やはりスラブ系の人でないと完璧には演奏できないのだろう。第3楽章は、ヴィルデ・フラングも巧いしよく歌っているが、スクリデのほうがうまいと思う。だが、このチャイコフスキーは全体的に欠点がない演奏だ。

2010年11月 8日 (月)

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲聴き比べ(スクリデ、神尾真由子、ベネデッティ、ハーン)

Skride

Tchaikovsky
Violin Concerto Op. 35 D Major
Souvenir d'un lieu cher Op. 42
Pas d'action, Swan Lake Op. 20 , Act 2
Danse russe, Swan Lake Op. 20 , Act 3
Baiba Skride
City Of Birmingham Symphony Orchestra
Andris Nelsons
2007年9月録音

結論から言うとスクリデのが一番気に入った。彼女はラトビア出身。ラトビア人はロシア系ではないようだが、民族色の強いこの作品は、やはりロシアのお隣の国出身者に分(ぶ)があるようだ。

スクリデという人は、このヴァイオリン協奏曲の第3楽章に使われているロシアの民族舞曲トレパークを、よく知ってるのではないかと私は思う。第3楽章のフィニッシュは指揮者のネルソンズ(Andris Nelsons)とちゃんと合っている。第3楽章だけではなく、彼女の演奏は第1楽章もリズム感が良い。

HMV.co.jp ユーザーレビューには「呆気にとられるほどサラサラとした冷涼な解釈」とあるが、私は、彼女の弾くチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、よく泣きよく歌っていると思う。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、第1楽章において第1主題と第2主題の対比があらねばならないと思う。すなわち第1楽章の第1主題は冒頭のオケの序奏にて現れ、それに続く独奏ヴァイオリンで歌われ、オケでも繰り返し強奏され、カデンツァでも力強く奏される。よって、第1楽章の第1主題はいわば第1楽章の「顔」だ。それに対し、第2主題は独奏ヴァイオリンによって歌われるための旋律。
スクリデの演奏にはその対比が存在する。彼女は第1楽章の第1主題と第2主題をうまく弾き分けていると思う。たとえば、第1楽章の 4' 29 ほんのちょっとタメを入れるのは第2主題の歌をうまく強調している。再現部の第2主題が次々に移調するところも第2主題をよく生かし、再現部をうまく生かしている。
彼女の演奏は技巧的だが、とがってない(カデンツァにおける間の入れ方(10' 59)を聞くと、そう思わせられる)。

Kamio

チャイコフスキー
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品 35
プロコフィエフ
ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品 63
神尾真由子
ハレ管弦楽団
指揮:トーマス・ザンデルリンク
2010 年 6, 7月録音

神尾のチャイコフスキーは、うまいが、終始テンションが高く、一本調子に聞こえる。たとえば、第1楽章の第1主題と第2主題の対比が無い。そして、第3楽章は、技巧に走り過ぎて、民俗舞曲のリズムを感じさせない(第3楽章、9' 00 以降は力強すぎ)。

彼女のチャイコフスキーに対する思い入れが裏目に出ていると思う。

「チャイコフスキーってかゆいところに手が届いているのにまだかいてくれるような、しつこさがありますね。もうおなかいっぱいなのに、まだまだ食事が出てくる感じ。そのしつこさがたまらない魅力」神尾さんご自身がそういってるのだから、そういう演奏をして当たり前だが。

Benedetti

Tchaikovsky
Violin Concerto Op. 35
Max Friedrich Bruch
Violin Concerto No. 1 Op. 26
Nicola Benedetti
Czech Philharmonic Orchestra
Jakub Hrusa
2010 年録音

これは、ブルッフのほうが良い。この人は、あまり派手ではない曲のほうが合うのではないだろうか(デビュー盤のシマノフスキーも良かったし)。

チャイコフスキーの第1楽章はしなやかさと激しさを合わせもつ。
提示部は、第2主題の後半(4' 29)にタメを入れているが、その弾き方はスクリデと同様、私の好みに合う。しかし、その後は、ベネデッティの演奏に特に魅力はない。第3楽章はテンポが速すぎて、リズムが狂っているように聞こえる(オーケストラと合ってないように聞こえる)。

それにしても、このアルバムのリーフレットは、まるで写真集。この人は、ルックスがいいから自ずとそうなる。しかし、私が見るところ、この人は、そのルックスとは裏腹に、地味な曲をオーソドックスに演奏するのがうまい。

Benedetti_01

Benedetti_02

Benedetti_03

Benedetti_04

ハーンのチャイコフスキーは、ココをご参照下さい。

【付記】もう一つ、書くのを忘れていた。ニコラ・ベネデッティは、1751年製のヴェネツィアのペトラス・ガルネリウスを弾いてるそうだが、これは、ストラディバリとよく似た音がする。というか、私には違いが分からない。

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