2018年5月30日 (水)

『クラシカル・バーブラ Classical Barbra/バーブラ・ストライサンド(1976年)』へのアマゾンJP レビューのコピー

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クラシカル・バーブラ Classical Barbra/バーブラ・ストライサンド (1976年)


【これは ASIN: B0000268DS へのレビューです】

クラシック音楽の解釈は理屈で始まり理屈に終わる。しかしポップスやジャズのアーティストは、その「嗅覚」のみで作品を解釈する。このアルバムにおけるバーブラの呼吸はまったくもって自然体。フォーレの「夢のあとで(Après un rêve)」をフォルテ(強勢)で歌うクラシックの歌手が居る。しかし、バーブラの呼吸はあえてその作品を「強烈なクレッシェンド」で歌わずに、より自然体なクレッシェンド、より自然体な呼吸で歌う。その結果、彼女はクラシック音楽の歌手が気づかなかった作品の良さを自然に表現できた。

このアルバムに収められている楽曲は、クラシック音楽の歌手たちによって幾度も歌われた。新しい歌手たちが新しい解釈でそれらを歌うのは難しいことだと思う。なぜなら、過去において、クラシック音楽のマイスターたちが、それらの楽曲を歌った・・・すなわちそれらマイスターたち(名歌手たち)の「名唱」が存在するからである。ところが、ポップスの歌手が、このアルバムに収められている楽曲を歌った例はない。

バーブラの歌唱は解釈が新しいのではなく、そもそもポップスの歌手がクラシック音楽を歌うという前例のないことにチャレンジしたことによって、繰り返すが彼女はクラシックの歌手たちが気づかなかった作品の良さを自然に表現できた・・・それは「名唱」である。クラシック音楽の愛好者である私は、彼女に敬意を表したい。なお、吉田秀和先生がこのアルバムを褒めていたと、私は記憶する。



Track listing

01. "Beau Soir" (Claude Debussy) – 2:42
02. "Brezairola - Berceuse" from 'Songs of the Auvergne' (Joseph Canteloube) – 3:47
03. "Verschwiegene Liebe" (Hugo Wolf) – 2:57
04. "Pavane (Vocalise)" (Gabriel Fauré) – 5:29
05. "Après un rêve" (Gabriel Fauré) – 3:24
06. "In trutina" from 'Carmina Burana' (Carl Orff) – 2:11
07. "Lascia ch'io pianga" from 'Rinaldo' (George Frideric Handel) – 3:37
08. "Mondnacht" (Robert Schumann) – 3:56
09. "Dank sei Dir, Herr" (Unconfirmed composer; Handel or Siegfried Ochs) – 3:42
10. "I Loved You" (Claus Ogerman) – 2:18



【参考】

Classical_barbra
(C) Apple Music 検索キーワード:Classical Barbra



【下記はおそらく国内盤】

2018年5月13日 (日)

相聞/中島みゆき/アマゾンJP へのレビューのコピー

Miyuki

相聞/中島みゆき



私の評価:Stars4


騒がしいロック調の曲が少なくないが『小春日和』『ねこちぐら』は、基本的にアコースティックであり、ホッとさせられる。ただし、このアルバムは歌詞が難しいので、リーフレットの歌詞を読まないと何を歌っているのか分からないのが欠点。

煩悩、夢、まぼろし、葛藤、ジレンマ、自己矛盾、自己嫌悪、挫折、失意、アイロニー、悲しみなど・・・相変わらず、中島みゆきさんは、このアルバムにおいて《様々なモチーフ・テーマを歌っている》←その意味で、彼女の意欲は衰えていない。←またその意味で、このアルバムは聴き応えがあり何度も聴くに耐えるアルバムである。
また、彼女の声量は衰えていない。

私が気に入った曲:
第1曲『秘密の花園』。逆説的タイトル。すなわち「ユートピアは無い」と、ゲーテの《ファウスト》とは反対のことを歌っている。
第2曲『小春日和』
♪悪気だけでは生きてゆけないものよ
人は人を「まごころ」と「思いやり」で愛す。しかし愛はそれらを「悪気=悪意」に変えることがある(それは誰しも経験があることだろう)。上の一節は「人間はその悪気=悪意を人間の性(さが)として受け入れることもできなければ、切り捨てることもできない」という意味だろう。
第3曲『マンハッタン ナイト ライン』。この歌はニューヨークを悪し様に歌っているが、実は、
♪あの人がいないなら意味がない
この歌の主人公は、ニューヨークで恋人と別れたのだろう。
第7曲『ねこちぐら』。分かりやすい歌。若い頃の素朴さが聴ける。悲しみの歌。
第9曲『希(ねが)い』は、ネガティブとポジティブが交錯するメッセージソング。

たしかに、このアルバムは聴き応えがあり、繰り返し聴くに耐えるアルバムである。だが、このアルバムは最後の3曲に至るまでは、ほとんどネガティブな曲ばかり・・・その点、このアルバムは、彼女の若い頃の傑作(臨月、寒水魚)と違う。すなわち、このアルバムは、ある意味、全曲の流れ・バランスが悪く、全曲を通してコントラストに欠けると思う(よって、私の評価は星4つ)。

ただし、第10曲『慕情』は見事なフィニッシュである。『慕情』は、おそらく中島さんによって繰り返し歌われる彼女の「本音」だろう。私の主観では、中島さんは、エディット・ピアフのような説得力をもって『慕情』を歌っているように聞こえる。その曲は、このアルバムのラストだが、あえて例えて言えば「映画のエンドロール」だ。

2018年4月18日 (水)

MY BOY - a summer place - MINAYO WATANABE

Minayo_watanabe


私の中では渡辺美奈代のベスト。

このアルバムは、秋元色がないのが良い。
一方、コンセプトがあり、ポップである。リズムはタイトである。

「靴をはいたサマー」
この歌は「夏」を擬人化している。
その中間部:
♪そして夏がすぐそこを走るの
↑のコード進行はカッコいい。

「きっときっと」の歌詞:
♪ゆうべ たよりない鎖骨を わざとかまれたみた
↑ドキッとさせられる。
♪たぶん ひとつめのボタンが 外れただけのこと
↑純潔を失うということは、そういうことなのか?

リーフレットのスナップは、なかば写真集のようだ。

2018年4月 3日 (火)

John Lennon Live in New York City [CD]

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John Lennon Live in New York City [CD]
1972年録音
CDP7461962


【これは ASIN: B000002U9I へのレビューです】
1972年、マディソン・スクエア・ガーデンでのライブ録音。全部で42分。ヨーコの歌と声は削除してある(よって Give Peace A Chance 前置き:ヨーコによるヒトラーの演説引用朗読はカットされてある)。

これは紛れもなく、私が、昔、聴いたレーザー・ディスク版「Live in New York City(←私はそれを火災で焼損)」と同じ音源だ。何故それが分かるかというと「New York City」「Well Well Well」「Come Together」「Hound Dog(エルビスアイラブユー)」におけるジョンの歌唱で、ジョンがアドリブ的に歌った歌詞が、レーザー・ディスク版と一致するからだ。

「Instant Karma」では、ジョンとこのライブを聴く聴衆が合唱しているかな。

(もっとも、そのレーザー・ディスク版「Live in New York City」も、その映像・音声において、昼の部、夜の部を合体させ編集されたものであったと思う)

第1曲の「New York City」は、大音響で聴いてもベースの音が聴こえなかったので、これはダメかと思ったが、その後の曲ではベースが聴こえる。ただし、低音が弱い。1972年録音盤のリマスターだから仕様なしか。【注】

ジョンのライブ音源をまとまったものとして聴けるのは「ライブ・イン・トロント」とこの音源だけなので懐かしいし、嬉しい。ただし、やっぱり映像付きでないと、このライブの迫力は半減、または、3分の2ぐらい・・・というのが私の率直な印象・・・ということは、この音源の音声がやはりイマイチだということか。

あと、レーザー・ディスク版と違って、ジョンが歌を歌う前の「語り」の部分の「字幕」がないので、彼が何を言っているか分からない。

【注】 この音盤の音は、私のクラシック音楽専用のオーディオ・システム(TANNOY Stirling HW, LUXMAN L-560, marantz sa-7s1)で聴くとイマイチだが、(予備の)安物のコンポで聴くと良かった。


【収録情報】
01. New York City
02. It's So Hard
03. Woman Is The Nigger Of The World
04. Well Well Well
05. Instant Karma (We All Shine On)
06. Mother
07. Come Together
08. Imagine
09. Cold Turkey
10. Hound Dog
11. Give Peace A Chance

2018年4月 1日 (日)

(C) Apple Music SET LIST 〜グレイテストソングス〜 完全盤/AKB48/2010

Akb48
「AKB48」って「おニャン子」に似ているね。集団で歌うと、どうしても歌唱が類似してしまう。

ヒットしてる音楽は、なんでも一応聴くというのが私の主義だが・・・買わない。


2018年3月 9日 (金)

CONNIE FRANCIS GOLD

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CONNIE FRANCIS GOLD

全部で50曲も入っているので、さすがにこの商品の全曲を一気に聴くのは疲れます。が、オールディーズが好きな私にとって、コニーの歌と歌詞とメロディーはたまらない魅力です。このCD-DAは、いま流行りのリマスターはされていないようですが、私はこのアルバムの音質に不満はありません。これは買って良かった。
コニー・フランシスって歌だけじゃなくて、スタイルも抜群だったんですね。


収録曲
1-1 Who's Sorry Now
1-2 I'm Sorry I Made You Cry
1-3 Stupid Cupid
1-4 Fallin'
1-5 My Happiness
1-6 If I Didn't Care
1-7 Lipstick On Your Collar
1-8 Frankie
1-9 You're Gonna Miss Me
1-10 Among My Souvenirs
1-11 God Bless America
1-12 Mama
1-13 Teddy
1-14 Everybody's Somebody's Fool
1-15 Jealous Of You: Tango Della Gelosia
1-16 My Heart Has A Mind Of Its Own
1-17 Malaguena
1-18 Many Tears Ago
1-19 Where The Boys Are
1-20 Breakin' In A Brand New Broken Heart
1-21 Together
1-22 He's My Dreamboat
1-23 Hollywood
1-24 When The Boy In Your Arms (Is The Boy In Your Heart)
1-25 Baby's First Christmas
2-1 Don't Break The Heart That Loves You
2-2 Second Hand Love
2-3 Vacation
2-4 I Was Such A Fool (To Fall In Love With You)
2-5 I'm Gonna Be Warm This Winter
2-6 Al Di La
2-7 Follow The Boys
2-8 If My Pillow Could Talk
2-9 Drownin' My Sorrows
2-10 Your Other Love
2-11 In The Summer Of His Years
2-12 Blue Winter
2-13 Be Anything (But Be Mine)
2-14 Looking For Love
2-15 Don't Ever Leave Me
2-16 Whose Heart Are You Breaking Tonight?
2-17 For Mama: La Mamma
2-18 Forget Domani
2-19 Jealous Heart
2-20 When The Boys Meet The Girls
2-21 Spanish Nights And You
2-22 Time Alone Will Tell: Non Pensare A Me
2-23 Born Free
2-24 The Wedding Cake
2-25 Zingara: Gypsy



Connie_francis


【追記】

ところで「ヴァケーション」の歌詞が意外に難しいということが分かった。「grab a bite」が「腹ごしらえする」。「jalopy」が「ぽんこつ車」であることは辞書を引けばわかる。しかし「We're gonna mashed potato to a jukebox tune」の「mashed potato」は「踊り」の名称(←これは分からない)。「have a ball」は「ダンスパーティーを開く」の意味かと思ったら「とても楽しいひと時を過ごす」の意味だった。「We're on vacation till the start of the fall」は「ball」と韻を踏んでいるのであまり意味ないと思うが、あえて訳せば「秋が来るまでは(ひたすら夏休みを楽しむ)」の意味か。歌い初めの「V-A-C-A-T-I-O-N」は大瀧詠一がアルバム・タイトル《A LONG V-A-C-A-T-I-O-N》で借用している。

Vacation

(Hank Hunter, Gray Weston, Connie Francis)

V-A-C-A-T-I-O-N in the summer sun

Put away the books, we're out of school
The weather's warm but we'll play it cool
We're on vacation, havin' lots of fun
V-A-C-A-T-I-O-N in the summer sun

We're gonna grab a bite at the pizza stand
Write love letters in the sand
We're on vacation and the world is ours
V-A-C-A-T-I-O-N under summer stars

Yeah, we'll hop in a jalopy to a drive-in movie and never look at the show
We're gonna hug and kiss just like this and I can't wait to go, go, go

We're gonna mashed potato to a jukebox tune
Park your car 'neath an August moon
We're on vacation till the start of the fall

V-A-C-A-T-I-O-N, we're gonna have a ball, go

V-A-C-A-T-I-O-N, gonna have a ball
Uh-huh, we'll hop in a jalopy to a drive-in movie and never look at the show
We're gonna hug and kiss just like this and I can't wait to go, go, go

We're gonna mashed potato to a jukebox tune
Park your car 'neath an August moon
We're on vacation till the start of the fall

V-A-C-A-T-I-O-N, we're gonna have a ball, yeah

V-A-C-A-T-I-O-N, (yeah) gonna have a ball.

ビートルズ 超定番ソングブック 120 楽譜 シンコーミュージック(2017年12月26日 初版発行)

Beatles

ビートルズ 超定番ソングブック 120

2009年頃、私は「ピアノ学習・作曲編曲に役立つ コード進行の基礎知識 <課題と解答付> 橋本晃一編」を購入し楽典的な観点からコード進行を学習しようと試みたが、2009年12月の私の自宅の全焼火災のため、それを中断してしまっていた。そこで今般それに再挑戦しようと思ったが、そのための素材が欲しいと感じ、この「ビートルズ 超定番ソングブック 120」を注文した(私は「The Beatles Complete Scores (英語)」を持っているが、さすがにそれは重くて使いにくい)。
私が一番心配したのは後者「ビートルズ ソングブック 120」のサイズ。その寸法は、25.7×21×2cm。←微妙なサイズである。
さて、実際、後者「ソングブック 120」が配達され、それを手に取ってみて思うに、問題ないサイズだ。←老眼の私にも見やすい文字の大きさである(下の画像参照)。収録されている曲の数も十分。さあ、私は勉強しなければなりません。


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「ピアノ学習・作曲編曲に役立つ コード進行の基礎知識(左、29.8×22.6×0.4cm)」と「ビートルズ 超定番ソングブック 120(右、25.7×21×2cm)」

2018年3月 2日 (金)

The Beatles the complete Star-club tapes 1962

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The Beatles the complete Star-club tapes 1962

すでにリンゴが加入し「ラヴ・ミー・ドゥ」でデビューした後のビートルズであるので、このアルバムにおける彼らの演奏は大人しい方かも知れない(演奏技術はコーラスがすでに完成している)。

ジョンは、後年、「ハンブルクでは、私たちは、パンクロックのように演奏していた」と言っていたが、それは、DISC-1 のトラック 7「Shimmy Like Kate」 DISC-2 のトラック 6, 7 の「ロング・トール・サリー」「I'm gonna sit right down and cry (over you)」あたりで聴ける(リンゴのドラムがすごい)。

女性客の黄色い声があまり聞こえないところをみると当時のビートルズのファン層は主に男の子たちだったことがうかがえる。スター・クラブは女性には危険な場所だったのだろうか。もとい。一番最後の曲は女性歌手が歌っている(Carol Elvyn)。←スター・クラブは女人禁制(?)というわけではなかったようだ。

「ロール・オーバー・ベートーヴェン」はジョンの持ち歌だったと思うが、ジョージが歌っている。←それが、もうすでに板についている。そしてこのアルバムにおいてジョージのヴォーカルが多いのは、彼の初々しい声が受けたからだろう。

チャック・ベーリーの「I'm talking about you」はジョンのヴォーカルにエコーがかかっていて見事な演出である。「I saw her standing there」のベース奏法は「I'm talking about you」のそれを真似している。

ポールが歌うチャック・ベリー(Little Queenie)はレアだと思う(私の記憶では、私はポールがチャック・ベリーを歌うのを、この音源以外において聞いたことない)。また、ジョンの「マッチボックス」もレア。

時折低音に聞こえるポールのベースラインは勿論素晴らしい。

DISC-2 トラック 4 の「Falling in love again」は、マレーネ・ディートリヒが主演した映画「嘆きの天使」の有名な挿入歌である。その映画はハンブルクが舞台だった。

DISC-2 の冒頭「12時5分前(fünf Minuten vor zwölf)」という MC の声が聞こえる。←このライブは夜中の12時開演ということか。


【収録情報】

Disc: 1
December 21st (eatimated): Real #1&2
1. Be-Bop-A-Lula (Fred Fascher: vocal)
2. I Saw Her Standing There
3. Hallelujah, I Love Her So (Horst Fascher: vocal)
4. Red Hot (John on organ)
5. Sheila
6. Kansas City / Hey Hey Hey Hey
7. Shimmy Like Kate
8. Reminiscing
9. Red Sails In The Sunset
10. Sweet Little Sixteen
11. Roll Over Beethoven
12. A Taste Of Honey
December 25th (eatimated): Real #3
13. Nothin' Shakin' (But the Leaves on the Trees)
14. I Saw Her Standing There
15. To Know Her Is To Love Her
16. Everybody's Trying To Be My Baby
17. Till There Was You
18. Where Have You Been All My Life?
19. Lend Me Your Comb
20. Your Feet's Too Big
21. I'm Talking About You
22. A Taste Of Honey
23. Matchbox
24. Little Queenie

Disc: 2
December 28th (eatimated): Real #3
1. Twist and Shout
2. Mr. Moonlight
3. Besame Mucho
4. Falling In Love Again
5. I'm Talking About You (partly)
6. Long Tall Sally
7. I'm Gonna Sit Right Down And Cry
8. I Remember You
9. Roll Over Beethoven
10. Goodnight
December 31st (eatimated): Real #4
11. Introduction
12. Road Runner (soundcheck)
13. Hippy Hippy Shake
14. A Taste Of Honey (Tony Sheridan: backing vocal)
15. Ask Me Why
Bonustrack
Cliff Bennett & the Rebel Rousers Real #3
16. Hully Gully
Kingsize Taylor and the Dominoes Real #4
17. Money
18. Dizzy Miss Lizzy
19. Twist And Shout
Carol Elvyn and the Star Club Combo Real #?
20. Big River

Live recording: December 21st, 25th, 28th and 31st 1962.

EGDR-0004 2CD SET [P] Eternal Grooves.

2018年1月26日 (金)

中島みゆきさんの『組曲(Suite)』<完全生産限定アナログレコード(LP)>/←たとえば、これ本物のアナログなのかな(?)/アナログ録音技術は、その環境も、人材も、職人技も、その歴史も、今日、失われていると思う

Nakajima

中島みゆきさんの『組曲(Suite)』<完全生産限定アナログレコード(LP)> [Analog] Limited Edition

これは、

音楽の本場アメリカ、ロサンゼルスの著名なマスタリングエンジニア、スティーブン・マーカッセンによりマスタリングされた24bit/96kHzハイレゾマスター音源を、アナログ・レコードのカッティングの第一人者とも呼ばれているJVC のカッティングエンジニア、名匠・小鐵 徹氏のカッティングによって商品化。(Amazon.co.jp より)

「24bit/96kHzハイレゾマスター音源」はデジタル(?)
すなわち「ハードディスク」に記録されたもの(?)
そうであれば、大本(おおもと)がデジタルなのだから、それをアナログレコードに記録してもアナログの音は出ないのではないか(?)
昔のように、アナログ・オープンリール・テープレコーダーに録音しなきゃ(!)

しかし、もし仮に、たとえ今日において、昔の方法で「アナログレコード」を制作したとしても(すなわち昔のアナログレコード制作方法を踏襲しても)、当時のアナログ録音技術は、その環境も、人材も、職人技も、その歴史も、今日、失われていると思う。

【結論】

「アナログレコード」は、アナログ時代に制作された商品すなわち「中古」にしか価値ない・・・。
素人の私はそう考えますが・・・。

【追記】

私は、2009年、私の自宅の全焼火災で、アナログ・レコード環境を焼損し、その後、アナログ・レコード環境を再取得していないので、同商品の CD 盤と LP 盤を購入して両者の音を比較することができない。

2017年12月10日 (日)

私の声が聞こえますか/みんな去ってしまった/中島みゆき

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1st 『私の声が聞こえますか』 1976年4月25日発売


中島みゆきさんのファースト・アルバム『私の声が聞こえますか』

このアルバムにおける中島みゆきさんは、初々しい・・・というか、可愛い。あどけなく、優しい。

以下、主な楽曲についてコメントします。

●あぶな坂
記念すべきファースト・アルバムの第1曲は、ふるさとを捨てた者たちに投げかけられた歌。「あぶな坂」とは「中島さんの歌の世界」に転げ落ちゆく「下り坂」のことだろう。

●あたしのやさしい人
ブルージーまたはロックンロールまたはジャズっぽい。
サード・アルバム『あ・り・が・と・う』の収録曲「サーチライト」の歌詞に、

♪あたしがあんまりブルースを歌いすぎたから

と歌われるように、彼女のファースト・アルバム&セカンド・アルバムにはブルースが多い。

●信じられない頃に
一転して、フォークソング調の3拍子。例によって《すれ違い》の歌。ソプラノで歌われている。←私、この曲は好きだなあ。

●海よ
名曲。優しい。だが、流浪の歌。

●アザミ譲のララバイ
中島みゆきさんのデビュー・シングル。比較的軽快な3拍子系。中島さんの歌詞には珍しく「ララバイ」という語が連呼される。
夜に悩める魂を受け入れる。

●ひとり遊び
ひとりぼっちの鬼ごっこ。これも「鬼さんこちら 手の鳴るほうへ」が、連呼される。少し気味の悪い旋律を持つ佳作。

●「悲しいことはいつもある」は、ジャズ(!)。アイロニカル。

●「歌をあなたに」は、正調フォークソング。メッセージソング。応援歌。

●「渚便り」これも正調フォークソング。中島さんの初期の作曲技法が聞けると思う。

●時代
異論もあるだろうが、この曲は中島みゆきさんの最高傑作だと私は思う。
「歌姫」も「ファイト!」も「地上の星」も、この歌を超えることはできなかった。

【2018年6月11日 追加】

よく聴いてみると「歌姫」は「時代」に劣らない名曲ですね。





2nd

2nd 『みんな去ってしまった』 1976年10月25日発売


中島みゆきさんのセカンド・アルバム『みんな去ってしまった』は、彼女が「どの方向に行けば良いかを模索している・・・」ように聞こえるアルバム。

以下、各曲ごとに、コメントを書きます。

●雨が空を捨てる日は
歌詞の内容は「中島流」だが音楽はまるで歌謡曲のようです。

●彼女の生き方
少し怖いが、私の好きな曲。一転して、フォークソング調。反抗の歌。いきなり、

♪酒とくすりで 体はズタズタ

で、始まる。中島さんは、20代の時から薬をやっていたのか。

♪おかみさんたちよ あんたらの方が
♪あこぎな真似を してるじゃないか

この「おかみ」は政治家のこと?! もとい! 飛躍がすぎる。

●トラックに乗せて
正調ブルース。
この曲に、のちの中島さんのモチーフ「悪女」の片鱗がうかがえる。すなわち、グレている。

●「流浪の詩」はカントリー調。長いイントロを持つ。リズミック。8ビートに始まり16ビートに行く。
(「妬いてる訳じゃないけれど」もややカントリー調)。

●真直な線
ブルース。ジャニス・ジョプリン的イントロ。歌唱の部分はアップテンポに移行しロック調になる。中島さんのため息がまだ色気ない。

●「五才の頃」「忘れられるものならば」は、「時代」において聞かれるシンガー・ソング・ライターとしての中島さんの実力が聞ける。

●冬を待つ季節

♪春夏秋は 冬を待つ季節

このフレーズは平凡だが、なぜか、共感させられる。

●夜風の中から
4作目のシングル。4ビートの佳作。その歌詞は男性に仮託して書かれている。

●03時
この歌のモチーフは《すれ違い》。←それはのちにしばしば歌われる。

●うそつきが好きよ
軽快なロック調。ひねくれまくっている。

●忘れられるものならば

中島さんは、その後、この路線を行く。すなわち、失意と旅の歌。

・まとめ
このアルバムには中島さんの芸達者を聞けるが、まだ統一性がありません。
彼女は次のサード・アルバム『あ・り・が・と・う』で跳躍し、次の次のアルバム『愛していると云ってくれ』でさらに跳躍する。
このアルバム『みんな去ってしまった』は、その「甘ったるさ」が、耳触り良い。私、このアルバムが好きです。

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