2017年4月16日 (日)

ショパン:ポロネーズ集 イリーナ・メジューエワ(ピアノ)

Polonaises

ショパン:ポロネーズ集
イリーナ・メジューエワ(ピアノ)
2016年録音
若林工房

【収録情報】
ショパン:
● ポロネーズ(第1番)嬰ハ短調 op.26-1
● ポロネーズ(第2番)変ホ短調 op.26-2
● ポロネーズ(第3番)イ長調 op.40-1『軍隊』
● ポロネーズ(第4番)ハ短調 op.40-2
● ポロネーズ(第5番)嬰ヘ短調 op.44
● ポロネーズ(第6番)変イ長調 op.53『英雄』
● ポロネーズ(第7番)変イ長調 op.61『幻想』

 イリーナ・メジューエワ(ピアノ)

 録音時期:2016年11月2-4日
 録音場所:富山県魚津市、新川文化ホール
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)

(HMV.co.jp. より)


私の評価:思い切ってStars5


結論から言えば、このアルバムへの評価は、例によって、リスナーの嗜好に依存すると思う。このアルバムは、豪快&端正が両立していると思う。

・第1曲《ポロネーズ(第1番)嬰ハ短調 op.26-1》を最初に聴いた時、私は「バックハウスがショパンを弾いている」と思った(←少し溜めがある。自由度が大きい演奏。これは多分良い演奏だ)。

・《軍隊》における遅いテンポと巨匠的テンポ・ルバートは貫禄ある。

・《英雄》の中間部(4分37秒)の主題の回帰がよく聞こえる。そして中間部(ヘ短調?)は、ちゃんと官能的に弾いている。この演奏は「従来のメジューエワ」より深化しているように聴こえるのだが、気のせいだろうか?

・その他の曲。溜めや短い休止が効果的な曲(第4番)。豪快!(第5番)。

・《メジューエワの幻想ポロネーズ》について

さて、私が所有する《メジューエワの幻想ポロネーズ》は3つある。

2008年録音はまだ未完成。
2010年ライブ録音が、一番私は気に入った。
・2016年録音(このアルバム)より、2010年ライブ録音のほうが私は気に入った。

私にとってメジューエワの魅力は、たとえば、彼女が弾く《クライスレリアーナ》のように非模範的、破壊的爆演(!)。それに対して、このアルバムにおいて彼女の演奏は「模範的である度合い」が、ある意味、劇的に増したと、私は思うのであるが、それは言い過ぎだろうか?


【おまけ】

以下、《幻想ポロネーズ》の私のアナリーゼを再度掲載します(←記譜法が正確ではなく、下手な、私のアナリーゼに不快感をもよおす方があるかも知れませんがご容赦下さい)。

【ショパン:幻想ポロネーズ 変イ長調 作品61 楽曲解説】

作曲家別名曲解説ライブラリー ショパン」によると、この曲の、構成は、おおよそ、以下の通り:

「曲の構成は、アレグロ・マエストーソ、4つの重要な主題の上に構成されているものだが、その形式はきわめて自由である

 楽曲は長い序奏を持っている

・第1部
第1〜23小節、序奏、自由に転調する。

Chopin_61_00

第1小節は5オクターブ以上、上昇する(midi

【ブログ開設者の注】序奏にて、主題a(譜例1)の青色で示した音形が、右手>左手>右手>左手で計4回、ほのめかされる

Chopin_61_aa
【譜例1】主題a(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の2'15"

第24〜65小節、主題aの発展(変イ長調、多くの経過的転調をもって)
第66〜72小節、主題bの呈示(変イ長調。譜例2)

Chopin_61_bb
【譜例2】主題b(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の3'49"

第72〜93小節、主題bの展開(ヘ短調、ホ長調、嬰ヘ短調、嬰ト短調と転調を重ねる)
第94〜115小節、主題aの展開(変ホ長調より種々転調)
第116〜147小節、主題c(譜例3)の自由な展開(変ロ長調)

Chopin_61_c_1
【譜例3】主題c(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の5'28"

・第2部
第148〜152小節、コラール風の間奏(ロ長調)(midi

Chopin_49_9_2
(2016−5−13 譜例追加)

第152〜181小節、主題d(ロ長調。譜例4)

Chopin_61_dd
【譜例4】主題d(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の7'13"

第182〜213小節、主題cの変形c’(嬰ト短調、ロ長調。譜例5)

Chopin_61_c_2
【譜例5】主題cの変形c’(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の8'31"

・第3部
第214〜216小節、序奏の縮小された再現。
第216〜225小節、主題c’の縮小された再現(ヘ短調、譜例6)

Chopin_61_c_3
【譜例6】主題c’の縮小された再現(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の10'48"

第226〜241小節、自由なフィギュレーションによる主調変イ長調への移行
第242〜253小節、主題aの再現。ただし、高音部で強奏される(変イ長調)
第254〜268小節、主題dの再現(変イ長調)【注】ココが、この曲のクライマックス <--- アルゲリッチは、ココをマシンガンのように連打している。
コーダ、第268〜288小節」

2016年11月16日 (水)

3つ目のアルトゥール・ルービンシュタイン・ザ・ショパン・コレクション [11 CDs] Box-Set

2009年12月27日の私の自宅の火災にて御難に合い(焼損:焼けてしまった)、今度は、2016年10月23日の私のガールフレンド宅の火災にて御難に合う(水損:水に濡れた)。
私の購入する アルトゥール・ルービンシュタイン・ザ・ショパン・コレクション [11 CDs] Box-Set は、何と、運が悪いのだろうか。

Rubinstein_2

The Chopin Recordings
Chopin, Fryderyk Franciszek
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2016年11月11日 (金)

Chopin: Sonata in B-flat minor, Scherzo in C-sharp minor, Mazurkas Op. 30, Nocturne Op. 27 No.1, Piano Concerto in E minor Op.11 etc. Yulianna Avdeeva

Avdeeva

Chopin:
Sonata in B-flat minor
Scherzo in C-sharp minor
Mazurkas Op. 30
Nocturne Op. 27 No.1
Piano Concerto in E minor Op.11
etc.
Yulianna Avdeeva
Warsaw Philharmonic Orchestra
Antoni Wit
2010年録音

・・・

ショパン増刊 第16回ショパン国際ピアノコンクール 2011年 01月号 [雑誌] によると、アヴデーエワが、第1次予選以降に弾いた曲は、下記のようです。←そして、私が「* アステリスク」を付けた4曲は、このアルバムに収録されてない。つまり、アヴデーエワがショパン・コンクールにて演奏した16曲中12曲がこのアルバムに収められているようだ(ただし、4つのマズルカ作品30を1曲と数えた。間違いあったらご指摘下さい)。

・・・

ショパン・コンクール2010
第1位 ユリアンナ・アヴデーエワ

・第1次
エチュード第23番『木枯らし』作品25−11*
エチュード第10番作品10−10*
ノクターン作品62−1
スケルツォ第4番ホ長調作品54

・第2次
幻想曲作品49
ワルツ作品34−1『華麗なる円舞曲』
4つのマズルカ作品30−1、30−2、30−3、30−4
ポロネーズ『英雄』作品53*
前奏曲(第25番)嬰ハ短調作品45
スケルツォ第3番嬰ハ短調作品39

・第3次
バラード第4番ヘ短調作品52
ノクターン第7番作品27−1
ノクターン第8番作品27−2*
ソナタ第2番ロ短調作品35
『幻想ポロネーズ』作品61

・本選
ピアノ協奏曲第1番作品11

・・・

【感想】

そして、このアルバムに収められている曲中《私がピンと来なかった》演奏は「4つのマズルカ作品30」「スケルツォ第3番嬰ハ短調作品39」「前奏曲(第25番)嬰ハ短調作品45」「ノクターン第7番作品27−1」。その他は、ほぼパーフェクト。

幻想曲作品49は、2015年(セッション)録音より気に入った。

そして、やっぱり、彼女は《幻想ポロネーズ》がうまい。

さすがだね。リマーカブルだね! ←聴けば分かる。

2016年6月13日 (月)

ユリアンナ・アヴデーエワ plays モーツァルト、ショパン、リスト

・ショパン:幻想曲 ヘ短調 作品49

譜例1の1 序奏(葬送行進曲風。「問いかけ・呼びかけ」と「応答」。midi

Chopin_49_1_2

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譜例1の2 序奏(後半、2分の2拍子の始まり。midi

Chopin_49_7_2

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譜例2 第1主題(問いかけ・呼びかけ。シンコペーションが効いている。midi

Chopin_49_2_new_new

・・・・・・・・・・

譜例3 第2主題(応答。明るい。midi

Chopin_49_3_new_new

・・・・・・・・・・

譜例4 第3主題(最初の2小節が「問いかけ・呼びかけ」、後の2小節が「応答」。midi

Chopin_49_4_new_new_new

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譜例5 第4主題(陽気な行進曲。midi

Chopin_49_5_new_new_2

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譜例6 レント・ソステヌート(midi

Chopin_49_6_new_new

・・・・・・・・・・

譜例7 アダージョ・ソステヌート(最後から13小節目以降。ショパンが言いたかったのは、これじゃないかと思う。midi

Chopin_49_8_new_2

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この曲は、作曲家とジョルジュ・サンドの間の喧嘩と仲直りを描いたものであるという逸話がある。それはリストが、有名なピアニストのヴラディミール・ドゥ・パッハマンに、ショパン自身から彼が聞いたものであるといって(ブログ開設者注:要するにリストが話した逸話)、語ったことによっている。それは、ある憂鬱な日が暮れかかるころ、突然だれかが彼(ブログ開設者注:ショパン)の部屋の扉をたたいた。幻想曲のはじめの2小節はその音を描いたもので第3、第4小節は、ショパンの、「お入りなさい、お入りなさい」という招きを表わしているという(譜例1)。扉が開かれると、リスト、ジョルジュ・サンド、カミーユ・プレイエル夫人などが、行進曲の厳粛な拍子に合わせて入ってくる。激しい3連音の伴奏に乗って、ショパンは不平をヘ短調の神秘的な歌で訴える(譜例2)。彼と争っていたサンドは彼の前にひざまづいて許しを乞い、旋律はただちに訴えるような変イ長調の部分になってくる(譜例3)。ハ短調に変わってから調子はしだいに荒れてゆき、頂点に達する。第2のマーチ(譜例5)によって闖入者(ちんにゅうしゃ)たちは、すみやかに退場する。ロ長調のレント・ソステヌートの部分(譜例6)でショパンのかき乱された気持ちが一時しずまるのである。リストは以上のようなことをショパン自身が語ったとしていい伝えているというが、真偽のほどは明らかでない。知られた逸話なので一応紹介したが、ショパンの音楽は本質的に描写的に捉えられるものではないし、音楽は聞き手のだれもが、自ら意味をくみ取るべきで、とくに純粋に美しいものでは、このような解説は、その真の鑑賞を妨げるのである。(作曲家名曲解説ライブラリー ショパン 243ページより)

上の逸話が、リスナーにとって「ショパン:幻想曲 ヘ短調 作品49(以下、Op. 49と略す)」の鑑賞に役に立つのは、同作品が、トリスタンとイゾルデの動機のように「問いかけ・呼びかけと応答」という統一性を持つことを表わしていること。すなわち、序奏の冒頭(譜例1)はもとより【注1】、第1主題と第2主題、それから、これは私の解釈だが、ユニークな楽想の第3主題(譜例4)・・・それでさえも、問答であると私には聞こえる。

結論を書く。「Op. 49」は「舟歌 Op.60」あるいは「子守歌 Op.57」、そして、《その幻想性において他に類をみない、前人未踏【注2】》の「幻想ポロネーズ Op. 61」などに対して独創性においてはショパンの作品中、過渡的な作品だと私は思う。「Op. 49」は(幻想曲なのに)ソナタ形式で書かれ【注3】、(幻想曲なのに)同じ主題が繰り返され、全曲のコンテキストは、あえて言えば「ワンパターン」(下記)。そして、「Op. 49」は(幻想曲なのに)明快さを持つように思える。

再現部 第235〜309小節。呈示部の4つの主題の再現だが、いずれもそれぞれ5度下の調に移されている。(作曲家名曲解説ライブラリー ショパン 243ページより)

さらに、誤解を怖れずに言えば、《幽玄》《夢幻》という点では、例えば(どの曲とは言えないが)ショパンの後期「ノクターン」あたりの方が、この「Op. 49」よりも勝っているような気がする。そして、むしろ「Op. 49」の魅力は(性差別的表現だが)その男性的力強さと「技巧」にあるような気がする。

「Op. 49」は、各主題の対照が、確かに、巧くつなぎ合わされてはいるが、序奏(譜例1の1)の行進曲は、そのリズムが「ショパン:ソナタ第2番《葬送》」の第3楽章のそれに似ているので、葬送行進曲を想起させる(つまり陰鬱)。が、第2の行進曲(譜例5)は、序奏の行進曲に比べ、その真逆の陽気さが「過ぎる」かも知れない・・・あるいは、まあ、同じことだが、第2の行進曲は、第1の行進曲とは、そのコントラストがあからさま過ぎるかも知れない【注4】。「レント・ソステヌート(譜例6)」は「幻想ポロネーズ」の第2部開始のコラール風間奏「ピウ・レント(譜例8)」に比べて弱いと私は思う。

ちなみに、序奏(後半)譜例1の2は、「Op. 49」の楽想の流れをつなぐ接着剤のような効果・役割を持っている・・・と同時に、それは、この「Op. 49」にて大活躍する重要なパッセージである・・・しかも、この作品のヴィルトゥオージティを自然に流すための効果・役割を持っていると思う。

・・・

譜例8 ピウ・レント(幻想ポロネーズ:第2部開始のコラール風間奏、midi

Chopin_49_9_2

・・・

「Op. 49」は、ショパンにしては珍しく分厚い和音が、彼の他の傑作に比べて目立つような気がするのだが・・・どうだろうか。すなわち、「Op. 49」は、ある意味、技巧に走っていると私は受け止めた。

そして、結局、ショパンが、言いたかったのは、最後から13小節目以降のエンディング(譜例7)ではなかったか・・・ただし、それも、ショパンの音楽に聞かれる《幻想》の昇華されたエクスタシーとしては弱いし、出番が遅すぎる・・・と私は思う。

【注1】 譜例1は「主題を導くただのイントロ」&「主題」じゃないかと思う人もあると思うが、それは4回も奏されるのだから、そのしつこさは、やっぱり「問いかけ・呼びかけと応答」の「しつこさ」であろう。

【注2】 ショパンの「幻想ポロネーズ」が前人未踏の幻想曲なら、シューマンの「幻想曲 ハ長調 Op. 17」も前人未踏の幻想曲ではないかという人があるだろう。私は、それを否定しない。しかし、モーツァルトの「幻想曲 ニ短調 K. 397」「幻想曲 ハ短調 K. 475」を、幻想曲の《モデル》とするならば、確かに、前者も後者も、モーツァルトの「幻想曲」とは、かけ離れているが、後者はかけ離れ過ぎている。

【注3】 ただし、幻想曲だからといってソナタ形式で書かれないということはない。同時代に書かれた上記「シューマン:幻想曲 ハ長調 Op. 17」の第1、3楽章は「自由なソナタ形式」とある(作曲家名曲解説ライブラリー シューマンより)

【注4】 この第2の行進曲を、初めて聴いた時、マイスタージンガーの行進曲みたいに聞こえた。


<--- レビュー ココから --->

Yulianna

Chopin. Mozart. Liszt
Yulianna Avdeeva, piano
Recorded at the Reitstadel, Neumarkt (Germany) from 28 to 30 September 2015
Piano: Steinway D
(P) & (C) 2016 MIRARE, MIR 301

01. Chopin, Fantaisie in F minor op.49 12’39

Mozart, Piano sonata No.6 in D major K.284
02. Allegro 7’41
03. Rondeau en Polonaise. Andante 4’24
04. Tema con variazione 14’34

05. Liszt, Après une lecture du Dante - Fantasia quasi sonata 15’23

06. Liszt, Aida di Giuseppe Verdi - Danza sacra e duetto finale S.436 12’12

・・・

【収録情報】

● ショパン:幻想曲 ヘ短調 op.49
● モーツァルト:ピアノ・ソナタ第6番ニ長調 K.284
● リスト:『巡礼の年』第2年『イタリア』〜ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲
● ヴェルディ/リスト編:『アイーダ』より神前の踊りと終幕の二重唱 S.436

ユリアンナ・アヴデーエワ(ピアノ)

録音時期:2015年
録音場所:ノイマルクト、ライツターデル
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
日本語解説付き

(HMV.co.jp より)

・・・

私の評価:ショパンが良くないので、星3つ

・・・

・ショパン:幻想曲 ヘ短調 作品49
2010年のショパンコンクールにて、ユリアンナが、第2次予選で弾いた曲。この曲は、彼女の十八番と言っていいだろう。そして、彼女は、「ショパン増刊 第16回ショパン国際ピアノコンクール 2011年01月号」の中で、次のように述べている:

「幻想曲の最初の2ページはこの作品の根幹です。曲が速いテンポになってからも最初のゆっくりの行進の部分が中心モチーフにあるのです。その提示には、深い意味づけが必要です。人間性や民族性といった何か普遍的な大切なものがあるはずなのです。」

ユリアンナの、おそらく適切な解釈(上記)にも関わらず、私は、彼女のこの演奏は、好きではない(面白くない)。彼女の演奏には、上に述べた「男性的力強さ」と「技巧」が足りない。その点(非常に古い録音だが)ホロヴィッツや、メジューエワ(ショパン・リサイタル 2010)や、マリラン・フランスコーヌ(展覧会の絵&ショパン)の演奏の方が良いと思う。確かに、ユリアンナの演奏にも、ヴィルトゥオージティはある。しかし、彼女は「技巧」より「解釈」を重視しているように聞こえる(私は、その逆が良いと思う)。

・モーツァルト:ピアノ・ソナタ第6番 ニ長調 K.284《デュルニッツ》
このモーツァルトはグレン・グールドのように、痛快(!)・・・グールドとユリアンナとはまったく芸風は異なるが・・・。

・リスト:ダンテを読んで - ソナタ風幻想曲
この演奏は、私は、好きです。
「音楽の悪魔」の異名を持つ三全音(序奏)、および、技巧的・複雑なリズムによるこれまた悪魔的第1主題(統一主題的第1主題の展開)の充溢。大音量で聴くと気持ち良い。

・リスト:ヴェルディ「アイーダ」より - 神前の踊りと終幕の二重奏
リストは、長寿だね。「アイーダ」の1871年初演・1878年出版まで、リスト(1811年10月22日 - 1886年7月31日、享年74才)が、生きていたとは知らなかった。

・・・

・リスト:ダンテを読んで:序奏(midi
Dante_sonata_1

・リスト:ダンテを読んで:第1主題(midi
Liszt_dante_sonata_2

<--- レビュー ココまで --->

【Apple Music】 で、試聴/ショパン:夜想曲集(2CD)/エマニュエル・スヴィエルチ(ピアノ)/買わない

Swiercz

(C) Apple Music 検索キーワード:Swiercz

・・・

ショパン:
夜想曲集(2CD)
エマニュエル・スヴィエルチ(ピアノ)
録音時期:2015年6月2-6日
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

買わない。


「ショパン:ノクターン集」(ヒューイット vs. メジューエワ)

Hewitt
Chopin: Nocturnes / Impromptus Angela Hewitt(2003年録音)

Mejoueva

ショパン:ノクターン集(全21曲)メジューエワ(2009年録音)

・・・

「ショパン:ノクターン集」ヒューイット盤に対する私の評価:星3.0

・・・

同メジューエワ盤に対する私の評価:星3.5

・・・


「彼は少年時代から結核性の体質だったと思われるが、この病気はその後のショパンの心身をむしばみ、死に至らしめることになる」(カラー版 作曲家の生涯 ショパン 122ページより)

ノクターンは、ショパンのライフワークであったと思われるが、あるいは、彼の闘病が、それらの作品を支配しているかも・・・。悲劇的。

・ヒューイットの演奏
ヒューイットにしては珍しく、時に激しく、時に(ある意味)エキサイトしている。だが、彼女は「後期ショパンの他の作品」に存するある種の「起承転結(←例えです)」を、このノクターン集では、生かせていないように聞こえる(外していると思う。美しくない。「ヒューイットのショパン」になってしまっている?)。
ヒューイットの方が、メジューエワより、和声・運指・ペダリングが(たとえば、シューベルトを弾くときのように)正確であり、そのことが、彼女の演奏を、かろうじて退屈させない。しかし、ヒューイットの演奏は、ショパンの文脈が見えにくい。
ファツィオリが、ショパンに合わないのかも知れない。
カップリングのアンプロンプチュの方が、良いかも知れない。

・メジューエワの演奏
例によって、芸が細かく清楚だが恣意的。ワンパターン。粗い。だが、彼女の演奏は、恣意的であるのが良い。それによって、ロマンティシズムが増す。文脈が生きる。スリルとエクスタシー(!)。メジューエワのパフォーマンスは、セッション録音より、ライブ録音の方が、気合いが入っていて、良いと思うのだが、彼女の「ショパン:ノクターン」は、セッション録音の方が良いと思う。ただし、和声・運指・ペダリングの技術はヒューイットに負ける。その点において、メジューエワ盤は、恣意性とユニークさが生きない作品において退屈する。それが何より証拠には、メジューエワのノクターンは大音量で聴くとうるさい。
ライブ盤におけるメジューエワのノクターンは、中途半端で、長所が見えにくいか?(ショパン・リサイタル 2010)

【まとめ】 どちらも、決定盤ではない。

・・・・・・・・・・

ところで、ノクターン第2番(Op.9 No.2)を弾こうと、挑戦したら、いきなり、第3小節でつまずいた。つまり、第3小節の和声が、ちゃんと鳴らせない(楽譜が間違えているのかと思った)。
この曲は、8分の12小節だが、第3小節の7〜8拍目が、不協和音になってしまい、上手く弾けない。よく見ると、この曲は、1拍目はスタッカートで、2、3拍目はスラーなので、2、3拍目は音を混ぜなきゃいけない。しかし、それでも上手く行かない。それで、スコアを楽譜作成ソフト「Finale」に、打ち込んで、鳴らしてみると、ちゃんと鳴るではないか(自然な和声)。

Chopin_op_9_2_0
ショパン:ノクターン第2番の最初の5小節(midi

Chopin_op_9_2_1
ショパン:ノクターン第2番の最初の5小節の左手(midi

【注】 シーミレ[simile(伊)] 譜面に記される用語で、「前の小節と同じように」という意味で使われる。

【ひとりごと】 この曲弾けたらカッコいいだろうな〜(←全然弾けない私)

未完成で粗いけど何となく気に入った「ショパン・コンクール 2015」に出場の日本人/有島京


Miyako Arishima – Barcarolle in F sharp major Op. 60 (first stage)
All rights reserved 2015
The Fryderyk Chopin Institute, Polish Television TVP

2016年3月 6日 (日)

京都リサイタル2011/メジューエワ plays シューマン:「クライスレリアーナ」、ショパン:「舟歌」、メトネル ほか

Mejoueva

京都リサイタル2011/メジューエワ

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【曲目】

・シューマン:アラベスク op.18
・シューマン:クライスレリアーナ op.16
・ショパン:ノクターン 嬰ヘ長調 op.15の2
・ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 op.60
・メトネル:4つのおとぎ話 op.26
・メトネル:ピアノ・ソナタ 変イ長調 op.11の1(『三部作ソナタ』第1番)
・メトネル:夕べの歌 op.38の6

 イリーナ・メジューエワ(ピアノ)
 録音時期:2011年7月24日
 録音場所:京都コンサートホール・小ホール(アンサンブルホールムラタ)
 録音方式:Digital録音(ライヴ)
 レーベル:若林工房

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・メジューエワの「クライスレリアーナ」
このアルバムに収められているメジューエワの「クライスレリアーナ」は「爆演」というよりも、私の第一印象は(「クライスレリアーナ」という論理的作品に対して)「破壊的」。
さらに付け加えるなら、破綻しているとか、グロテスクとか、クレージーとか言ってもいいかも知れないと私は思ったが、それらの形容は、彼女のこの演奏を形容するに、適切ではなかった。つまり、メジューエワの「クライスレリアーナ」は激しいのではあるが、微妙に壷を押さえている・・・というか、表現・演奏の激しさが、「作品」に、これまた、微妙にフィットしている・・・。私の主観では、彼女は、声の発声に妙なる声を聞かせる。しかし、同曲において、メジューエワの解釈や表現は、アマチュア並みと言う人があるかも知れない。だが、メジューエワの「クライスレリアーナ」は、ホロヴィッツやアルゲリッチの同曲演奏のように、リスナーに同曲の固定観念(模範)をうえつける演奏ではなく、むしろ、それ(ホロヴィッツやアルゲリッチの同曲演奏)を壊す演奏であることに意義と価値あり(特に、ホロヴィッツの「クライスレリアーナ」は良い演奏なので、彼女が、ホロヴィッツに試合を挑んだのは、勇気の要ったことだろう)。
博多弁に「たまがった(驚いた)」という方言があるが、まさに、その語が当てはまる(やっぱり、クラシック音楽は面白い)。

・ショパンの「舟歌」は粗いが、迫力あり、技巧的であり、いままで聴いたことない解釈を聞かせ、これまた、ある意味、私を昇天させる。

・メトネルについては、私は知らないので、レビューする自信が私にはないのだが、これまた、豪快で迫力ある。

追伸1)大音量で聴くと快感!

追伸2)しかし、この盤は、万人にはすすめられないし、何度も聴くと退屈するかも知れないので、星4つ。

2016年1月31日 (日)

【Apple Music】 検索キーワード:Anna Fedorova イレギュラなショパン。気に入りました…が、コレは Apple Music にて試聴するだけで、私は満足/検索キーワード:Sophie-Mayuko Vetter コノ人のブラームスは、おそらくうまいと思うのだが、私は、ブラームス嫌い!

Anna_fedorova
(C) Apple Music

【Apple Music】 検索キーワード:Anna Fedorova

イレギュラなショパン。コレは私の気に入りました…が、私は、この CD を購入することなく、コレを Apple Music にて試聴するだけで、満足してしまった…よって、私は、コレ買わない。

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Sophiemayuko_vetter
(C) Apple Music

【Apple Music】 検索キーワード:Sophie-Mayuko Vetter

コノ人のブラームスは、おそらくうまいと思うのだが、はっきり言って、私は、ブラームス嫌い…だから買わない…コノ人にはブラームス以外を録音して欲しい。


2016年1月22日 (金)

Rachmaninov and Chopin Cello Sonatas by Alisa Weilerstein and Inon Barnatan

Weilerstein

Rachmaninov
Chopin
Cello Sonatas
Alisa Weilerstein, cello
Inon Barnatan, piano
2014年録音
DECCA

Sergei Rachmaninov
Cello Sonata op. 19
Vocalise op. 34 No. 14

Frédéric Chopin
Cello Sonata op. 65
Étude op. 25 No. 7
Introduction & Polonaise Brillante op.3

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もともと、私は、チェロという楽器の良さが分からなかった。しかし、例のデュ・プレの Box Set で、チェロの良さを初めて知り、そして、アリサ・ワイラースタイン(ウェイラーズテイン)のエリオット・カーターで、アリサのファンになった。しかし、前作「Alisa Weilerstein Solo」は、私には難しく「ちょっとやり過ぎじゃないか」と思わされた。だが、今回のラフマニノフとショパンにおいて、私は、彼女の歌に目頭が熱くなる(ショパンの練習曲作品25の7)。彼女の弾くチェロの技と美音に酔わされ、このディスクは、私の愛聴盤となる。

というわけで、「Alisa Weilerstein Solo」をもう一度聴いてみよう!

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