2017年12月10日 (日)

「ショパンの旅路/高橋多佳子(7CD)」を少しずつ聴く(DISC 6, 7)

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/7cddisc-4-5-525.html の続き

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Takahashi

ショパンの旅路
高橋多佳子
2000年〜2003年録音



● DISC 6 「霊感の泉」〜ノアンとパリ II

・バラード第4番 へ短調 作品52(譜例はココを参照のこと)
コーダのカタストロフィは、イマイチ効果的ではない。

・スケルツォ第4番 ホ長調 作品54
全体的にやや粗いが、後半の盛り上がりは快い。

・幻想曲 へ短調 作品49(譜例はココを参照のこと)
この荒っぽい演奏は、アヴデーエワ盤より良いかもしれない。

・3つのマズルカ(作品56)は、第2番が気に入った。

・ポロネーズ第6番 変イ長調 作品53『英雄』
中間部の強烈な打鍵は迫力あるが、その後の叙情的なパッセージは、もっと官能的に弾いて欲しかった。

・「子守歌 変ニ長調 作品57」は美しいが、ユニークさにおいて完璧ではないと思う。

● DISC 7 「白鳥の歌」〜ノアンとパリ III

・ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58
フィナーレの技巧は激しい。美しい。スリルある。

・舟歌 嬰ヘ長調 作品60
抑制されるべきところは抑制し、他方「フォルティッシモ」は強い。そして、晩年のショパンの論理的技法を表現し得ていると思う。

・ポロネーズ第7番 変イ長調 作品61『幻想ポロネーズ』
『舟歌』と同様、抑制されているが、緊張感はかろうじて保たれていると言って良いと思う。最後の再現部は自然体。

・ノクターン第17番 ロ長調 作品62-1
これまた抑制された情念。
これは私が今までに聴いた「作品62-1」の中でもベストの部類に入るのではないだろうか?

●この商品全体のまとめ
総じて正統派であるが、ややムラがある。



【収録情報】
DISC 6
・バラード第4番
・即興曲第3番
・スケルツォ第4番
・ノクターン第16番
・幻想曲
・3つのマズルカ(作品56)
・ポロネーズ第6番『英雄』
・子守歌

DISC 7
・ピアノ・ソナタ第3番
・3つのマズルカ(作品59)
・舟歌
・ポロネーズ第7番『幻想ポロネーズ』
・ノクターン第17番
・マズルカ ヘ短調

(HMV.co.jp より)

2017年12月 7日 (木)

「ショパンの旅路/高橋多佳子(7CD)」を少しずつ聴く(DISC 4, 5)

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/7cddisc-6-7-fb5.html に続く

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/7cds-0e96.html の続き

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Takahashi

ショパンの旅路
高橋多佳子
2000年〜2003年録音



● DISC 4 「マヨルカの風」〜マヨルカ島にて

・24の練習曲 作品28
優雅に弾いている。力強い曲もある。自然体あり、あるいはまた、恣意的演奏あり。最後の曲は技巧に聴き応えあり。ただし、この「24の練習曲」は、楽曲と楽曲のつながりが悪いと思う。←変な例えだが組曲に聞こえる。

・バラード第2番 へ長調 作品38
私はショパンのバラード2番という曲をよく知らないが、この演奏は高橋の技巧が生きていると思う。激しい。

・4つのマズルカ(作品41)は、逆に力強すぎる。

・スケルツォ第3番 嬰ハ短調 作品39
この演奏も高橋の技巧が生きていると思う。特にフィニッシュは圧巻、最高。

● DISC 5 「サンドとの愛」〜ノアンとパリ I

・ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35 『葬送』
この『葬送』第1、2楽章は騒がしい。しかし、対照的に第3楽章は美しい。

・即興曲第2番 嬰ヘ長調 作品36
軽やか。

・ノクターン第13番 ハ短調 作品47
物悲しくも、乱れるのが良い。

・「3つの新練習曲」は多分あまり弾かれない作品。小品ながら説得力ある演奏だと思う。

・「前奏曲 嬰ハ短調 作品45」は、映画音楽みたいだ。美しい。



【収録情報】
DISC 4
・24の前奏曲
・ノクターン第12番
・バラード第2番
・ポロネーズ第3番『軍隊』
・4つのマズルカ(作品41)
・スケルツォ第3番

DISC 5
・ピアノ・ソナタ第2番『葬送』
・即興曲第2番
・ポロネーズ第5番
・タランテラ
・バラード第3番
・ノクターン第13番
・3つの新練習曲
・前奏曲 嬰ハ短調 作品45

(HMV.co.jp より)

2017年12月 4日 (月)

「ショパンの旅路/高橋多佳子(7CD)」を少しずつ聴く(DISC 1, 2 & 3)

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/7cddisc-4-5-525.html に続く

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Takahashi

ショパンの旅路
高橋多佳子
2000年〜2003年録音


これは、日本人によるショパンに聞こえる。やっぱ、例えばスラブ系の人には負ける。だが、日本人も河村尚子さんのように頑張っている人がいるので、先入観なしに、これを聴こう。

このシリーズには、ショパンの生涯に渡る作品を年代順に構成したもの(各ディスクに表題がついている)。よって、ショパンの伝記を音楽で俯瞰できるのが良い。


● DISC 1 「ポーランドの心」

・練習曲 作品10
この人は、良い意味で不器用、そしてストレートな演奏をする。技巧、解釈、情感、力強さ、オリジナリティー、いずれも傷がない・・・が「もっと言いたいことを語り尽くしても良かった」かも知れない。だが、彼女の演奏の饒舌すぎないこと・・・それは良いと思う。

・『ドン・ジョヴァンニ』の『お手をどうぞ』による変奏曲 作品2 ピアノ独奏版
華やかな技巧。そして、この演奏からは「ショパンを弾く歓び」が聴こえるかも知れない。

・ノクターン第20番
文字通り表現豊かな演奏(コン・グラン・エスプレッシオーネ)だが、他のピアニストより良いとは思えなかった。

・ワルツ第13番&第14番&変奏曲『パガニーニの思い出(←これは6拍子)』
ショパンはワルシャワ時代にもワルツを書いたんですね。上記3曲、隠れた佳作を高橋はものにしている。


● DISC 2, 3 「旅立ち」〜ワルシャワからパリへ

・ノクターン 第3番 ロ長調 作品 9-3
このノクターンは私の好みに合う。高橋はノクターンがうまいのかも・・・。

・ボレロ ハ長調 作品 19
「ポロネーズ風ボレロ Boléro à la Polonaise(ニークス)」

・スケルツォ第1番 ロ短調 作品20
面白くない。小林愛実さんの方が迫力あるかも知れない。

・アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22
やっぱりこの人は「不器用でストレート」だと思う。悪い演奏ではないと思うが・・・。

・バラード第1番 ト短調 作品23
大音量で聴くと気持ちいい。ただし第2主題が弱いと思う。

・12の練習曲 作品25
これは冴えない。激しさが生きてない。

・スケルツォ第2番 変ロ短調 作品31
同上。

・「ヘクサメロン変奏曲(第6変奏)」は珍しい曲。演奏も悪くない。



【収録情報】
DISC 1
・12の練習曲(作品10)
・『ドン・ジョヴァンニ』の『お手をどうぞ』による変奏曲
・ポロネーズ第11番&第12番
・マズルカ第49番&第50番
・ノクターン第20番『レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ』
・ワルツ第13番&第14番
・変奏曲『パガニーニの思い出』

DISC 2, 3
・ノクターン第3番
・ワルツ第1番『華麗なる大円舞曲』
・ボレロ
・スケルツォ第1番
・アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
・バラード第1番
・12の練習曲(作品25)
・即興曲第1番
・スケルツォ第2番
・4つのマズルカ(作品33)
・へクサメロン変奏曲

(HMV.co.jp より)

2017年10月 8日 (日)

Music of Frédéric Chopin Melody Fader

Fader

Music of Frédéric Chopin
Melody Fader
2010年録音


Barcarolle in F-Sharp Major, Op. 60 [7:28]
24 Preludes, Op. 28: No. 15 in D-Flat Major, "Raindrop" [4:40]
Fantasy-Impromptu in C-Sharp Minor, Op. 66 [5:10]
Nocturne No. 7 in C-Sharp Minor, Op. 27, No. 1 [4:26]
Nocturne No. 8 in D-Flat Major, Op. 27, No. 2 [5:05]
Ballade No. 1 in G Minor, Op. 23 [8:33]
Mazurka No. 10 in B-Flat Major, Op. 17, No. 1 [2:20]
24 Preludes, Op. 28: No. 3 in G Major [0:56]
24 Preludes, Op. 28: No. 4 in E Minor [1:38]
24 Preludes, Op. 28: No. 11 in B Major [0:35]
Scherzo No. 2 in B-Flat Minor, Op. 31 [9:36]


【前置き】 なぜか私はこの演奏が好きだ。

「舟唄」と「バラード1番」を河村尚子の演奏(舟唄、バラード1番)と聴き比べてみた。

河村の「舟唄」は、ショパンが得意な「レチタティーヴォ(?)」にてエレガントな美音を聞かせる。

メロディ・フェーダーはバラード(物語)を語っていない。河村はピアノの美音の中で物語を語り、美音が生きているが、フェーダーの場合、美音が生きてない。

「バラード1番」において、しつこく繰り返される第1主題は、河村の場合、そのしつこさが生きているが、フェーダーの場合、主観的感想だが、思い入れがない・・・(?)。

ところが、河村と正反対と思わせられるフェーダーの不器用な演奏は飽きが来ない(舟歌よりバラード1番がいいね)。
多分、分かりやすく言って、これは怪我の功名だと思う。
よく聴くとフェーダーはやっぱり上手かった。技巧的にも。そして、おそらく、ポリフォニー的にも。

ところで「舟唄」の最後の2つのクライマックスは、どちらも中間部の旋律から取られているんですね。

2017年9月12日 (火)

(C) Apple Music Chopin: Piano Works Melody Fader

この人は、とちったような演奏をするが、品格、風格がある・・・少し巨匠じみている。理屈抜きに気に入った・・・いや、この人は理にかなった演奏をしているかも知れない。

ところが、この商品はアマゾンJPで売ってない;;

HMV.co.jp では売ってるが、会員価格(税込):¥2,772。高いな〜。買おうかどうしようか;;


【HMV.co.jp へのリンク】

Piano Works: Melody Fader
ショパン (1810-1849)


Melody_fader
(C) Apple Music 検索キーワード:Melody Fader

2017年8月 2日 (水)

(C) Apple Music Franz Xaver Mozart/Chopin: Polonaise Yaara Tal

Mozart_yaara_tal

(C) Apple Music 検索キーワード:Mozart Yaara Tal

非常に面白そうなコンテンツでありしかも演奏うまいのだが、お金出してまでして買うものではないと思った。


【収録情報】
● フランツ・クサヴァー・モーツァルト:6つの感傷的なポロネーズ Op.17
● フランツ・クサヴァー・モーツァルト:4つの感傷的なポロネーズ Op.22
● ショパン:ポロネーズ第13番変イ長調
● ショパン:ポロネーズ第15番変ロ短調『別れ』
● ショパン:ポロネーズ第16番変ト長調

 ヤーラ・タール(ピアノ)

 録音時期:2016年12月
 録音場所:ミュンヘン、バイエルン放送第2スタジオ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


2017年7月27日 (木)

Chopin: Nocturnes Claire Huangci

Huangci

Chopin: Nocturnes
Claire Huangci
2016年録音
BERLIN CLASSICS

【収録情報】
Disc1
ショパン
・夜想曲 第1番変ロ短調 op.9-1
・夜想曲 第2番変ホ長調 op.9-2
・夜想曲 第3番ロ長調 op.9-3
・夜想曲 第4番ヘ長調 op.15-1
・夜想曲 第5番嬰ヘ長調 op.15-2
・夜想曲 第6番ト短調 op.15-3
・夜想曲 第7番嬰ハ短調 op.27-1
・夜想曲 第8番変ニ長調 op.27-2
・夜想曲 第9番ロ長調 op.32-1
・夜想曲 第10番変イ長調 op.32-2
・夜想曲 第11番ト短調 op.37-1
・夜想曲 第12番ト長調 op.37-2

Disc2
・夜想曲 第13番ハ短調 op.48-1
・夜想曲 第14番嬰ヘ短調 op.48-2
・夜想曲 第15番ヘ短調 op.55-1
・夜想曲 第16番変ホ長調 op.55-2
・夜想曲 第17番ロ長調 op.62-1
・夜想曲 第18番ホ長調 op.62-2
・夜想曲 第19番ホ短調 op.72-1
・夜想曲 第20番嬰ヘ短調(遺作)
・夜想曲 第21番ハ短調(遺作)
・Nocturne Oubliée in C-Sharp Minor: Larghetto
・練習曲 第7番嬰ハ短調 op.25-7(チェロ&ピアノ編)

 クレア・ファンチ(またはクレア・フアンチ)(ピアノ)
 トリスタン・コルヌ(チェロ:練習曲 第7番)

 録音時期:2016年
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


私はショパンのノクターン集が苦手だがクレア・ファンチ(Claire Huangci, まだ27才)のそれは私にとって良き入門盤である。


ヒューイットやメジューエワの安定感はないかも知れないが、クレア・ファンチの「ショパン:ノクターン集」に私は大いに堪能させてもらった。特に夜中に小さな音でこれを聴くと雰囲気が抜群に良い。

「作品15の2」はエレガント。「作品27の1」は情熱的。「作品48の1」は力強い。「作品55の2」は美しい。「作品62の1」の長いトリルは効果的&後半は叙情的で美しい。ショパン17才の時の「作品72の1」はうまい。「Nocturne Oubliée in C-Sharp Minor」は私が全然知らなかった作品であったがとても良い。

クレアの演奏は若々しくおおらかで瑞々しい:力まず自然体。微妙な溜め、間の取り方、テンポの揺れ(作品9の3、作品15の1などの中間部のテンポは速い)、デュナーミクの揺れ、調性の揺れは楽想を盛り上げる・・・さらに彼女の技巧的なフレーズはリスナーの感覚を射ぬくだろう。クレアの表現は耽美的にならず抑制されている。やや即興的に歌を歌うのがうまい(ちなみに、ショパン:ノクターンにおいてカンタービレが指示されてある作品は作品15の1 (Andante cantabile) のみ)。

ただし、全曲を通して、作曲家ショパンの独創性が魅力である幾多の作品(作品27の1、作品27の2など)は「若干弱い(力不足)」と感じられるかも知れない(が、それらの曲をも私は気に入った)。すなわち彼女の「弱さ」が、良き解釈なのか否かはリスナーの嗜好に、そして感性に依存するであろう。したがって、私のこのアルバムに対する評価は、星4.5。

2017年5月15日 (月)

イヴァーナ・ガヴリクのショパン

Ivana_gavric

Grieg Piano Works
Ivana Gavrić, piano
2016年録音

01 Mazurka Op. 6 No. 2 in C sharp minor 2:44
02 Mazurka Op. 7 No. 1 in B flat major 2:31
03 Mazurka Op. 7 No. 3 in F minor 3:01
04 Prelude KK IVb No. 7 in A flat major 0:46
05 Mazurka Op. 24 No. 1 in G minor 3:00
06 Mazurka Op. 24 No. 2 in C major 2:29
07 Mazurka Op. 24 No. 3 in A flat major 2:15
08 Mazurka Op. 24 No. 4 in B flat minor 4:50
09 Prelude Op. 45 in C sharp minor 4:27
10 Mazurka Op. 30 No. 1 in C minor 1:47
11 Mazurka Op. 30 No. 2 in B minor 1:34
12 Mazurka Op. 30 No. 3 in D flat major 2:50
13 Mazurka Op. 30 No. 4 in C sharp minor 4:02
14 Berceuse Op. 57 5:01
15 Mazurka Op. 17 No. 1 in B flat major 2:20
16 Mazurka Op. 17 No. 2 in E minor 2:22
17 Mazurka Op. 17 No. 3 in A flat major 4:35
18 Mazurka Op. 17 No. 4 in A minor 4:47
19 Nocturne Op. 15 No. 2 in Fsharp major 3:38
20 Mazurka Op. 33 No. 1 in GSharp minor 1:49
21 Mazurka Op. 33 No. 2 in C major 2:26
22 Mazurka Op. 33 No. 3 in D major 2:07
23 Mazurka Op. 33 No. 4 in B minor 4:58

Produced by Ateş Orga
Executive Producer Dave Stapleton

CREDITS
Recorded by Dave Rowell at Champs Hill, West Sussex in July 2016
Mixed and mastered by Dave Rowell in November 2016
Produced and edited by Ateş Orga
Steinway D Concert Grand 544101 Hamburg (1997)
Music concept by Ivana Gavric
CD liner notes concept by Ateş Orga
All photography by Dave Stapleton
https://editionrecords.com/releases/chopin/

イヴァーナ・ガヴリクは、多民族国家であるボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエヴォの出身なので、彼女がスラブ系であるのか、どうか、分からない。したがって、彼女が弾くマズルカが本当のマズルカなのか、どうか、分からない・・・が・・・どうも、ガヴリクは多分、自己流のマズルカを弾いているように聞こえる(ホロヴィッツが弾くようなマズルカには、なかなか出会えない)。

このアルバムのコンセプトは、勿論ガヴリク自身によるもの。しかし、このアルバムの選曲は特にうまいわけではない。それは自己完結していない。ガヴリクの演奏は、ヤナーチェク(2つのアルバム)においても堅かった(その堅さは良かった)。だが、このアルバムにおいて「彼女のその堅さは裏目に出て、見事に外している」というのが、私のこのアルバムに対する評価である。

ただし、このアルバムは、すべての演奏が悪いというわけでなく、むしろ全曲において、BGM として楽しめるので、私の評価は星3つ。




Ivana_gavric
(C) Apple Music 検索キーワード:Gavric

2017年4月16日 (日)

ショパン:ポロネーズ集 イリーナ・メジューエワ(ピアノ)

Polonaises

ショパン:ポロネーズ集
イリーナ・メジューエワ(ピアノ)
2016年録音
若林工房

【収録情報】
ショパン:
● ポロネーズ(第1番)嬰ハ短調 op.26-1
● ポロネーズ(第2番)変ホ短調 op.26-2
● ポロネーズ(第3番)イ長調 op.40-1『軍隊』
● ポロネーズ(第4番)ハ短調 op.40-2
● ポロネーズ(第5番)嬰ヘ短調 op.44
● ポロネーズ(第6番)変イ長調 op.53『英雄』
● ポロネーズ(第7番)変イ長調 op.61『幻想』

 イリーナ・メジューエワ(ピアノ)

 録音時期:2016年11月2-4日
 録音場所:富山県魚津市、新川文化ホール
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)

(HMV.co.jp. より)


私の評価:思い切ってStars5


結論から言えば、このアルバムへの評価は、例によって、リスナーの嗜好に依存すると思う。このアルバムは、豪快&端正が両立していると思う。

・第1曲《ポロネーズ(第1番)嬰ハ短調 op.26-1》を最初に聴いた時、私は「バックハウスがショパンを弾いている」と思った(←少し溜めがある。自由度が大きい演奏。これは多分良い演奏だ)。

・《軍隊》における遅いテンポと巨匠的テンポ・ルバートは貫禄ある。

・《英雄》の中間部(4分37秒)の主題の回帰がよく聞こえる。そして中間部(ヘ短調?)は、ちゃんと官能的に弾いている。この演奏は「従来のメジューエワ」より深化しているように聴こえるのだが、気のせいだろうか?

・その他の曲。溜めや短い休止が効果的な曲(第4番)。豪快!(第5番)。

・《メジューエワの幻想ポロネーズ》について

さて、私が所有する《メジューエワの幻想ポロネーズ》は3つある。

2008年録音はまだ未完成。
2010年ライブ録音が、一番私は気に入った。
・2016年録音(このアルバム)より、2010年ライブ録音のほうが私は気に入った。

私にとってメジューエワの魅力は、たとえば、彼女が弾く《クライスレリアーナ》のように非模範的、破壊的爆演(!)。それに対して、このアルバムにおいて彼女の演奏は「模範的である度合い」が、ある意味、劇的に増したと、私は思うのであるが、それは言い過ぎだろうか?


【おまけ】

以下、《幻想ポロネーズ》の私のアナリーゼを再度掲載します(←記譜法が正確ではなく、下手な、私のアナリーゼに不快感をもよおす方があるかも知れませんがご容赦下さい)。

【ショパン:幻想ポロネーズ 変イ長調 作品61 楽曲解説】

作曲家別名曲解説ライブラリー ショパン」によると、この曲の、構成は、おおよそ、以下の通り:

「曲の構成は、アレグロ・マエストーソ、4つの重要な主題の上に構成されているものだが、その形式はきわめて自由である

 楽曲は長い序奏を持っている

・第1部
第1〜23小節、序奏、自由に転調する。

Chopin_61_00

第1小節は5オクターブ以上、上昇する(midi

【ブログ開設者の注】序奏にて、主題a(譜例1)の青色で示した音形が、右手>左手>右手>左手で計4回、ほのめかされる

Chopin_61_aa
【譜例1】主題a(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の2'15"

第24〜65小節、主題aの発展(変イ長調、多くの経過的転調をもって)
第66〜72小節、主題bの呈示(変イ長調。譜例2)

Chopin_61_bb
【譜例2】主題b(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の3'49"

第72〜93小節、主題bの展開(ヘ短調、ホ長調、嬰ヘ短調、嬰ト短調と転調を重ねる)
第94〜115小節、主題aの展開(変ホ長調より種々転調)
第116〜147小節、主題c(譜例3)の自由な展開(変ロ長調)

Chopin_61_c_1
【譜例3】主題c(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の5'28"

・第2部
第148〜152小節、コラール風の間奏(ロ長調)(midi

Chopin_49_9_2
(2016−5−13 譜例追加)

第152〜181小節、主題d(ロ長調。譜例4)

Chopin_61_dd
【譜例4】主題d(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の7'13"

第182〜213小節、主題cの変形c’(嬰ト短調、ロ長調。譜例5)

Chopin_61_c_2
【譜例5】主題cの変形c’(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の8'31"

・第3部
第214〜216小節、序奏の縮小された再現。
第216〜225小節、主題c’の縮小された再現(ヘ短調、譜例6)

Chopin_61_c_3
【譜例6】主題c’の縮小された再現(midi) ※ソフィー・パチーニの演奏では、Track 9の10'48"

第226〜241小節、自由なフィギュレーションによる主調変イ長調への移行
第242〜253小節、主題aの再現。ただし、高音部で強奏される(変イ長調)
第254〜268小節、主題dの再現(変イ長調)【注】ココが、この曲のクライマックス <--- アルゲリッチは、ココをマシンガンのように連打している。
コーダ、第268〜288小節」

2016年11月16日 (水)

3つ目のアルトゥール・ルービンシュタイン・ザ・ショパン・コレクション [11 CDs] Box-Set

2009年12月27日の私の自宅の火災にて御難に合い(焼損:焼けてしまった)、今度は、2016年10月23日の私のガールフレンド宅の火災にて御難に合う(水損:水に濡れた)。
私の購入する アルトゥール・ルービンシュタイン・ザ・ショパン・コレクション [11 CDs] Box-Set は、何と、運が悪いのだろうか。

Rubinstein_2

The Chopin Recordings
Chopin, Fryderyk Franciszek
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