2015年5月 7日 (木)

【メモ】 音楽における「引用」について/グレン・ミラーの「アメリカン・パトロール」

私の音楽との出会いは、小学生のとき、母から買ってもらったLPレコード、映画「グレン・ミラー物語」のサントラ、ウィンナ・ワルツ集(ただし、軽音楽に編曲されたもの)、米国西部劇主題歌集。

よって、私が、ジャズ、クラシックを好きになったのは、上の、小学生の時の原体験に因る(グレン・ミラー、ウィンナ・ワルツ)。

というわけで、私は、グレン・ミラーが好きである。私は、小学生のとき、グレン・ミラーの「アメリカン・パトロール」を口ずさんでいた。そして、いま、それを聴き直すと、その曲が、いわゆる、音楽における「引用」ということを教えてくれる(と、思う)。

音楽における「引用」を、音楽における

「借用(マーラー交響曲第1番第3楽章におけるフランスの民謡『フレール・ジャック』」
「オマージュ(マーラー交響曲第3番第1楽章の冒頭:ブラームス交響曲第1番第4楽章へのオマージュ)」
「コラージュ(ビートルズ:オール・ユー・ニード・イズ・ラヴのフェイドアウトにおけるイン・ザ・ムードとバッハのインヴェンションヘ長調)」
「類似(ブラームス第1番第4楽章:ベートーヴェン第九「歓喜の歌」との類似)」

と、区別すべし。

音楽における「引用」の一例として:


Glenn Miller - "American Patrol"

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American Patrol, March

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Columbia_the_gem_of_the_ocean



Columbia Gem of the Ocean

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American Marching Song "The Girl I left behind Me"

2015年4月 7日 (火)

エラ・フィッツジェラルド sings コール・ポーター/All Through The Night 昼は我が敵! 夜こそ我が友!/Begin The Beguine は、エラが一番上手い

Porter

Ella Fitzgerald sings the Cole Porter Songbook
¥ 2,603
CD (1997/6/24)
ディスク枚数: 2
フォーマット: CD, Import
レーベル: Polygram Records

--

第1曲

All Through The Night
Cole Porter

The day is my enemy, the night my friend,
For I'm always so alone
Till the day draws to an end.
But when the sun goes down
And the moon comes through,
To the monotone of the evening's drone
I'm all alone with you.

All through the night,
I delight in your love,
All through the night, you're so close to me.
All through the night, from a height far above,
You and your love brings me ecstasy.

When dawn comes to waken me
You're never there at all.
I know you've forsaken me,
Till the shadows fall.
But then once again
I can dream,
I've the right
To be close to you
All through the night.

--

第13曲

Begin The Beguine
Cole Porter

When they begin the beguine
It brings back the sound of music so tender
It brings back a night of tropical splendor
It brings back a memory ever green

I'm with you once more under the stars
And down by the shore an orchestra's playing
And even the palms seem to be swaying
When they begin the beguine

To live it again is past all endeavor
Except when that tune clutches my heart
And there we are, swearing to love forever
And promising never, never to part

What moments divine, what rapture serene
Till clouds came along to disperse the joys we had tasted
And now when I hear people curse the chance that was wasted
I know but too well what they mean

So don't let them begin the beguine
Let the love that was once a fire remain an ember
Let it sleep like the dead desire I only remember
When they begin the beguine

O yes, let them begin the beguine, make them play
Till the stars that were there before return above you
Till you whisper to me once more: "Darling, I love you!"
And we suddenly know what heaven we're in
When they begin the beguine

2012年11月23日 (金)

Get Happy (Virtuoso Show Tunes for Piano) Jenny Lin

Get_happy

Get Happy
Virtuoso Show Tunes for Piano
Jenny Lin, piano
2012年録音

1 Blue Skies (作曲Berlin-編曲Hyman) 1:21
2 I Got Rhythm from Girl Crazy (Gershwin-Wild) 2:18
3 Eliza at Ascot from My Fair Lady (Loewe-Malzew) 4:59
4 Lover from Love Me Tonight (Rodgers-Weissenberg) 3:24
5 Begin the Beguine from Jubilee (Porter-Walter) 3:56
6 Johanna from Sweeney Todd (Sondheim-O'Riley) 2:28
7 Carousel Waltz from Carousel (Rodgers-Hough) 6:18
8 March of the Siamese Children from The King and I (Rodgers-Hough) 3:57
9 Blue Moon from Manhattan Melodrama (Rodgers-Previn) 2:16
10 Cheek to Cheek from Top Hat (Berlin-Hyman) 2:08
11 Embraceable You from Girl Crazy (Gershwin-Wild) 3:13
12 Meditation on "Laura" from the film Laura (Raskin-Hamelin) 5:21
13 Bess, You Is My Woman Now from Porgy and Bess (Gershwin-Saperton) 5:52
14 Fascinatin' Rhythm from Lady, Be Good (Gershwin-Wild) 1:33
15 So in Love from Kiss Me, Kate (Porter-Anderson) 4:30
16 My Favorite Things from The Sound of Music (Rodgers-Hough) 3:15
17 Hello, Young Lovers from The King and I (Rodgers-Hough) 2:27
18 Get Happy from 9:15 Revue (Arlen-Prutsman) 4:54

ショー・チューン(Show Tunes)については、ウィキペディアを参照のこと。
このアルバム、1度目に聴いたときは全然良いと思わなかったが、何度か聴いてみると良かった。ジェニー・リンは健闘していると思う。

アップテンポのナンバーに黒人の乗り(ラグタイム、スイング、バップなど)は聴けない(I Got Rhythm )。バラッドにブルーノートの趣は聴けない。
そもそもこのアルバムは歌曲集であり、シューベルト作曲リスト編曲のような編曲集なのだ(Eliza at Ascot は変奏曲)。

「ビギン・ザ・ビギンは、エラ・フィッツジェラルドが歌ったのがうまかった・・・特に後半の盛り上がりがうまかったなぁ」などと思い出しながら聴いていると、このアルバムにおける同曲の編曲も後半盛り上がる・・・などと昔を懐かしく思ったり、「So in Love」を聴くと思わず口ずさみたくなったり、「第12曲はアムランによる編曲。さすがに凝ってるなぁ」などと思わされる。

ジェニー・リンは、米国の大作曲家の名曲をピアノ独奏用に編曲したものをスコアに忠実に演奏している。それ以上でも以下でもない。彼女は技巧に走っていない。勿論即興演奏はない。彼女の演奏は、クラシック音楽のヴィルトゥオージティ(名人芸)を生かしたジャズではなく、ジャズのヴィルトゥオージティを生かしたクラシック音楽でもない。悪く言えば、BGM。このアルバムの良いところは、懐かしのメロディーとその編曲を楽しむこと。それが面白くなかったら、ポイッとゴミ箱に捨てたくなるだろう。

2012年2月29日 (水)

John Coltrane Interstellar Space

Coltrane

John Coltrane Interstellar Space

惑星間空間
火星 10' 41
金星 8' 28
木星 5' 22
土星 11' 33

これは、交響曲の4楽章形式を持つと見たら面白いのではないだろうか。もしそうだとしたら、それをたった2人でやっているのだからすごいと思う。金星は長調の比較的緩やかな美しいテーマに始まる緩徐楽章。木星は、比較的短いスケルツォ。土星は、ドラムソロによる序奏をもつ最終楽章(この最後の曲は土星のテーマが奏されて終わる)。それぞれ楽章の調性は、異なるようだが、私は絶対音感がないからそれは分からない。このアルバムにおいてコルトレーンは同じ音形のリピートばかりやっているので、音楽的な完成度は低いと思われる人があるかも知れないが、4つの曲をひとつの作品として聴くと、このアルバムは形式的美しさを持つと思う


2011年2月25日 (金)

スウィート・ラヴ 大野えり

Ono

スウィート・ラヴ 大野えり
George Colligan (Piano & Rhodes & Dub)
James Genus (Bass)
Clarence Penn (Drums)
Shunzo Ohno (Trumpet)
2006年5月発売

1. Sweet Love 優慈悲 (Eri Ohno) (5' 32)
2. In Time Of The Silver Rain 春の雨 (based on the poem of L. H. / Eri Ohno, Andrew Gebert) (3' 57)
3. Hello Like Before (Bill Withers / John Collins) (4' 33)
4. Bird's Song 歌えよ鳥 (Eri Ohno) (4' 28)
5. Blackbird - Bye Bye Blackbird (Lennon and McCartney / Ray Henderson Morton Dixon) (5' 52)
6. BA RA 勇気と希望 (Kyoichi Lita / Eri Ohno) (7' 04)
7. Walkers With The Dawn 光の中へ (based on the poem of L. H. / Eri Ohno, Andrew Gebert) (3' 45)
8. Every Breath You Take (Sting) (5' 13)
9. Just Strolling (3 + 3 mimie) (7' 27)
10. La, La ,La, You Are Mine 愛の歌 (Eri Ohno) (4' 10)
11. Ringo Oiwake りんご追分 (Fujio Ozawa / Masao Yoneyama) (8' 10)

Total Time 60' 16

1 曲目の「Sweet Love」は変拍子を伴う 16 ビート。2 曲目の「In Time Of The Silver Rain」は、ラングストン・ヒューズの詩を取り上げた作品で、4 ビートで始まるが、サビは 8 ビートである。普通のスタンダードナンバーであるはずの 3 曲目「Hello Like Before」も少しリズムが変である。

ライナーノートを書いている中川五郎という人もジャズの専門家ではないようだが、その中川氏も「このアルバムは、ジャンルにこだわらずどんな音楽でも聴く人に向いている」という主旨の解説を記している。そして、このアルバムは、ジャズのあり方に一石を投じたものであるという意味で、私の関心を引いた・・・しかし・・・

4 曲目の反戦歌「Bird's Song」は、5 曲目のポール・マッカートニー「Blackbird」とジャズのスタンダード・ナンバー「Bye Bye Blackbird」を合体した曲に、うまくつながっており「ポール・マッカートニーのブラック・バードって、こんなにいい曲だったのか」と思わせられた・・・。第 6 曲の「BA RA」は、普通のバラードになってしまっていて、次の「Walkers With The Dawn」が凝ったファンク・ナンバーで、次の「Every Breath You Take (Sting)」がロックで、9 曲目「Just Strolling」は、アップテンポのジャズナンバーで器楽をフィーチャーしている・・・リスナーはこの第 9 曲まで聴くのが限界であり、その後を聴くのは苦しいだろう。

私の意見を率直に言わせてもらえば、大野えりは器用貧乏である思う。こういうアルバムは、ジャズ喫茶で、それこそ、ジャンルにとらわれずに音楽とは何かを議論しながら・・・というか、そもそも、大野えりが好きな人が集まるような「場」でしか受けない。

つまり、このアルバムは、親しみやすさを狙ったが、演奏者がうますぎ、音楽のスタイルも複雑すぎ、難しく、コンセプトが曖昧な失敗作と言ってよかろう。

2011年1月 9日 (日)

Meditations John Coltrane

Medetations

Meditations John Coltrane

1. The Father And The Son And The Holy Ghost [12' 50]
2. Compassion [6' 50]
3. Love [8' 11]
4. Consequences [9' 10]
5. Serenity [3' 31]

Personnel:
John Coltrane, tenor saxophone, percussion (left channel)
Pharoah Sanders, tenor saxophone, tambourine, bells (right channel)
McCoy Tyner, piano
Jimmy Garrison, bass
Elvin Jones, drums (right channel)
Rashied Ali, drums (left channel)
Recorded: 1965

コルトレーンの作品は、楽曲に標題がついているので聴きやすい。というか、その標題をヒントにして聴くことができる。第1曲の「父と子と聖霊」は、とても騒がしい音楽の中、コルトレーンのテナー・サックスにより穏やかなメロディが奏でられる。第1曲で私が連想するのは、新約聖書の使徒言行録 2 章 1 節以降の「聖霊降臨」の場面である。以下にそれを引用する。

五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。さて、エルサレムには天下のあらゆる国から帰って来た、信心深いユダヤ人が住んでいたが、この物音に大勢の人が集まって来た。そして、だれもかれも、自分の故郷の言葉が話されているのを聞いて、あっけにとられてしまった。人々は驚き怪しんで言った。「話をしているこの人たちは、皆ガリラヤの人ではないか。どうしてわたしたちは、めいめいが生まれた故郷の言葉を聞くのだろうか。(中略)彼らがわたしたちの言葉で神の偉大な業を語っているのを聞こうとは。」人々は皆驚き、とまどい、「いったい、これはどういうことなのか」と互いに言った。しかし、「あの人たちは、新しいぶどう酒に酔っているのだ」と言って、あざける者もいた。日本聖書協会『新共同訳 新約聖書』使徒言行録 / 2 章 1 - 13 節

聖霊が降りてきた時、そこはパニック状態だった。そこに集っていたのはイエスの弟子たち、すなわちガリラヤ(イスラエル北部の地方。キリストが福音を説いた地)の人々であった。彼らはガリラヤ語しか話せないはずなのに、聖霊に満たされ、突然、諸外国の言葉を話し始めた。だからその騒ぎを聞いて駆けつけた諸外国の人々は「なぜ、ガリラヤ人たちが諸外国の言葉(つまりガリラヤ人が話せるはずがない諸外国の言葉)を話せるのか」と驚いた。

「あの人たちは、新しいぶどう酒に酔っているのだ」と言って、あざける者もいた。すなわち「聖霊降臨」のときの状況は、あたかも、酔っぱらいが意味の無い言葉を、変な言語でわめき散らしているような騒乱状態だったということだろう。第1曲の「父と子と聖霊」は、その騒乱の激しさを表していると思う。と同時に、コルトレーンが奏でる旋律は「聖霊に満たされた人々の霊的な高揚」を表しているのだろう。

第2曲の「慈悲」は、マッコイ・タイナーのピアノがフィーチャーされている。この曲の意味は、私には解らない。

第3曲の「愛」は、ジミー・ギャリソンのベースのソロに続いて、コルトレーンの美しいソロがフィーチャーされている。これは、言うまでもなく性的な愛「エロス」ではなく「アガペー」すなわち「キリストの愛」をコルトレーンが提示したのだと思う。

第4曲の「因果」で、このアルバムはまた激しくなる。コルトレーンは、愛がもたらす「因果」の表現をファロア・サンダースに任せた。しかし、第4曲の「因果」におけるファロア・サンダースの演奏を聴くと「愛」に続く「因果」が、どうしてこんなにすさまじいのか、正直言って私には解らない(もしかして、第3曲「愛」のコンセプトと第4曲「因果」のコンセプトはつながっていないのかも知れない)。

わたしたちは、わたしたちに対する神の愛を知り、また信じています。神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。日本聖書協会『新共同訳 新約聖書』ヨハネの手紙一 / 4章 16節

上記のようにヨハネは「神は愛です」と、あっさりと言い切っている。しかし、ここまで言い切るのは難しいことだと思う。

「神は愛です」ということは、理論的には「神=愛」ということだ。しかし「神=愛」というのは飛躍ではないかと私は思うことがある。その飛躍と、ファロア・サンダースの第4曲「因果」における激しい演奏は関係あるように思える。ファロア・サンダースは「神は愛です」というシンプルな言葉を、キリスト教の最も神秘的で難解な教義と捉え、第4曲「因果」において、それを問題提起したのではなかろうか。そしてサンダース自身が「神は愛」であることを悟れずに、もがいた。その結果、サンダースの第4曲は激しいのかも知れない。この第4曲は重要な曲である。しかし、私には理解不能である。

第5曲「静寂」は祈りのように聞こえる。キリスト教の祈りの中に「冷静さを求める祈り(The Serenity Prayer)」という祈りがある。第5曲で、コルトレーンは静かに、かつ情念をもって祈っている。
「静寂」と題された曲においてさえ、平安への希求は切実に聞こえる。

・最後に
以上、宗教臭いことばかり書いたが、このアルバムの魅力は、新旧メンバーの共演であること(エルヴィン・ジョーンズとマッコイ・タイナーはこのアルバムを最後に去る)、その後のコルトレーンのアルバムより、音楽もコンセプトも統一性、一貫性を持つことであろう。もう一つの魅力は、激しさの中の「美」だ。

【聖霊降臨(ペンテコステ)についてウィキペディアへのリンク】
ペンテコステ

Elgrecopentecost

エル・グレコ「聖霊降臨」

2010年12月29日 (水)

Out to Lunch Eric Dolphy

Dolphy

Out to Lunch Eric Dolphy

デュティユーの作品にチェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」というのがあるが、それの第1楽章のテーマが、エリック・ドルフィーの「Out to Lunch」の第1曲目「Hat and Beard」の前奏に似ている【注】。もし、どちらかがどちらかの真似をしたとすれば、デュティユーのチェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」は 1970 年の作品、ドルフィーの「Out to Lunch」は彼の最後の年 1964 年の作品だから、デュティユーがドルフィーを真似したことになる。しかし、実際は、偶然似ているのだろう。というか、そもそも、似てないのかも知れない。

いま、ドルフィーの「Out to Lunch」を久しぶりに聴いてみると、この作品は、クラシック音楽に似ていると思う。そして、つくづく思うのだが、なぜ、ドルフィーのような人は、クラシック音楽の作曲家と交流しなかったのだろうか。ベニー・グッドマンは、バルトーク、ストラヴィンスキー、アーロン・コープランドと親交があった。ベニー・グッドマンの時代は、ジャズミュージシャンとクラシック音楽の作曲家との間に親交があったのだ。

というか、ドルフィーは、早死にし過ぎた(享年 36 才)。ジョン・コルトレーンも早死にしているが(享年 40 才)、コルトレーンは、やりたいことをやってしまってから死んだような気がする(ちなみに、コルトレーンとクラシック音楽の接点はないと言っていいと思う)。が、ドルフィーは、やり残したことがあったと思うし、彼の音楽がさらに進化していれば、クラシック音楽の作曲家や批評家に評価され、もしかしたら、彼は、クラシック音楽の作曲家・アーティストになっていたかも知れない。

そして、ドルフィーがやり残したことは、後のジャズ・ミュージシャンたちにとって意義がないことだったのだろうか。ドルフィーがやり残したことは、今のジャズ・ミュージシャンたちにとって無意味なのだろうか。ドルフィーが追求した音楽(音)に、今のジャズ・ミュージシャンたちは新しい可能性を見出すべきではないだろうか。

【注】デュティユーのチェロ協奏曲の第1楽章のテーマというのは、第1楽章冒頭の独奏チェロのレツィタティーフのあと、独奏チェロがピチカートで入る部分。Hans Graf の演奏では、第1楽章の3分 49 秒ぐらいのところ。

【Amazon.co.jp 輸入盤】
Out to Lunch Eric Dolphy

2010年10月23日 (土)

アーノンクールの「ポーギーとベス」

Porgy

ガーシュウィン:歌劇「ポーギーとベス」(全曲) アーノンクール

[CD 1] 71' 37
[CD 2] 63' 29
[CD 3] 41' 08
合計 約3時間

私は、

Lorin Maazel, Willard White, Leona Mitchell, Cleveland Orchestra 1975年録音
John DeMain, Donnie Ray Albert, Clamma Dale, Houston Ground Opera 1976年
Simon Rattle, Willard White, Cynthia Hayon, Lpo 1988年
John Mauceri, Alvy Powell, Marquita Lister, Nashville Symphony Orchestra 2006年

を持っていたが(全て焼失)、それらに加えて、5つ目の「ポーギーとベス」(全曲)を購入。

これは、オリジナル版なので、演奏時間は若干短いが、それでも、HMV.co.jp に寄せられた下記レビューが、このアーノンクール盤にも当てはまる。

2006年01月04日
素晴らしいオペラというか、ミュージカルなのだと思いますが、サマータイム以外に聴いたことのある曲もなく、やや冗長。もう少しコンパクトにまとめても良いのではないでしょうか。ガーシュイン先生には申し訳ありませんが、演奏時間3時間は正直なところいささか疲れました。

【付記】
上記、5つの「ポーギー」に満足できないので、私は、
6つ目のPorgy & Bessを米国アマゾンに注文しました。

2010年10月20日 (水)

Ascension John Coltrane

Ascension

Ascension John Coltrane

1 Ascension EDITION II (Take 1) 40' 25
2 Ascension EDITION I (Take 2) 38' 31

いまの私は火事の後遺症で疲れているので、こういうのを聴いて頭をからっぽにしなければならない。

これって、普通の音楽ですね。コルトレーンは、Take 1 のほうが気に入っていたらしいが、たしかに、Take 2 は、散漫な感じがある。この商品は、二つのテイクが聴き比べられるのが良い。

Take 1 のベースソロが良い。

・余談
前から疑問に思っていたのだが、ジャズには、何故、長いドラムソロが無いのだろうか。

ーーー

TTOSHIさんへ

John Coltrane Ascension アセンション(昇天)

これは、wikipedia の解説が一番分かりやすいでしょう。しかし、否定的評価を参照するには、アマゾンのレビューが参考になると思います。否定的に言えば、Ascension は、コルトレーン晩年に通じるイカレタ音楽です。演奏時間を上に示しましたが、長いです。

マイルスの代表作が、Kind of Blue なら、コルトレーンの代表作は、A Love Supreme ではなくて、Ascension だと思います(私は A Love Supreme は好きではないのです)。

テーマは「キリストの昇天」だと思います(私の解釈)。

キリストは、死後3日目に復活し、さらに40日後に昇天しました(wikipedia の受け売り)。

ついでに、キリストの昇天を表した絵を一枚示そうと思いましたが、ラファエロの「キリストの変容」のほうがカッコいいので、それをアップします。ラファエロの「キリストの変容」は生前のキリストが変容したのを表した絵のようです。

>オーディオ

こちらは、本日、SACD プレーヤ maranz sa-7s1(中古)が手元に届きます。

Trasfiguragione

2010年8月27日 (金)

大西順子のバロック

Onishi

バロック 大西順子

3曲目の「The Threepenny Opera」は3つのテーマがある。最初はブルース、二つ目はアップテンポのテーマ、最後は Jaki Byard という人のスコアに基づく大西のピアノソロ(様々な旋律に基づくカデンツァ)。だが、肝心の大西のピアノソロが冴えない。

最後から2曲目の The Street Beat / 52nd Street Theme になって、やっと昔の大西を思わせる調子良い演奏が聴ける。

たとえば、アルゲリッチが伴奏者に回っても、彼女のカリスマ性と強烈な個性が、他の演奏者たちを触発し発奮させることがあるが、大西のバロックにはそれがない。それでも、サイドマンたちが頑張っているのは、大西の実力ゆえというより、大西以外の誰かがリードを取っているからではないかと思える。

詳しいデータは下記 URL 参照のこと。

http://www.junkoonishi.com/japanese/discography/baroque/

ジャズは、ちゃんとスピーカで聴かなければ、その良さが分からないこともあるが(私はサラ・ヴォーンの Crazy and Mixed Up が大好きだが、それはヘッドホンで聴いても良さが分からなかった)大西のバロックは、一番冴えるべき大西が冴えないと私は思った(iMac で聴いた限りにおいて)。

【9月7日 追記】
The Threepenny Opera のピアノソロは、単なる Jaki Byard (Eric Dolphy の Far Cry でピアノを弾いている人。Mrs. Parker of K.C の作曲者)へのオマージュとして、おまけとして演奏されているのか(?)。Threepenny に挿入されたピアノソロは大西の「逸脱である」と、彼女に共感をもってそれを評価するなら、そのピアノソロに良い評価をすることができるかも知れない。が、The Threepenny Opera は、このアルバムのメインであるし ... たとえ Threepenny のピアノソロに目をつぶるとしても、とにかく、このアルバムにおける彼女のプレイは、総じて切れがなく、冴えない。

ホーン奏者と大西の共演に向井滋春との共演があるが、私は、向井との共演に比して、大西の「バロック」に、大西の衰えを感じた。その衰えを具体的に言えば、たとえば、復帰後の大西のフレーズには耳障りな同音連打(ドドドドドーとか)が増えた(目立つ)ような気がする【注】。大西も「鉄人」ではない。衰えるのは当然。だが、ピアニストは、衰えても、すごい演奏をする人は沢山いる。

The Street Beat / 52nd Street Theme で良い演奏をしているのだから、他の曲も良い演奏ができたはず・・・。彼女は、The Street Beat / 52nd Street Theme みたいな軽いバップ風の曲がうまい。あと "Flamingo" のピアノソロと "Memories of You" も良い(結局最後の3曲だけが良い)。しかし、それ以外のチャレンジについては、彼女のプレイは総じて冴えない。彼女は失敗していると思う。このアルバムは、全曲を通して聴くと退屈する。

【注】
縦横無尽なフレーズで弾きまくるのが魅力の大西が、<1> 5'58, 6'15 <2> 4'11, 4'21 <5> 7'10 で「同音反復(同音連打)」を繰り返すのは鼻につく。「楽興の時 / Musical Moments」では、<8> の 1'39, 1'53。それら「同音反復」はいずれも、彼女の身についた悪い癖、技巧の衰えだと思う。

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