2017年3月23日 (木)

(C) Apple Music Shostakovich: Violin Concerto No. 1 - Gubaidulina: In tempus praesens, Simone Lamsma, Netherlands Radio Philharmonic Orchestra, James Gaffigan & Reinbert de Leeuw

Lamsma
(C) Apple Music 検索キーワード:Lamsma

このブログの読者様は、私が美人演奏家ばかり買っていると思っていらっしゃるかも知れませんが、実は、その通りです。冗談はさておき(ショスタコとグバイドゥーリナ、2つの重い作品を取り上げた)シモーネ・ラムスマさんを試聴しました。線が細い。下手じゃないだけど、既存の演奏と比べて特に個性的ではない(だが、こういう比較的フツーの、瑕疵のないショスタコを1枚持っていてもいいかも知れない)。指揮者が上手い。そして、この商品は SACD 盤であり、それを大音量で聴きたい。グバイドゥーリナは面白そう・・・なので買おうかな。むしろ、グバイドゥーリナがお目当て。


【収録情報】

● ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.77

シモーネ・ラムスマ(ヴァイオリン/ストラディヴァリウス「Mlynarski」 1718)
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
ジェイムズ・ガフィガン(指揮)

録音時期:2016年5月12,14日
録音場所:ヒルフェルスム
録音方式:ステレオ(DSD/セッション)

● グバイドゥーリナ:ヴァイオリン協奏曲『今この時の中で』

シモーネ・ラムスマ(ヴァイオリン/ストラディヴァリウス「ex Chanot-Chardon」 1718)
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
ラインベルト・デ・レーウ(指揮)

録音時期:2011年10月22日
録音場所:アムステルダム、コンセルトヘボウ
録音方式:ステレオ(DSD/ライヴ)

SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND

(HMV.co.jp より)


【2017−4−27 追加】

↑結局、買わなかった。

2016年8月 4日 (木)

オイストラフのベートーヴェン&ショスタコーヴィチ

Beethoven
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲/オイストラフ

ヒラリー・ハーンの演奏が上手いと言っても、この人には負ける。

・・・

Shostakovich
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番/オイストラフ

それから、この人の「ショスタコ1番」を超える演奏は未来永劫出現しない・・・と、決めつけるのも間違いだろう。←私は、これを撤回する。

2016年7月26日 (火)

ニコラ・ベネデッティのショスタコーヴィチ&グラズノフ

Benedetti

Shostakovich / Glazunov
Shostakovich Violin Concerto No. 1, Op. 99
Glazunov Violin Concerto, Op. 82
Nicola Benedetti, violin
Bournemouth Symphony Orchestra
Kirill Karabits, conductor
2015年録音
DECCA


【収録情報】

● ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.99
● グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調 Op.82

 ニコラ・ベネデッティ(ヴァイオリン)
 ボーンマス交響楽団
 キリル・カラビツ(指揮)

 録音時期:2015年4月
 録音場所:ボーンマス、ライトハウス
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)


ショスタコ1番の私の一番のお気に入りは「悪寒と熱」が混じっている庄司紗矢香盤である。ただし、ショスタコ1番のパフォーマンスにおいて、その非献呈者であり初演者であるオイストラフのパフォーマンス(1956年録音)を超えることは、未来永劫できないと私は思っている(←そうではないことを祈っている)。その理由は、そもそも、この作品が、オイストラフの技巧や特長に合わせて書かれた作品であること。そのユダヤ(音楽)性(池辺晋一郎先生がこの作品はユダヤ音楽の影響があると言ってました)。古典的な第3楽章「パッサカリア」。カデンツァのおける「バロック時代の無伴奏ソナタのおもむき」(作曲家別名曲解説ライブラリー ショスタコーヴィチより)など。

ベネデッティは、ジョン・タブナーを美しく弾くことができるヴァイオリニストである。しかし、彼女は、タブナーにおいて歌ってはいない。他方、このアルバムにおいて、ベネデッティは、ショスタコーヴィチを、半ば歌っている。だが、彼女のショスタコが、ユダヤ的なのかどうかは、分からない。このアルバムは、音のディテールが、よく録音されている。←第1楽章で、タムタム(どら)が鳴る音を、私は初めて聴いた(9分00秒あたり。←多分、どらの音だと思う)。その第1楽章のディテールの中で、ベネデッティは、三部形式(弱音器なし、弱音器あり、弱音器なし)を、明示できていないような気がする。

しかし、オケと指揮者とベネデッティの相性は良いようである。彼らは、ショスタコーヴィチにおいて、息が合っているし、彼らの(ある意味)アグレッシヴで激しい解釈は、上記(第1楽章への私の不満)と矛盾するが、悪くない・・・それどころか、なかなか聴き応えがある。
ベネデッティの芸風は、ショスタコーヴィチよりもグラズノフに合っていると思う。彼女は、グラズノフを、よく歌っていると思う。自然体。
とにかく、このアルバムは期待はずれではなかった(もしかしたら、ベネデッティが、これまで発表したアルバム中、ベストではなかろうか)。

2016年1月 2日 (土)

【例によって、Apple Music ネタ】 レティシア・モレノのショスタコーヴィチ/私は《オイストラフ》の呪縛に縛られている

Moreno_1
(C) Apple Music / Shostakovich

検索キーワード:leticia moreno
あるいは、
shostakovich leticia moreno

ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番について、私は、結局、オイストラフの演奏のイミテーションを求めていたのではないか・・・ということに、気づいた。たとえば、私は、庄司紗矢香のショスタコーヴィチに《オイストラフを見た》のかも知れない・・・私は庄司のショスタコを購入して4〜5回聴いただけで、その後、1度も聴いていない:

やっぱり、私は《オイストラフ》の呪縛に縛られている。

レティシア・モレノのショスタコは、オイストラフに似てない。よって、確かに、コレは、オイストラフの呪縛から放たれるためにも「買い」だと思った・・・が・・・しかし、コレも、やはり、Apple Music で聴けば十分か。

【追伸】 彼女のもうひとつのアルバム「スペイン風景(Spanish Landscapes)のほうが、面白そうだが・・・コレも、Apple Music で聴けば十分かな・・・。

Moreno_2
(C) Apple Music / Spanish Landscapes

==

【さらに追加】

レティシア・モレノのショスタコに入っている「作品34」は、「24の前奏曲とフーガ」じゃなくて、「24の前奏曲」じゃないの?

==

【また、追加】

レティシア・モレノのショスタコ。←コノアルバムは、むしろ、「24の前奏曲 作品34」が、面白い。←買うかも知れない。

2015年8月20日 (木)

Anna Vinnitskaya plays Shostakovich's Piano Concertos

Vinnitskaya

PIANO CONCERTOS
DMITRI SHOSTAKOVICH (1906-1975)
ANNA VINNITSKAYA, PIANO

KREMERATA BALTICA

WINDS OF STAATSKAPELLE DRESDEN
OMER MEIR WELLBER, CONDUCTOR (IN CONCERTO OP.102)

TOBIAS WILLNER, SOlO TRUMPET (IN CONCERTO OP.35)
IVAN RUDIN, PIANO (IN CONCERTINO & TARANTELLA)

Recorded in September 2014 At Hochschule für Musik Carl Maria von Weber Dresden
ALPHA CLASSICS

Concerto for piano, trumpet and strings, op.35
1. i. Allegretto 6'00
2. ii. Lento 7'38
3. iii. Moderato 1'30
4. iV. Allegro con brio 6'19

Concerto for piano and orchestra, op.102
5. i. Allegro 6'47
6. ii. Andante 5’38
7. iii. Allegro 5'23

8. Concertino for two pianos, op.94 8'49

9. Tarantella for two pianos 1'19

Total time: 49'49

【収録情報】(HMV.co.jp より)

ショスタコーヴィチ:
● ピアノ協奏曲第1番ハ短調 Op.35
● ピアノ協奏曲第2番ヘ長調 Op.102
● 2台のピアノのためのコンチェルティーノ Op.94
● 2台のピアノのためのタランテラ Op.84c

 アンナ・ヴィニツカヤ(ピアノ)
 クレメラータ・バルティカ

 録音方式:ステレオ(デジタル)

--

【私の評価】星5つ。ただし、やっぱり、アルゲリッチを超えられない。

--

Pf 協奏曲第1番は、弦5部(KREMERATA BALTICA)&トランペット独奏&ピアノ独奏による演奏。Pf 協奏曲第2番は、弦5部(KREMERATA BALTICA)に、管(WINDS OF STAATSKAPELLE DRESDEN)が加わる。ヴィニツカヤは、ロシア出身であるだけに、グバイドゥリーナが、上手かった(←それを聴くと、彼女が技巧だけのピアニストではないことがわかると思う)。彼女は、勿論、このアルバムにおけるショスタコーヴィチも上手い。しかし、このアルバムに収められている作品は、どれも、名曲・名演だが、正直言って、アルゲリッチ(爆演。セッション録音、および、ライブ録音)を思い起こさせる。やっぱり、アルゲリッチを超えられない。

2012年7月10日 (火)

アラベラ・シュタインバッハーのショスタコーヴィチ

Steinbacher

ショスタコーヴィチ
ヴァイオリン協奏曲第1番 op.77
ヴァイオリン協奏曲第2番 op.129
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn)
バイエルン放送交響楽団
アンドリス・ネルソンス(指揮)
録音:2006年5月(デジタル)
ORFEO

おすすめ度:★★★★

これも火事で焼失したので買い戻した。最近、シュタインバッハーが好きになったので・・・

ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 op.77

火事になる前に聴いたときの記憶はまったくない。

やっぱり、シュタインバッハーとアンドリス・ネルソンスらしい分かりやすい演奏であり気に入った。つまり、特殊な解釈をしていない。アンドリス・ネルソンスとのコンビネーションもよいと思う。第1楽章は怖くない演奏なので面白くないと思ったが、(もう一度最初から)聴き直してみると全然悪くなかった。この作品は「スターリンの恐怖」にかかわる音楽であるという聴き方をしないなら、ことさら恐怖や戦慄を強調する必要はないと思った。HMV.co.jp のユーザーレビューに「第1番の第3楽章で、ネルソンスがオケを目一杯鳴らしているのに感心しました」とあるがその通りだと思う。バッハのパッサカリア BWV 582 は超絶技巧のフーガで終わるが、ショスタコーヴィチのパッサカリアはいったん静かになる。カデンツァは激しい演奏だが、多分第1楽章からとったと思われる旋律と第2楽章が回想されるのがすんなり聞き取れるのが良い。バイエルン放送交響楽団は、もうちょっと微妙な色彩を出しても良かったんじゃないかと思う。


2012年5月29日 (火)

ムーザ・ルバツキーテの「ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ 作品87」

Rubackyte

Shostakovich
24 Preludes and Fugues
Muza Rubackyte
Recorded: 2006
BRILLIANT

あるとき突然、ある旋律が頭に浮かんで頭を離れなくなることがある。自分でピアノで弾いてみて、それが何という曲か思い出そうとするが、なかなか思い出せない。

私はその旋律を楽譜に書いて、それをもとにクラシック音楽愛好者のメーリングリストに質問しようかと思ったが、その方法はうまく行きそうになかった。

もしかしたら、その旋律は西山瞳、大西順子が演奏したジャズナンバーじゃないかと思って、心当たりがある曲をネット上で聴いてみたが、見つからない。

もしかしたら、「ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ」ではないかと思って「作曲別名曲解説ライブラリー ショスタコーヴィチ」を見てみたら見つかった。私が探していた曲は、「ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ」のヘ長調の前奏曲だった。

その旋律は「アンニュイな雰囲気で演奏されていた」という記憶が私にはあった。その「アンニュイ」な雰囲気を無性に聴きたくなって、メルニコフジェニー・リンの演奏を聴いてみたが・・・それらは全然アンニュイじゃない。そこで、ルバツキーテの演奏をネット上で試聴してみたら、私が求めていたイメージに近かったのでそれを購入した。

ルバツキーテの「ヘ長調の前奏曲」は、私好みのいい味だしていると思う。その他の曲も、技巧的に安定していて、よい演奏だと思う。


2012年2月16日 (木)

庄司紗矢香のショスタコーヴィチ(1)

Shoji

Shostakovich
Concertos for Violin and Orchestra Nos. 1 & 2
庄司紗矢香
Dmitri Liss
Ural Philharmonic Orchestra
Enregistrement août 2011
MIRARE

これは非常に気に入った。
庄司のショスタコ1番は、もしかしたら、ハーンのより良いかも知れない。
私は庄司紗矢香に惚れてしまったかも知れない。

アマゾンと HMV.co.jp のカスタマーレビューには、2番のほうが良い(演奏)と書いてある。私もそう思う。しかし私はショスタコーヴィチ第2番を、まったく知らないので、ココではそれについて書くことができない。

庄司のショスタコーヴィチ第1番の演奏時間は、ダヴィッド・オイストラフのとほぼ同じ。

オイストラフ 約36分29秒
庄司 約37分04秒

第2楽章はオイストラフが6分18秒、庄司が6分39秒。庄司の第2楽章のほうが長い。第2楽章スケルツォのリズムは演奏するのが難しいと思う。バティアシヴィリ&サロネンの第2楽章は何度聴いても酔っぱらっているように聞こえる。庄司の第2楽章も最初聞いた時は悪いと思ったが、よく聴いてみるとある種のポリリズムのような効果があって、まったく問題なし。

そして、庄司の第2楽章をハーンの第2楽章と比較するために、ハーンの第2楽章を改めて聴いてみると、後者は冒頭とてつもなく軽快なリズムを聞かせてくれるが、終わりに近づくにつれて雑に聞こえた。その理由はやはりハーンのテンポが速すぎるからだと思う。

庄司 6分39秒
ハーン 5分36秒

HMV.co.jp の(庄司に対する)カスタマーレビューには「カデンツァからフィナーレへのつなぎのオクターブのグリッサンドなど、あんなにうまく弾いている人は他にいない」と書いてあるが、私は第4楽章のピチカート(1分49秒と1分55秒)がよく聞こえるのが気に入った。庄司のショスタコーヴィチ1番は第4楽章が私の気に入った。私は、聴き終わったあとに思わず拍手してしまった。

庄司の演奏の魅力は、全曲を通してフレージングがうまいこと。そして繊細なデュナーミク(強弱法)。たとえば、第1楽章は中間部(付弱音器)を持つ三部形式だと思うが、その三部形式の「フレージング、デュナーミク、コントラスト」には、説得力があると思う(オケもうまいと思う)。さらに彼女のショスタコ1番は「速すぎないテンポ」で演奏されているのでディテールがよく聞こえ、それゆえ新しい発見がある(それに対して、ヒラリー・ハーンのショスタコ1番は第2楽章と第4楽章のテンポが速すぎてディテールが見えにくい)。

しかし、庄司のショスタコ1番の最大の魅力は、彼女のフレージングから悲痛と戦慄が感じられることだと思う。

彼女の演奏はテンションが高い。そのテンションの高さはほとんど途切れない。しかし、彼女の演奏はディテールがよく聞こえるという意味ではクールな演奏だ。テンションが高くて、しかもクールな演奏。それはセッション録音であるからこそ可能だったのだと思う。彼女のショスタコ1番は、セッション録音の強みを見せつけたと思う。そしてこの録音には編集の跡が私には聞こえない。この演奏はワンテイクで録られたのか、あるいは良くないところを何度も録音し直したのか分からない。不思議な演奏だ。

Dmitri Liss の指揮はうまいと思う。オーケストラは低音がよく聞こえるので大音量で聞くと気持ちいい。

2011年2月24日 (木)

ショスタコーヴィチ:ヴァオリン協奏曲 第1番 作品 99(作品 77)聴き比べ

Oistrakh

オイストラフ(1956年録音モノラル)

Mullova

ムローヴァ(1988年録音)

Hahn

ヒラリー・ハーン(2002年録音)

Skride

Baiba Skride
Violin Concertos
Dmitrij Shostakovich
Violin Concerto Nr. 1 Op.77
Münchner Philharmoniker
Mikko Franck, conductor
Leos Janacek
Violin Concerto "Wanderung einer Seele"
Rundfunk - Sinfonieorchester Berlin
Marek Janowski, conductor
(2004 年録音)

Chang

サラ・チャン

Batiashvili

Shostakovich
Violin Concerto no. 1 in A minor op. 77
Giya Kancheri (*1935 )
V & V
for violin and taped voice with string orchestra
Shostakovich
Lyrical Waltz
from Seven Dolls' Dances
Arvo Pärt (*1935 )
Spiegel im Spiegel
Rachmaninov
Vocaklise op. 34 no. 14
Lisa Batiashvili, violin
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
Esa - Pekka Salonen
Hélène Grimaud, piano
Recording: 2010

これは、オイストラフのとムローヴァのが良いと思う。理由は、第3楽章のパッサカリアが良いから。

ショスタコーヴィチが、この作品に、パッサカリアという古い形式を持ち込んだのは、オイストラフのスタイルに合わせたからではないか。と思えるぐらい、パッサカリアにおけるオイストラフの演奏は「ユダヤ的泣きの旋律」が生きている。むかし、N 響アワーで池辺晋一郎氏が、この作品はユダヤ音楽の影響があると言って、第2楽章スケルツォを流していたが、第3楽章の哀愁帯びた旋律もユダヤ的ではないかと思う。

「トロンボーン吹きによるクラシックの嗜好」さんで紹介されているショスタコーヴィチ/プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番/チャン/ラトル [EMI]を、私は火事で焼失してしまったが、買い戻さないことにする。理由は、トロンボーン吹きによるクラシックの嗜好さんのレビューで、パッサカリアが良くないと書いてあるからだ:

「しかし録音の関係もありますが、伴奏が混沌としており、それに伴い音楽的な明瞭度も落ち、感動できるほどの体験には至りません」(サラ・チャンの演奏につきましては、トロンボーン吹きによるクラシックの嗜好をご参照下さい)

「トロンボーン吹きによるクラシックの嗜好」にも「(第 3 楽章は)この作品の核心部分でもあります」とある。このパッサカリアの旋律は最終楽章でも再現するし。

カデンツァから最終楽章にかけては、ヒラリー・ハーンの激しい演奏、ヴァイオリンの弦が2、3本切れるんじゃないか思わせるほどヴァイオリンを痛めつける演奏(あるいはヴァイオリンそのものが壊れるんじゃないかと思わせるほどの演奏)を大音量で聴くと気持ちよい。それにハーンの演奏は第2楽章スケルツォも気持ちよい。したがって、ハーンのショスタコーヴィチ:Vn 協奏曲のスケルツォ、カデンツァ、最終楽章は、オイストラフの権威ある演奏を、技巧と力でねじ伏せる迫力があり意義ある演奏だと思う。しかし、ハーンの第1楽章とパッサカリアには、私はゾクゾクしない。それに対し、ムローヴァの演奏は、全楽章を通して良いと思う。その理由は指揮者がうまいからだと思う(アンドレ・プレヴィン)。ムローヴァ盤の第2楽章スケルツォのリズムの乗りが良いのも、やはり指揮者がうまいからだろう。

ハーンのクールな演奏を好む人は、彼女の第1楽章とパッサカリアは問題なし、と思うかも知れない。私も、バティアシヴィリ(Lisa Batiashvili)の第1楽章を聴くまではそう思っていた。しかし、バティアシヴィリの第1楽章を聴いて考えが変わった。この第1楽章は、3部形式であり、中間部は弱音器をつけたトランクイロなのだが、ここはやはりコントラストをつけた方が良いと思う。ハーンの第1楽章はコントラストが希薄なのに対し、バティアシヴィリの第1楽章にはきれいなコントラストがありゾクゾクする。

ところが、バティアシヴィリの第2楽章は良くない。今度は、ハーンのスケルツォにおける3拍子と2拍子系の対比、躍動が、バティアシヴィリにはないと思う。第1楽章で、サロネン(Esa - Pekka Salonen)は、バティアシヴィリをうまくサポートしているのに、第2楽章で、彼はもたもたしていると感じるのは私だけだろうか。サロネンのサポートは、第3、4楽章も冴えないと思うし、バティアシヴィリの演奏もハーンほどのインパクトはないと思う(カデンツァは悪くないが)。

スクリデは、もともとよく泣くヴァイオリニストであり、リズム感も良い演奏者なのだが、指揮者が悪いのか、面白さはあるが支離滅裂な演奏だ。

主観的な感想文になってしまった。

【2月26日 追記】
よく聴くとバティアシヴィリは、パッサカリアもよく弾いているようだ。結局、テンポの速い楽章におけるサロネンの指揮が私の好みに合わないのかも知れない。

2010年11月 1日 (月)

スクリデのショスタコーヴィチ

Skride

Baiba Skride
Violin Concertos
Dmitrij Shostakovich
Violin Concerto Nr. 1 Op.77
Münchner Philharmoniker
Mikko Franck, conductor
Leos Janacek
Violin Concerto "Wanderung einer Seele"
Rundfunk - Sinfonieorchester Berlin
Marek Janowski, conductor
いずれも 2004 年録音

もし、バッハやモーツァルトの時代に、今日のすぐれた録音技術が在ったとしたら、そして彼らが彼らの作品を・・・彼らが作曲した作品を今日のすぐれた録音技術で録音していたとしたら、そしてそれが最高の条件でなされた演奏だったとしたら・・・もしそういう記録があったとしたら・・・今日の演奏家たちは、バッハやモーツァルトが残した演奏を超える演奏をするのは難しいだろう、かつ、リスナーは今日の演奏家が演奏するバッハやモーツァルトの作品を積極的に《受容》しないだろう・・・または《より良い演奏を追究するということ》をしないだろう・・・などと、SF めいたことを私は考えたことがあるが、オイストラフの「ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲 第1番」は、上記が当てはまるような気がする。私は、オイストラフより良い「ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲 第1番」を求めていない。

バイバ・スクリデ(Baiba Skride)のショスタコーヴィチは、安いので買って損はしないと思う(2010年10月現在 939円)。
この人の演奏は、ストラディバリウスを弾いているのでハーンのよりオイストラフに近い。
しかし、指揮がだめ。録音も悪い。録音は、オイストラフ(1956年録音モノラル)の迫力に負けてるかも・・・。
だが、ライヴ録音である点が魅力。
ライヴ録音で、この作品を発表したのは自信の現れだろう。
私は、スクリデがストラディバリをバリバリ鳴らすのが気に入った。どうせ、オイストラフに及ばないと本人も分かっているので、オイストラフと同じストラディバリを力任せに弾いて、少しでもオイストラフに近づこうとしたのかも知れない。
演奏は、やけくそっぽく聞こえる。

【付記】実は、ミヒャエル・ハイドン(下記)が良かったので、私はスクリデが気に入ったのである。

Skride_2

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