2018年11月13日 (火)

(C) Apple Music で節約 ティル・フェルナー〜イン・コンサート/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番、リスト:『巡礼の年』第1年『スイス』

Beethoven_till_fellner
(C) Apple Music 検索キーワード:Beethoven Till Fellner

または

https://itunes.apple.com/jp/album/in-concert-live/1436307863


↑何を言いたいのか分からない。買わない。


【収録情報】
1. リスト:巡礼の年 第1年『スイス』
 ウィリアム・テルの聖堂
 ヴァレンシュタットの湖で
 パストラール
 泉のほとりで
 嵐
 オーベルマンの谷
 牧歌
 郷愁
 ジュネーヴの鐘

2. ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111

 ティル・フェルナー(ピアノ)

 録音時期:2002年7月10日(1) 2010年10月9日(2)
 録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール(1) アメリカ、バーモント州ミドルバリー、マハーニー・センター・フォー・ジ・アーツ(2)
 録音場所:ステレオ(デジタル/ライヴ)

(HMV.co.jp より)

2018年6月14日 (木)

日本デビュー20周年記念リサイタル 2017〜2018/イリーナ・メジューエワ(4CD)

Mejoueva

日本デビュー20周年記念リサイタル 2017〜2018/イリーナ・メジューエワ(4CD)



メジューエワは相変わらず意欲的。十分楽しませてもらったが、この4枚組は100点満点ではないので:Stars4


【収録情報】
[Disc-1]
ベートーヴェン:
● ピアノ・ソナタ第27番ホ短調 Op.90
● ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
● ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110

[Disc-2]
ベートーヴェン:
● ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
● バガテル ト長調 Op.126-5

リスト:
● 告別(ロシア民謡) S.251
● ピアノ・ソナタ ロ短調
● 夢の中で(ノクターン) S.207
● エステ荘の噴水

[Disc-3]
ショパン:
● マズルカ集(Op.6-2、Op.17-4、Op.24-4、Op.41-2、Op.41-4)
● ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35
● 子守歌 変ニ長調 Op.57

ラフマニノフ:
● ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36
● 練習曲『音の絵』 ハ長調 Op.33-2
● 楽興の時 ホ短調 Op.16-4

[Disc_4]
メトネル:
● 『忘れられた調べ』より(夕べの歌 Op.38-6、田舎の舞曲 Op.38-5、波の舞曲 Op.40-5、優美な舞曲 Op.38-2、祝祭の舞曲 Op.38-3)

ショパン:
● ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
● マズルカ イ短調 Op.67-4
● 練習曲 嬰ハ短調 Op.25-7
● マズルカ ハ短調 Op.30-1

メトネル:
● おとぎ話 変ホ長調 Op.26-1

イリーナ・メジューエワ(ピアノ/1925年製ニューヨーク・スタインウェイ、CD135)

録音時期:2017年8月26日(ベートーヴェン)、2017年11月18日(ショパン)、2018年2月24日(リスト、ラフマニノフ、メトネル)
録音場所:東京文化会館・小ホール
録音方式:ステレオ(デジタル24-Bit & 96kHz/ライヴ)

(HMV.co.jp より)



[Disc-1]
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番
粗いが全然悪くない。

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番
大味だが、カタルシスを感じさせる。私好みの演奏。

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番
もし、この録音が《無編集のライブ録音》なら、この演奏は、充実していると思う。力強い。豪快。第3楽章のフーガはスローテンポ。第3楽章の9分24分あたり、例の「京都リサイタル2017(ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30, 31, 32番)」と同様「2度目の『嘆きの歌』の後、2度目のフーガに入る前、メジューエワは両手の和音を(異様に)遅く弾いている」←それは生きている。←同楽章は、もしかして、巨匠的(?)。

[Disc-2]
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番
私の主観では「京都リサイタル2017(ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30, 31, 32番)」と同様、第2楽章は息切れしているように聞こえる。


Beethoven_op_111_2_1

【譜例】 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 第2楽章の主題「アダージョ・モルト・センプリーチェ・エ・カンタービレ」(midi


・「リスト:ロ短調ソナタ」は、彼女には無理だと思っていたが、この演奏は、まあ、健闘していると思う。なんとか、コーダにたどり着いている(下記参照)。


【参照:ドイツ語ウィキペディアにおけるリスト:ロ短調ソナタ「経過」 の和訳】

1 - 7:枠
8 - 13:跳躍動機
13 - 17:(ピアノの)ハンマー音
18 - 29:跳躍動機成分
30 - 39:跳躍動機成分とハンマー音(拍子を交替させながら)
40 - 44:跳躍動機成分
45 - 54:自由な上昇音形
55 - 81:継続を伴う跳躍動機
82 - 104:枠(バスにて)

上記から傍系主題が始まる

105 - 119:グランディオーソ(壮大に)の動機(2分の3拍子、傍系楽章の第1動機)
120 - 140:跳躍動機(再び4分の4拍子で)
141 - 152:ハンマー音
153 - 170:ハンマー音(音価2倍)(傍系主題の第2動機)
170 - 190:跳躍動機成分(バスに)
190 - 196:ハンマー音(音価2倍)と枠
197 - 204:短いソロカデンツァ
205 - 231:跳躍動機と反行
232 - 238:ソロカデンツァ
239 - 254:カデンツァ 伴奏付
255 - 269:ハンマー音成分(カデンツァ成分を伴って)
270 - 277:跳躍
278 - 286:枠
286 - 296:継続を伴う跳躍動機
297 - 300:グランディオーソの動機(2分の3拍子)
301:レチタティーヴォ(自由な拍子で)
302 - 305:グランディオーソの動機(2分の3拍子)
306 - 310:レチタティーヴォ
310 - 314:ハンマー音
315 - 318:跳躍動機成分
319 - 330:ハンマー音 拡大された音価の跳躍動機(右手)を伴って

ここからテンポが遅い中間楽章が始まる

331 - 348:叙情的なアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題(4分の3拍子)
349 - 362:ハンマー音(音価2倍)カデンツァ成分を伴って
363 - 380:グランディオーソの動機(音価半分)
381 - 384:跳躍動機への接近
385 - 394:跳躍動機
395 - 415:変奏されたアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題
415 - 432:パッセージ 枠成分(バスの下降音形)を伴って
433 - 445:ハンマー音(音価2倍)
446 - 459:枠

ここから再現部が始まる

460 - 523:跳躍動機とハンマー音によるフガート
524 - 530:跳躍動機(16分音符の技巧的な走句が続く)
531 - 540:跳躍動機(ハンマー音と交替しながら・その後、16分音符が続く)
541 - 554:16分音符
555 - 569:和音と16分音符
569 - 581:跳躍動機(バスにて下降音階と交替しながら)
582 - 599:パッセージとハンマー音
600 - 615:グランディオーソの動機の再現(600小節以降はこの動機はロ長調で演奏)
616 - 650:ハンマー音(音価2倍)ソロカデンツァが続く

ここからコーダであると分離することができる、すべての重要な動機が逆の順番で現れる

650 - 672:ストレッタ:ハンマー音(音価2倍)、跳躍動機成分
673 - 681:プレスト:4分音符の下降音形
682 - 699:プレスティッシモ:和音と8分音符
700 - 710:グランディオーソの動機(2分の3拍子)変奏を伴う(伴奏は1拍に8分音符4つではなく、4分3連符で)
711 - 728:叙情的なアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題が再現する(4分の4拍子)
728 - 736:オリジナルのハンマー音(バスにて、ロ長調)
737 - 743:跳躍動機(両手に分担されて演奏、パラレルの8分音符を伴わずに)
743 - 749:和音
750 - 754:枠
755 - 760:終結和音


・リスト:エステ荘の噴水
なかなか面白い演奏をしていると思う。

[Disc-3]
・ショパン:マズルカ(5曲)
痩せてるが悪い演奏ではない。

・ショパン:ピアノ・ソナタ第2番
第1楽章提示部は、アヴデーエワと同じく「冒頭(Grave)」を反復している。第3楽章葬送行進曲の中間部は味があって良い。しかし、この「ショパン:ソナタ第2番」は、おそらく、これまで、メジューエワが録音した「ショパン:ソナタ第2番」を超えるものではないだろう(←はっきり言って、私の主観では、この演奏は魅力に乏しい)。

・ショパン:子守唄
これは上手いと思う。気に入った。

・ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番
私は「メジューエワの弾くラフマニノフ:ソナタ第2番」を初めて聴いたような気がするが、それは私の記憶違いだろうか?
「ラフマニノフ:ソナタ第2番」は、ホロヴィッツの名演奏があるので、どうしても「ホロヴィッツの演奏」と比べられてしまうと思う。よって、ピアニストにとって、コレを演奏するのは勇気がいることだろう。
だが、このメジューエワの「ラフマニノフ:ソナタ第2番」は、冒頭から豪快(!)。健闘していると思う。←私の嗜好では第3楽章の派手な演奏が気に入った。

・「ラフマニノフ:練習曲 音の絵/楽興の時」は粗いが上手い。やはりメジューエワはロシア人ですね。

[Disc-4]
・メトネルは、彼女の十八番(おはこ)なので、なにも言うことなし・・・というか私はメトネルを、あまり知らない。

・ショパン:ピアノ・ソナタ第3番
私の主観では、この演奏は、テクスチャーは、一応、聴こえるが、調性の流れがあまり美しくないと思う。気合が入りすぎたか? 最終楽章はテンポが遅いが・・・。

・「ショパン:練習曲 嬰ハ短調 Op.25-7」←私の大好きな曲。この曲には「発想標語」がない。←私が持っているスコアには『Lento』としか書いてない。したがって、この曲に対するアプローチは幅が広いと思う。
メジューエワは、同曲をメランコリックに弾いているが、表現に幅がないと思う。

・まとめ。十分楽しませてもらった。

・それにしてもメジューエワは独奏演奏に徹してますね。彼女、協奏曲を弾かないのだろうか?

2018年5月30日 (水)

松田華音デビュー・リサイタル/アマゾンJPへのレビューのコピー

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/10-be9a.html の続き。

==

Matsuda

松田華音デビュー・リサイタル
2014年録音



私の評価:難しい曲を選曲しているが失敗していないと思う。私はこのピアニストを追っかけることにした:Stars4

先行レビューアーさんがお書きの通り、確かに瑞々しい。

ワルトシュタインは、なんとなくバックハウスの演奏に似ている。つまり貫禄あり。技巧あり。同曲最終楽章のフィニッシュは「アリス=紗良・オットの退屈させない演奏」には負ける。←変な表現だが、松田華音の同作品最終楽章はちょっと軽くもあれば、重くもある?

ショパン:バラード1番。粗い。彼女独自の解釈は悪くないと思うが、もう少し形式にこだわって欲しかった。
同曲はソナタ形式で書かれている。第1主題がト短調からイ短調に転調する。第2主題の繰り返しに「仕掛け(展開部で fff、再現部で第1主題を誘導)」がある(私のブログの譜例参照)。

ショパン:『英雄ポロネーズ』。全然悪くない。5分19秒あたりからの官能的な数小節を上手に流していると思う。

リスト、ラフマニノフ、スクリャービンは爽快。ラフマニノフ、スクリャービンは、誰かの演奏を真似していないのが良い。

彼女は1996年生まれ。全体的にやや粗いが、完成度は低くないと思う。


【収録情報】
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番『ワルトシュタイン』
● ショパン:バラード第1番
● ショパン:ポロネーズ第6番『英雄ポロネーズ』
● リスト/シューマン:献呈
● ラフマニノフ:『音の絵』〜第6番イ短調『赤ずきんちゃんと狼』
● ラフマニノフ:『音の絵』〜第5番変ホ短調
● ラフマニノフ:『音の絵』〜第9番ニ長調『東洋風行進曲』
● スクリャービン:8つの練習曲 op.42〜第5番嬰ハ短調
● スクリャービン:ワルツ op.38
● パッヘルベル:カノン(ピアノ編曲版)

松田華音(ピアノ)
録音時期:2014年9月

(HMV.co.jp より)


【譜例】

Chopin_ballade_1_2
ショパン:バラード 第1番 第2主題(midi
同曲はソナタ形式で書かれている。第1主題がト短調からイ短調に転調する。第2主題の繰り返しに「仕掛け(展開部で fff、再現部で第1主題を誘導)」がある。

2018年4月30日 (月)

(C) Apple Music にて試聴/リスト:ピアノ協奏曲第1番、第2番、死の舞踏/ベアトリス・ベリュ、ジュリアン・マスモンデ&チェコ・ナショナル交響楽団、および、プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第4番、トッカータ、10の小品、ラヴェル:クープランの墓/ナターリア・ミルステイン

Beatrice_berrut
(C) Apple Music 検索キーワード:Beatrice Berrut

(下記と同じく)これまた、私の苦手なリストの「ピアノ協奏曲」なので、上手いのかどうか分からないが、ちょっと試聴したところ、これは独奏も指揮も大味だと思った。
買わない。Apple Music で聴けば十分。


【収録情報】
リスト:
● 死の舞踏 S.126
● ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124
● ピアノ協奏曲第2番イ長調 S.125

 ベアトリス・ベリュ(ピアノ)
 チェコ・ナショナル交響楽団
 ジュリアン・マスモンデ(指揮)

 録音時期:2017年12月12-15日
 録音場所:プラハ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)



Nathalia_milstein
(C) Apple Music 検索キーワード:Nathalia Milstein

私の苦手なプロコフィエフとラヴェルの作品集なので、上手いのかどうかは分からないが、心惹かれる演奏である。入手しても損はしないと思われるが、いかんせん、アマゾンJP では値段が高い(¥3,131 / 2018年4月29日現在)


【収録情報】
● プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第4番ハ短調 Op.29 (1917)
● プロコフィエフ:10の小品 Op.12 (1906-13)
● プロコフィエフ:トッカータ Op.11 (1916)
● ラヴェル:クープランの墓 (1914-7)

 ナターリア・ミルステイン(ピアノ)

 録音時期:2016年9月1-3日
 録音場所:ハノーファー、ベートーヴェン・ザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


2018年4月21日 (土)

リスト:巡礼の年 第1年 《スイス》/イリーナ・メジューエワ

Mejoueva

フランツ・リスト
巡礼の年 第1年《スイス》
イリーナ・メジューエワ
2017年セッション録音


メジューエワの《巡礼の年第1年》は《第2年》に続いて、期待外れ。
全体的に粗く、まとまりに欠ける。

第5曲《嵐》は、大音量で聴くと一応迫力あるが、やっぱり粗い。
第6曲《オーベルマンの谷》は、何を言いたいのかわからない。
第8曲《郷愁》は叙情性に欠けると思う。

ただし、第9曲《ジュネーブの鐘》で、挽回していると思うので、星2つ。
↑最初からこう弾けば良かったのにね^^

2018年4月 3日 (火)

(C) Apple Music にて試聴 『ニュー・ステージ〜リスト&ショパンを弾く』 小林愛実

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Kobayashi__2
(C) Apple Music 検索キーワード:小林愛実

なんだか、愛実ちゃんは子供の頃と比べてあまり成長・深化していないように聴こえる。癖が修正されていない。
ショパン:ソナタ2番は良くない。
リストの「ペトラルカ」は粗く詩情を伝えず「ダンテ・ソナタ」も粗く、まとまりに欠ける。表現力不足か。
しかし、以上はすべて「好み」の問題でしょう。

期待はずれ。私はこれを買わない。


【収録情報】
●ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 op.35
●リスト:ペトラルカのソネット第47番、第104番、第123番(巡礼の年 第2年『イタリア』 S.161より)
●リスト:ダンテを読んで - ソナタ風幻想曲(巡礼の年 第2年『イタリア』 S.161より)
●リスト:愛の夢 第3番変イ長調 S.541

 小林愛実(ピアノ)

 録音時期:2017年8月17-19日
 録音場所:ボストン、WGBH Fraser Performance Studio
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


なお、この商品は輸入盤が安い。2018年4月3日現在¥1,524。

2018年1月25日 (木)

Irina Mejoueva plays Bösendorfer

Mejoueva

Irina Mejoueva plays Bösendorfer
2017年セッション録音


私の評価:このアルバムは音響的に成功している:Stars5


【前書き】

<---引用ここから--->
ベーゼンドルファーなどのヨーロッパの名門メーカーは、ピアノをチェンバロの発展形として、音響的に残響豊かな宮廷で使用する前提でピアノを造っていた。これに対しスタインウェイは、産業革命により豊かになったアメリカ市民が利用していた、数千人を収用できる音響的に貧弱な多目的ホールでの使用を念頭においていた。そのために、今では常識となっている音響工学を設計に初めて取り入れた。結果、スタインウェイは構造にいくつか特色がある。(ウィキペディア、スタインウェイ・アンド・サンズの項より)
<---引用ここまで--->

【本文】

『ベーゼンドルファーはチェンバロの発展形(上記参照)』。筆者が思うにベーゼンドルファーは、或る意味、打楽器的ではない(!)。そして、1000人収容のコンサートホールにおいて「ベーゼンドルファー・インペリアル」で「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲《皇帝》」を弾くときなどは、ピアニストには、バックハウス並みの豪快さ、名人芸的技巧が要求されるだろう。

さて、同アルバムにて、メジューエワが弾いているのは「ベーゼンドルファー モデル 290 インペリアル(97鍵)」ではなく「ベーゼンドルファー モデル 275(1991年頃製造、92鍵)」だ。だが、後者の低音の迫力は前者に劣らぬ。されば、その音を如何に録音するか? (ベーゼンドルファーという楽器は録音が難しい楽器・・・らしい)

昔、私の知り合いの或る学者さんが(=チェンバロのエキスパートさんが)

>>チェンバロは、その胴体の中に、頭を突っ込んで聴くと一番良い音が聴ける

と冗談を仰ってましたが「ベーゼンドルファー」もまた《胴体の中に、頭を突っ込んで》=《オンマイクで》録音するのが良いか? はたまた、その響きをやや遠方から拾えば良いのか? 


その難題を、同アルバムは解決していると思う。すなわち:


1.同録音の「特徴」は、ベーゼンドルファーの「特徴」であるところの《こもった音》・・・その《こもった音》の《うなり》が良く録れていること。それは、楽器とマイクとの距離が適度であることを物語っていると思う。

2.他方、メジューエワの怪演・・・その怪演の際、その《こもった音》の中、彼女の打鍵がノイズなく聴ける。

上記、1.2を快く聴かせる音盤を私は他に知らない。

という訳で・・・たまにこういう演奏・録音を聴かせるメジューエワ・・・彼女からは目を離せない(!)。

「うなり」についてはウィキペディア参照のこと。

【参考】 私のオーディオ環境:TANNOY Stirling HW, LUXMAN L-560, marantz sa-11s1


【収録情報】

イリーナ・メジューエワ・プレイズ・ベーゼンドルファー〜ベートーヴェン:テンペスト、ワーグナー/リスト編:イゾルデの愛の死、ドビュッシー:沈める寺、他

● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 op.31-2『テンペスト』
● シューベルト:即興曲 変イ長調 op.142-2
● シューベルト/リスト編:連祷
● リスト:エステ荘の噴水
● ワーグナー/リスト編:イゾルデの愛の死
● ドビュッシー:沈める寺
● ラフマニノフ:プレリュード op.32-12

 イリーナ・メジューエワ(ピアノ/ベーゼンドルファー Model 275)

 録音時期:2017年4月23日
 録音場所:神奈川県、相模湖交流センター
 録音方式:ステレオ(デジタル96kHz-24Bit/セッション)

(HMV.co.jp より)

2017年12月13日 (水)

リスト:巡礼の年 第2年 《イタリア》 《ヴェネツィアとナポリ》/イリーナ・メジューエワ

Mejoueva

フランツ・リスト:
巡礼の年 第2年 《イタリア》 《ヴェネツィアとナポリ》
イリーナ・メジューエワ
2017年録音


私の評価:失敗作。単調:Stars2


フランツ・リストの巡礼の年 第2年 《イタリア》 は、ラファエロ、ミケランジェロ、ペトラルカ、ダンテなどの芸術・文学作品にインスパイアされた作品集。
しかし、メジューエワは、彼女の技巧・タッチを生かしながらも(←「ダンテを読んで」「補遺」)
力づくで弾いている・・・ように聞こえる。
上記、芸術・文学作品のイメージが湧いてこない。
これはオススメしない。

追伸)第1曲「婚礼」の冒頭を聴いたときは、良い演奏だと思ったのだが・・・・。


【譜例】

Sposalizio_1
「婚礼」の冒頭(midi


Dante_sonata_1
「ダンテを読んで」 序奏(midi


Liszt_dante_sonata_2
「ダンテを読んで」 第1主題(midi


Dante_sonata_3
「ダンテを読んで」 第2主題(旋律と和音のみ。midi

2017年9月 4日 (月)

イリーナ・メジューエワのフランツ・リスト作曲《巡礼の年 第3年》&《聖ドロテア》

Liszt

フランツ・リスト作曲《巡礼の年 第3年》&《聖ドロテア》
イリーナ・メジューエワ
2017年録音


【収録情報】
リスト:
● 『巡礼の年』第3年 S.163(全7曲)
● 聖ドロテア S.187

 イリーナ・メジューエワ(ピアノ)

 録音時期:2017年4月8,9日
 録音場所:富山県魚津市、新川文化ホール
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)

(HMV.co.jp より)


私は、フランツ・リストの《巡礼の年 第3年》は苦手だったが、このアルバムを聴いてその全体像が初めて分かったような気がする。この演奏は、いかにもメジューエワらしく旋律優先・・・そして不安定な和声も効果的に聞こえる。彼女は楽想が変化するとき「間」を入れる(第1曲)←「それはやり過ぎではないか」と思われるリスナーもあると思うが、その「間」のお陰で私には楽曲の流れが見えた(!)。他方、激しくデモーニッシュな《技巧》も十分(第2曲)。

そもそも、このアルバムはメジューエワの最盛期を表すというより、瑞々しさを表す。そして、このアルバムは彼女の《技巧》よりも、リスナーの聴覚を捕らえる《自然な表現力》と《自由な解釈》が魅力なので「リストはかくあるべし」という先入観なしに聴くのが良いと思う。とは言うものの過去にフランツ・リストを超名演した巨匠たち(ホロヴィッツ、アルゲリッチ)の演奏に比べれば半歩譲るという意味で、このアルバムに対する私の評価は、辛いが星4.5。
でも気に入った^^

【ライナノートより】
「…低音のふとい和音から、こまかく繊細なパッセージまで、しっかりピアノを響かせ、鳴らしきっている。その歩みは作曲家の孤独な後姿さえ髣髴とさせる。とくに第6曲の後半、trionfare(勝利を告げるように)の神々しい昂揚感は圧巻だ。それはリストその人の苦悩と偉大を結晶化したかのような音楽だ」 國重 裕

上記は的を射ている。

2016年10月 8日 (土)

Sophie Pacini plays Beethoven and Liszt Solo Piano

Pacini

Sophie Pacini
Beethoven / Liszt
2016年3月録音
Piano: Steinway
Warner Calssics

Ludwig van Beethoven 1770-1827
Sonata No. 21 in C Major, Op. 53 "Waldstein"
01 I. Allegro con brio [11.04]
02 II. Introduzione. Adagio molto [4.05]
03 III. Rondo: Allegretto moderato - Prestissimo [9.53]

Franz Liszt 1811-1886
Consolations, S172
04 I. Andante con Moto - [1.37]
05 II. Un poco piú mosso [3.56]
06 Ouvertüre zu Tannhäuser von Richard Wagner, S442 [16.34]
07 Réminiscences de Don Juan, S418 [17.07]
08 Liebestraum No.3 in A-flat Major, S541/3 [5.03]
09 Hungarian Rhapsody No. 6 in D-flat Major, S244/6 [7.18]

Total Time [76.40]

・・・

【収録情報】
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調 Op.53『ワルトシュタイン』
● リスト:コンソレーション第1番 S.172-1
● リスト:コンソレーション第2番 S.172-2
● リスト:ワーグナーの歌劇『タンホイザー』序曲によるコンサート用パラフレーズ
● リスト: 『ドン・ジョヴァンニ』の回想
● リスト:『愛の夢』第3番
● リスト:ハンガリー狂詩曲第6番

 ソフィー・パチーニ(ピアノ)

 録音時期:2016年3月21-24日
 録音場所:ブレーメン放送ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)

・・・

私はこの人(ソフィー・パチーニ)を客観的に評価することができない。なぜなら、私は、この人を、ひいきし過ぎているからである。
彼女が過去に世に出したアルバムは三つある。一つ目はモーツァルトとシューマン(2011年録音、ONYX)だが、私は、それをほとんど聴いてない。二つ目は、シューマンとリスト:ロ短調ソナタ(2012年録音、Avi Music)←「(このアルバムのリスト:ロ短調ソナタは)ミハエル・シューマッハのように前のクルマをスイスイと追い越すテクニックと冷静さを持っていると思う」。三つ目は、ショパン:ピアノ独奏曲集(2013年録音、Avi Music)であるが、これは、バラード4番は良かったが、幻想ポロネーズは悪かった。

さて、今回のパチーニの「ベートーヴェン:ワルトシュタイン&リスト:ピアノ独奏曲集(2016年録音、Warner Calssics)」。←HMV のページに「ソフィー・パチーニ、ワーナー・クラシックス専属契約第1弾!」と書いてある・・・つまり、このアルバムは、パチーニの、おそらく「ONYX」「Avi Music」から「ワーナー・クラシックス」への移籍&メジャー・デビューなのだろう。

● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調 Op.53『ワルトシュタイン』について
アリス=紗良・オットが、「ピアノ・ソナタ第21番『ワルトシュタイン』ハ長調、第3番 ハ長調、アンダンテ・ファヴォリ」において、ベートーヴェンの2曲のハ長調ソナタを選曲し、そして、「『アンダンテ・ファヴォリ』はもともと『ワルトシュタイン』の第2楽章として作曲された作品…(HMV.co.jp の商品説明より)というコンセプトのうちに、そのアルバムをまとめたのは、立派だった。

アリス=紗良・オット(1988年8月1日生まれ)と、パチーニ(1991年12月12日生まれ)は、歳の差、約3年4ヶ月・・・あ〜、二人とも若い(2016年10月現在、前者が28才。後者が24才)。「ワルトシュタイン」録音時の年齢は、前者が22才の時、後者が24才(若い!)。この二人のそれぞれの「ワルトシュタイン」において、24才の時のパチーニの演奏が強烈(パチーニの第1楽章コーダ、9分56秒、デカい音がする)、且つ、粗いのに対し、22才の時のアリス・紗良・オットの演奏は「大人」だと思う。

アリス・紗良・オットとソフィー・パチーニの「ワルトシュタイン」は似てる。紗良・オットより、パチーニの「ワルトシュタイン」は、確かに、粗い。しかし、どちらも、基本的にドイツ人の演奏だ。すなわち「ワルトシュタイン」という曲はいかにもベートーヴェンらしいしつこさがあるが、この二人はそれを生かしている。ただし、パチーニの方はやや南国的な奔放も聞こえ、パチーニの「ワルトシュタイン」は、上記とは矛盾するが・・・壊れている。その点、紗良・オットの「ワルトシュタイン」のほうが上(!)

※ 例によって、この二人ともこのソナタの第3楽章のコーダ、第464小節にて「オシア」を鮮やかに弾いてる(下記)。

● 「リスト:ピアノ独奏曲集」について
パチーニのリスト独奏曲集も、全体的に粗い。その中で「ワーグナー/リスト編『タンホイザー』序曲」は、最高の演奏だろう。それは、グールドの「ベートーヴェン/リスト編:交響曲第5番」に比較しても負けない・・・否、やっぱり、グールドのほうがうまい! グールドのほうが格が上!・・・「パチーニがグールドに負けない」というのは、パチーニを過大評価!←パチーニには迷惑!←あらら〜、ひいきのひきだおしだ(汗;;

Beethoven_op_53_2_01_02_2
第464小節(midi)とオシア(もう一つの弾き方。midi

・・・

【Apple Music】

Pacini_02_2
(C) Apple Music 検索キーワード:Beethoven Sophie Pacini
【注】 残念ながら、トラック10(Consolations, S172/3)は、私が購入したCDには、何故か入っていない。

・・・

追記)それにしても、このパチーニのニュー・アルバムは豪快で激しい!

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