2016年7月14日 (木)

レイチェル・バートン・パインの「ヨアヒム&ブラームス:ヴァイオリン協奏曲」

Pine

Joseph Joachim and Johannes Brahms
Violin Concertos
Rachel Barton Pine, violin
Carlos Kalmar, conductor
Chicago Symphony Orchestra
Recorded: July 2 & 3, 2002 in Orchestra Hall, Chicago
Violin: “ex-Soldat” Guarneri del Gesu, Cremona, 1742
CEDILLE

・・・

[CD 1]

Joseph Joachim (1831-1907)
Violin Concerto No. 2 in D minor, Op. 11 “In the Hungarian Style” (1857) (47:15)
1. I. Allegro un poco maestoso (26:36)
2. II. Romanze: Andante (9:29)
3. III. Finale alla Zingara: Allegro con spirito (11:00)

[CD 2]

Johannes Brahms (1833-1897)
Violin Concerto in D major, Op. 77 (1878) (43:20)
1. I. Allegro non troppo (24:36)
2. Cadenza by Joseph Joachim - end of first movement (5:25)
3. II. Adagio (10:16)
4. III. Allegro giocoso, ma non troppo vivace (8:20)

5. Bonus Track: Cadenza by Rachel Barton Pine - end of first movement (6:18)

Total Time: 97:15

・・・

私の評価:このアルバムは、企画も演奏も良いし、聴き応えもあるが、万人にすすめられるものではないので、星4.5。

・・・

- ヨーゼフ・ヨアヒム:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ニ短調 作品11《ハンガリー風》
《ハンガリー風》←ヨアヒムはハンガリー出身。技巧的(第3楽章)。饒舌か(第3楽章)。そして、確かに長い。ロマン的。美しい。いかにも、ヴァイオリニストの作品らしく、当然ながらヴァイオリン・ソロが自然(オーケストレーションも特に悪くない)。
ヨアヒムの(やや長くて技巧的な)カデンツァに「ベートーヴェン:Vn 協奏曲」の第1楽章第1主題に似た旋律が聞こえる。
他方、この作品が、1857年に書かれたとすれば、この作品は、むしろ、1878年に書かれた、ブラームスやチャイコフスキーの Vn 協奏曲のお手本になったかも知れない。
レイチェル・バートン・パインの演奏は、この協奏曲の性格を上手く捕まえており、名演・・・気に入った。
レイチェル・バートンというヴァイオリニストは、このヨアヒムの、自己顕示が強い作品を通して、彼女の自己主張の強さを表わしているような気がする。彼女のバッハ:《無伴奏》は、テンション控えめに聞こえたが、このヨアヒムにおいて、彼女は技巧をひけらかしているようだ(第3楽章)。
なお、英語版ウィキペディアによると、この作品は、めったに演奏されない、とある(面白い曲なのでもっと演奏されても良いと、私は思う)。また、英語版ウィキには「This is a very long work (with a playing time over 45 minutes) and thus is a very difficult piece for the soloist. Practicing it has been likened by the violinist Rachel Barton Pine to "training to run a marathon". この作品は非常に長く(演奏時間:45分以上)、演奏するのが非常に難しい作品。レイチェル・バートン・パインは、この作品を練習することを、マラソンを走るためのトレーニングに例えている」とある。

- ヨハネス・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
レイチェル・バートンは(「ヨアヒム:Vn 協奏曲」をよく歌っているが)ブラームスは、もっとよく歌っている・・・もしかしたら、レイチェルのブラームスは、それに尽きるかも知れない(!)
カデンツァは、ヨアヒムによるものとレイチェル・バートンによるものと、二つ録音されてある(後者が意外に良いので驚いた!)
第1楽章は、ゆったりした遅いテンポ。指揮者が上手い。レイチェル・バートンも、おおらかな演奏で応えている。彼女は第1楽章の第2主題以降をよく歌っている。第1楽章の展開部・再現部も技巧的、且つ、よく歌う。カデンツァも、技巧が生きており、全然悪くない。カデンツァの後も、懲りずに歌っている。
第2、3楽章については、特につけ加えることはない、あるいは、ノーコメント。

この商品は、私の嗜好に合う。だが「ブラームス:Vn 協奏曲」にクセがあり、恣意的だと思う人もあるかも知れない。

2016年6月25日 (土)

【Apple Music】 レイチェル・バートン・パイン(Rachel Barton Pine)のアルバムを複数試聴/毎度、例によって、Apple Music は、CD購入費の節約になる!

・モーツァルト:Vn 協奏曲全曲&協奏交響曲 K.364
全曲を丹念に聴いた訳ではないが、いまいち、魅力なかった。買わない。

※ただし、私はいま、モーツァルトという作曲家の作品を聴きたいという気持ちをまったくと言っていいほど失っている。

・クレメント&ベートーヴェン:Vn 協奏曲
特に魅力なし。買わない。

・ヨアヒム&ブラームス:Vn 協奏曲
これは、面白そう。買うことにした。

※毎度、例によって、Apple Music は、CD購入費の節約になる!


Pine
(C) Apple Music
検索キーワード:Rachel Barton Pine

2016年6月13日 (月)

Janine Jansen plays Brahms and Bartok: Violin Concertos

Jansen

Brahms / Bartok: Violin Concertos
Janine Jansen

Brahms: Violin Concerto Op.77
Bartok: Violin Concerto No.1†
Janine Jansen, violin
Orchestra dell’Accademia Nazionale di Santa Cecilia
London Symphony Orchestra†
Antonio Pappano, conductor
Janine Jansen currently plays the very fine 1727 "Baron Deurbroucq" Stradivarius kindly loaned to her through Beare's International Violin Society
2014/15年録音
DECCA

・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 Op.77(第1楽章)について
私は、ブラームスは好きではない。ブラームス(1833 - 1897)は、ブルックナー(1824 - 1896)より年下なのに、ブルックナーの革新に対して(例外もあろうが)古臭い音楽を書いたのが、私は気に入らない。しかし、私は、ブラームスの作品中、「交響曲第2番(1877)」と、この「ヴァイオリン協奏曲(1878)」だけは、好きだ(どちらも、ニ長調。しかも、同時期に書かれている)。

ウィキペディアによると「(第1楽章 Allegro non troppo は)オーケストラによる第2主題の提示がないまま弦楽器群がマズルカ風のリズム(ブログ開設者より:フォルテの部分だろう)を力強く奏すとコデッタとなり流れるように下降して、そのまま第2提示部へ入る。」「オーケストラによる提示部で披露された動機が回想されるうちに独奏ヴァイオリンが優美な第2主題を奏でる。」「展開部はオーケストラのトゥッティによる第1主題で始まり、これまでに登場した動機を次々に活用し、入念に変形・組み合わせしてブラームスの美質を存分に味わえる。」とあるように、ブラームスの「Op.77」の第1楽章は、第1、2主題以外に、副主題(あるいは、副主題的動機)が、いくつもあるように聞こえるし、パッセージも次々に湧く。また、第1楽章のアインガングが、短調であることは、ベートーヴェンの Vn 協奏曲と異なる(ヤンセンは力強い)。「Op.77」の第1楽章は、入り組んでいるが、長調と短調が巧みにつなぎ合わされている。そして、ヤンセンが巧いのは、ブラームスの、この、やや複雑な作曲技法を「1727 "Baron deurbroucq" Stradivarius」の奇麗な音で「解決」したことだろう。それは心憎い。

ヤンセンは、アントニオ・パッパーノの、少し退屈な、しかし、いい意味で抑制された指揮・サポート・協力・(変な言い方だが伴奏?)のもとに、この作品の面白さ、さらに言えば「クラシック音楽の面白さ」を聞かせる。それを聴くと「しあわせだなあ」と思わせられる。「この作品を聴いたシベリウスは、その交響的な響きに衝撃を受け、自作のヴァイオリン協奏曲を全面的に改訂するきっかけとなった。構成、各主題の性格などベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の影響が強い(ウィキペディアより)」・・・ブラームスの「Op.77」は、シベリウスをビビらせた。また「Op.77」は、ベートーヴェンの Vn 協奏曲の影響が強いが、巨匠ヨアヒムのサポートを得たことで、ベートーヴェンの Vn 協奏曲の「『技巧』の貧弱さ」に対して「超絶技巧を要求する難曲である」「(第1楽章展開部の)独奏ヴァイオリンには9度、10度という幅広い音程での重音奏法が要求されている(ウィキペディアより)」

カデンツァは、ヨアヒムのものを弾いているが、これまた、ばっちり。ヤンセンが弾くヨアヒムのカデンツァは、ブラームスの作曲技法の充実にマッチしている。快い。

私は、シュタインバッハーのなまめかしい演奏(Op.77)が、好きだった。ヤンセンも、このブラームスにおいて、一応、なまめかしく歌っていると言っていいだろう。しかし、ヤンセンのアプローチはコントロールされているので、そのなまめかしさが、これまた快い。

・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(第2、3楽章)について(以下、文字数節約モード)
第1楽章同様、弾き損ないを怖れないヤンセンの自信の現れ(第2楽章)と、これまた自信たっぷりの「切れ」があると思う(第3楽章)。

・バルトーク:ヴァイオリン協奏曲 第1番 について
この曲は、イザベル・ファウスト、シュタインバッハーのを持っているが、あまり聴いてない。ヤンセンのバルトーク:Vn 協奏曲 第1番をゲットしたのを機に聴いてみようかな。

2016年3月16日 (水)

Love in Variations / Ragna Schirmer plays Works of Robert and Clara Schumann and Johannes Brahms

Schirmer

ラグナ・シルマー/愛の変奏曲〜ローベルト&クラーラ(クララ)・シューマン、ブラームス

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【収録情報】

● クラーラ・シューマン(1819 - 1896):ロマンス変奏曲 Op.3(1833年)
● ローベルト・シューマン(1810 - 1856):クラーラ・ヴィークの主題による10の即興曲 Op.5(1832-33年)
● クラーラ・シューマン:ローベルト・シューマンの主題による変奏曲 Op.20(1853年)
● ブラームス(1833 - 1897):ローベルト・シューマンの主題による変奏曲 Op.9(1854年)

 ラグナ・シルマー Ragna Schirmer(ピアノ)

 録音時期:2015年
 録音方式:セッション録音
 使用楽器:ブリュートナー(Julius Blüthner, Leipzig 1856)
 レーベル:Berlin Classics

--

1856年製のブリュートナー(Julius Blüthner, Leipzig 1856)で弾かれたこのアルバムは、例によって、ラグナ・シルマー(Ragna Schirmer)のこだわりが聞かれる。そのこだわりは、彼女の一人の女性としてのクラーラ・シューマンに対する思い入れかも知れない。

・このアルバムに収められた4つの作品について

クラーラの「作品3」は彼女が13才の時(1833年)に出版され、
ローベルト・シューマンの「作品5」は、その前後、あるいは、その直後(1832-33年)に作曲され、
クラーラの「作品20」は1853年に、
ブラームスの「作品9」は、その翌年(1854年)に書かれた(ブックレットより。ただし私は語学力に自信ないので間違っているかも知れない)。

クラーラ、ローベルト、ブラームス3人の《ヴィルトゥオーゾ(ザ)》の愛と青春の《メッセージ(=作品)》は、いずれも技巧的でチャーミングであり、それらを演奏するヴィルトゥオーザ:ラグナ・シルマーの分かりやすいパフォーマンスを聴くと、それは、インティメート、家庭的なだけでなく、《3人の作曲家兼ピアニスト》のプライバシーを覗き込むことができるような気がする。

ちなみに、クラーラの「作品3」とローベルトの「作品5」の主題は同一であり(←その主題は、もともと、ローベルト・シューマンが書いたものによる)、さらに、クラーラの「作品20」とブラームスの「作品9」の主題も同一である。すなわち、このアルバムに収められた作品は、2つの主題に基づく4つの変奏曲からなる(すなわち、クラーラの2つの作品に対する、ローベルトとブラームスの「応答」からなる)。

それらの作品たちは「変奏曲」という論理的・技巧的性格を持つ作品たちだが(ラグナ・シルマーもそれを自覚しているようだ)、繰り返すが、ラグナ・シルマーの、技巧あり、また、緊張感あるが、聴き易くて分かりやすく、しかも、熱いパフォーマンスは、文字通り愛し合う男女のラブソング(あるいは、ラブレター)に聞こえ、理屈抜きに楽しめる。

【Apple Music で試聴できます】

検索キーワード:Ragna Schirmer

Schirmer_2
(C) Apple Music

2016年1月31日 (日)

【Apple Music】 検索キーワード:Anna Fedorova イレギュラなショパン。気に入りました…が、コレは Apple Music にて試聴するだけで、私は満足/検索キーワード:Sophie-Mayuko Vetter コノ人のブラームスは、おそらくうまいと思うのだが、私は、ブラームス嫌い!

Anna_fedorova
(C) Apple Music

【Apple Music】 検索キーワード:Anna Fedorova

イレギュラなショパン。コレは私の気に入りました…が、私は、この CD を購入することなく、コレを Apple Music にて試聴するだけで、満足してしまった…よって、私は、コレ買わない。

==========

Sophiemayuko_vetter
(C) Apple Music

【Apple Music】 検索キーワード:Sophie-Mayuko Vetter

コノ人のブラームスは、おそらくうまいと思うのだが、はっきり言って、私は、ブラームス嫌い…だから買わない…コノ人にはブラームス以外を録音して欲しい。


2013年5月16日 (木)

シュタインバッハーの「ブラームス:ヴァイオリン協奏曲」

Steinbacher

Brahms
Violin Concerto D-Major op. 77 (42'35)
Arabella Steinbacher, violin
Wiener Symphoniker
Fabio Luisi, conductor

Schumann
Symphony No. 4 D-Minor op. 120 (29'54)
Wiener Symphoniker
Fabio Luisi, conductor

Live Recording 2007

シューマンについては、ノーコメント。

ブラームスについては期待どおり良かった。

私はブラームスが嫌いだ。ただし、交響曲第2番は好き。そして彼の Vn 協奏曲は嫌いではない。

この CD を買って初めて、ブラームスの Vn 協奏曲の構造を、ウィキペディアで調べてみたが、その(ウィキペディアに書いてある)内容を読みながら、シュタインバッハー&ルイジの演奏を聴くと、2人の演奏は、若干つめが甘く聞こえた。たとえば「オーケストラによる第2主題の提示がないまま(中略)第2提示部へ入る」 <---ココのオケによる提示部から、ヴァイオリンの長いアインガングは緊張感・高揚感・迫力が足りないような気がする。しかし、このライヴ録音において、2人が、ガチガチに形式的に演奏すると良くないかも知れない・・・。
すなわち、シュタインバッハー&ルイジは形式より流れを重んじたのかも・・・この演奏はライヴ録音であるので流れがよい。
そして「作品の形式」が複雑な割には、聞きやすい演奏。

あと、思いつくまま、この演奏の印象を羅列する・・・。

まず、他人のレビューから引用させて頂く・・・
「のびやかなフレージングと温かみを失わない音色で情感豊かに弾き上げており、音楽がギスギスしたり、縮こまったりしていないのがよい(Berg: Violin Concerto Steinbacher Deadman returns さん HMV より)」

ノーブル。呼吸がうまい。力の抜き方がうまい。雄弁というより流麗(つまり多彩な楽想が自然体に展開する)。そしてなにより、シュタインバッハーの美音とボーイングに酔わされた。

【2016−5−3 追加】

アラベラ・シュタインバッハーが「ブラームスの協奏曲」で聞かせた、人を酔わせるボーイング(特に展開部、トラック1の12分46秒あたり)が、私のお気に入り

2011年6月21日 (火)

スクリデのブラームス:ヴァイオリン協奏曲

Skride

ヴァイオリン協奏曲、ハンガリー舞曲全曲(ヴァイオリンとピアノ版)
スクリデ、オラモ&ストックホルム・フィル、L.スクリデ(2CD)
Recorded at: Stockholm Concert Hall,
Live 29. Januar 2009 (Violinkonzert)
7. - 9. November 2010 August - Everding - Saal, Grünwald (Ungarische Tänze)

私が買った時は、英国アマゾンにて、税抜 7. 49 ポンドだった(いまは値上げしている)。安かったので購入。

これは企画がいいので、ブラームスが好きな人で、スクリデが好きな人におすすめ。

ブラームスの第3楽章とブルッフの第3楽章が同じメロディーに聞こえる私、ブラームスが嫌いな私は楽しめなかった。

【Amazon.co.jp へのリンク】
Brahms: Violin Concerto / Hungarian Dances Baiba Skride, Lauma Skride, Sakari Oramo, Royal Stockholm Philharmonic Orchestra

2008年11月22日 (土)

ヒラリー・ハーンを追っかける(6)


Photo_3




Johannes Brahms
Concerto in D Major for Violin and Orchestra, Op.77

I. Allegro non troppo 23:14
II. Adagio 9:31
III. Allegro giocoso, ma non troppo vivace 7:41

Igor Stravinsky
Concerto in D for Violin and Orchestra

I. Toccata 4:51
II. Aria I 4:27
III. Aria II 6:07
IV. Capriccio 5:31

Hilary Hahn, violin
Academy of St. Martin-in-the-Fields, conducted by Sir Neville Marriner
2001年録音
SONY

ヒラリー・ハーンという人は本当につかみどころのない人だ。

デビュー第4作に当たるこのブラームス&ストラヴィンスキーで、こけた ... と、思っていたのだが、久しぶりに聴いてみたら、良かった。

この人は、三大 Vn 協奏曲の一つと言われるブラームスの Vn 協奏曲に、あまり敬意を払ってない ... というか ... この演奏は新しい。ブラームス的に弾いてないと思う。私にとってブラームスと言えば、Pf 協奏曲第2番のように、交響曲のような協奏曲を書いた人というイメージがある。したがって、この作品77も、交響曲的スケールを目指さなければならないと思っていた。しかし、そうではなかった。すなわち、ハーンは前作のバーバーやメイヤーと同じようにブラームスを弾いているという気がする。つまり、普通の協奏曲として弾いている。考えてみれば、それでいいのだ。よく聞いてみたらこの作品は普通の協奏曲だった。といっても、ハーンがまったく、普通に弾いてるかというと、そうではなく、かなり、自己主張している(あたかもブラームスはかく演奏されるべしというハーンの自己主張)。にもかかわらず、彼女が何が言いたいのかわかるまで時間がかかるのは、なぜかと言うと、演奏が徹底的にクールだからだ。

ストラヴィンスキーにしても、まったく同じことが言える。これも普通の協奏曲のように弾いている。あたかも、ストラヴィンスキーを難しく弾いたり、聞いたりするのは間違いだとハーンは言ってるかようだ。
やすやすと弾いてるし、さらに言えばあたかも「ストラヴィンスキーは迎合的な人だったから迎合的に弾くのが正しい」と主張しているかように聞こえる。

ハーンはすごい。生意気かつ恐るべき天才だと思った。脱帽。

このアルバムにおいて、あまり自己主張しないマリナーと組んだのもうまいと思う。

最初に書いておかなければならなかったが、私はブラームスという作曲家は好きではない。だから、クールでもホットでも、実はどっちでもよい。

ストラヴィンスキーの Concerto in D についても、私はいままで、あまり聴いたことがなかったので、よくわからない作品だったし、気に入った演奏というものはなかった。しかし、ハーンの演奏は気に入ってしまったし、作品の意味もわかったような気にさせられた。

さらに書けば、ブラームスについては、ユリア・フィッシャーの一生懸命な演奏が気に入っていたが、いまは逆転した。

2008年1月18日 (金)

ブラームス:2大変奏曲/藤原由紀乃

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ヨハネス・ブラームス作曲
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 作品24
パガニーニの主題による変奏曲 作品35 全2巻
藤原由紀乃(ピアノ)

2005年12月21-23日、埼玉、田園ホール・エローラでの録音。

1986年、ロン・ティボー・コンクールで1位になった技巧の持ち主が、ベーゼンドルファー・インペリアルを弾いて、超絶技巧の人気曲「ブラームス:2大変奏曲」を演奏したということで、期待して購入した。確かに、演奏は技巧・解釈ともに文句なしであり楽しめる。また「藤原由紀乃は、ベーゼンドルファー・インペリアルがマッチするピアニストだ」と認識した。

しかし、録音が悪い。彼女は自らレコーディングプロデュースしている。彼女はベーゼンドルファー・インペリアルの響きを、ホールトーンで生かしたつもりだろうが、音が鮮明でなく、とても聴きづらい。この録音は、よほど良い条件のオーディオ装置でないと、良い音で聴けないだろう。逆から言えば、良いオーディオ装置であれば、素晴らしい音が聴けるかも知れない。しかし万人がそんな環境を持っているわけではない。

繰り返すが演奏は楽しめる。
したがって
演奏は★★★★★
録音は★★★☆☆

【Amazon.co.jpへのリンク】
ブラームス:2大変奏曲/藤原由紀乃

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