2017年6月12日 (月)

キアロスクーロ弦楽四重奏団の『ハイドン:太陽四重奏曲 第1集(第1〜3番)』 Hybrid SACD

Haydn

キアロスクーロ弦楽四重奏団の『ハイドン:太陽四重奏曲 第1集(第1〜3番)』 Hybrid SACD

【収録情報】
ハイドン:
● 弦楽四重奏曲第31番変ホ長調 Op.20-1
● 弦楽四重奏曲第32番ハ長調 Op.20-2
● 弦楽四重奏曲第33番ト短調 Op.20-3

 キアロスクーロ四重奏団
  アリーナ・イブラギモヴァ(第1ヴァイオリン)
  パブロ・エルナン・ベネディ(第2ヴァイオリン)
  エミリー・ヘルンルンド(ヴィオラ)
  クレア・ティリオン(チェロ)

 録音時期:2014年2月
 録音場所:ブレーメン、センデザール
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND

(HMV.co.jp より)


ハイドンのソナタ形式は、モーツァルトに比べて難しいので、譜例を書きました。ただし、第1楽章の第2主題のみ(下記)

・第1番 第1楽章 第2主題(midi

Haydn_sun_quartet_1_1_2


・第2番 第1楽章 第2主題(midi

Haydn_sun_quartet_2_1_2


・第3番 第1楽章 第2主題(midi

Haydn_sun_quartet_3_1_2


ついでに、このアルバムには入ってないが、

・第5番 第1楽章 第2主題(midi

Haydn_sun_quartet_5_1_2


・第6番 第1楽章 第2主題(midi

Haydn_sun_quartet_6_1_2_2


ところが、せっかく譜例を書いたのだが・・・

キアロスクーロQのハイドン:太陽第1集、私の評価:Stars1


アリーナ・イブラギモヴァ率いるキアロスクーロ(Chiaroscuro、明暗法)という難しい名前を持った弦楽四重奏団によるフランツ・ヨーゼフ・ハイドン:太陽(第1〜3番)。
このアルバムを宗教画に例えると、イブラギモヴァにだけ後光がさし、他の奏者は脇役の役さえ与えられていない:悪い意味で明暗がある。
SACD なのに音の醍醐味に乏しい。ヴァイオリンばかり目立つ。特にチェロの音が悪い。
ハイドンのアンサンブルが聴こえない&粗い。
第1楽章は、呈示部だけでなく、展開部・再現部を繰り返しているので、ダラダラした演奏(!)。その他の楽章もダラダラしている。
覇気がない。

オーディオ環境:TANNOY Stirling HW, LUXMAN L-560, marantz sa-7s1


【関連記事】

ハーゲン四重奏団の《太陽四重奏曲》


【2017−6−13 追加】

アマゾン・カスタマーレビューアー Iwayuuiti さんが紹介している「ウルブリヒQの太陽(1970年録音)」を買って「キアロスクーロの太陽」の演奏と比較してみたが、前者はリピートしていないので各楽曲の形式を飲み込みやすい。そして前者は後者に比べてスピーディーであり、もしかしたら疾走している。前者の演奏はむしろ新鮮。後者は演奏に意匠を凝らしたつもりであろうがそれは失敗していると思う。

2017年5月29日 (月)

(C) Apple Music で試聴/キアロスクーロ四重奏団のハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン

Beethoven
(C) Apple Music 検索キーワード:Chiaroscuro Quartet

毎度同じような記事ばかりで面白くないが「ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番『セリオーソ』、モーツァルト:弦楽四重奏曲第16番、アダージョとフーガ キアーロスクーロ・カルテット」

↑こっちは買わない:ベートーヴェンは、私、バルトークQ、ヴェーグQ、ライプチヒQなどいろいろ持っているのにほとんど聴いていない。したがって、新しくベートーヴェンを買うのは勿体ない。そして、最近、私はモーツァルトをほとんど聴かなくなった・・・。


それに対し同四重奏団の《太陽》を Apple Music で試聴してみたところ、これはハーゲンQの《太陽》に(多分)負けず劣らず面白そうだったので・・・
↓こっちは買おう(!)。

Haydn
(C) Apple Music 検索キーワード:Chiaroscuro Quartet

ハイドン:弦楽四重奏曲集 Op.20 第1集 キアロスクーロ四重奏団


ついでにアマゾンへのリンク:ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン

2015年8月 5日 (水)

Apple Music ネタも、そろそろ尽きて/ハーゲン四重奏団の《太陽四重奏曲》

Hagen
(C) Apple Music のウィンドウ

Apple Music にて、Kopatchinskaja の Ustvolskaya が、配信されてあれば「ぜひ聴いて欲しい」と思って検索したが(検索キーワード:Ustvolskaya)、無い(!) くそっ(!)
Kopatchinskaja の Ustvolskaya 「iTunes Store」にはあるのに「Apple Music」にないのは何故(?)

というわけで、ウストヴォーリスカヤの代わりに、(全然関係ないが)ハーゲン四重奏団の《太陽四重奏曲》(←名演、でも、日本では廃盤)を聴いて気を紛らわそう・・・なんて書いたら、ハーゲン四重奏団に失礼か!

・Apple Music 検索のためのキーワード:Haydn Hagen

【関連記事】

ハーゲン四重奏団の《太陽四重奏曲》

【追加】

ところで、Apple Music (iTunes) に「イコライザー」ついてるんですね。知らんかった。

ウィンドウ>イコライザ

Equalizer
(C) Apple Music のウィンドウ

--

【2015−8−5 追加】

・Haydn: Sonnen-Quartette op.20 (2 CDs) Hagen Quartett
なぜか、amazon.co.uk では In stock (ASIN: B00HFC2HKC)

2011年4月29日 (金)

ヴァネッサ・ベネリ(ベネッリ)・モーゼル・デビュー(再掲)

Mosell

プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op. 82 (1939 - 42)
リスト:スペイン狂詩曲 S. 254 (1863)
ハイドン:ピアノ・ソナタ ホ短調 Hob.XVI: 34 (1784)
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op. 6 (1892)
ヴァネッサ・ベネリ(ベネッリ)・モーゼル Vanessa Benelli Mosell(ピアノ)
2008 年録音
BRILLIANT

私は、本当にこの人が、気に入っている。私は、プロコフィエフの第7番ソナタを、いままで何度も聞いたはずだが、さっぱり分からない作品だった。しかし、この人の演奏は聴きやすい。そして、このアルバムの中では、プロコフィエフが一番良いかも知れない。ハイドンは、第3楽章が良い。そして、ハイドンの珍しい曲を教えてくれたことに感謝する(そもそも、ハイドンを取り上げたこと自体、気に入った)。この人の演奏は、ちゃんと指が回っているのか、ちゃんと音をコントロールできているのか、ちゃんと打鍵できているのか、分からない。というのも、録音が悪すぎるからだ。これは、モノラル録音に聞こえる。このアルバムはおそらく彼女が、21 才ぐらいの時の録音だ。これからメジャーレーベルで、まともな録音のアルバムを作って欲しい。

【Amazon. co.jp へのリンク】
Introducing Vanessa Benelli Mosell

【5月21日 追加】
この人は、2006 年、晩年のシュトックハウゼンに招かれて、ドイツで勉強したとある(リーフレットより)。下記は、http://www.vanessabenellimosell.com からリンクされている動画である。

【7月3日 追加】

同上

--

【同じく、上記ホームページから】
Tue 17 May 2011
MusicWeb International - Review

--

【6月10日 追加】
このアルバムをさらに聴き込んでみると、スクリャービンだけは、うまくないと思った。

--

【2015−7−8 訂正】

よく聴いてみると、スクリャービンのソナタ1番も悪くなかった。

2011年4月26日 (火)

ヴァネッサ・ベネリ(ベネッリ)・モーゼル・デビュー

【このエントリーは、ヴァネッサ・ベネリ(ベネッリ)・モーゼル・デビュー(再掲)に続きます】

==

Mosell

プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op. 82 (1939 - 42)
リスト:スペイン狂詩曲 S. 254 (1863)
ハイドン:ピアノ・ソナタ ホ短調 Hob.XVI: 34 (1784)
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op. 6 (1892)
ヴァネッサ・ベネリ(ベネッリ)・モーゼル Vanessa Benelli Mosell(ピアノ)
2008 年録音
BRILLIANT

この人は非常に気に入った。ただし、このアルバムは、録音が悪い。しかし、演奏は、このピアニストのグラマーでセクシーなボディーとまったく同じで、健康的で癖がない。私は、プロコフィエフはよくわからないのでピンとこなかった。リストとハイドンはうまいと思う。特に私が好きなハイドンがうまいし、美人だし、追っかけたくなるピアニストである。イタリア出身。

この人は、まだ若い人なので、今後に期待したい。
それから、録音が悪くないアルバムを作って欲しい。

評価:★★★★☆

http://www.vanessabenellimosell.com

【Amazon. co.jp へのリンク】
Introducing Vanessa Benelli Mosell

Mosell_6
(C) photo by Roberto Masotti

2010年11月26日 (金)

ル・ゲのハイドン・モーツァルト(第2集)

Le_guay

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457(1784) 22' 24
ハイドン:ピアノ・ソナタ第33番ハ短調 XVI:20(1771) 18' 33
モーツァルト:幻想曲ハ短調 K.475(1785) 14' 09
ハイドン:ピアノ・ソナタ第58番ハ長調 XVI:48(1789) 14' 07
クレール=マリ・ル・ゲ(ピアノ)
録音:2006年12月、パリ

モーツァルトの「幻想曲ハ短調 K.475」と「ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457」は連続して演奏されることが多いが、アルフレート・ブレンデルと久元祐子はその二つが連続して演奏されることに否定的な見解を述べていた。ル・ゲの演奏では、ソナタ K.457 が先で、次にハイドンの XVI:20 を入れ、3曲目が幻想曲 K.475 である。この曲順は「幻想曲 K.475」が「ソナタ K.475」の前にないので、「幻想曲 K.475」をじっくり演奏すること(聴くこと)ができて良いと思う(14分9秒)。4曲目(最後)に、第1楽章に少し陰りのあるハイドンの XVI:48 ハ長調を持ってきてるのはうまい。こういう企画・構成(1曲目にいきなりソナタハ短調 K.457 が演奏されるのはかっこいい)は、他の演奏家もどんどんやって欲しい。というか、他の演奏家もやっているが、失敗例が多いような気がする。このアルバムは、モーツァルト:ピアノ・ソナタK.309、K.333、ハイドン:ピアノ・ソナタHob.XVI.46、Hob.XVI.50 クレール=マリ・ル・ゲ(Claire-Marie Le Guay)2008年録音よりずっと気に入った。

2010年11月 8日 (月)

ラグナ・シルマーのハイドン(1)再掲


Haydn1


Haydn
Klavierwerke
Ragna Schirmer, Piano
Recording: 08 / 2001, Rathaussaal, Markkleeberg - Steinway D
Berlin Classics

CD 1
Sonata No. 60 in C major Hob. XVI: 50 (ca. 1794 - 95)
Arietta con Variazioni in E flat major Hob. XVII: 3 (- 1774)
Adagio in F major Hob. XVII: 9 (1786)
Fantasie (Capriccio) in C major Hob. XVII: 4 (1789)
Capriccio in G major on "Acht Sauschneider müssen seyn" Hob. XVII: 1 (1765)

CD 2
Andante con Variazioni in F minor Hob. XVII: 6 (1793)
Sonata No. 33 in C minor Hob. XVI: 20 (1771)
Sonata No. 62 in E flat major Hob. XVI: 52 (1794)

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/1-7e3e.html

久しぶりに聴いてみたら、これは、CD 2 も良い。

2009年12月18日 (金)

ラグナ・シルマーのハイドン(2)


Haydn2


Haydn Revisited
Ragna Schirmer, piano
Recording: 01. - 09. 08. 2007 Franckesche Stiftung, Halle / Saale - Steinway D
Berlin Classics

CD 1 [59' 50]
Sonata No. 50 in D major Hob. XVI: 37
4 Minuets "St Catherine's Day dances" Hob. IX: 11
Variations in G major on "Gott erhalte Franz den Kaiser" Hob. III: 77II
4 Minuets "St Catherine's Day dances" Hob. IX: 11
Sonata No. 59 in E flat major Hob. XVI: 49

CD 2 [48' 35]
Sonata No. 19 in E minor Hob. XVI: 47 bis
6 Variations in C major Hob. XVII: 5
4 Minuets "St Catherine's Day dances" Hob. IX: 11
Andante in G major Hob. XVI: 11II
Allegretto in G minor after a piece for a musical clock Hob. XVII: 10*
Sonata No. 58 in C major Hob. XVI: 48

上記、作品を日本語で書くと、

CD 1
ピアノ・ソナタ 第50番 ニ長調 Hob. XVI: 37
12のメヌエット集から4曲 Hob. IX: 11
弦楽四重奏曲《皇帝》第2楽章による変奏曲
12のメヌエット集から4曲 Hob. IX: 11
ピアノ・ソナタ 第59番 変ホ長調 Hob. XVI: 49

CD 2
ピアノ・ソナタ 第19番 ホ短調 Hob. XVI: 47 bis
6つの変奏曲 Hob. XVII: 5
12のメヌエット集から4曲 Hob. IX: 11
ピアノ・ソナタ 第11番 ト長調からアンダンテ ト短調 Hob. XVI: 11
フルート時計のための作品によるアレグレット Hob. XVII: 10*
ピアノ・ソナタ 第58番 ハ長調 Hob. XVI: 48

"For Your Grace for ever" - or: Who did Haydn compose his keyboard works for? と題されたライナーノートに、このアルバムに収められたピアノ・ソナタ4曲のうち3曲が女性のために書かれたとある("For Your Grace for ever(閣下夫人様へ、永遠に)"は、ピアノ・ソナタ 第59番 変ホ長調 Hob. XVI: 49 に添えられた献辞)。18世紀のクラヴィーア音楽は、女性たちに愛好され弾かれたということも書いてある。このアルバムのコンセプトは、そのような音楽史的背景に基づくということだろう。それを読むと、このアルバムは面白そうに思えるが、実際に聴いてみるとあまり面白くない(つまり、ライナーノートの記述と演奏が合ってない)。

「12のメヌエット集 Hob. IX: 11」が、接着剤のように作品群をつなぎ合わせているのはうまくいっていると思う【注1】。しかし、肝心のソナタが巧くないと思う。シルマーはやはりヴィルトゥオージティを発揮する作品が似合うような気がする。CD 1 の1曲目「ピアノ・ソナタ 第50番 ニ長調 Hob. XVI: 37」は、ウィーンの人気ピアノ・デュオ、マリアンナおよびカタリーナ・アウエンブルッガー(Marianna and Katharina Auenbrugger)という人に捧げられた作品。第1楽章はディヴェルティメント的でもあり協奏曲的でもあり少し技巧的。シルマーの Hob. XVI: 37 は、3つの楽章の対照性が表れているが、例によって堅い感じがする。「ピアノ・ソナタ 第59番 変ホ長調 Hob. XVI: 49」も堅くてきつい。

このアルバムは、CD 2 が良い。Adagio - Allegro - Tempo di menuet(ホ短調、ホ長調、ホ長調)という面白い構成の「ピアノ・ソナタ 第19番 ホ短調 Hob. XVI: 47 bis」に始まり、 6つの変奏曲 Hob. XVII: 5は「VI Variations faciles et agréables」つまり、易しく快い作品であり、演奏も生き生きしている。その後のメヌエットへの流れも良く、不思議なリズムのト短調のアンダンテ(2/2拍子)と、音楽時計用の可愛いト長調のアレグレットへの流れも良い。最後は、ピアノ・ソナタ 第58番 ハ長調 Hob. XVI: 48 でうまく締めくくっている・・・と言いたいが、シルマーによる Hob. XVI: 48 もまた表現がいささかきついと思う。グールドの演奏における「ゆっくりしたテンポの第1楽章と速いテンポの第2楽章(ロンド)の対比」には、とてもかなわない[Haydn: The Six Last Sonatas Gould]【注2】

この人のハイドンのアルバム2枚組は、いずれも、2枚中1枚だけ良い(Haydn Klavierwerke Ragne Schirmerは、CD 1 だけが良かったし)。

【注1】私は、このメヌエット集が意外に気に入った。

【注2】第1楽章 Andante con espressione(2つの主題を持つ変奏曲)、第2楽章 Rondo Presto(自由なロンド形式)。

【2010 年1月6日 追記】
ハイドン研究室によれば「ピアノ・ソナタ 第19番 ホ短調 Hob. XVI: 47 bis」には、ヘ長調の版がある。ヘ長調のほうは、Moderato - Larghetto - Allegro の3楽章であり、その第2楽章(Larghetto)と第3楽章(Allegro)が「ホ短調 Hob. XVI: 47 bis」の第1, 2楽章である。詳しいことは上記リンクをご参照下さい(リンク元様、リンクのご承諾ありがとうございます)。

2009年12月 1日 (火)

ラグナ・シルマーのハイドン(1)


Haydn1


Haydn
Klavierwerke
Ragna Schirmer, Piano
Recording: 08 / 2001, Rathaussaal, Markkleeberg - Steinway D
Berlin Classics

CD 1
Sonata No. 60 in C major Hob. XVI: 50 (ca. 1794 - 95)
Arietta con Variazioni in E flat major Hob. XVII: 3 (- 1774)
Adagio in F major Hob. XVII: 9 (1786)
Fantasie (Capriccio) in C major Hob. XVII: 4 (1789)
Capriccio in G major on "Acht Sauschneider müssen seyn" Hob. XVII: 1 (1765)

CD 2
Andante con Variazioni in F minor Hob. XVII: 6 (1793)
Sonata No. 33 in C minor Hob. XVI: 20 (1771)
Sonata No. 62 in E flat major Hob. XVI: 52 (1794)

結論から言えば、CD 1 は良いが、CD 2 は良くない。録音は良い。

Hob. XVI: 50 は、例によってハイドンのピアノ・ソナタらしい作品であり第1楽章の第2主題がどれか分からないのだが、シルマーは再現部の弱音を非常に美しく弾いている。それだけでも、この商品を買った価値があったと思う。
Hob. XVII: 3 は、12の変奏を持つ変奏曲。
Hob. XVII: 9 と XVII: 4 は、ひとつのソナタのようにまとめられている。
Hob. XVII: 1 は「8人のへぼ仕立て屋に違いない」というオーストリー民謡が「ヴァリエーション=ロンドの起点であり、そのロンドは調性を頻繁に変えるので、リスナーは調性を見失いかねない」とか書いてあるが、まさにその通りの曲であり、シルマーは、それを美しく弾いている。

CD 2 の Hob. XVII: 6 と Hob. XVI: 52 は、ヒューイットの CD にも入っているが、私はヒューイットのアグレッシヴな演奏のほうが良いと思う。シルマーという人は、音楽を美しくまとめあげるのが巧いと思うが(しかも、スタインウェイの音がきれい)、それが、このアルバムにおける CD 1 ではうまく行っているのに対し、CD 2 では、演奏がうまくまとめられすぎて面白くなく退屈させられた。

ところで、このアルバムのライナーノートで、シルマーの生年が分かった。1972年だ。ということは、現在37才だ。このアルバムを弾いたときは、彼女は 20 代だったわけで・・・若いね。

2009年9月12日 (土)

ヒューイットのヘンデルとハイドン


Hewitt


Handel
Chaconne (with 21 variations) in G major HWV 435 [7' 28]

Suite No. 2 in F major HWV 427 [10' 08]
Adagio [3' 08]
Allegro [2' 27]
Adagio [2' 15]
Allegro: Fugue [2' 16]

Suite No. 8 in F minor HWV 433 [12' 55]
Prelude: Agagio [2' 40]
Fugue Allegro [2' 44]
Allemande [2' 56]
Courante [2' 01]
Gigue [2' 33]

Haydn
Sonata 'Un piccolo divertimento' (Variations in F minor) Hob XVII: 6 [16' 39]
Piano Sonata in E flat major Hob XVI: 52 [20' 15]
Allegro moderato [7' 59]
Adagio [6' 22]
Finale: Presto [5' 52]
Angela Hewitt, piano
Recorded 2008 & 2009
Piano FAZIOLI

ヘンデルの3作品は、もっと積極的な演奏をしても、よかったのではなかろうか。たしかに、安定した技巧と、ヒューイットらしい教科書的手堅い演奏は、耳障りが良い。しかし、BGM にしか聞こえない。

HWV 435 を、グーグルで検索したら、なんと、子供が演奏した映像(YouTube、下記 URL)が最上位にヒットした。私は、ヒューイットよりむしろ、この子供の演奏の方が、HWV 435 の性格に合致した演奏のように思える。つまり、ヒューイットの演奏には活気がない。それは、HWV 427、HWV 433 についても言えると思う。

http://www.youtube.com/watch?v=VUyWLr_vHKM

この盤においては、ヘンデルよりハイドンの演奏の方が良いと思う。ヒューイットのハイドンにおける適度に攻撃的な演奏&美しさ、それらのバランスがよい。ヒューイットは、ヘンデルも攻撃的に弾いて欲しかった。

ピアノ・ソナタ Hob XVI: 52 は、グールドの「Haydn: The Six Last Sonatas」に入っているが、ヒューイットはグールドとなかなかいい勝負をしていると思う。

ソナタ Hob XVII: 6 も適度に攻撃的で美しい(これは、ヘ短調なので、おわりの部分が《熱情》を思い起こさせる)。

この音盤において、ファツィオリの音は、きれいに録られている。

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