2017年9月 5日 (火)

ヘルムート・ヴァルヒャ/バッハ:鍵盤楽器作品集(1958-1962年録音)

Walcha

J. S. Bach:
Keyboard Works
Helmut Walcha
1958-1962年録音


【収録情報】

CD 1
● インヴェンションとシンフォニア BWV.772-801(全曲)1961年録音

CD 2-3
● イギリス組曲 BWV.806-811(全曲)1959年録音

CD 4-5
● フランス組曲 BWV.812-817(全曲)1962年録音

CD 6-7
● パルティータ集 BWV.825-830(全曲)1958年録音

CD 8-9
● 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 BWV.846-869(全曲)1961年録音

CD 10-11
● 平均律クラヴィーア曲集 第2巻 BWV.870-893(全曲)1961年録音

CD 12
● イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971(1960年録音)
● 半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903(1960年録音)
● フランス風序曲 ロ短調 BWV.831(1960年録音)

CD 13
● ゴルトベルク変奏曲 BWV.988(1961年録音)

 ヘルムート・ヴァルヒャ(アンマー・チェンバロ)

 録音時期:1958-1962年
 録音場所:ハンブルク、ブランケネーゼ
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
 2003年リマスター音源使用

(HMV.co.jp より)


【前置き】

「使用楽器は旧東ドイツのアンマー社製(アンマー・チェンバロ)。この楽器は、ノイペルト等より、弦の張力が弱く、モダン・チェンバロとしては、ヒストリカル・チェンバロに近い楽器である。しかし、EMI に録音されたヴァルヒャのバッハは、CD 盤で聴くと音が金属的でうるさい。だが、アナログ盤では、アンマー・チェンバロ本来の美しい音を聴くことができる」

すなわち「ヘルムート・ヴァルヒャが弾いた『アンマー・チェンバロ(Ammer)』は、モダン・チェンバロなので音が金属的でキンキンして美しくない」という先入観をお持ちの方があるが、それは間違い。

私はヴァルヒャの《平均律全巻》旧盤=『アンマー・チェンバロ』盤=アナログ・レコード盤を持っていたが、それを他の演奏者が弾くヒストリカル・チェンバロと比較したとき、前者は後者に劣らず耳障りが良かった。
(↑ちなみにそのヴァルヒャ平均律旧盤アナログ盤は非常に状態が良いものであったが、2009年、私の自宅の全焼火災により焼損したので今は無い)

私が所有していたヴァルヒャの《平均律全巻》旧盤=アナログ盤の音は、この商品すなわち『ヴァルヒャ/バッハ:鍵盤楽器作品録音集[CD-DA 盤](ASIN: B071LRS4YS)』より弦が緩やかに張られているように聞こえた、と私は記憶する。

そして、私が所有していたヴァルヒャの《平均律全巻》旧盤=アナログ盤の音は、ある意味もっと金属音が鳴っていたと思う・・・そしてその金属音は耳障りが良かった。←その金属音のリアルな音が快かった。←よってこの商品(ASIN: B071LRS4YS)のデジタル・リマスターにおいても、もっと「金属音」(高音域)を生かして欲しかった。

※ ちなみに私は、或るチェンバロ奏者、兼、チャンバロ制作に関わっていらっしゃる方から「ヴァルヒャが弾いた『アンマー・チェンバロ』の音はヒストリカル・チェンバロの音に近い」という事実を確認しました(!)。

【本文】

このヘルムート・ヴァルヒャ/バッハ:鍵盤楽器作品録音集[CD-DA 盤]を聴くと、ヴァルヒャという人は情熱的な(あるいは熱い)演奏をする人であったことが分かる(フランス組曲第1番、イギリス組曲第6番の Prélude)。また、あえて言えば、ヴァルヒャの弾く「パルティータ第4、5番」などは即興的でもある。インヴェンション、ゴルトベルク変奏曲において、ヴァルヒャはエンターテインメントに徹しているように聞こえる。CD 12 は『イタリア協奏曲』の第3楽章『半音階的幻想曲とフーガ』も良いが『フランス風序曲』が良い。

【問題は平均律】

ヴァルヒャの弾く《平均律第1巻》の後半が良くない:後半、嬰ヘ長調の前奏曲は突如テンポが速くなる。ト短調の前奏曲のテンポも速い。←それらは意味がないと私は思う。←そのテンポ設定は『即興』ではないと思う。つまり即興的効果はないと思う。←不自然。←イ短調のフーガ、最後のフーガ(ロ短調)は素晴らしい。←だが軽快な変ロ長調から重々しい変ロ短調そして美しいロ長調への解釈・流れが良いのか、どうかは微妙。ヴァルヒャの《第1巻》後半はやっぱり流れが悪いと私は思う(まさかヴァルヒャにとって平均律第1巻の後半は鬼門だったか?)。

ヴァルヒャの弾く《平均律第2巻》は《第1巻》より良い。←躍動的!←解釈も良いと思う。←ホ長調の前奏曲とフーガは美しいではないか(!)。嬰ヘ短調のフーガはスリルがあり、ト長調のフーガは軽快である。嬰ト短調、変ロ短調のフーガは精緻であると思う。←ただしこの《平均律第2巻》もテンポの設定に幅がある・・・が問題ないと思う。


【関連記事】

中古LPレコード購入記/ウェブリブログ 過去ログより転記(2004-5-24/2005-11-8)/これらはすべて火災で焼損しましたの下のほうをご参照下さい。

2017年8月22日 (火)

私は、バッハ:オルガン作品集を6種類持っているが、結局、ヘルムート:ヴァルヒャ旧盤(1947-1952年録音)が一番気に入った

Walcha

J. S. Bach Organ Works by Helmut Walcha
Recordings: 1947-1952
membran|Documents

Walcha_stereo

Bach The Organ Works Box set [12cds] Helmut Walcha 1956-1971

Stockmeier

J. S. Bach Das Orgelwerk Vol.1 Box set [10cds] Wolfgang Stockmeier
J. S. バッハ:オルガン作品全集 第1巻
ヴォルフガング・シュトックマイヤー(オルガン)
1977〜81年アナログ録音
membran|Documents

Stockmeier

J. S. Bach Das Orgelwerk Vol.2 Box set [10cds] Wolfgang Stockmeier
J. S. バッハ:オルガン作品全集 第2巻
ヴォルフガング・シュトックマイヤー(オルガン)
1977〜81年アナログ録音
membran|Documents

Bach_claire_alain

Bach J.S: Complete Works for Organ Marie-Claire Alain Box set 15cds Analogue recordings 1978 - 1980

Claire_alain

Bach Marie-Claire Alain Works for Organ, Box set, 14cds
1990s Digital Recordings

Weinberger

J. S. Bach Complete Organ Works Box set [22cds] Gerhard Weinberger
J.S.バッハ:オルガン作品全集(22CD)
ゲルハルト・ヴァインベルガー
1997-2008年録音


【関連記事】

J. S. Bach Organ Works Box set [10cds] Helmut Walcha 1947-1952

2017年7月11日 (火)

J. S. Bach: Sonatas for solo violin BWV 1001, BWV 1003, BWV 1005 & Partitas for solo violin BWV 1002, BWV 1004, BWV 1006 Midori Seiler

Seiler_1

J. S. Bach: Partitas for solo violin Midori Seiler
2009年録音

Seiler_2

J. S. Bach: Sonatas for solo violin Midori Seiler
2015年録音


先の記事では「ソナタ集」しか購入しないと書いたが、やっぱり「パルティータ集」の方も買ってしまった。

・「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ集」について

「16分近くかけたシャコンヌの次に、流麗かつスピーディなプレリュードが続く部分など見事な聴きものとなっていました(HMV.co.jp の商品説明より)というのは的を射ていると思った・・・が、よく聴いてみるとミドリ・ザイラーの「シャコンヌ」は流れが悪く退屈する(←それは彼女の力不足か)。

全体的に速い演奏。そしてアグレッシブな演奏(BWV 1002 のクーラントのドゥーブル・プレスト)。この人はクーラントがうまいと思う。

もっとも、ザイラーの「バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ集」の各舞曲のリズムは私のイメージと違う。しかし、彼女の「バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ集」を私は好きだ。なぜなら、バッハのオルガン曲を聴けば分かるように《バッハ自身のオルガン(即興)演奏》はロック・ミュージックで言えばジミ・ヘンドリックスみたいに壮絶かつ強烈かつ過激だったに違いない。そして、その激しさをこのザイラーの「バッハ:無伴奏ヴァイオリン」から聴くことができるからだ(現に彼女の演奏は大音量で聴くと迫力がある)。


・「バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集」について

「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集」は、上記「パルティータ集」録音から約6年後の録音だが、ザイラーの解釈はほとんど変わらないと思う。ただ、ここに来てやっと「古楽器」の音色が聴けたという気がする。
フーガは一寸癖あるが手堅い(BWV 1005 のフーガはおおらかでとても良い。演奏時間:13分7秒)・・・というか、BWV 1005 は全楽章おおらかだ。
この人は、遅い楽章と速い楽章との弾き分けが持ち味か(?)。


しかし、私はこれらのアルバムを万人におすすめできない。なぜなら激しいから。私の評価:パルティータ集もソナタ集も星4.5


Bach_seiler

・CD スリーブ(厚紙)は「BWV 1005」と書かれた「張紙」で修正してある。珍しいね。


【追加】

Apple Music で試聴すると「ミドリ・ザイラー(ヴァイオリン)ヨス・ファン・インマゼール(フォルテピアノ)のベートーヴェン:Vn ソナタ全集」は、お金を出して買うほどのものではないと思った。

Beethoven_seiler
(C) Apple Music 検索キーワード:Beethoven Seiler

2017年7月 6日 (木)

(C) Apple music J. S. Bach: Sonatas for solo violin BWV 1001, BWV 1003, BWV 1005 & Partitas for solo violin BWV 1002, BWV 1004, BWV 1006 Midori Seiler

Sonatas


Partitas

(C) Apple music 検索キーワード:Midori Seiler


この人の無伴奏は、ソナタはいいが、パルティータのリズムが気に入らない。バッハの無伴奏ヴァイオリンにおいて、ソナタは気に入ったが、パルティータは気に入らなかったなんて初めてだ(!)
とりあえず、ソナタの方だけ買ってみようか。


【収録情報】
J.S.バッハ:
● 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調 BWV.1001
● 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番イ短調 BWV.1003
● 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番ハ長調 BWV.1005

 ミドリ・ザイラー(ヴァイオリン)

 録音時期:2015年
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


【収録情報】
J.S.バッハ:
● 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調 BWV.1002
● 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV.1004
● 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調 BWV.1006

 ミドリ・ザイラー(ヴァイオリン)

 録音時期:2009年11月9-12日
 録音場所:ケーテン、Johann-Sebastian-Bach-Saal im Schloss
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


2017年7月 2日 (日)

バッハ:マリンバのための無伴奏作品集 加藤訓子(2SACD)

Kuniko_kato

Bach Solo Works for Marimba Kuniko
2015 / 2016年録音




【収録情報】
J.S.バッハ:マリンバのための無伴奏作品集

● 平均律クラヴィーア曲集第1巻〜前奏曲ハ長調 BWV.846
● 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV.1007
● 無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV.1009
● 無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV.1011(無伴奏リュート組曲第3番 BWV.995)
● リュートのための前奏曲ハ短調 BWV.999
● 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調 BWV.1001
● 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調 BWV.1003
● 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調 BWV.1005

加藤訓子(マリンバ)

録音時期:2015年9月1-11日、2016年3月14-24日
録音場所:エストニア、タルト、ヤンニ教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND

(HMV.co.jp より)



これは BGM(例えば夜中に静かに聴くと良い)。よって私の評価:Stars3



【ASIN: B0711VRTLR について】

・もともと、期待していなかったので期待はずれではない。

・もっと大胆なヴィルトゥオージティを聴かせて欲しかった。私の主観では全体的に流れが悪く、各作品の区切りが見えない。もたついている。もっと速いテンポでエキサイティングに演奏した方が良かったんじゃないかと思う。これはむしろ静かな演奏である。そして無伴奏チェロ組曲 BWV 1007 プレリュードの「溜め」が、軽やかじゃないのは当然と言えよう。

・無伴奏チェロ組曲 BWV 1007, 1009, 1011
バッハの無伴奏チェロは言うまでもなく「舞曲の組曲」である。だが、加藤の弾くそれらの舞曲「アルマンド」「クーラント」「サラバンド」「ジーグ」等のリズムはリズミックではない(揺れるような演奏をしているが、単調だと思う)。マリンバは打楽器なので、もっとリズミックな演奏を期待したが・・・すなわち、加藤の弾く無伴奏チェロ組曲の「単旋律」はエキサイティングではない。ただし「BWV 1011 ハ短調」のサラバンドの引きずったようなリズム・・・それは私の気に入った。

ちなみに、ロン・カーター・プレイズ・バッハの方が面白い。

・無伴奏ヴァイオリン・ソナタ BWV 1001, 1003, 1005
全曲を通してマリンバの音色は美しい(BMV 1005 の第4楽章アレグロ・アッサイなど)。が、たとえば、ソナタ第3番第1楽章の重音(奏法)部分はやはり無理がある。バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタは、第2楽章に長大な《フーガ》を持つが、それらにおける加藤の解釈(編曲)は悪くないし盛り上がるのだが・・・それでも楽曲全体、つまり、全4楽章には何故か退屈させられる。

・この SACD 盤。音は良い。


【2017−7−3 追加】

あ、それから、バッハをマリンバで演奏するというのは『加藤訓子』が初めての試みではありません。

J. S. Bach: Notenbüchlein
Koen Plaetinck
18 April 2011

Plaetinck


上記は Apple Music にて試聴可能。検索キーワード:Plaetinck

2017年6月18日 (日)

J. S. バッハ:ヴァイオリン・ソナタ全曲 ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)ハンス・ピシュナー(チェンバロ)/この音源は YouTube で聴くと「泣かせる演奏」なのに Apple Music で聴くと幻滅!/買わない!

David Oistrakh - J.S.Bach, Complete Sonatas for Violin and Harpsichord BWV 1014-1019


Bach_sonatas_oistrakh_hans_pischner
(C)Apple Music 検索キーワード:Bach Oistrakh


【Amazon.co.jp へのリンク】

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J. S. バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ全曲(BWV 1014 / 1019)
ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)ハンス・ピシュナー(チェンバロ)

2017年4月20日 (木)

J. S. Bach: Kunst der Fuge Ann-Helena Schlüter

Kunst_der_fuge

J. S. Bach
Kunst der Fuge, BWV 1080
Ann-Helena Schlüter, piano
2014年録音
ALTONE DISTRIBUTION

CD 1
01 Contrapunctus 1 3:16
02 Contrapunctus 2 2:39
03 Contrapunctus 3 2:33
04 Contrapunctus 4 4:14
05 Contrapunctus 5 2:38
06 Contrapunctus 6 3:27
07 Contrapunctus 7 3:21
08 Contrapunctus 8 5:47
09 Contrapunctus 9 2:34
10 Contrapunctus 10 3:28
11 Contrapunctus 11 6:34
12 Contrapunctus 12 A 3:48
13 Contrapunctus 12 B 3:40
14 Contrapunctus 13 A 2:17
15 Contrapunctus 13 B 2:09
16 Canon 1 3:54
17 Canon 2 2:15
18 Canon 3 3:22
19 Canon 4 2:07
20 Contrapunctus 14 8:41
Total Time 73:32

CD 2
01 Improvisation 1 4:19
02 Improvisation 2 4:15
03 Improvisation 3 2:50
04 Improvisation 4 3:14
05 Improvisation 5 2:28
06 Improvisation 6 3:30
07 Improvisation 7 2:41
08 Improvisation 8 4:11
09 Improvisation 9 3:45
10 Improvisation 10 5:57
11 Improvisation 11 2:15
12 Improvisation 12 2:55
13 Improvisation 13 "Vor deinen Thron tret ich hiermit" (Inspired by Choral, BWV 668a) 7:53
14 Choral "Vor deinen Thron tret ich hiermit, BWV 668a" 3:42
Total Time 54:29

昔、或る女性ピアニストさんとお見合いしたとき、その方がおっしゃってました:「平均津は敷居が高い(難しいと言う意味。誤用)」。
「平均律」でさえ敷居が高いなら「フーガの技法」はもっと敷居が高い。私は、バッハの「フーガの技法」が苦手である。難しすぎるから。ヒューイット盤シュ・シャオメイ盤もピンと来なかった。

そして、このアン=ヘレナ・シュリューター盤を、Apple Music にて試聴したところ、肩の凝らない楽しい演奏であるように聴こえたので購入した。

しかし、私は、肝心の「フーガの技法(CD 1)」より、シュリューター作曲の「即興演奏集(CD 2)」の方が親しめる。それらはフーガで弾かれていない。バッハの「フーガの技法」の主題を取り入れた即興演奏である。それらはジャズっぽい。そして、それらは、もしかしたら、バッハ以前の音楽も混ざっているように聞こえる。私は、シュリューターのこの「即興演奏集」を寝る前に聴いている。心が落ち着くから。

10 Improvisation 10 では、シュリューターは声を出して歌っている。


【関連記事】

(C) Apple Music Bach: Kunst der Fuge Ann-Helena Schlüter

2017年4月 7日 (金)

J. S. Bach: Das Wohltemperierte Klavier I Ann-Helena Schlüter

Schluter

J. S. Bach
Das Wohltemperierte Klavier I
Ann-Helena Schlüter (piano)
2016年録音
Hänssler Classic



【収録情報】
● J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 BWV.846-869

 アン=ヘレナ・シュリューター(ピアノ)

 録音時期:2016年4月22-24日(Disc1)、2016年8月12-14日(Disc2)
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp へのリンク)


このアルバムについては、私に貴重な意見を与えて下さるAさん(仮称)が高い評価をした:すなわちAさん曰く「私は平均律はマニアなので、この演奏の独自性については、ぱっと聴いても楽譜で一つ一つ指摘することができるぐらいですが(めんどくさいししないけど)、声部の強調が音色の表情付けで立体的になされており、これは今まで聴いたどの演奏とも違う、オンリーワンと思いました」←無断で引用してすみません(問題があれば削除します)

このアルバムについてのレビューは上記がすべてであるかも知れない。

しかし、私の印象をあえて書けば「アン=ヘレナ・シュリューターの平均律第1巻はどの曲も上手いが、長調の曲のほうが短調の曲よりも良い」と私は感じた。たとえば、es-Moll, f-Moll のフーガなども聴き応えあるが、Es-Dur の「前奏曲の序奏に続くフーガ」が良い。また、D-Dur の前奏曲と As-Dur の前奏曲&フーガなどは明るくて良い・・・そして、特に(快活な) G-Dur の前奏曲は健康的だと思った(ちなみにこの G-Dur はドラマ『刑事コロンボ』の「黒のエチュード」の中で指揮者に殺害された女性ピアニストが弾いていた)。

シュリューターのパフォーマンスは、基本的に『傑作(平均律第1巻)に対するオーソドックスなアプローチ』に重心が置かれていると思う。だが、彼女の平均律第1巻、後半(CD 2)において、fis-Moll の前奏曲のテンポが遅く、g-Moll の前奏曲のテンポがやや遅いと私は思った。たとえば、巨匠ヘルムート・ヴァルヒャの平均律第1巻旧盤(EMI)においても、後半のテンポに幅がある(g-Moll, h-Moll の前奏曲は不自然に速い)。それらは、一般的に、平均律を弾く時に演奏者が行う「解釈の範囲内」なのか? その質問に対しての私の答えは「No」である。やはり、それらの(2人の)テンポの幅は意図的、もっと言えば、自然体ではないと言われても仕方ないかも知れない。その点(テンポにおいてもアプローチにおいても)「ヒューイットの平均律第1巻旧盤(1997年録音)」は自然体だと思う。

私は「ヒューイットの平均律第1巻旧盤(1997年録音)」が好きだ。しかし、それは、録音されてから既に約20年を経ている。つまり、それは古い録音・・・よって、そろそろ、新しいピアニストによる平均律が出てきても良い頃だと思う。ちなみに「ヒューイットの平均律新盤(2008年録音)」は良くない(恣意的)。

アマゾンJPのデータを見ると「ヒューイットの平均律旧盤(1997/1999年録音)」「ヒューイットの平均律新盤(2008年録音)」よりよく売れているようだ。

私は、平均律(のスコア)を知り尽くしている訳ではない。また、私は、名演奏であるはずのマルティン・シュタットフェルトの「平均律第1巻」の良さが分からない。よって、シュリューターのこのアルバムに対する私の評価を星5つとする自信がない(暫定的に星4つ)。なぜなら『このアルバムに対する私の高い評価を見てこの商品を購入した人から文句を言われないため(そんな人、いないか(汗;;)』。

シュリューターの平均律はオーディオ的に、また、彼女のパフォーマンスにおいて、大音量で聴いてもほとんど疲れない・・・私は、平均律第1巻の性格(すなわちある種の一貫性と完成度の高さ)、そして、その演奏時間の長さ(約2時間弱)において(私の体力的に)途中で退屈したり疲れたりすることが多いにもかかわらず・・・。

追伸)「ヒューイットの平均律第1巻旧盤(1997年録音)」 b-Moll 前奏曲のテンポは遅く、h-Moll 前奏曲はやや速い(汗;;


【関連記事】

(C) Apple Music でやっと試聴できます/アン=ヘレナ・シュリューターの「平均律クラヴィーア曲集第1巻 (ピアノ) (2CDs)」


2017年4月 1日 (土)

シュ・シャオメイの「ゴルトベルク変奏曲」新旧盤聴き比べ

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シュ・シャオメイのゴルトベルク変奏曲 旧盤(1990年録音)

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シュ・シャオメイのゴルトベルク変奏曲 新盤(2016年録音)


私は、シュ・シャオメイの生年が分からなかった。いま、英語版ウィキペディアを見たら、シュ・シャオメイの生年が書いてあった。彼女の生年は、1949年。よって、上記「ゴルトベルク変奏曲」新旧盤の録音時の彼女の年齢が分かった。すなわち旧盤の録音は、彼女が41才頃、新盤は67才頃のようだ。その約26年の隔たりにおいて彼女は、新盤における技巧の衰えを表現力でカバーしていると思う。シュ・シャオメイは新盤においても、ほとんど衰えていないように聴こえる。

旧盤の第14、16、17、20、(特に)23、26、27、29変奏あたりにおいて聴かせる彼女の技巧は快い。

新盤は、ポリフォニー(声)の表現が深化したようだ:すなわち、第9、11変奏あたりの左手。第13変奏の「ソプラノアリア」の右手は美しく、同曲の左手は右手に上手く絡んでいると思う。また、第16変奏後半の左手は少し強調されている(?)。第20、23変奏の鮮やかな「両手の交差」。第24変奏の穏やかな「パストラール」。第29変奏の彼女の技巧は健在、など。

ゴルトベルク変奏曲は「反復の有無」によって演奏時間に差が生じるので単純に比較できないが、彼女の演奏時間は、旧盤が約61分13秒。新盤が約76分24秒。新盤は、旧盤より深化していると思うが、私は、シュ・シャオメイの「ゴルトベルク変奏曲 旧盤」の演奏時間短縮モード、技巧的、スピーディーな演奏のほうが、おそらく聴き応えあると思う。


【参考】

以下、コロリオフ盤のリーフレット(英語・独語)より(間違いあるかも知れないです)

第1変奏 2声、インヴェンション、「ポロネーズ」、4分の3拍子、鍵盤1段
第2変奏 3声、シンフォニア、「トリオ」、4分の2拍子、鍵盤1段
第3変奏 2声、同度のカノン(ユニゾン)、自由なベースライン、「パストラール」、8分の12拍子、鍵盤1段

第4変奏 4声、模倣、「パスピエ」、8分の3拍子、鍵盤1段
第5変奏 2声、インヴェンション、両手の交差、4分の3拍子、鍵盤1段または2段
第6変奏 2声、2度のカノン、自由なベースライン、8分の3拍子、鍵盤1段

第7変奏 2声、ジーグ、8分の6拍子、鍵盤1段または2段
第8変奏 2声、インヴェンション、両手の交差、「協奏曲」、4分の3拍子、鍵盤2段
第9変奏 2声、3度のカノン、自由なベースライン、4分の4拍子、鍵盤1段

第10変奏 4声、フゲッタ、2分の2拍子、鍵盤1段
第11変奏 2声、ジーグ、両手の交差、16分の12拍子、鍵盤2段
第12変奏 2声、4度のカノン(回転)、自由なベースライン、4分の3拍子、鍵盤1段

第13変奏 2声、ソプラノアリア、4分の3拍子、鍵盤2段
第14変奏 2声、協奏曲、両手の交差、技巧的、4分の3拍子、鍵盤2段
第15変奏 2声、5度のカノン(回転)、自由なベースライン、ト短調、4分の2拍子、鍵盤1段

第16変奏 フランス風序曲、2分の2拍子 - 8分の3拍子、鍵盤1段
第17変奏 2声、協奏曲、第14変奏に似ている、4分の3拍子、鍵盤2段
第18変奏 2声、6度のカノン(アラ・ブレーヴェ)、ストレッタで、自由なベースライン、「stilus antiquus」、2分の2拍子、鍵盤1段

第19変奏 3声、メヌエット、8分の3拍子、鍵盤1段
第20変奏 2声、協奏曲、2段鍵盤、両手の交差、技巧的、後打音(16分音符)、4分の3拍子、鍵盤2段
第21変奏 2声、7度のカノン、自由な半音階的ベースライン、ト短調、「ラメント」、4分の4拍子、鍵盤1段

第22変奏 3声、フガート、自由なベースライン、リチェルカーレ様、2分の2拍子、鍵盤1段
第23変奏 2声、協奏曲、速い連続走句、両手の交差、後打音(和音)、4分の3拍子、鍵盤1段
第24変奏 2声、8度のカノン、自由なベースライン、「パストラール」、8分の9拍子、鍵盤1段

第25変奏 2声、ソプラノアリア、半音階的、「stile Monodico」、(ヴァイオリン・ソロ)、ト短調、4分の3拍子、鍵盤2段
第26変奏 和音によるサラバンド、4分の3拍子、飾り気のないアリア(高音部)と16分の18拍子の速い連続走句、両者は両手で交互に奏される、鍵盤2段
第27変奏 2声、9度のカノン、自由なベースラインを伴わない、8分の6拍子、鍵盤2段

第28変奏 自由な形式の技巧的協奏曲、「練習曲」、トリル、ダブルトリル、4分の3拍子、鍵盤2段
第29変奏 自由な形式の技巧的協奏曲、後打音付き「練習曲」、「トッカータ」、4分の3拍子、鍵盤1段または2段
第30変奏 3声、クォドリベート、自由なベースライン、4分の4拍子、鍵盤1段


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2017年3月20日 (月)

(C) Apple Music でやっと試聴できます/アン=ヘレナ・シュリューターの「平均律クラヴィーア曲集第1巻 (ピアノ) (2CDs)」

気になっていたアン=ヘレナ・シュリューター(Ann-Helena Schlüter)の「平均律クラヴィーア曲集第1巻」
やっと、Apple Music で試聴できます


Schluter_02
(C) Apple Music 検索キーワード:Bach Ann-Helena Schlüter


C-Dur, c-Moll を聴くかぎり

矢でも鉄砲(てつぽう)でも持って来い
どんな手段で攻められても受けて立つ。固い決意で事に当たる時や自暴自棄の時などに用いる。(大辞林より)

すなわち、どんな批判に対しても受けて立つ的なアグレッシヴな演奏!

平均律という作品は、買い損ねたら、悲惨なので、もう少し試聴してみよう

え〜っと

cis-Moll は、スヴャトスラフ・リヒテルに似ているかも?

es-Moll のフーガは、悪くない

a-Moll の長いフーガは上手いか

h-Moll は、前奏曲(約7分)+フーガ(約6分)=約13分。←そんなに、長くない

買うか買うまいか、微妙なところだね


安くなったら買おうか


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