2016年9月24日 (土)

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(13)/黒田総裁の「いやいやながらのUターン」/私(藤四郎)の考え:よく分からないが要するにさっさと「資本税」を導入して貧乏人にお金をまわせばデフレは消えるんじゃないの(?)/【2016−10−6 追加】 貧乏人にお金をまわせば・・・←「お金」じゃなくて商品券がいい。貯蓄されないように・・・

Piketty

21世紀の資本 単行本 - 2014/12/9
トマ・ピケティ

・・・

黒田総裁の「いやいやながらのUターン」
これから政府と日銀の「総力戦」が始まる

2016.9.23(金)池田 信夫

 注目されていた日本銀行の「総括的な検証」と、金融政策の「新しい枠組」が発表された。おおむね予想された通り「2%のインフレ目標」を無期延期し、マネタリーベース(現金供給)という指標を実質的に取り下げる方針転換である。

 ただこの発表は難解な「日銀文学」で書かれており、行間を読まないと意味が分からない。普通のビジネスマンが理解するのは容易ではないと思われるので、ここではその内容をやさしく解説し、それが何を意味するのかを考えてみよう。(2016年9月23日 jbpress.ismedia.jpより)

(下に続く)

続きを読む "トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(13)/黒田総裁の「いやいやながらのUターン」/私(藤四郎)の考え:よく分からないが要するにさっさと「資本税」を導入して貧乏人にお金をまわせばデフレは消えるんじゃないの(?)/【2016−10−6 追加】 貧乏人にお金をまわせば・・・←「お金」じゃなくて商品券がいい。貯蓄されないように・・・" »

2016年6月13日 (月)

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(12)納税者が資本税額を自ら計算して申告するよりも、政府(国)が資本税額を納税者に通知し、払わせるほうが、納税者も喜ぶ/「確定申告を、納税者に代わって、政府(国)がやってくれるような事」

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/post-c24f.htmlの続きです

--

Piketty

21世紀の資本 単行本 - 2014/12/9
トマ・ピケティ

<--- NHK オンラインからの引用 ココから --->

「世界経済のリスクと伊勢志摩サミット」(視点・論点)より引用

公益財団法人国際金融情報センター理事長 加藤 隆俊
(中略)
先般公表されたいわゆる「パナマ文書」によればタックスヘイブンの利用者は全世界的な拡がりを見せています。タックスヘイブンで設立された法人には、合理的な企業活動に基づくもの、本国で納税すべき所得を低税負地に付け替るためのもの、或いは違法に稼得された所得を秘匿するためのもの等種々のものが混在していることでしょう。要は設立された法人に関する情報がタックスヘイブンも含む関係税務当局間で情報交換される仕組みを構築することであります。そうすれば、関心ある税務当局は税逃れの疑われる事案を追求することが出来る、そうした仕組みを持っている、それだけで相当な抑制効果があると思います。本年の伊勢・志摩サミットでは是非、税逃れの補捉に向けてのいわば行動計画のイニシアティブをG7として取ってほしいと考えます。(以下略)

(2016年5月19日 18時03分 NHK オンラインより)

>要は設立された法人に関する情報がタックスヘイブンも含む関係税務当局間で情報交換される仕組みを構築することであります。
>そうすれば、関心ある税務当局は税逃れの疑われる事案を追求することが出来る、そうした仕組みを持っている、それだけで相当な抑制効果があると思います。

<--- NHK オンラインからの引用 ココまで --->

要するに、ピケティが「21世紀の資本」で言っていることをやればいい:

たとえばフランスでは、政府は誰それが40万ユーロの価値を持つアパルトマンを持っていて、時価20万ユーロの株式ポートフォリオを持ち、10万ユーロの借り入れ残高があると知っている。だから政府はこうした各種数字(そして、誰それの純資産が50万ユーロだという記述 【ブログ開設者より】 40万+20万−10万=50万)を示した書類を誰それに送り、もし必要なら追加訂正を求めることができる。この自動化されたシステムを全国民に適用するほうが、あらゆる人物に自分の保有額を正直に申告するよう依頼するという古くさいやり方よりもはるかに21世紀に適合している。(「21世紀の資本」546ページより)

つまり、納税者が資本税額を自ら計算して申告するよりも、政府(国)が(納税者が有する財産に基づき計算される)資本税額を納税者に通知し、それを納税者に払わせるほうが、納税者も、余計な労力や金(税理士のための)を使わないですむので、きっと喜ぶだろう。脱税もなくなる。というか、政府が納税額を決めるのであるから、その金額に、誤りがあって過小評価であっても、それは脱税にならない。
例えて言えば、確定申告を、納税者に代わって、政府(国)がやってくれるような事。

2016年4月 3日 (日)

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(11)この世から、タックス・ヘイヴンがなくなっても、お金持ちたちは、屁とも思わないだろう/なぜなら、生涯一日たりとも働いたことがなくても世界一のお金持ちになった、リリアンヌ・ベタンクール(1922生、世界最大の化粧品会社ロレアルの創業者の娘)のような世襲(相続)によるお金持ちの存在自体、今日の相続税は貧富の格差を是正させる機能が機能してない証拠じゃないかな(?)/【メモ】 “パナマ文書”問題

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-9668.htmlの続きです

--

Piketty

21世紀の資本 単行本 - 2014/12/9
トマ・ピケティ

資産ランキングに見る相続人たちと起業家たち

 『フォーブス』ランキングの最も印象的な教訓のひとつは、ある閾値を超えると巨額の財産は総じて、それが相続財産であろうと起業的な由来のものであろうと、所有者が働いていようといなかろうと無関係に、成長率がきわめて高いことだ。たしかに、これらのデータから下せる結論の正確さを過大評価しないほうがいい。これらのデータは少数の観測をもとにしており、やや杜撰で断片的なやり方で集められているのだから。それでもこの事実は興味深い。
 特にわかりやすい例として、世界的な富の階層のてっぺんを見てみよう。1990−2010年はビル・ゲイツ --- OSの世界的リーダーであるマイクロソフト社の創業者 --- で、起業による富を体現する人物だ。かれは10年以上『フォーブス』ランキングの第1位に君臨したが、その財産は40億ドルから500億ドルに増加している。一方、リリアンヌ・ベタンクール(Liliane Bettencourt、1922年10月21日 - )は化粧品の世界的リーダー、ロレアルの創業者であるウージェンヌ・シュエレールの女性相続人だ。シュエレールは1907年にさまざまな髪染めを開発し、セザール・ビロトー(当ブログ開設者の注:バルザック「人間喜劇」の登場人物)が1世紀前に香水で儲けたのを彷彿とさせる成功をおさめた。ベタンクールの財産は、20億ドルから250億ドルに増加している(こちらも『フォーブス』より)。どちらの財産(当ブログ開設者の注:すなわち、ビル・ゲイツの財産は40億ドルから500億ドルに増加、ベタンクールの財産は20億ドルから250億ドルに増加)も、1990−2010年の年間成長率は13パーセント超で、インフレ調整後の実質資本収益は10、11パーセント相当だ。
 つまりリリアンヌ・ベタンクール(生涯に一日たりとも働いたことはない)は、ハイテク分野のパイオニアであるビル・ゲイツ並みの勢いで財産を増やしたのだ(ちなみにビル・ゲイツの財産は、かれの引退後も同じ勢いで増え続けている)。ひとたび築かれた財産は、資本の動学にしたがって増加して、ただその規模ゆえに、数十年にわたって急速度で増加を続けられる。特に、財産の規模がある閾値を超えると、ポートフォリオとリスク管理における規模の経済によって、規模効果が強まることに注目。資本所得のほぼすべてを再投資にまわせるからだ。この水準の財産を持つ人たちは、毎年その資本の0.2−0.3パーセントに等しい額で、たやすく豊かな生活を送ることができるし、所得のほぼすべてを再投資できる。これは基本的だが重要な経済メカニズムで、長期的な蓄積の動学と富の分配にめざましい結末をもたらす。お金は、自分を再生産する傾向がある。この厳しい現実をバルザックは見逃さなかった。かれはパスタづくりを生業とする自作登場人物の抑えがたい台頭を、次のように表現している。「市民ゴリオが貯め込んだ資本は、巨額のお金がその持ち主に与えてくれる優位性のすべてをもって後に事業を行えるだけのものだった」(←意味が分からん。←2016−4−4。当ブログ開設者による追加)
(「21世紀の資本」456ページより)

>どちらの財産(当ブログ開設者の注:すなわち、ビル・ゲイツの財産は40億ドルから500億ドルに増加、ベタンクールの財産は20億ドルから250億ドルに増加)も、1990−2010年の年間成長率は13パーセント超で、インフレ調整後の実質資本収益は10、11パーセント相当だ。
> つまりリリアンヌ・ベタンクール(生涯一日たりとも働いたことはない)は、ハイテク分野のパイオニアであるビル・ゲイツ並みの勢いで財産を増やしたのだ。ひとたび築かれた財産は、資本の動学にしたがって増加して、ただその規模ゆえに、数十年にわたって急速度で増加を続けられる。

【当ブログの開設者より】

 金持ちどもは、相続税で財産を持って行かれないようにタックス・ヘイヴンにお金を隠さなくても《お金持ちであり続けられるだろう》。例えば、私が、20円の財産を相続し、相続税14円(70%)持って行かれても、残りの6円は、20年後に(生涯に一日たりとも働いたことなくても)約6.73倍(1.1の20乗は6.73)、つまり、資産6円が40.38円になる

(10年後だと、1.1の10乗は2.59であり、6円×2.59=15.54円。資産6円が15.54円になる。←ただし、親が死んで我が子に遺産を残したあと、その子の平均余命は20年ぐらいあるだろう・・・だから、その子は10年以上生きるだろう:おのれの富を誰にも相続させることなく・・・)。

それが、世襲されれば、金持ちどもは、相続税70%を払っても、ますます、富を増やせる。
相続税70%は、貧富の格差を縮めるのに、役に立たないだろうし、また、この世から、タックス・ヘイヴンがなくなっても、お金持ちたちは、屁とも思わないだろう。
 リリアンヌ・ベタンクールは、相続税を脱税するために、タックス・ヘイヴンを悪用したかも知れないし、または、しなかったかも知れない。
 これは余談だが、私がベタンクールだったら、タックス・ヘイヴンを悪用して脱税するより、きちんと相続税を払うだろう。←あとになって、脱税容疑で逮捕されたくないし、あとになって、本税+加算税+延滞税、払うのはきついし・・・(え〜っと、あの〜、話は前後しますが、そもそも今は世界的に相続税を安くする傾向にあるのでは・・・)。

【2016−4−4 追加】

考えてみたら、そもそも、生涯一日たりとも働いたことがなくても世界一のお金持ちになった、リリアンヌ・ベタンクール(1922生、世界最大の化粧品会社ロレアルの創業者の娘)のような世襲(相続)によるお金持ちの存在自体、今日の相続税は貧富の格差を是正させる機能が機能してない証拠じゃないかな(?)
 

--

【2016−6−3 追加】

「タックスヘイブンはもう古い」と金融のプロはせせら笑った 租税回避とマネーロンダリングの主流はいま…

(前略)
マネロンで典型的な手口は、例えば計画倒産だという。日本で得た犯罪収益を海外の国に移転する際、対象国に工場を設立したことにして、そこに投資として資金を移動。工場の操業がうまくいかなかったとして、倒産させ、残った資金を外部に環流させれば、できあがりというわけだ。

 他にも直接関係しない第三者を通じて資金をやり取りするなどやり方はいくらでもあるといい、「タックスヘイブンの会社を何社も通せば隠せるという時代は大昔に終わった」とベテラン金融関係者はいう。
(後略)

(2016.5.16 08:00 産経ニュースより)

--

【関連記事】

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(4)相続税/富裕税/相続税・贈与税とタックス・ヘイブン

==

【メモ】

“パナマ文書”問題

(下に続く)

続きを読む "トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(11)この世から、タックス・ヘイヴンがなくなっても、お金持ちたちは、屁とも思わないだろう/なぜなら、生涯一日たりとも働いたことがなくても世界一のお金持ちになった、リリアンヌ・ベタンクール(1922生、世界最大の化粧品会社ロレアルの創業者の娘)のような世襲(相続)によるお金持ちの存在自体、今日の相続税は貧富の格差を是正させる機能が機能してない証拠じゃないかな(?)/【メモ】 “パナマ文書”問題" »

2016年1月21日 (木)

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(10)富裕層トップ62人の資産、下位36億人の合計と同じ/すべての悪の根源は貧富の格差にあるということが未だに分からんのかね? 君?

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/post-c24f.htmlに続きます

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-9668.htmlの続きです

--

Piketty

21世紀の資本 単行本 - 2014/12/9
トマ・ピケティ

==========

富裕層トップ62人の資産、下位36億人の合計と同じ

 国際NGO「オックスファム」は18日、2015年に世界で最も裕福な62人の資産の合計が、世界の人口のうち、経済的に恵まれない下から半分(約36億人)の資産の合計とほぼ同じだったとする報告書を発表した。経済格差が拡大しているとして、世界各国の指導者に是正への取り組みを呼びかけた。

 スイスの金融機関の調査データなどをもとに推計した。報告書によると、上位62人の資産の合計は1兆7600億ドル(約206兆円)で、この5年間で44%増えた。一方、経済的に恵まれない下から半分の資産は41%減ったと指摘。この結果、下位半分の資産額は10年には上位388人分に相当したが、14年は上位80人分、15年は62人分と、格差は拡大しているという。

 背景には、賃金など労働への対価支払いより、株式配当など資本の投資への還元が手厚くされていることなどがあると指摘。20日にスイスで始まる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)を前に、政府や経済界のトップらに最低賃金の引き上げや、男女の賃金格差の是正、税制の見直しなどの取り組みを求めた。(ロンドン=寺西和男)(2016年1月19日22時15分 朝日新聞 DIGITAL より)

>国際NGO「オックスファム」は18日、2015年に世界で最も裕福な62人の資産の合計が、世界の人口のうち、経済的に恵まれない下から半分(約36億人)の資産の合計とほぼ同じだったとする報告書を発表した。
>経済格差が拡大しているとして、世界各国の指導者に是正への取り組みを呼びかけた。

>スイスの金融機関の調査データなどをもとに推計した。報告書によると、上位62人の資産の合計は1兆7600億ドル(約206兆円)で、この5年間で44%増えた。一方、経済的に恵まれない下から半分の資産は41%減ったと指摘。
>この結果、下位半分の資産額は10年には上位388人分に相当したが、14年は上位80人分、15年は62人分と、格差は拡大しているという。

>背景には、賃金など労働への対価支払いより、株式配当など資本の投資への還元が手厚くされていることなどがあると指摘。
>20日にスイスで始まる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)を前に、政府や経済界のトップらに最低賃金の引き上げや、男女の賃金格差の是正、税制の見直しなどの取り組みを求めた。

2015年12月 2日 (水)

2015年 私の新語・流行語大賞は 「r>g」

2015年 私の新語・流行語大賞は

「r>g」 / トマ・ピケティ

Piketty

2015年11月27日 (金)

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(9)とにかく、金持ちはますます金持ちになり、貧乏人はますます貧乏になる/バルザックの「ゴリオ爺さん」/「ヴォートランのお説教」

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-a4d6.htmlに続きます

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-265d.htmlの続きです

--

Piketty

21世紀の資本 単行本 - 2014/12/9
トマ・ピケティ

コノ本は、経済学は得意だが文学が苦手な人には嫌われるだろう。「バルザック」「ゴリオ爺さん」のトピックが繰り返し出て来ると、文学を苦手とする人(学生さんや社会人さん)は「又か。うんざり(ため息)」・・・と、なるだろう。同書索引を見ると、「バルザック」と言う語で、2, 24, 58, 111, 113, 116, 119, 121, 122, 138, 215, 216, 233, 248, 251, 272, 394, 422, 425-27, 429, 431, 434-36, 439, 457: n7.3, n11.36 ページ(計約26箇所)。「ゴリオ爺さん」という語で、23, 111, 113, 119, 121, 122, 215, 223, 248, 249, 356, 357, 427, 434, 457: n3.3, n11.43(計約17箇所)も出て来る。

文学トピック中、特に「ヴォートランのお説教」(←「ゴリオ爺さん」からの「引用」)は、圧巻である(←「21世紀の資本」248ページ)

一方、ヴォートランがラスティニャックに提案した、社会的成功をとげるための策略はもっと効率がよいものだった。下宿屋に住む若い内気な女性で、ハンサムなウージェーヌ(ラスティニャック)に首ったけのヴィクトリーヌ嬢と結婚すれば、ラスティニャックは100万フランの富を手中に収められるというのだ。この結婚で、弱冠20歳で年収5万フラン(資本の5パーセント)を得られる。王族検察官として何年も働いてやっと得られる生活水準の10倍(そして当時パリで最も成功した弁護士が何年にもわたる努力と悪行の末、50歳になってやっと得られる所得と同額)をあっという間に達成できるだろう。
 結論ははっきりしている。ヴィクトリーヌがそれほど美しくもなく魅力的でもないという事実に目をつむって、一刻も早く若き彼女と結婚すべきだ。ウージェーヌ(ラスティニャック)は、ヴォートランの教えに唯唯諾諾(いいだくだく)と耳を傾けるのだが、そこでとどめの一節がやってくる。非嫡出子であるヴィクトリーヌが裕福な父から認知されて、100万フランの遺産相続人になるためには、まず彼女の兄を殺さなければならないというのだ。前科者のヴォートランは、金さえもらえればいつでもこの仕事を引き受けるという。これはとてもラスティニャックにはできないことだった。勤勉より遺産のほうがずっと価値があるとするヴォートランの主張は腑に落ちたが、殺人を犯すほどの覚悟はなかったのだ。
(「21世紀の資本」250ページより)

私は、バルザックは読んだことないが、ドストエーフスキーの長編は、全部読んだ。よって、バルザックのリアリズムは、なんとなく想像できる。

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」の特長の一つは「繰り返し」である。「繰り返し」は、人(読者)を麻痺させる。しかも、経済学における《文学の話題》の繰り返しは、うまくやれば、説得力ある。そして、ピケティは、それに成功している。経済学に疎い読者(=つまり私)にとって、「繰り返し(文学トピックの繰り返し)」は、同書の受容(読書)に有用だった。同書の結論は:

「とにかく、金持ちはますます金持ちになり、貧乏人はますます貧乏になる」

ということ。

私は、「21世の資本」に完全に感化されてしまった(久々にまともな本を読んだという気がする)。世の為政者よ! さっさと、資本税を導入しなさい! 最高税率安いよ! 最高税率、たったの5−10%だよ!

「あなたが、10兆円の資産を持っているなら、資本税は5000億円−1兆円(5−10%)」

【2015−11−29 追加】

「あなたが、1000万円の資産を持っているなら、資本税は非課税、または、年間1万円(0.1%)」←NHKの受信料より安い。

2015年7月19日 (日)

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(8)小見出し:「年金の将来 --- ペイゴー方式と低成長」におけるピケティの論旨は、歯切れが悪いと思う/「日本の年金制度・社会保障制度の破綻。←その危機を乗り切るためには『資本税』の導入・実施しかない」とピケティに言って欲しかった

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-9668.htmlに続きます

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-fc33.htmlの続きです

--

Piketty

21世紀の資本 単行本 - 2014/12/9
トマ・ピケティ

年金の将来 --- ペイゴー方式と低成長

 公的年金制度は通常、ペイゴー方式となっている。現役労働者たちの賃金から差し引かれた年金拠出金が、そのまま退職者たちの年金として支払われるということだ。積立方式の年金とちがい、ペイゴー方式では何も投資されず、入ってきた拠出金は即座に現在の退職者たちに渡されるのだ。ペイゴー方式は、世代をまたがる連帯の原理に基づいている(今日の労働者は今日の退職者に年金を払い、将来は子供たちが自分の年金を支払ってくれると期待する)。507ページ

「ペイゴー方式」という術語は、「ペイゴー」さんという人の名前からとったのかと思ったら、それは、「21世紀の資本」英語版における「The Future of Retirement: Pay- As- You- Go and Low Growth」の「Pay- As- You- Go」の訳だった。私は「Pay- As- You- Go」を訳せないので、やはり、これを「ペイゴー」と訳すれば、「The Future of Retirement: Pay- As- You- Go and Low Growth」は「退職後の未来:『ペイゴー』と低成長」。

この小見出し:「年金の将来 --- ペイゴー方式と低成長」におけるピケティの論旨は、歯切れが悪いと思う。「日本の年金制度・社会保障制度の破綻。←その危機を乗り切るためには『資本税』の導入・実施しかない」とピケティに言って欲しかった。

来年のマイナンバー実施とともに我が国において「資本税」を実施しようじゃないか。ちなみに、資本税の最高税率は、10パーセント(!)←それぐらいなら、実現可能だろう。

【2015−7−19 追加】

pày-as-you-gó
形容詞
〖名詞 の前で〗料金[通話料]前払いの〈インターネット接続サービス携帯電話〉; 現金払いの.

(スーパー大辞林より)

2015年7月16日 (木)

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(7)ロシアと中国のお金持ちたち/ロシアのオリガルヒと中国の全国人民代表大会の代表

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-265d.htmlに続きます

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-318e.htmlの続きです

--

Piketty

21世紀の資本 単行本 - 2014/12/9
トマ・ピケティ


メディアでいちばんよく見かける比較は、米国連邦議会議員535人の平均財産(これは「責任ある政治センター」のヒアリングに基づく)を、中国の全国人民代表大会の代表の中で最も豊かな70人の平均財産と比べたものだ。米国議員の平均純資産は「たった」1500万ドル(1ドル120円として、18億円)だが、中国全人代代表の平均は10億ドル(1200億円)以上となる(データの出所は『2012年胡潤報告』。あまりはっきりしない手法に基づいて中国人の総資産を『フォーブス』式にランキングした報告【注】)。両国の相対的な人口を考えると、中国全人代の代表3000人すべての平均資産を比べるほうが適切だ(だがこれについての推計はないようだ)。いずれにしても、中国全人代の代表に選ばれるのは、こうした億万長者にとってはもっぱら名誉職らしい(かれらには立法権はない)。むしろ米国の政治献金者の上位70人と比較したほうがいいかもしれない。(原注85ページ。15−42)

==

>中国の全国人民代表大会の代表の中で最も豊かな70人の平均財産は、10億ドル(1200億円)以上

==

・ロシアのオリガルヒ(ロシアの新興財閥は、ロシアの資本主義化の過程で形成された政治的影響力を有する寡頭資本家。一般的には寡頭制 (Oligarchy) にちなみ、オリガルヒ (Олигархи, oligarch) と呼ばれる。ウィキペディアより

・中国の全国人民代表大会の代表

←(旧)共産圏には、政治と癒着したお金持ちや、大金持ちの権力者どもが、ピラミッドのテッペンに座していらっしゃるようです。
共産主義・社会主義って、お金持ちのためのシステムでしたっけ?

【注】「胡潤報告」については、経済用語集およびルパート・フーゲワーフ(ウィキペディア)参照のこと。

2015年6月20日 (土)

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(6)ピケティの「ジニ係数批判」/格差の正当化議論は、それが労働による所得か、相続財産による所得か、格差のある資本収益による所得かによってまったく異なる

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-fc33.htmlに続きます

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-265d.htmlの続きです

--

Piketty

21世紀の資本 単行本 - 2014/12/9
トマ・ピケティ

・ピケティの「ジニ係数批判」と「分布表」

・格差は、それが労働によるものか、資本によるものか、によってまったく異なる(参照:表7-1, 7-2, 7-3(258ページ))

労働と資本の格差(「21世紀の資本」253ページより)

(中略)

(以下、同書254ページより)

 所得分配の格差を分析する際は、これらの格差のさまざまな特徴と要素を入念に区別して考える必要がある。それはまずは規範的、道徳的理由(格差の正当化議論は、それが労働による所得か、相続財産による所得か、格差のある資本収益による所得かによってまったく異なる)からも区別すべきだし、さらに実際のそれぞれの格差推移を説明する経済的、社会的、政治的メカニズムがまったくちがうことも、区別が必要な理由だ。労働所得格差の場合、これらのメカニズムとしては、さまざまな技能の需要供給、教育制度の状態、労働市場の運営と賃金決定に影響を与えるさまざまな規則と制度などがある。資本所得格差の場合、最も重要な過程として挙がるのは、貯蓄と投資活動、贈与と相続を管理する法律、不動産と金融市場の働きなどだ。経済学者の著作や、国民の議論に登場する所得格差の統計指標は、労働と資本の格差というまったく異なる要素を混ぜ合わせたジニ係数のような総合指標であることが多いため、格差の多様な様相とそこで働いているメカニズムをはっきり区別できない。これに対し、私はこれらの要素を可能なかぎり厳密に区別して考えよう。

(中略)

総合指標の問題点(同書276ページより)

(中略)

(以下、同書276ページより)

 これらの係数 ----- 他にも、タイル係数などがある ----- は役に立つこともあるが、問題も多い。それらはある分布が格差について言えることをすべて(中略)ひとつの数値指標に集約できると主張する。これは一見とてもシンプルで魅力的だが、いささか誤解を招くことは必至だ。(中略)社会的現実と格差の政治経済的重要性は、その分配の中での水準ごとにまったくちがうから、それらを個別に分析することが重要だ。加えて、労働の格差と資本の格差では、機能する経済メカニズムや規範によるその格差の正当化手段がまったくちがうのに、ジニ係数などの総合指標はそれを混同しがちだ。こういった理由から、格差を分析するならジニ係数のような総合指標を利用するよりも、総所得、国富におけるさまざまな十分位、百分位のシェアを示す分布表を使うほうがずっとよいと私は考えた。
 分布表がもうひとつ優れているのは、既存の階層を構成するさまざま社会グループの所得と富の水準にみんなが確実に注目するという点だ。そうした水準は、解読しにくい人為的な統計単位ではなく金額(もしくは当該国の平均所得と財産レベルに対するパーセント)で示されている。分布表は、社会的格差に関する具体的かつ直感的な理解を与えてくれると同時に、これらの問題の研究に使えるデータの評価とそれらのデータの限界を教えてくれる。これに対し、ジニ係数のような総合指標は、格差について抽象的で生気のない視点は与えてくれるが、現在の階層での自分の位置を人々が掴みにくくなってしまう(自分の位置を知ることはいつも有益なことだ。特に分配の百分位の上位にいるくせにそれを忘れがちな人々はぜひやってほしい。経済学者たちはしばしばそういう人々の典型になっている)。指標はしばしば、元データに例外や矛盾があること、あるいは国同士やちがう時期のデータが直接比較できないという事実(たとえば、分配の最上位が端折られたり、あるいは資本所得が国によって除外されたり含まれたりするため)をあいまいにする。分布表を使うことで、一貫性を持つ透明性のある考察が避けられなくなるのだ。

==

【当ブログ開設者より】

>経済学者たちはしばしばそういう人々の典型になっている

ピケティがしばしば語る「既存の経済学者への批判」

【分布表】

「分布表」←恥ずかしながら、私にはわからない。
「分布表」←そもそも、コレ何? 表7-1, 7-2, 7-3(258ページ)のこと? それとも、このページ(277ページ)以降に出てくる新しいデータのこと?

【ジニ係数について】

ピケティは「ジニ係数」という指標を批判しているが、私は、「ジニ係数は素人にはわかりやすいシミュレーションではないか(!)」と思った。

【参考】

「ジニ係数」については、「トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(1)」を、参照のこと。


2015年6月 8日 (月)

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読んで(5)ハーヴァード大学の学費は高い/高等教育への不平等アクセスと社会的モビリティの低下

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-318e.htmlに続きます。

このエントリーは、http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-cf16.htmlの続きです

--

Piketty

21世紀の資本 単行本 - 2014/12/9
トマ・ピケティ

教育制度は社会的モビリティを促進するだろうか?

(中略)

 第III部で、20世紀を通じて平均教育水準はかなり上がったにもかかわらず、稼いだ所得の格差は減らなかったことを示した。職場で求められる学歴水準も上昇したからだ。現在の高校卒業証書は、いまやかつての小学校卒業証書並みの意義しか持たず、大卒でもかつての高卒と同じ扱い、といった具合だ。技術と職場のニーズが変わるにつれて、あらゆる賃金水準が同じ割合で増えたので、格差は変わらなかった。モビリティはどうだろうか?(503ページ)

(中略)

さらにすでに示した通り、相続財産は米国ではヨーロッパよりも小さな役割しか果たさず、このため米国の富は長いこと、少なくとも第一次世界大戦までは、集中度も低かった。だが20世紀のほとんどを通じて、そして今なお、手持ちデータによれば社会的モビリティは、ヨーロッパより米国のほうが低いことを示している。
 この事実について考えられる説明のひとつは、米国の最高エリート大学に入るためには、きわめて高い学費を払わねばならないというものだ。さらにそうした学費は1990−2010年にかけて大幅に値上がりし、米国トップ層の所得増加とかなり連動していた。ここから見て、これまで米国で観察された社会的定価は、将来的にはもっと下がるはずだと思われる(29)。高等教育への不平等アクセスの問題は、米国でますます論争の種になっている。研究によれば、両親が所得階層の下半分にいる子供たちの得た大学学位の比率は、1970−2010年には10−20パーセントで停滞したが、トップ4分の1の両親の子供たちでは、40パーセントから80パーセントへと上昇している(30)。言い換えると、両親の所得を見れば大学アクセスをほとんど完全に予測できるわけだ。(504ページ)

>言い換えると、両親の所得を見れば大学アクセスをほとんど完全に予測できるわけだ

やめてけれ! 教育の格差!

 このアクセス不平等はまた、経済階層のてっぺんにも存在するらしい。それは最も格の高い私立大学に通う高い費用のためだけではなく(そうした大学の学費は、中上層階級の両親たちの所得から見ても高い)、入学の選考に明らかにかなりの水準まで、両親たちがその大学にいくら寄付できるかという財政能力にも左右されるからだ。たとえばある研究によれば、卒業生が母校に行う寄付額は、不思議なことにその子供たちが大学生の時期に集中しているそうだ(31)。(505ページ)

米国大学って「裏口入学」みたいなことしてる。

さらに各種の情報源を付き合わせると、推計されるハーヴァード大学の学生たちの両親たちの平均所得は、45万ドル(約5400万円)だと推計される。これは米国の所得階層でトップ2パーセント平均所得に相当する。こうした結果は、純粋に能力だけに基づく入学審査という発想とは、完全に相容れるようには思えない。公式の能力主義的な発言と現実との対比は、この例ではことさら極端に思える。入学選考手順に関してまったく透明性がないことも指摘しておこう(33)。(505ページ)

--

・原注13−29

ハーヴァード大学での学部生が年間に必要とする金額は2012−2013年で、5万4000ドル(1ドル120円として約648万円)。これは住居費その他各種の費用を含めた金額だ(純粋な学費は3万8000ドル(約456万円))。他の一部大学はハーヴァードよりさらに高額で、信託基金からの所得がきわめて多い(第12章参照)。(70ページ)

ハーヴァード大学、純粋な学費は、年間3万8000ドル(約456万円)也。

金持ちはいい大学に行けるが貧乏人は行けない!

その他のカテゴリー

100万アクセスを超える | 21世紀の資本 | Apple Music | disc of the year | index | おすすめブログへのリンク | その他の作曲家 | アイヴズ, チャールズ | アナログ・レコード購入記 | ウォルフ(または、ウルフ), クリスチャン | ウストヴォーリスカヤ, ガリーナ | エッセー、戯言(たわごと) | エトヴェシュ | エルガー, エドワード | オーディオ | カーター, エリオット | ガーシュイン | ガーランド, ピーター | クセナキス, ヤニス | クルターグ | クーシスト, ヤーッコ | クープラン | グバイドゥーリナ | グラス, フィリップ | グラズノフ | グリゼー, ジェラール | グリーグ | グールド, グレン | ケージ, ジョン | ゲーム | コダーイ, ゾルターン | コリリアーノ, ジョン | コルンゴルト | コンスタンティネスク, パウル | サロネン, エサ=ペッカ | シェルシ, ジャチント | シェーンベルク | シベリウス | シマノフスキ, カロル | シャリーノ, サルヴァトーレ | シュトックハウゼン | シュトラウス, リヒャルト | シュニトケ | シュヴィッタース, クルト | シューベルト | シューマン, クラーラ | シューマン, ローベルト | ショスタコーヴィチ | ショパン | ジャズ | ジャレル, ミカエル | ジョドロフスキ, ピエール | スキャンダル | スクリャービン | ステーンハンマル, ヴィルヘルム | ストラヴィンスキー | スポーツ | ゾーン, ジョン | タヴナー, ジョン | チャイコフスキー | チン, ウンスク(陳銀淑) | デュティユー | トーマス, オーガスタ・リード | ドビュッシー | ニールセン | ハイドン, フランツ・ヨーゼフ | ハチャトリアン | ハルトマン, カール・アマデウス | バッハ, カール・フィリップ・エマヌエル | バッハ, ヨハン・ゼバスティアン | バルトーク | バーバー | パソコン・インターネット | ヒグドン | ヒンデミット | フェルドマン, モートン | フランク, セザール | フランチェスコーニ, ルカ | ブクステフーデ | ブラームス | ブリテン | ブルックナー | プロコフィエフ | ヘンデル | ベッファ, カロル | ベリオ, ルチアーノ | ベルク | ベンジャミン, ジョージ | ベートーヴェン | ペンデレツキ | マヌリ, フィリップ | マルタン, フランク | マンケル, ヘニング | マントヴァーニ, ブルーノ | マーラー | ミュライユ, トリスタン | ミュレンバッハ, アレクサンダー | ムソルグスキー | メシアン | メトネル | メンデルスゾーン | モンテヴェルディ | モーツァルト | ヤナーチェク | ユン, イサン(尹伊桑) | ライヒ, スティーヴ | ラフマニノフ | ラモー | ラヴェル | リゲティ, ジェルジュ | リスト | リーム, ヴォルフガング | ロスラヴェッツ, ニコライ | ロック、ポップス | ワーグナー | 上山和樹 | 介護 | 伊福部昭 | 住まい・インテリア | 住宅瑕疵担保履行法 | 原子力発電 | 岡林信康 | 心と体 | 教育 | 文化・芸術 | 新垣隆 | 日本の農業と漁業 | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 東日本大震災(2009/12/27に発生した私の家の火災による被災体験の教訓から) | 東日本大震災(2009/12/27に発生した私の家の火災による被災体験の教訓から)というカテゴリーについて | 災害 | 犯罪 | 環境 | 相対性理論 | 社会 | 科学 | 経済・政治・国際 | 衝撃的な報告をしなければなりません(新たに買いたい CD など) | 衝撃的な報告をしなければなりません(買い戻したい CD など) | 被災(2009/12/27 私と私の家族が火災で焼けだされてしまいました) | 親知らず | 訃報 | 近況報告 | 防災 | 音楽

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

最近の記事

カテゴリー

無料ブログはココログ