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2018年7月11日 (水)

J. S. バッハ:ゴルトベルク変奏曲〜ブゾーニ編曲ピアノ版、他/塚谷水無子

Tsukatani

J. S. バッハ:ゴルトベルク変奏曲〜ブゾーニ編曲ピアノ版、他
塚谷水無子(ピアノ)
2017年録音


【結論】

塚谷水無子さんの「バッハ:オルガン集」を『Apple Music』で、試聴したところ、それが良かったので、この《ゴルトベルク》を購入・・・結論からいうと、このアルバムは、バッハにいかれたコアなリスナーを満足させないだろう。買わなきゃ良かった。

私の評価:Stars3

【本文】

フェルッチョ・ブゾーニ(Ferruccio Busoni, 1866-1924)編曲の《ゴルトベルク変奏曲》

以下、私の批評をランダムに箇条書き

1. 冒頭の装飾を排した「アリア」は「ベーゼンドルファー モデル 225(92鍵)」の音が良い。だが、その他の曲(変奏)を聴くと(私のオーディオ環境:TANNOY Stirling HW, LUXMAN L-560, marantz sa-11s1 で、聴く限り)「ベーゼンドルファー モデル 225」の音は必ずしも良く録音されてないと思う(音がこもっているように聴こえる。ただし低音は迫力ある)。

⒉ 「第13変奏の前半」と「第16変奏」を除きリピートされていない。また、切れ目なく(アタッカで)演奏されている「変奏」が多い。よって「流れが良い」ように聴こえるが、残念ながら、全曲の統一感に欠けると思う。退屈する。

3. 従来のチェンバロ、ピアノで弾かれた超絶技巧の《ゴルトベルク》と比較すると「ブゾーニ編」であるにもかかわらず、意外に地味・・・もっと個性的で意外性のあるバッハを期待したが期待外れ。20世紀的に演奏して欲しかった(←このブゾーニ編《ゴルトベルク》が出版されたのは1914年)。

4. このブゾーニ編《ゴルトベルク》よりも、グレン・グールドの同曲(1955年録音)の方が新鮮じゃないか。

5. 華やかな変奏は、第11変奏、第14変奏、第17変奏、第25変奏ト短調(←塚谷さんは第25変奏を『フェティッシュだ(偏愛または呪物)』とリーフレットに書いているが、これは私の主観では華やかに聴こえる)、第28、29、30変奏。

6. このアルバムはブゾーニ編曲でなければ、価値がなかっただろう。悪くいえば「ブゾーニが《ゴルトベルク》を編曲したらこうなりましたよ」というのを、リスナーは聴くだけ。

7. 塚谷さんは、オルガン演奏が上手いので、複数声は綺麗に弾かれていると思う。

8. リーフレットの塚谷さんご自身による日本語解説は大いに参考になる。




【収録情報】
J.S.バッハ/ブゾーニ編:
● ゴルトベルク変奏曲 BWV.988
● 『われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ』 BWV.639
● 『いざ来ませ、異邦人の救い主よ』 BWV.659

塚谷水無子(ピアノ/ベーゼンドルファー Bösendorfer model 225, 2009)

録音時期:2017年12月26-28日
録音場所:東京都立川市、チャボヒバホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)




【参考】

アリア

第1変奏 2声、インヴェンション、「ポロネーズ」、4分の3拍子
第2変奏 3声、シンフォニア、「トリオ」、4分の2拍子
第3楽章 2声、同度のカノン(ユニゾン)、自由なベースライン、「パストラール」、8分の12拍子

第4変奏 4声、模倣、「パスピエ」、8分の3拍子
第5変奏 2声、インヴェンション、1段または2段鍵盤、両手の交差、4分の3拍子
第6変奏 2声、2度のカノン、自由なベースライン、8分の3拍子

第7変奏 2声、ジーグ、8分の6拍子
第8変奏 2声、インヴェンション、2段鍵盤、両手の交差、「協奏曲」、4分の3拍子
第9変奏 2声、3度のカノン、自由なベースライン、4分の4拍子

第10変奏 4声、フゲッタ、2分の2拍子
第11変奏 2声、ジーグ、2段鍵盤、両手の交差、16分の12拍子
第12変奏 2声、4度のカノン(回転)、自由なベースライン、4分の3拍子

第13変奏 2声、ソプラノアリア、4分の3拍子
第14変奏 2声、協奏曲、2段鍵盤、両手の交差、技巧的、4分の3拍子
第15変奏 2声、5度のカノン(回転)、自由なベースライン、ト短調、4分の2拍子

第16変奏 フランス風序曲、2分の2拍子 - 8分の3拍子
第17変奏 2声、協奏曲、第14変奏に似ている、4分の3拍子
第18変奏 2声、6度のカノン(アラ・ブレーヴェ)、ストレッタで、自由なベースライン、「stilus antiquus」、2分の2拍子

第19変奏 3声、メヌエット、8分の3拍子
第20変奏 2声、協奏曲、2段鍵盤、両手の交差、技巧的、後打音(16分音符)、4分の3拍子
第21変奏 2声、7度のカノン、自由な半音階的ベースライン、ト短調、「ラメント」、4分の4拍子

第22変奏 3声、フガート、自由なベースライン、リチェルカーレ様、2分の2拍子
第23変奏 2声、協奏曲、2段鍵盤、速い連続走句、両手の交差、後打音(和音)、4分の3拍子
第24変奏 2声、8度のカノン、自由なベースライン、「パストラール」、8分の9拍子

第25変奏 2声、ソプラノアリア、半音階的、「stile Monodico」、(ヴァイオリン・ソロ)、ト短調、4分の3拍子
第26変奏 和音によるサラバンド、4分の3拍子、飾り気のないアリア(高音部)と16分の18拍子の速い連続走句、両者は両手で交互に奏される、2段鍵盤
第27変奏 2声、9度のカノン、自由なベースラインを伴わない、8分の6拍子

第28変奏 自由な形式の技巧的協奏曲、「練習曲」、トリル、ダブルトリル、4分の3拍子
第29変奏 自由な形式の技巧的協奏曲、後打音付き「練習曲」、「トッカータ」、4分の3拍子
第30変奏 3声、クォドリベート、自由なベースライン、4分の4拍子

アリア

(以上、コロリオフ盤のリーフレットより)

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