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2018年6月14日 (木)

日本デビュー20周年記念リサイタル 2017〜2018/イリーナ・メジューエワ(4CD)

Mejoueva

日本デビュー20周年記念リサイタル 2017〜2018/イリーナ・メジューエワ(4CD)



メジューエワは相変わらず意欲的。十分楽しませてもらったが、この4枚組は100点満点ではないので:Stars4


【収録情報】
[Disc-1]
ベートーヴェン:
● ピアノ・ソナタ第27番ホ短調 Op.90
● ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
● ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110

[Disc-2]
ベートーヴェン:
● ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
● バガテル ト長調 Op.126-5

リスト:
● 告別(ロシア民謡) S.251
● ピアノ・ソナタ ロ短調
● 夢の中で(ノクターン) S.207
● エステ荘の噴水

[Disc-3]
ショパン:
● マズルカ集(Op.6-2、Op.17-4、Op.24-4、Op.41-2、Op.41-4)
● ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35
● 子守歌 変ニ長調 Op.57

ラフマニノフ:
● ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36
● 練習曲『音の絵』 ハ長調 Op.33-2
● 楽興の時 ホ短調 Op.16-4

[Disc_4]
メトネル:
● 『忘れられた調べ』より(夕べの歌 Op.38-6、田舎の舞曲 Op.38-5、波の舞曲 Op.40-5、優美な舞曲 Op.38-2、祝祭の舞曲 Op.38-3)

ショパン:
● ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
● マズルカ イ短調 Op.67-4
● 練習曲 嬰ハ短調 Op.25-7
● マズルカ ハ短調 Op.30-1

メトネル:
● おとぎ話 変ホ長調 Op.26-1

イリーナ・メジューエワ(ピアノ/1925年製ニューヨーク・スタインウェイ、CD135)

録音時期:2017年8月26日(ベートーヴェン)、2017年11月18日(ショパン)、2018年2月24日(リスト、ラフマニノフ、メトネル)
録音場所:東京文化会館・小ホール
録音方式:ステレオ(デジタル24-Bit & 96kHz/ライヴ)

(HMV.co.jp より)



[Disc-1]
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番
粗いが全然悪くない。

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番
大味だが、カタルシスを感じさせる。私好みの演奏。

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番
もし、この録音が編集されていないライブ録音なら、これは、充実していると思う。力強い。豪快。第3楽章のフーガはスローテンポ。第3楽章の9分24分あたり、例の「京都リサイタル2017(ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30, 31, 32番)」と同様「2度目の『嘆きの歌』の後、2度目のフーガに入る前、メジューエワは両手の和音を(異様に)遅く弾いている」←それは生きている。←同楽章は、もしかして、巨匠的(?)。

[Disc-2]
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番
私の主観では「京都リサイタル2017(ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30, 31, 32番)」と同様、第2楽章は息切れしているように聞こえる。


Beethoven_op_111_2_1

【譜例】 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 第2楽章の主題「アダージョ・モルト・センプリーチェ・エ・カンタービレ」(midi


・「リスト:ロ短調ソナタ」は、彼女には無理だと思っていたが、この演奏は、まあ、健闘していると思う。なんとか、コーダにたどり着いている(下記参照)。


【参照:ドイツ語ウィキペディアにおけるリスト:ロ短調ソナタ「経過」 の和訳】

1 - 7:枠
8 - 13:跳躍動機
13 - 17:(ピアノの)ハンマー音
18 - 29:跳躍動機成分
30 - 39:跳躍動機成分とハンマー音(拍子を交替させながら)
40 - 44:跳躍動機成分
45 - 54:自由な上昇音形
55 - 81:継続を伴う跳躍動機
82 - 104:枠(バスにて)

上記から傍系主題が始まる

105 - 119:グランディオーソ(壮大に)の動機(2分の3拍子、傍系楽章の第1動機)
120 - 140:跳躍動機(再び4分の4拍子で)
141 - 152:ハンマー音
153 - 170:ハンマー音(音価2倍)(傍系主題の第2動機)
170 - 190:跳躍動機成分(バスに)
190 - 196:ハンマー音(音価2倍)と枠
197 - 204:短いソロカデンツァ
205 - 231:跳躍動機と反行
232 - 238:ソロカデンツァ
239 - 254:カデンツァ 伴奏付
255 - 269:ハンマー音成分(カデンツァ成分を伴って)
270 - 277:跳躍
278 - 286:枠
286 - 296:継続を伴う跳躍動機
297 - 300:グランディオーソの動機(2分の3拍子)
301:レチタティーヴォ(自由な拍子で)
302 - 305:グランディオーソの動機(2分の3拍子)
306 - 310:レチタティーヴォ
310 - 314:ハンマー音
315 - 318:跳躍動機成分
319 - 330:ハンマー音 拡大された音価の跳躍動機(右手)を伴って

ここからテンポが遅い中間楽章が始まる

331 - 348:叙情的なアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題(4分の3拍子)
349 - 362:ハンマー音(音価2倍)カデンツァ成分を伴って
363 - 380:グランディオーソの動機(音価半分)
381 - 384:跳躍動機への接近
385 - 394:跳躍動機
395 - 415:変奏されたアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題
415 - 432:パッセージ 枠成分(バスの下降音形)を伴って
433 - 445:ハンマー音(音価2倍)
446 - 459:枠

ここから再現部が始まる

460 - 523:跳躍動機とハンマー音によるフガート
524 - 530:跳躍動機(16分音符の技巧的な走句が続く)
531 - 540:跳躍動機(ハンマー音と交替しながら・その後、16分音符が続く)
541 - 554:16分音符
555 - 569:和音と16分音符
569 - 581:跳躍動機(バスにて下降音階と交替しながら)
582 - 599:パッセージとハンマー音
600 - 615:グランディオーソの動機の再現(600小節以降はこの動機はロ長調で演奏)
616 - 650:ハンマー音(音価2倍)ソロカデンツァが続く

ここからコーダであると分離することができる、すべての重要な動機が逆の順番で現れる

650 - 672:ストレッタ:ハンマー音(音価2倍)、跳躍動機成分
673 - 681:プレスト:4分音符の下降音形
682 - 699:プレスティッシモ:和音と8分音符
700 - 710:グランディオーソの動機(2分の3拍子)変奏を伴う(伴奏は1拍に8分音符4つではなく、4分3連符で)
711 - 728:叙情的なアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題が再現する(4分の4拍子)
728 - 736:オリジナルのハンマー音(バスにて、ロ長調)
737 - 743:跳躍動機(両手に分担されて演奏、パラレルの8分音符を伴わずに)
743 - 749:和音
750 - 754:枠
755 - 760:終結和音


・リスト:エステ荘の噴水
なかなか面白い演奏をしていると思う。

[Disc-3]
・ショパン:マズルカ(5曲)
痩せてるが悪い演奏ではない。

・ショパン:ピアノ・ソナタ第2番
第1楽章提示部は、アヴデーエワと同じく「冒頭(Grave)」を反復している。第3楽章葬送行進曲の中間部は味があって良い。しかし、この「ショパン:ソナタ第2番」は、おそらく、これまで、メジューエワが録音した「ショパン:ソナタ第2番」を超えるものではないだろう(←はっきり言って、私の主観では、この演奏は魅力に乏しい)。

・ショパン:子守唄
これは上手いと思う。気に入った。

・ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番
私は「メジューエワの弾くラフマニノフ:ソナタ第2番」を初めて聴いたような気がするが、それは私の記憶違いだろうか?
「ラフマニノフ:ソナタ第2番」は、ホロヴィッツの超名演奏があるので、どうしても「ホロヴィッツの演奏」と「その他の演奏家の演奏」を比べてしまう。よって、ピアニストにとって、コレを演奏するのは勇気がいることだろう。
だが、このメジューエワの「ラフマニノフ:ソナタ第2番」は、冒頭から豪快(!)。健闘していると思う。←私の嗜好では第3楽章の派手な演奏が気に入った。

・「ラフマニノフ:練習曲 音の絵/楽興の時」は粗いが上手い。やはりメジューエワはロシア人ですね。

[Disc-4]
・メトネルは、彼女の十八番(おはこ)なので、なにも言うことなし・・・というか私はメトネルを、あまり知らない。

・ショパン:ピアノ・ソナタ第3番
私の主観では、この演奏は、テクスチャーは、一応、聴こえるが、調性の流れがあまり美しくないと思う。気合が入りすぎたか? 最終楽章はテンポが遅いが・・・。

・「ショパン:練習曲 嬰ハ短調 Op.25-7」←私の大好きな曲。この曲には「発想標語」がない。←私が持っているスコアには『Lento』としか書いてない。したがって、この曲に対するアプローチは幅が広いと思う。
メジューエワは、同曲をメランコリックに弾いているが、表現に幅がないと思う。

・まとめ。十分楽しませてもらった。

・それにしてもメジューエワは独奏演奏に徹してますね。彼女、協奏曲を弾かないのだろうか?

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