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2018年5月30日 (水)

『クラシカル・バーブラ Classical Barbra/バーブラ・ストライサンド(1976年)』へのアマゾンJP レビューのコピー

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クラシカル・バーブラ Classical Barbra/バーブラ・ストライサンド (1976年)


【これは ASIN: B0000268DS へのレビューです】

クラシック音楽の解釈は理屈で始まり理屈に終わる。しかしポップスやジャズのアーティストは、その「嗅覚」のみで作品を解釈する。このアルバムにおけるバーブラの呼吸はまったくもって自然体。フォーレの「夢のあとで(Après un rêve)」をフォルテ(強勢)で歌うクラシックの歌手が居る。しかし、バーブラの呼吸はあえてその作品を「強烈なクレッシェンド」で歌わずに、より自然体なクレッシェンド、より自然体な呼吸で歌う。その結果、彼女はクラシック音楽の歌手が気づかなかった作品の良さを自然に表現できた。

このアルバムに収められている楽曲は、クラシック音楽の歌手たちによって幾度も歌われた。新しい歌手たちが新しい解釈でそれらを歌うのは難しいことだと思う。なぜなら、過去において、クラシック音楽のマイスターたちが、それらの楽曲を歌った・・・すなわちそれらマイスターたち(名歌手たち)の「名唱」が存在するからである。ところが、ポップスの歌手が、このアルバムに収められている楽曲を歌った例はない。

バーブラの歌唱は解釈が新しいのではなく、そもそもポップスの歌手がクラシック音楽を歌うという前例のないことにチャレンジしたことによって、繰り返すが彼女はクラシックの歌手たちが気づかなかった作品の良さを自然に表現できた・・・それは「名唱」である。クラシック音楽の愛好者である私は、彼女に敬意を表したい。なお、吉田秀和先生がこのアルバムを褒めていたと、私は記憶する。



Track listing

01. "Beau Soir" (Claude Debussy) – 2:42
02. "Brezairola - Berceuse" from 'Songs of the Auvergne' (Joseph Canteloube) – 3:47
03. "Verschwiegene Liebe" (Hugo Wolf) – 2:57
04. "Pavane (Vocalise)" (Gabriel Fauré) – 5:29
05. "Après un rêve" (Gabriel Fauré) – 3:24
06. "In trutina" from 'Carmina Burana' (Carl Orff) – 2:11
07. "Lascia ch'io pianga" from 'Rinaldo' (George Frideric Handel) – 3:37
08. "Mondnacht" (Robert Schumann) – 3:56
09. "Dank sei Dir, Herr" (Unconfirmed composer; Handel or Siegfried Ochs) – 3:42
10. "I Loved You" (Claus Ogerman) – 2:18



【参考】

Classical_barbra
(C) Apple Music 検索キーワード:Classical Barbra



【下記はおそらく国内盤】

松田華音デビュー・リサイタル/アマゾンJPへのレビューのコピー

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/10-be9a.html の続き。

==

Matsuda

松田華音デビュー・リサイタル
2014年録音



私の評価:難しい曲を選曲しているが失敗していないと思う。私はこのピアニストを追っかけることにした:Stars4

先行レビューアーさんがお書きの通り、確かに瑞々しい。

ワルトシュタインは、なんとなくバックハウスの演奏に似ている。つまり貫禄あり。技巧あり。同曲最終楽章のフィニッシュは「アリス=紗良・オットの退屈させない演奏」には負ける。←変な表現だが、松田華音の同作品最終楽章はちょっと軽くもあれば、重くもある?

ショパン:バラード1番。粗い。彼女独自の解釈は悪くないと思うが、もう少し形式にこだわって欲しかった。
同曲はソナタ形式で書かれている。第1主題がト短調からイ短調に転調する。第2主題の繰り返しに「仕掛け(展開部で fff、再現部で第1主題を誘導)」がある(私のブログの譜例参照)。

ショパン:『英雄ポロネーズ』。全然悪くない。5分19秒あたりからの官能的な数小節を上手に流していると思う。

リスト、ラフマニノフ、スクリャービンは爽快。ラフマニノフ、スクリャービンは、誰かの演奏を真似していないのが良い。

彼女は1996年生まれ。全体的にやや粗いが、完成度は低くないと思う。


【収録情報】
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番『ワルトシュタイン』
● ショパン:バラード第1番
● ショパン:ポロネーズ第6番『英雄ポロネーズ』
● リスト/シューマン:献呈
● ラフマニノフ:『音の絵』〜第6番イ短調『赤ずきんちゃんと狼』
● ラフマニノフ:『音の絵』〜第5番変ホ短調
● ラフマニノフ:『音の絵』〜第9番ニ長調『東洋風行進曲』
● スクリャービン:8つの練習曲 op.42〜第5番嬰ハ短調
● スクリャービン:ワルツ op.38
● パッヘルベル:カノン(ピアノ編曲版)

松田華音(ピアノ)
録音時期:2014年9月

(HMV.co.jp より)


【譜例】

Chopin_ballade_1_2
ショパン:バラード 第1番 第2主題(midi
同曲はソナタ形式で書かれている。第1主題がト短調からイ短調に転調する。第2主題の繰り返しに「仕掛け(展開部で fff、再現部で第1主題を誘導)」がある。

ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』全曲/モウフタール=サモライ演出、M.ボッシュ&ニュルンベルク国立劇場 [Blu-ray]

Meistersinger_2

Richard Wagner: Die Meistersinger von Nurnberg [Blu-ray]
Staatsphilharmonie Nürnberg
Marcus Bosch
2011年録画


ナチス党大会、ニュルンベルク裁判、つまり、ナチズムと因縁のある都市ニュルンベルクで『マイスタージンガー』を上演するのは不可能だと私は思っていた(そもそも、マイスタージンガーは、バイロイトを除いて、ドイツ国内では、あまり上演されないではないか?)。
しかし、この商品を見てびっくり。2011年、ニュルンベルクで『マイスタージンガー』が上演されてある。


【収録情報】
・ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』全曲

アルベルト・ペーゼンドルファー(Br ザックス)
ヨッヘン・クプファー(Br ベックメッサー)
ミヒャエラ・マリア・マイヤー(S エーファ)
マイケル・パッチ(T ヴァルター)
ティルマン・リヒディ(T ダーフィト)
ライラ・プフィスター(Ms マクダレーナ)
グィド・イェンティエンス(Bs ポークナー)
マルティン・ベルナー(Bs コートナー)
クリストフ・ヴィットマン(T フォーゲルゲザンク)
クルト・ショーバー(Bs ナハティガル)
マルティン・プラッツ(T ツォルン)
フィリップ・カーマイケル(T アイスリンガー)
マルティン・ニヴァル(T モーザー)
ムン・ヨンジェ(Bs オルテル)
ヴラディスラフ・ソロディヤギン(Bs シュヴァルツ)
キム・デヨン(Bs フォルツ)
ランダル・ヤコプシュ(Bs 夜番)
ニュルンベルク国立劇場合唱団
ニュルンベルク・フィルハーモニー管弦楽団
マルクス・ボッシュ(指揮)

演出:ダフィト・モウフタール=サモライ
装置:ハインツ・ハウザー
衣装:ウルテ・アイッカー
照明:カールハインツ・コルンベルガー

収録時期:2011年10月
収録場所:ニュルンベルク国立劇場(ライヴ)

収録時間:270分
画面:カラー、16:9、HD
音声:PCM Stereo, DTS-HD Master Audio 5.0
字幕:独英仏
Region All

(HMV.co.jp より)




【参考】

広江克彦著『趣味で相対論』を読む(2)/共変微分(covariant derivative)/第5章 リーマン幾何学/第1節 共変微分(p.160)より

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/eman-b200.html に続く

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/5-1-p156-6ab1.html の続き

==

Covariant_derivative_20180529_2

以上『趣味で相対論 p.160』 または http://eman-physics.net/relativity/co_dif.html より。
ここは正誤表に下のように書いてあるので書き直しました。間違えてなければいいのですが・・・。
>P.160 式全体 a の添字の l が上側に付いている。(5ヶ所) 下側に付けるのが正しい。
共変微分というのはこんなに難しいことをやっていたのか!

【追記】
>それぞれの変換から出てくる余分の項がうまい具合に打ち消しあって、テンソルとしての変換を実現しているのである。


【2018年6月5日 追加】

これは驚いて損したような気がする。
>それぞれの変換から出てくる余分の項がうまい具合に打ち消しあって、テンソルとしての変換を実現しているのである。
↑そうなるように、クリストッフェルさんが、クリストッフェル記号を作ったのでしょう。

2018年5月28日 (月)

Cole Porter Magdalena Kožená Ondřej Havelka & His Melody Makers

Kozena

Cole Porter
Magdalena Kožená
Ondřej Havelka & His Melody Makers
2017年録音


【結論】
確かに、ジャズ愛好者がこれを聴いたら「この人の歌唱、どこがいいの?」と言われそうだが・・・しかし、コール・ポーターは「メロディー」や「コード進行」の美しさが生きていればいいのです。←ジャズ歌手を聴き飽きた私の耳にはこれは快い。
コジェナーは「ヴァース(verse。クラシックで言うところのレチタティーヴォ)」を歌っているので歌詞の意味がよく分かる(Just One Of Those Things)。
バックバンドも良いし、アレンジも良い。男声ヴォーカル、コーラスも良い。
某レコード店の商品説明にある通り「古き良き時代の雰囲気でじっくり歌っていて絶品」

【本文】
1. これは『クラシカル・バーブラ Classical Barbra (1976年)』の逆だ:すなわち、クラシック音楽の歌手でないバーブラ・ストライサンドがクラシック音楽を歌って上手く行った(←吉田秀和先生も『クラシカル・バーブラ』を褒めていたと記憶する)。一方、ジャズ歌手でないマグダレーナ・コジェナーがジャズを歌って上手く行った(!)。
2. このアルバムにおけるコジェナーは、J. S. バッハを歌う彼女とは声が違うような気がする。
3. 『I've Got You Under My Skin』
後半の「♪Stop just before I begin」を男性コーラスに歌わせているのは、むしろ憎い(←この部分は、カーリー・サイモンがカッコつけて歌っている)。
4. 『Miss Otis Regrets』
コール・ポーターを聴くときは歌詞も味わわなければならない。「Miss Otis Regrets」の歌詞は怖い(←コジェナーは「Miss Otis Regrets」を力を抜いて普通に歌った方が良かったのではないかと思う。最後は、たくみに語ってはいるが・・・)。
5. 『Begin The Beguine』
「♪O yes, let them begin the beguine, make them play」 ←エラ・フィッツジェラルドはここを非常に盛り上げている。←エラ・フィッツジェラルドよりは弱いが、コジェナーもちゃんと盛り上げている。
6. 『Ev'rytime We Say Goodbye』は、同音反復で始まる簡素な旋律だが、コジェナーは彼女の歌唱力でその簡素さを補っている。
7. 長い前奏在り(M 4, 7, 9)。それは、デビュー当時のビリー・ホリデイのスタイルを思い起こさせる。

【まとめ】
1. 全体的に英語の発音が聴き取りにくい。
2. このアルバムはプロデューサーと伴奏をしているオケの指揮者が上手いと思う。
3. バックバンド(オケ)はチェコの人たちだと思うが、このアルバムにおいて、かくも上手いチームが、よくも揃ったもんだ(!)。彼らは一応ちゃんとスイングしている。そのバックバンドの演奏にも酔わされる。
4. 『I love Paris』『So in Love』が入ってないのは残念(!)。
5. コジェナーは丁寧に歌っている。それによってクラシック音楽の歌唱法の良さが、これらのジャズ・ナンバーに加味されていると思う。
6. コジェナー自身、このアルバムに収録された楽曲を楽しみながら歌っているのではないか。


【収録情報】
コジェナー、コール・ポーターを歌う

01. Just One Of Those Things
02. Always True To You In My Fashion
03. It's Allright With Me
04. My Heart Belongs To Daddy
05. Let's Misbehave
06. Love For Sale
07. I've Got You Under My Skin
08. Miss Otis Regrets
09. What Is This Thing Called Love
10. Begin The Beguine
11. You're The Top
12. You'd Be So Nice To Come Home To
13. Let's Do It
14. Night And Day
15. Ev'rytime We Say Goodbye

マグダレーナ・コジェナー(メゾ・ソプラノ)
オンジェイ・ハヴェルカ、ヴォイチェフ・ハヴェルカ、シチェパーン・ヤノウシェク(ヴォーカル:05,11)、ほか

録音時期:2017年6月15-20日
録音場所:プラハ、チェコ放送スタジオA
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)

(C) Apple Music にて試聴/ブルックナー:交響曲第7番、ワーグナー:ジークフリートの葬送行進曲/アンドリス・ネルソンス&ゲヴァントハウス管弦楽団

Bruckner_nelsons
(C) Apple Music 検索キーワード:Bruckner Nelsons

私の主観では指揮に深みがなく、うるさい。
なによりも、オケの音、悪いよ。なんで?
買わない。

【収録情報】
● ワーグナー:『神々の黄昏』〜ジークフリートの葬送行進曲
● ブルックナー: 交響曲第7番ホ長調 WAB107

 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
 アンドリス・ネルソンス(指揮)

 録音時期:2018年3月
 録音場所:ライプツィヒ、ゲヴァントハウス
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

(HMV.co.jp より)

2018年5月25日 (金)

広江克彦著『趣味で相対論』を読む(1)/クリストッフェル記号の変換規則の導き方/第5章 リーマン幾何学/第1節 共変微分(p.156)より、および、反変ベクトルと共変ベクトルの微分/同章同節(p.158)より

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/5-1-p160-9680.html に続く

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/51-p152-f0a6.html の続き

==

クリストッフェル記号またはクリストッフェルの三添字記号(Christoffel three index symbols)の変換規則の導き方/『趣味で相対論』/第5章 リーマン幾何学/第1節 共変微分(p.156)より、および、反変ベクトルと共変ベクトルの微分/『趣味で相対論』/第5章 リーマン幾何学/第1節 共変微分(p.158)より


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『趣味で相対論』/第5章 リーマン幾何学/第1節 共変微分(p.156)より




【2018-7-8 追加】

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『趣味で相対論』/第5章 リーマン幾何学/第1節 共変微分(p.158)より


J. S. バッハ:管弦楽組曲全集、ブランデンブルク協奏曲全集(2種)、ヴァイオリン協奏曲全集/鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパン、寺神戸 亮、若松夏美(6SACD)

Suzuki

J. S. Bach:
Orchestra Masterworks
Bach Collegium Japan
Masaaki Suzuki



私の評価:やっぱり、カール・リヒターの名演奏(アナログ盤)に比べると、退屈させられるので、辛いが:Stars3


【前置き】
私は、カール・リヒター指揮の《ブランデンブルク協奏曲》および《管弦楽組曲》のアナログ・レコード盤を持っていた(それは快演、かつ、快音であった)。しかし、私はそれらを、2009年の私の自宅の全焼火災で焼損した。そこで私は「リヒター指揮の同作品集/CD-DA(Compact Disc Digital Audio)リマスター盤」を買い戻そうと思い『Apple Music』にて、それを試聴した。

ところが、リヒター指揮、同 CD-DA 盤は、アナログ盤の音の良さを完全に失ってしまっていた。そういう訳で、私はこの鈴木雅明指揮の《バッハ:管弦楽曲集/6SACD》を購入した。ちなみに、私はこの商品を買うまでは《ブランデンブルク協奏曲》および《管弦楽組曲》を一つも持っていなかった(全部火災で焼損したから)。

【本文】
[Disc 1] ヴァイオリン協奏曲集(1998年録音)
当鈴木盤以外の演奏と比較すれば、当演奏はソロと伴奏のコントラストがやや弱く、軽快なリトルネッロが聴こえないのが不満。

[Disc 2, 3] ブランデンブルク協奏曲(2000年録音)
鮮やか、爽やかというより、奥ゆかしい(あるいは古式ゆかしい演奏も垣間見られる)。「ブランデンブルク協奏曲 第4番」の寺神戸亮の技巧はものすごい。同協奏曲新旧盤における鈴木雅明の腕前(チェンバロ)は衰えていない。

[Disc 4, 5] ブランデンブルク協奏曲(2008年録音)
私の主観では、鈴木指揮「ブランデンブルク協奏曲新旧盤」を聴き比べた場合、旧盤はやや堅い。新盤はリラックスしているが、何となくぎこちない。結局、この商品において、ブランデンブルク協奏曲新旧録音両方を聴けるのは正解だったと思う。

[Disc 5, 6] 管弦楽組曲集(2003年録音)
昔、小澤征爾が管弦楽組曲第3番の第2曲アリアを、思い入れありすぎる演奏をしていたが、それは良くない。私の主観では鈴木の自然体な解釈が正しい(バッハが小澤のような演奏をした訳がない!)。

【まとめ】
超名演ではないが、どの演奏にも大きな傷がないし、何よりこのアイテムは、バッハを楽しめる。繰り返すが、このバッハは技巧的であるが、奥ゆかしさが良いと思う。

【ちなみに】
私は、鈴木雅明さんのオルガン演奏を、地方の小さな教会で聴いたことがあるが、その時の聴衆の感想は、やはり、彼の演奏は「物足りないと思えるぐらい地味だ」とのことだった。


【収録情報】
Disc1:ヴァイオリン協奏曲全集(1998年録音)
● ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041
● ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042
● 2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV.1043
● オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ハ短調 BWV.1060

Disc2:ブランデンブルク協奏曲全集1(2000年録音)
● ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV.1046
● ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV.1047
● ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV.1048

Disc3:ブランデンブルク協奏曲全集2(2000年録音)
● ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV.1049
● ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV.1050
● ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV.1051
● ブランデンブルク協奏曲第5番第1楽章の初版BWV1050a

Disc4:ブランデンブルク協奏曲全集1(2008年録音)
● ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV.1046
● ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV.1047
● ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV.1048
● ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV.1049

Disc5:ブランデンブルク協奏曲全集2(2008年録音)&管弦楽組曲全集1
● ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV.1050
● ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV.1051
● 管弦楽組曲第4番ニ長調 BWV.1069

Disc6:管弦楽組曲全集2
● 管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV.1068
● 管弦楽組曲第1番ハ長調 BWV.1066
● 管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV.1067

バッハ・コレギウム・ジャパン
寺神戸 亮、若松夏美(ヴァイオリン)
鈴木雅明(指揮)

録音時期:1998-2008年
録音場所:神戸松蔭女子学院大学チャペル、ミューザ川崎シンフォニーホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
SACD Hybrid
CD STEREO/SACD STEREO/SACD 5.0 SURROUND

(HMV.co.jp より)

2018年5月24日 (木)

(C) Apple Music にて試聴/ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(+パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番)/スム(vn)、マルク&ラインラント=プファルツ州立フィル

Soumm
(C) Apple Music 検索キーワード:Soumm

アルゲリッチも注目する情熱系美女のデビュー盤
アレクサンドラ・ソムが弾くブルッフ&パガニーニ

(HMV.co.jp の商品説明より)

↑まさしくその通りなのだが、この人、品がないし、実力不足に思える。買わない。


・ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26
・パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調Op.6
 アレクサンドラ・スム(ヴァイオリン)
 ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー
 ゲオルク・マルク(指揮)
 録音:2007年10月5-9日、ルートヴィヒスハーフェン、フィルハーモニー

(HMV.co.jp より)

2018年5月22日 (火)

(C) Apple Music にて試聴/バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番、第1番/クリスティアン・テツラフ、ハンヌ・リントゥ&フィンランド放送交響楽団、および、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲、ニールセン:ヴァイオリン協奏曲/イ・ジユン、クリスティーナ・ポスカ&オーデンセ交響楽団

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(C) Apple Music 検索キーワード:Bartok Tetzlaff

クリスティアン・テツラフは、1966年4月29日生まれ(52歳/2018年5月22日現在)。
彼は、有名なヴァイオリニストであるし、中堅というよりベテランに近いかも・・・。
実は、私は、このヴァイオリニストを知らない。
このアルバムにおいて、テツラフは、手堅い演奏をしていると思うが・・・私の主観では、彼のバルトークに特に魅力はないと思った・・・というか、私の好みに合わない。買わない。


【収録情報】
バルトーク:
● ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112
● ヴァイオリン協奏曲第1番 Sz.36

 クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)
 フィンランド放送交響楽団
 ハンヌ・リントゥ(指揮)

 録音時期:2017年10月18,19日
 録音場所:ヘルシンキ・ミュージック・センター
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

(HMV.co.jp より)





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(C) Apple Music 検索キーワード:Jiyoon Lee

この人は多分上手いのだろう。ところが、コルンゴルトもニールセンも私が苦手な作曲家なので、今回は、チェックだけして買わないことにする。


【収録情報】
● コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35
● ニールセン:ヴァイオリン協奏曲

 イ・ジユン(ヴァイオリン)
 オーデンセ交響楽団
 クリスティーナ・ポスカ(指揮)

 録音時期:2017年6月26-28日
 録音場所:デンマーク、オーデンセ、カール・ニールセン・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)

2018年5月20日 (日)

Sophie Pacini In Between Schumann & Mendelssohn

Pacini

Sophie Pacini
In Between
Schumann & Mendelssohn
2017年録音


私の評価:全体的にうるさいのでStars1

このアルバムは、シューマン夫妻、メンデルスゾーン姉弟の作品集というコンセプトを持っているが、それは大したコンセプトではないように私には思えた(←ただの寄せ集め)。ただし、例によってクラーラ・シューマンの作曲家としての力量は非凡。

このアルバムのメインは「シューマン:幻想小曲集 Op.12」であろう。同曲については、或る人が「アルゲリッチ盤」が良いと仰るのを聞いたことある。が、同曲アルゲリッチ盤を聴いてみて、私はそれが、それほど良いとは思わなかった。そして、ソフィー・パチーニの同曲は技巧的だが幻想性が足りない。うるさ過ぎる。ダメ!

その他の曲も技巧的だが、やっぱりうるさ過ぎる。最後の曲は華やかで良いが・・・。買わない方が良い。


【収録情報】
● リスト:シューマンの『献呈』 S.566a
● クラーラ・シューマン:スケルツォ第2番ハ短調 Op.14
● シューマン:幻想小曲集 Op.12
● シューマン:トッカータ ハ長調 Op.7
● メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 ニ短調 Op.54
● メンデルスゾーン:無言歌集(Op.19-1, Op.30-3, Op.62-6, Op.67-1, Op.67-4)
● ファニー・ヘンゼル(ファニー・メンデルスゾーン):ピアノのための歌 Op.2-1
● メンデルスゾーン:ロンド・カプリチオーソ ホ長調 Op.14

ソフィー・パチーニ(ピアノ)

録音時期:2017年8月
録音場所:ドイツ、ノイマルクト、Historischer Reitstadel
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)

2018年5月19日 (土)

(C) Apple Music にて試聴/ブルックナー:交響曲第1番ハ短調 WAB101/交響曲第3番ニ短調 WAB103『ワーグナー』/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団/ワレリー・ゲルギエフ

Bruckner_gergiev_1



Bruckner_gergiev_3
(C) Apple Music 検索キーワード:Bruckner Gergiev

私の主観では、ゲルギエフは、ブルックナーが下手だと思う。ノリが悪い。買わない。


【収録情報】
● ブルックナー:交響曲第1番ハ短調 WAB101(リンツ稿)

ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

録音時期:2017年9月25日
録音場所:リンツ、聖フローリアン修道院
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

(HMV.co.jp より)


【収録情報】
● ブルックナー:交響曲第3番ニ短調 WAB103『ワーグナー』(ノヴァーク版、1889年)

ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

録音時期:2017年9月25日
録音場所:リンツ、聖フローリアン修道院
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

(HMV.co.jp より)

2018年5月15日 (火)

プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』より10の小品/ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』/松田華音

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/post-bd25.html に続く。

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Matsuda

プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』より10の小品
ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』
松田華音(ピアノ)
2017年録音


・プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』より10の小品
よく知らない作品なので、ノーコメント。

・ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』
最初は、平板な演奏に聞こえたが、松田華音さん(まつだ かのん。1996年生まれ)は、秀でた技巧を聴かせるし、没個性ではない。

彼女は、組曲『展覧会の絵』(すなわち多様な性格を持つ難曲の集合体)から特異なイメージをリファインし、各楽曲のイメージ・解釈をリスナーの想像力にゆだねる。

全曲を通して浮ついた譜読みとは真逆の演奏。過度なデフォルメがない。そして、彼女は若い体力を生かし、ある意味、全力疾走する。

だが、彼女は、音楽の流れを、澄んだ技巧をもって、淀むことなくストレートに、かつ、明快・明晰にたどり、そして「キエフの大門」の力強いクライマクス(轟音)に至る・・・ちょっと褒め過ぎか?

私の嗜好では「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」「カタコンブ」は重苦しさが足りず・・・「死者と共に死者の言葉を以て」は静謐が足りない・・・。よって、私の評価は星4.5。

それにしても、最近、『展覧会の絵/ラヴェル編曲』より『展覧会の絵/ピアノ版』の録音が多いような気がする。


【収録情報】
● プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』より10の小品 op.75
● ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』

松田華音(ピアノ)

録音時期:2017年2月22-24日
録音場所:長野県、軽井沢大賀ホール

(HMV.co.jp より)

(C) Apple Music にて試聴/モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』/カール・ベーム&ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団/1968年セッション録音

Figaro_bohm
(C) Apple Music 検索キーワード:Figaro Böhm

1954年、ロイヤル・フェスティバル・ホールにおけるカール・ベーム指揮《フィガロの結婚》ライブ録音のリーザ・デラ・カーザ(伯爵夫人)がイマイチだったので、グンドゥラ・ヤノヴィッツ(伯爵夫人)を聴きたくなって「フィガロの結婚/ベーム&ベルリン・ドイツ・オペラ/1968年セッション録音」を買った(私は後者を2009年の自宅全焼火災で焼損)。ヤノヴィッツの伯爵夫人はやや地味・・・だが彼女は健闘している。彼女は新しい歌唱を聴かせることによって偉大な先輩達の後を継いでいる。そしてまた、ヤノヴィッツは彼女の後輩たちに模範を示したと思う。
エディト・マティス(スザンナ)も悪くない。


・モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』全曲

 ヘルマン・プライ(Br:フィガロ)
 エディト・マティス(S:スザンナ)
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br:アルマヴィーヴァ伯爵)
 グンドゥラ・ヤノヴィッツ(S:伯爵夫人)
 タティアナ・トロヤノス(Ms:ケルビーノ)
 パトリシア・ジョンソン(Ms:マルツェリーナ)
 ペーター・ラッガー(Bs:バルトロ)
 エルヴィン・ヴォールファールト(T:ドン・バジリオ)
 マルティン・ヴァンティン(T:ドン・クルツィオ)
 クラウス・ヒルテ(Bs:アントニオ)
 バーバラ・フォーゲル(S:バルバリーナ)、他

 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団
 カール・ベーム(指揮)

 録音:1968年3月 ベルリン、イエス・キリスト教会[ステレオ]

(HMV.co.jp より)


私は、同商品を「Amazon.co.uk」で購入した(¥3,046)が「HMV.co.jp」でも売ってた(¥2,390+送料¥378=¥2,768)。
(いずれも、2018年5月14日現在)

私が「Amazon.co.uk」で購入した同商品は、外箱がつぶれ破れていた(泣

2018年5月13日 (日)

カルメン・ファンタジー、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番/服部百音

Mone

カルメン・ファンタジー、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
服部百音
2016年録音
avex-CLASSICS


私の評価:若干粗いのでStars4


Apple Music で試聴したときは、表現力が超濃厚に聴こえたが、商品[ASIN: B01JYS4PZ4]を聴いて見たら、それほどでもなかった。
先行レビューアーさんが書いてある通り、服部百音さん(はっとり もね/1999年生まれ)は「目指すヴァイオリニストとしてオイストラフ」を挙げているが、たしかに、この「ショスタコーヴィチ:第1番」はオイストラフ盤に似ている・・・あるいは、もしかしたら百音さんは「同作品/オイストラフ盤」を真似ているのかも知れない(第1楽章のテンポが遅いことなど)。すなわち、百音さんは、先輩たちの演奏や、師事した教師の指導に基づき「ショスタコーヴィチ:第1番」を弾いたのかも・・・もとい・・・彼女のショスタコは、そのような中途半端な演奏ではない。彼女は同作品を度胸と迫力をもって弾き、かつ、この「難曲」に対し独自の解釈を身につけている。速いテンポが魅力の「ヒラリー・ハーンの同作品録音盤」と比較すれば、百音さんのショスタコは粗く、不安定感があり、線が細い。が、彼女の繊細なテクスチュアと技巧は、ヒラリー・ハーンのエキサイティングな演奏に接近していると思う。第3楽章のカデンツァが良い。


【収録情報】
● ワックスマン:カルメン幻想曲
● ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 op.77

服部百音(ヴァイオリン)
ベルリン・ドイツ交響楽団
アラン・ブリバエフ(指揮)

録音時期:2016年5月31日〜6月2日
録音場所:ベルリン、テルデックス・スタジオ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


【参考】

広江克彦著『趣味で相対論』を読む(前置き)/第5章 リーマン幾何学/第1節 共変微分(p.152)より

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/5-1-p156-6ab1.html に続く

==

General_theory_of_relativity

広江克彦著『趣味で相対論』

General_theory_of_relativity_201805

相聞/中島みゆき/アマゾンJP へのレビューのコピー

Miyuki

相聞/中島みゆき



私の評価:Stars4


騒がしいロック調の曲が少なくないが『小春日和』『ねこちぐら』は、基本的にアコースティックであり、ホッとさせられる。ただし、このアルバムは歌詞が難しいので、リーフレットの歌詞を読まないと何を歌っているのか分からないのが欠点。

煩悩、夢、まぼろし、葛藤、ジレンマ、自己矛盾、自己嫌悪、挫折、失意、アイロニー、悲しみなど・・・相変わらず、中島みゆきさんは、このアルバムにおいて《様々なモチーフ・テーマを歌っている》←その意味で、彼女の意欲は衰えていない。←またその意味で、このアルバムは聴き応えがあり何度も聴くに耐えるアルバムである。
また、彼女の声量は衰えていない。

私が気に入った曲:
第1曲『秘密の花園』。逆説的タイトル。すなわち「ユートピアは無い」と、ゲーテの《ファウスト》とは反対のことを歌っている。
第2曲『小春日和』
♪悪気だけでは生きてゆけないものよ
人は人を「まごころ」と「思いやり」で愛す。しかし愛はそれらを「悪気=悪意」に変えることがある(それは誰しも経験があることだろう)。上の一節は「人間はその悪気=悪意を人間の性(さが)として受け入れることもできなければ、切り捨てることもできない」という意味だろう。『小春』は春じゃない。それは冬だ。
第3曲『マンハッタン ナイト ライン』。この歌はニューヨークを悪し様に歌っているが、実は、
♪あの人がいないなら意味がない
この歌の主人公は、ニューヨークで恋人と別れたのだろう。
第4、5、6曲。ノーコメント。
第7曲『ねこちぐら』。分かりやすい歌。中島の若い頃の素朴さが聴ける。悲しみの歌。
第9曲『希(ねが)い』は、ネガティブとポジティブが交錯するメッセージソング。

たしかに、このアルバムは聴き応えがあり、繰り返し聴くに耐えるアルバムである。だが、このアルバムは、最後の4曲(ねこちぐら、アリア、希い、慕情)に至るまでは、ネガティブな曲ばかり。彼女の若い頃の傑作(臨月、寒水魚)は、ネガとポジ、暗と明、あるいは「調性」がおよそ交互に演奏され歌われることによってアルバムのコンセプトは確立されていたと思う。それに対してこのアルバム全曲の流れは、ネガとポジ、暗と明の交替とバランスが保たれておらず、それゆえにアルバムのコンセプトが見えない(よって私の評価は星4つ)。

ただし、第10曲『慕情』は見事なフィニッシュである。『慕情』は、おそらく中島さんによって繰り返し歌われる彼女の「本音」だろう。私の主観では、中島さんは、エディット・ピアフのような歌唱と説得力をもって『慕情』を歌っているように聞こえる。その曲は、このアルバムのラストだが、あえて例えれば「映画のエンドロール」だ。

砂の器 [DVD]/和賀英良は、なぜ、三木謙一に殺意を抱き、それを実行したのか? その動機について書きたい/アマゾンJP へのレビューのコピー

Container

砂の器/1974年公開 [DVD]


【これは ASIN: B009YDADLU へのレビューです】

和賀は、父親が病を得る前は、父母と3人で幸せな生活をしていた。しかし、和賀は「父親の病というきっかけ」により、過酷な「宿命」を負う。

現在の和賀は、音楽家としての成功・元大蔵大臣の娘との婚約など、人生における転換点にあった。だが、和賀は、その「上昇のプロセス」のもろさを、嫌というほど知っていた。

すなわち、我々の人生において、頂点からどん底に落ち込むのは、考えもしなかった「きっかけ」に起因する。和賀は、そのことを、痛いほど知っていた・・・そのことに対し、和賀は、異常なまでに恐怖を抱き、それは彼の異常なまでのトラウマだった。

そして、三木謙一の出現・・・「首に縄を付けてでも父親の元に連れて行く」という三木の強い意志・・・それは和賀にとって「第二の人生」の「死」を意味したのではなかろうか?

「父親との再会によって自分が再び崖から突き落とされることは絶対に無い」と、考える余裕は、和賀には、なかった。

かつて、和賀が『三木謙一の和賀への愛情』を受け入れなかったこと(和賀が三木の家から去ったこと)・・・その「和賀の選択」は、むしろ、和賀には、結果的に、成功に至る「きっかけ」になったのではなかったか?

勿論、三木は、和賀が彼の父親と再会してもなお「和賀の過去が世に知れ渡ることがないように計らうこと」ができる人だった・・・三木は、和賀の過去を極秘にすることができる人だった・・・もとより、三木は和賀の過去を絶対に第三者には漏らさない意志を持っていた。

しかし、和賀は《自らが切り開いた手段》《自らが過去を清算する手段》によって・・・《思い出の中で》《芸術作品を通して》父親に再会することができたのである。

三木は、そのことを理解できなかった。三木の「善意」が、和賀には「悪意」だった。

「善意」と言えば、三木謙一は、たとえ善意からとはいえ、結果的に、和賀の父を、和賀から奪った人(引き離した人)ではなかったか?

「自分の過去が知られてしまうのではないかという不安の中」そして「いつ転落するかも知れないという崖っぷちの上」・・・それらによって、和賀は「現在」においてもまだ、もがきながら、彼の「過去」におびやかされながら、彼の「過去」を生きていた。つまり、和賀には、父親が病を得た幼少期から現在に至るまで《精神的平和は1秒たりともなかった。》

和賀が彼の過去を完璧に消し去るための、彼の人生の集大成であるところの作品『宿命』の完成を前に、すなわち、過去との決別であるところの作品『宿命』の完成を前に、和賀が父親と再会することは、和賀にとって何を意味したか?

《絶対に転落することにつながらない生き方》・・・そんな生き方しかできなかった和賀は「三木との再会」そして「彼の父親との再会」・・・それは、和賀にとって「何が起こるか分からない不安」だった。すなわち、和賀は「三木との再会」「彼の父親との再会」に対して「極度の不安と恐怖」を抱き、和賀の「彼の父親との再会」は《絶対に避けなけばならない彼の第二の死》を彼に予感させるもの以外の何ものでもなかった。

和賀は、人生を俯瞰することはできたが達観することはできなかった。「父親とともにもう一度歩むこと」は、和賀には、彼の「宿命」を克服することに決して結びつかなかったのだろう。そして「父親とともにもう一度歩むこと」が、和賀にとって、絶望の中、やっとつかみかけた「普通の生」を台無しにする可能性・・・その可能性がたとえ皆無であったとしても・・・和賀は、その可能性を、未来永劫、永遠に無くすことしかできなかったのだろう。

和賀の「生」は、ちょっとした「きっかけ」で、もろくも壊れてしまう。三木謙一が和賀を再発見したのも映画館に飾ってあった記念写真と言う、ちょっとした「きっかけ」すなわち「偶然」ではなかったか?

この物語において被害者は三木であり和賀ではなかったか? 重すぎる。

【追加】

先行レビューアーさんがお書きのように(下記のうたい文句とは裏腹に)この商品は、映像、音声ともに、昔の VHS テープ並みに悪いです。したがって、私の評価は、星4つ。

<---ケースの裏にある説明文引用ここから--->
この「デジタルリマスター」は、世界的な脚本家で、本作プロデューサーでもある橋本忍氏の呼びかけのもと、川又昂撮影監督の監修を仰ぎ、高品質なデジタル修復を実現しました。最先端の映画用デジタル・フィルム・スキャナーを使い、日本初の最高解像度4Kスキャニングにより公開時の画像を復元、音声も5.1チャンネルのドルビー・デジタル化、最新技術を全て注ぎ込んだ最高水準でこの傑作をご覧いただけます。
<---ケースの裏にある説明文引用ここまで--->

2018年5月11日 (金)

(C) Apple Music にて試聴/シューベルト:歌曲集/キャロリン・サンプソン、ジョゼフ・ミドルトン

Carolyn_sampson
(C) Apple Music 検索キーワード:Carolyn Sampson

シューベルトのリートを得意とする歌手によるシューベルトのリート集は聴き飽きたというリスナーには、この人の歌唱は新鮮・自然体に聞こえるかも知れない。しかし、このアルバムはゲーテの詩によるリートが多く収められている。その意味で、キャロリン・サンプソンの歌唱力不足は否めないと思う。ピアノ伴奏も上手いと思えないし・・・。
歌詞対訳が付いていれば買ってもいいが、そうでないので買わない。



【収録情報】
シューベルト:
● ズライカ 1『東風』 Op.14-1, D.720
● ズライカ 2『西風』 Op.31, D.717
● ロマン劇『ロザムンデ』のためのロマンツェ D.797-3b
● ブロンデルからマリアへ D.626
● 『ヴィルヘルム・マイスター』からの歌より
 ミニョンの歌 1『私に言わないで』 D.877-2
 ミニョンの歌『ただあこがれを知る者だけが』 D.877-4
 ミニョンの歌 2『大人になるまでこのままに』 D.877-3
 ミニョン『君よ知るや南の国』 D.321
● 糸を紡ぐグレートヒェン Op.2, D.118
● 塔の中のグレートヒェン D.564(補完:ベンジャミン・ブリテン)
● テューレの王 Op.5-5, D.367
● すみれ Op.123, D.786
● エレンの歌 1 Op.52-1, D.837
● エレンの歌 1 2 Op.52-2, D.838
● エレンの歌 1 3 Op.52-6, D.839

 キャロリン・サンプソン(ソプラノ)
 ジョゼフ・ミドルトン(ピアノ)

 録音時期:2017年8月
 録音場所:イギリス、サフォーク州、ポットン・ホール
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND

(HMV.co.jp より)

2018年5月 9日 (水)

(C) Apple Music にて試聴 「ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番、R. シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ/小林美樹」および「ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、ワックスマン:カルメン幻想曲/服部百音」および「ムソルグスキー:展覧会の絵、プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』より10の小品/松田華音」

Kobayashi
(C) Apple Music 検索キーワード:小林美樹

この人も上手い。でも、節約しなければならないので、いまは、買わない。


【収録情報】
・ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 op.26
小林美樹(ヴァイオリン)
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
宮本文昭(指揮)

録音時期:2012年5月26日
録音場所:東京、ティアラこうとう
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

・R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調 op.18
小林美樹(ヴァイオリン)
松本和将(ピアノ)

録音時期:2012年12月12-13日
録音場所:東京、稲城iプラザ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

SACD Hybrid
2ch HQ (CD STEREO/ SACD STEREO)

(HMV.co.jp より)





Hattori
(C) Apple Music 検索キーワード:服部百音

この人も上手いね。


【収録情報】
● ワックスマン:カルメン幻想曲
● ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 op.77

服部百音(ヴァイオリン)
ベルリン・ドイツ交響楽団
アラン・ブリバエフ(指揮)

録音時期:2016年5月31日〜6月2日
録音場所:ベルリン、テルデックス・スタジオ

(HMV.co.jp より)





Matsuda
(C) Apple Music 検索キーワード:松田華音

最初は、平板な演奏に聞こえたが、むしろそれが気に入った。上手いと思う。


【収録情報】
● プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』より10の小品 op.75
● ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』

松田華音(ピアノ)

録音時期:2017年2月22-24日
録音場所:長野県、軽井沢大賀ホール

(HMV.co.jp より)

2018年5月 7日 (月)

小方厚著『音律と音階の科学 - ドレミ…はどのようにして生まれたか(ブルーバックス)』/ピタゴラス音律、純正律、ミーントーン、平均律を分かりやすく説明している点だけが良い

Musical_temperament

小方厚著『音律と音階の科学 - ドレミ…はどのようにして生まれたか(ブルーバックス)』


私はクラシック音楽愛好者であるが、様々なジャンルの音楽を聴く。私は、小方厚著『音律と音階の科学 - ドレミ…はどのようにして生まれたか(ブルーバックス)』を読みつつ、音楽の勉強をしているつもりだったが、いつの間にか、フーリエ変換の勉強をしていた。「音のスペクトル」を図示するに「フーリエ変換」の説明は不可欠であろう。しかし、同書にそれは無い。

また、筆者は ----- 20世紀におけるクラシック音楽において最もスキャンダラス、かつ、最高傑作である作品 ----- すなわちストラヴィンスキー《春の祭典》』のスコアを読んだことがあるのだろうか? 《春の祭典》は『不協和度』を逆手に取った作品なのだと私は思う。つまりそれは人間の聴覚の『不協和な音』への順応をうまく利用した作品であろう。現代人は不協和な音に順応している。「不協和度」と「音のスペクトル」の関係はすでに壊れていやしないか? 尤も「不協和度」は「不快指数」とは異なる特別な科学であるが…。

《春の祭典》はプリミティブな作品であるがゆえに、また同作品は民族音楽の影響を受けたはず…。その点への言及も同書には無い。そして《春の祭典》のリズム・変拍子への言及は? ←同書にその言及も無い。

しかも《春の祭典》はバレー音楽(!)。「クラシック音楽のコンサートを聴きに行った聴衆が目をつぶって音楽を聴くのは意味がない」と芥川也寸志氏が述べていた:すなわち、クラシック音楽のコンサートにおいては視覚的情報が大事である・・・だが、同書にはそれにも触れてい無い。

もっと言えば、音楽は文化でありファッションである。《春の祭典》はベル・エポック末期の文化であり《AKB48》は現在のファッションであろう。そしてまた《AKB48》も『不協和な音』への順応をうまく利用した音楽であるとは言えないだろうか? 《AKB48》においてもまた視覚的情報が大事であると言えないだろうか? 《春の祭典》や《AKB48》に関して「古代の音律・古代の旋法・テトラコルド」などからのアプローチが本当に当てはまるだろうか?

【追加】
・同書が《楽典》的根拠にいささか欠ける理由は、筆者がクラシック音楽の専門家ではなく、アマチュアのジャズ・ミュージッシャンであることに起因するのであろう。例えば、モーツァルトがミーントーンを好んだ具体例(アナリーゼ)が書かれていない。そもそも、この書には楽典という語が出てこない。
・特にジャズにおいて身近な楽器であるソプラノ・アルト・テナー・バリトンサックスなどを例に、人間の声の音域(SATB)と楽器との関係にも触れて欲しかった。
・そして、何と言っても、同書は音楽の啓蒙書や楽典よりも分かりにくい。

2018年5月 2日 (水)

プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番、第2番/アレクサンドラ・コヌノヴァ、ミヒャエル・リフィッツ

Conunova

Prokofiev
Violin Sonata Nos.1, 2
Alexandra Conunova, violin
Michail Lifits, piano
2017年録音
apartemusic.com


アレクサンドラ・コヌノヴァの演奏は、最初、スタンドプレイに聴こえたが、よく聴くと抑制されている(最後には温かささえ感じさせる)。第1ソナタの第2、4楽章はピアニストとの掛け合いが、あたかもジャズのインタープレイのようだ。同第4楽章のフーガは若干弱いが「傷」ではない。

私は、プロコフィエフの「ヴァイオリンソナタ第1、2番」の良い演奏は、(ネット上で聴いた)オイストラフ盤以外に出会ったことはない。クレーメル&アルゲリッチ盤も良くなかった。しかし、アレクサンドラ・コヌノヴァ&ミヒャエル・リフィッツのプロコフィエフは私にとって大ヒットである。よく歌い、よくはじけている。動と静のバランスがよい。

大音量で聴いても全然疲れない。

1735年サント=セラフィン製、ヴェネツィアを弾いている。


Sergei Prokofiev (1891-1953)

Sonata for Violin and Piano no.1 in F minor, op.80
Sonate pour violon et piano no 1 en fa mineur, op. 80
1. Andante
2. Allegro brusco
3. Andante
4. Allegrissimo

Sonata for Violin and Piano no.2 in D major, op.94a
Sonate pour violon et piano no 2 en ré majeur, op. 94a
5. Andantino
6. Scherzo : Allegro
7. Andante
8. Allegro con brio

Total : 51’23


【収録情報】
プロコフィエフ:
● ヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ短調 op.80
● ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調 op.94a

 アレクサンドラ・コヌノヴァ(ヴァイオリン/1735年サント=セラフィン製、ヴェネツィア)
 ミヒャエル・リフィッツ(ピアノ)

 録音時期:2017年3月15-18日
 録音場所:ドイツ、ブレーメン
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


【譜例】

Prokofiev_vn_sonata_1_1_9
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 へ短調 作品80 第4楽章の終わり(midi

(C) Apple Music にて試聴/ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス/鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパン

Masaaki_suzuki
(C) Apple Music 検索キーワード:Beethoven Masaaki Suzuki

これは購入するほどの魅力はないと思う。
オケの美しさが生きてないし、録音が特に良いということもないし、アニュス・デイはドラマティックではないし・・・。


【収録情報】
● ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス ニ長調 Op.123

 アン=ヘレン・モーエン(ソプラノ)
 ロクサーナ・コンスタンティネスク(アルト)
 ジェイムズ・ギルクリスト(テノール)
 ベンジャミン・ベヴァン(バス)
 寺神戸 亮(ヴァイオリン独奏)
 バッハ・コレギウム・ジャパン
 鈴木雅明(指揮)

 録音時期:2017年1月、2月
 録音場所:埼玉県、川口総合文化センター・リリア、音楽ホール
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)

(HMV.co.jp より)

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