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2017年8月11日 (金)

『ブルックナー:交響曲全集(ただし00番と0番を除く)/イム・ホンジョン(Hun-Joung Lim)指揮/韓国交響楽団(10cds)』を少しずつ聴く/交響曲第6番イ長調

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==

Hunjoung_lim

Anton Bruckner
9 Symphonies
Korean Symphony Orchestra
Hun-Joung Lim
(P) 2017 Universal Music Korea


【収録情報】
● 交響曲第1番ハ短調 WAB.101(1891年ウィーン稿 G.ブロッシェ版)
● 交響曲第2番ハ短調 WAB.102(1877年稿 ノヴァーク版)
● 交響曲第3番ニ短調 WAB.103(1889年稿 ノヴァーク版)
● 交響曲第4番変ホ長調 WAB.104『ロマンティック』(1881年稿 ハース版)
● 交響曲第5番変ロ長調 WAB.105(シャルク改訂版)
● 交響曲第6番イ長調 WAB.106(ノヴァーク版)
● 交響曲第7番ホ長調 WAB.107(1885年稿 ハース版)
● 交響曲第8番ハ短調 WAB.108(1887年稿&1890年稿 ハース版)
● 交響曲第9番ニ短調 WAB.109(1894年初稿 オーレル版)

 韓国交響楽団
 イム・ホンジョン(Hun-Joung Lim)(指揮)

 録音時期:2015年10月29日(第1番)、2016年4月26日(第2番)、2015年5月12日(第3番)、2016年2月25日(第4番)、2016年9月9日(第5番)、2015年2月26日(第6番)、2014年11月21日(第7番)、2015年12月15日(第8番)、2016年12月1日(第9番)
 録音場所:ソウル・アーツ・センター
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

(HMV.co.jp より)



【交響曲第6番イ長調 WAB.106】

【譜例】

以下の譜例などは、作曲家別名曲解説ライブラリー5「ブルックナー」より引用。

第1楽章 マエストーソ イ長調 2分の2拍子。ソナタ形式。ヴァイオリンが同音で特徴あるリズムをきざむなかで(譜例1)、低音弦が線のふとい気品のある第1主題をブルックナー開始の様式で呈示する(譜例2)。

Bruckner_6_1
【譜例1】 第1楽章 開始のポリリズム(midi

Bruckner_6_2
【譜例2】 第1楽章 第1主題(midi

Bruckner_6_1_2
【譜例3】 第1楽章 第2主題(midi

この主題(第2主題、譜例3)では、大きな音程の飛躍が特徴になっている。対位法的にこの主題を確保したのちに、短い経過句で力を増し、ff に達したところで、力強く第3主題(譜例4、midi)をだす。

Bruckner_6_1_3
【譜例4】 第1楽章 第3主題



第2楽章 アダージョ 「きわめて荘重に(Sehr feierlich)」 ヘ長調 4分の4拍子。ソナタ形式。ブルックナーの緩徐楽章としては、短い部類にぞくするが、気品のある柔和な光を持つ美しい楽章である。まず、ヴァイオリンが幅ひろく第1主題をだす(譜例5)。オーボエが、まもなくその上で美しい歌を奏する(譜例6)。このあたりの調性の変化はおもしろい。ff に達してから、木管とホルンが残る。するとまもなく、あかるいホ長調で、ヴァイオリンとチェロが対位法的に第2主題を示しだす(譜例7)。生ける者の幸福感をうたったともいう人もいる。

Bruckner_6_2_1
【譜例5】 第2楽章 第1主題(midi

Bruckner_6_2_2
【譜例6】 第2楽章 【譜例5】に続くオーボエの主題(midi

Bruckner_6_3
【譜例7】 第2楽章 第2主題 この両声部の旋律は、つぎつぎといろいろな楽器にとられてゆく。速度がラールゴにおち、ゆったりとした気分をだしてゆく。すると第1ヴァイオリンが葬送行進曲ふうの第3主題を静かに示しだす(譜例8)(midi

Bruckner_6_2_4_2
【譜例8】 第2楽章 第3主題(midi



第3楽章は省略します。



第4楽章 フィナーレ 「運動的に、速すぎずに(Bewegt, doch nicht zu schnell)」 イ短調 2分の2拍子。ソナタ形式。全曲の総括にあたり、情熱的である。第1主題で開始されるのではなく、序奏が先行している。ヴィオラのトレモロと、低音弦のピッツィカートの上で、ヴァイオリンがゆったりとなめらかな旋律(譜例9)をだす。この旋律をもう一度ニ短調で繰り返してから、ようやく第1主題がホルンで力強く呈示される(譜例10)。

Bruckner_6_4_0
【譜例9】 第4楽章 序奏(midi

Bruckner_6_4_1_temp
【譜例10】 第4楽章 第1主題(midi

Bruckner_6_4_2
【譜例11】 第4楽章 第2主題 ヴァイオリンで対位法的に(第2ヴァイオリンが主役)第2主題が出る(譜例11、midi)。これに対位するヴィオラの動きも美しい。喜ばしげで幸福そうな主題である。もう一度繰り返されて確保されてから、曲の経過部へと導いてゆく。

・上記、第1ヴァイオリン、midi

・上記、第2ヴァイオリン、midi

経過部は第2主題の第2ヴァイオリンの動機をとって力を増してゆく。その頂点で第3主題が出現する。

Bruckner_6_4_3_1_temp
【譜例12】 第4楽章 第3主題は、管によるおおらかなものと(譜例12)オーボエとクラリネットの奏する歯切れのいい軽やかなもの(譜例13)とからなる。(midi

Bruckner_6_4_3_2
【譜例13】 第4楽章 第3主題(midi


イム・ホンジョンの『ブル6』は、作品のディテールは表されているが複雑な全体像をつかみ切っていないように聞こえる。第2楽章など美しいが無難な演奏だと言えるだろう。

【演奏時間】

15:26 + 16:08 + 08:36 + 14:24 = 54:37(シモーネ・ヤング)
15:42 + 15:36 + 08:34 + 13:52 = 53:47(イム・ホンジョン)

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