【メモ】 広江克彦先生著「趣味で物理学」で電磁気学を学習する(その2)ローレンツ力、磁化ベクトル、および、微分形のアンペールの法則/ページが前後してすみません(汗;;
Hendrik Antoon Lorentz (1853-1928)
ヘンドリック・アントーン・ローレンツ(Hendrik Antoon Lorentz、1853年7月18日 - 1928年2月4日)は、オランダの物理学者。ゼーマン効果の発見とその理論的解釈により、ピーター・ゼーマンとともに1902年のノーベル物理学賞を受賞した。ローレンツ力、ローレンツ変換などに名を残し、特に後者はアルベルト・アインシュタインが時空間を記述するのに利用した。(ウィキペディアより)
ローレンツ変換のローレンツさんとローレンツ力のローレンツさんは同じ人だったのか(!)
2.9 ローレンツ力(抄)
前の節は電流によって磁場が発生するという話であったが、この節では逆に、磁場によって電流が力を受けるという話をする。
(中略)
1A(アンペア)の定義:1m 離して置いた同じ大きさの平行に流れる電流の間に働く力 1m あたり 2× 10-7 N(ニュートン)であるとき、この電流の大きさを 1A とする(P. 112)。(ついでに、1クーロンの定義:電流は電荷の流れであり、1秒間に1クーロンの電荷が流れている状態が1アンペアだと言えるようにクーロンの単位を決めたのである。では1アンペアの定義はどうなっているかと言えば、電流同士の間に働く力を元に定義されている。1メートル離して置いた2本の導線にそれぞれ同じ量の電流を流し、その間に働く力が1メートルあたり 2× 10-7 ニュートンであるとき、その電流を1アンペアとしている。P. 87)


【注意】 「磁化ベクトル」について著者による補足説明が付いてます:「上の説明はすっきりしていて気に行っているのだが、少し難点がある(以下省略)」
※ ページが前後してすみません。実際、私は同書を行ったり来たりして読んでます(汗;;

これは電流密度が存在するところではその周りに微小な右回りの磁場の渦が生じているということ表している。これを「微分形のアンペールの法則」と呼ぶ。注意すべきことは今の段階では右辺の電流密度が時間的に変動しない場合のみを考えているということである。
「ベクトルポテンシャル(B = rot A の A)(同書108ページ)」というものを導入すると「微分形のアンペールの法則」が導かれる。ただし、その「微分形のアンペールの法則」は電流密度が時間的に変動しない場合のみを考えているということに注意をしなければならない・・・ということですね?
そして、同書「第2章 電磁気学」の最後の節「2.12 マクスウェル方程式の完成(123ページ)」の「アンペール・マクスウェルの法則」を導くところで「先ほどアンペールの法則の式の両辺について div を計算したときにこの関係式 div i = - ∂ρ/∂t が出てこなかったということは事実と矛盾しているのである」と書いてあるのは上記の事を指してあるのでしょうか?
【余談】
ところで、アンペールさんが、アンペアという単位を定義したとすれば、その当時、つまり19世紀初めに「1メートル離して置いた2本の導線にそれぞれ同じ量の電流を流す」ということが、実験的に(技術的に)できたというのが「スゴい!」と思う。「その日アンペールはアカデミーの面々の前で、2本の導線を並行におき、それらに電流を流すと2本の導線が引き合ったり反発しあったりするという実験を披露した(電流の向きによって動きが変わる)」。アンドレ=マリ・アンペール(André-Marie Ampère, 1775-1836)ウィキペディアより。あるいは、後の時代の人が、アンペール(の業績)をリスペクトして、彼の名をその単位の呼称としたか?
André-Marie Ampère (1775-1836)
James Clerk Maxwell (1831-1879)
【参考】
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