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2017年3月17日 (金)

Sergei Rachmaninoff: Piano Concertos Nos. 2 & 3 Khatia Buniatishvili Czech Philharmonic Orchestra Paavo Järvi

Buniatishvili

Sergei Rachmaninoff (1873-1943)
Piano Concerto No. 2 in C Minor, Op. 18 (1900-1901)
Piano Concerto No. 3 in D Minor, Op. 30 (1909)
Khatia Buniatishvili (born June 21, 1987)
Czech Philharmonic Orchestra
Paavo Järvi
Recorded in the Dvořák Hall, Rudolfinum, Prague, November 11/12, 2016
SONY

Concerto No. 2 in C Minor, Op. 18 31:29
1 I. Moderato 09:59
2 II. Adagio sostenuto 10:55
3 III. Allegro scherzando 10:35

Concerto No. 3 in D Minor, Op. 30 38:50
4 I. Allegro ma non tanto 16:08
5 II. Intermezzo - Adagio 09:36
6 III. Finale - alla breve 13:06


【収録情報】

ラフマニノフ:
● ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18
● ピアノ協奏曲第3番ニ短調 op.30

 カティア・ブニアティシヴィリ(ピアノ)
 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
 パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)

 録音時期:2016年11月11,12日
 録音場所:プラハ、ルドルフィヌム
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

(HMV.co.jp より)


私の評価:Stars3
なぜなら受けを狙っている。


Rachmaninov_3_01
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 第1楽章 第1主題(midi

もし冒頭の序奏(2小節)がはっきりしたシンコペーションだったら「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番」の第1楽章の第1主題は、モーツァルトのニ短調協奏曲(KV466)の第1楽章に聴こえたかも知れない。私には絶対音感はないが、両者が同じニ短調であることと、両者が似ていることを何となく感じる。ただし、モーツァルトの KV466 が、ロマンティシズムの入口に位置し、まだ、すべてを語り尽くしていないのに対し、ラフマニノフの第3協奏曲の第1楽章第1主題はロシアを代表するメロディーメーカーが書いた逸品であり、言わば《大人の旋律》である。そして、その息の長い旋律(=25小節)はカッコいいし、私の嗜好に合う。
ただし、私は、ラフマニノフの入門者です(汗;;


Rachmaninov_3_02_02
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 第2楽章 変奏曲の主題(オーボエによる)(midi

第2楽章の変奏曲のやや民俗的でシンプルな旋律もまた、大人の音楽だ。「第2楽章を長大な変奏曲とする作品」として、私は、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番を思い浮かべるが、その両者の第2楽章はいずれも作品全体の中間部分として、よく機能していると思う。


さて、カティア・ブニアティシヴィリのラフマニノフ。結論を言うと、ラフマニノフの第2協奏曲は、このヴィルトゥオーザに合っていると思うし、比較的聴き易く、なんとか楽しめる・・・が、第3協奏曲は、受けを狙っているように聴こえ、聴くのが疲れる。たとえば、第3協奏曲は、ソロとオケがともに超絶技巧を有する必要はないし、ソロとオケがともに超絶技巧を誇示する必要もない。すなわち:

話が横道にそれるが、私は、2008年に開催された『第10回 別府アルゲリッチ音楽祭』にて『プロコフィエフの第3協奏曲、マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)チョ ン・ミョンフン(指揮)桐朋学園オーケストラ』を聴いた。その時、そのアマチュアオーケストラとの共演において、アルゲリッチは理想的な演奏をした。アルゲリッチと桐朋学園オーケストラとのアイコンタクト。それはまるでアルゲリッチが「我が娘や我が息子」に「ココは難しいので頑張ってちょうだいね」と目で合図を送っているようだった。アルゲリッチのオケへの配慮。それはプロコフィエフの第3協奏曲を聴き易くし分かり易くしチャーミングなパフォーマンスへと導き、その結果、その難曲は私の頭の中にストンと入ってきた(私はそのコンサートに行く前に、アルゲリッチの弾くプロコフィエフの第3協奏曲を CD で幾度か聴いて予習していたのだが同曲をつかめなかった。しかし、上記生演奏において同曲はまるで別の曲であるかのように分かり易くチャーミングに聴こえた)。

しかし、ブニアティシヴィリのラフマニノフ第3協奏曲は、私の頭にストンと入って来ない。おそらく、ブニアティシヴィリとパーヴォ・ヤルヴィは「超絶技巧曲はソロだけではなくオケも超絶技巧で演奏しなければならない」と誤解しているようだ。しかし、それは違う・・・技巧よりチームワークの方が大事。そのことを私は上記「別府アルゲリッチ音楽祭」にて肌で感じた(!)。たしかに、ブニアティシヴィリの技巧には光るものがある。だが、ブニアティシヴィリとパーヴォ・ヤルヴィのラフマニノフ第3協奏曲は下手(!)。それは焦点がボケ、粗く、流れが悪く、ちぐはぐであり、クライマックスが見えず、言いたいことが聴こえず、ロマンティシズムを感じさせない。

ブニアティシヴィリは、まだ、29歳。ラフマニノフの第3協奏曲はちょっと背伸びしたかな(無理をしたか)。彼女は《聴くのが難しい演奏》をしているように聴こえる(繰り返すが聴くのが疲れる)。たとえば、ヴァレンティーナ・リシッツァのように、ブニアティシヴィリにも、自然体に演奏して欲しかった。ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、同第2番と同様、サービス精神旺盛なエンターテインメントであるが、両者は質が違う。第3協奏曲は深化している。


【おまけ】

展開部から再現部への移行部に第1主題の再現を兼ねたカデンツァが置かれている。ラフマニノフはこれを穏やかな短いもの(「オリジナル」もしくは「小カデンツァ」)と、重厚な和音を使った派手なもの(「オッシア」もしくは「大カデンツァ」。右参照)の2種類を用意しているが、難易度の高い後半部は共通であり巷間でいわれている難易度の差は無い。midi

Rachmaninov_pf_concerto_3_ossia
オッシア(大カデンツァ)の一部。様々な和音が飛び交う。(ウィキペディアより)

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