« 【Apple Music】 ディアベッリ変奏曲 聴き比べ(バックハウス、ブレンデル、ポリーニ盤)/「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集」/「グレン・グールド・オリジナル・ジャケット・コレクション」について | トップページ | 今のクラシック音楽業界は盛況?低迷?どちらでもない? »

2017年2月 3日 (金)

RAVEL Miroirs, Gaspard de la nuit, Pavane pour une infante defunte. Concert for a Deaf Soul. A Play for Ragna Schirmer and Puppets about Maurice Ravel [CD]

【前置き】

Product Description

'Concert for a Deaf Soul' is a theatrical take on the secretive life of French composer Maurice Ravel. A harmonious collaboration between Halle Puppet Theatre and pianist Ragna Schirmer has produced an 'evening of empathy, filled with love for Ravel and his music.' Scenes from the life of Ravel alternate and merge with some of his most impressive pieces for piano. Music, imagination, puppets and actors conflate into a touching and poetic experience.

(大意)

商品説明

『耳の聞こえない魂のコンサート』は演劇(テーク、収録)であり、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルの秘められた生涯に基づいています。ハレ人形劇場と、ピアニスト、ラグナ・シルマーの調和したコラボレーションは『(観衆を)感情移入させる夕べ(夜会)を制作、その夕べはラヴェルとラヴェルの音楽に対する愛に満ちています』。ラベルの生涯からなる「場面」は、彼のいくつかの非常に印象的なピアノ作品と交互に現れ(両者は)同化しています。音楽、想像力、人形たち、そして、俳優たちは合成され、感動的で詩的な体験へと誘います。(Amazon.co.uk より)


Ragna

Ragna Schirmer, Piano
Maurice Ravel (1875-1937) [CD]

Miroirs (1905)
Gaspard de la nuit (1908)
Pavane pour une infante defunte (1899)

Recorded at Freylinghausensaal der Franckeschen Stiftungen Halle, 8.-10. Jan. 2014
Belvedere


私の評価:Stars5


私は、ラヴェルには疎いので、まず、このアルバムに収められた楽曲の標題などをウィキペディアからコピーさせてもらう。

●鏡(組曲)(Miroirs, 1904年〜1905年)
蛾(Noctuelles)
悲しい鳥(Oiseaux tristes)
海原の小舟(Une barque sur l'ocean)
道化師の朝の歌(Alborada del gracioso)
鐘の谷(La vallée des cloches)

●夜のガスパール(Gaspard de la Nuit,1908年)
オンディーヌ(Ondine)
絞首台(Le Gibet)
スカルボ(Scarbo)

●亡き王女のためのパヴァーヌ(Pavane pour une infante défunte, 1899年)


このアルバムは、音が悪い。

「スタインウェイ・アンド・サンズ」
ベーゼンドルファーなどのヨーロッパの名門メーカーは、ピアノをチェンバロの発展形として、音響的に残響豊かな宮廷で使用する前提でピアノを造っていた。これに対しスタインウェイは、産業革命により豊かになったアメリカ市民が利用していた、数千人を収用できる音響的に貧弱な多目的ホールでの使用を念頭においていた。そのために、今では常識となっている音響工学を設計に初めて取り入れた。結果、スタインウェイは構造にいくつか特色がある(以下省略)。
(ウィキペディアより)

え〜っと。米国の工業製品、且つ、工芸品、また、米国の近代化がヨーロッパの伝統を打ち負かし、はたまた(スーザフォンなどの例外を除けば)米国からヨーロッパに逆輸入された他に類を見ない名器、そして、おそらく特異な歴史とバックグラウンドを持つ『ピアノの中のピアノ』・・・早い話が、私が一番好きなピアノ「スタインウェイ・アンド・サンズ」。

ところが、このアルバムにおいてスタインウェイの美音が聴けない。


このアルバムは、下記商品=映像(DVD / Run Time: 97 minutes)のサウンドトラック(あるいはそのDVDからシルマーの演奏の音声だけを取り出し、それをCDにした商品)であるようだ(否、HMV.co.jp の商品説明にはDVDとは別のスタジオ録音とある)。

Ragna_2

Ravel: Concert for a Deaf Soul [DVD] [2014] [Import] ←Amazon.co.jp へのリンク

HMV.co.jp の「『耳の聞こえない魂のコンサート〜モーリス・ラヴェル』 ヴェルナー演出、ハレ人形劇場、ラグナ・シルマー(+CD)」の商品説明が参考になります。

また、YouTube に『耳の聞こえない魂のコンサート』映像版の予告編のようなものがある(下記)。

https://youtu.be/1fGyshrgE_k


【本文】

例によって、前置きが長く、本文は短く、そしてゴチャゴチャした記事になってしまった(汗;;

このアルバムは、私が苦手なモーリス・ラヴェルのピアノ独奏曲の特長を、多分、よく伝える。たとえば、同音反復の技巧(!)。私は、同音反復というのは「作曲家の手抜き」かと思っていたが、このアルバムに収録されたラヴェルのピアノ曲の「同音反復(そして、同一音形反復)」は、恰好いいじゃないですか(!)

(ラグナ・シルマー (* 1972 in Hildesheim) も、もう、あまり若くないが、技巧は衰えていないと思う)

アヴデーエワが言うように、ラヴェルのピアノ作品(夜のガスパール)は、ピカピカのドレスを着て弾かれるべきではない(←当アルバムのジャケットと上の映像を見る限り、よく見えないが、シルマーは、紺+黒系のドレス(衣服)を着ているように見える・・・それにしても、シルマーの二の腕、太いな〜)。

【参考】

「私にとって大切なのは、聴いている人々が私の演奏に集中してくれることです。しかしときに、美しいドレスは演奏の妨げにもなります。たとえば、私がすてきなドレスでショパンの『葬送ソナタ』を弾いていたらどうでしょうか……。以前私はボルドー色の上品で豪華なドレスでラヴェルの『夜のカスパール』を弾きました。しかし、第2曲は『絞首台』……。いかがですか?」ユリアンナ・アヴデーエワ(月刊ショパン 2010年1月増刊号 13ページより)

ラヴェルのピアノ作品は標題が詩的(鏡)、あるいは、気味悪い(夜のガスパール)・・・この録音におけるスタインウェイのこもった音は(前言を翻すが)むしろ、ラベルの楽曲に合ってるかも知れない。大事なのは、表現だと思うが、たとえば「夜のガスパール」・・・私はアルゲリッチやエマールの「夜のガスパール」を聴いてもピンと来なかった・・・それに対し、シルマーの「鏡」「夜のガスパール」は、印象的。それは、リスナーをして、それらの作品を初めて聴くような気分にさせる・・・ラグナ・シルマーが弾くラヴェルには、トリックがあるような気がする。例えば、シルマーのラヴェルを聴くと、当ブログにコメントを寄せて下さるNさんが仰ったことが(ある意味)うなずける:

>ラヴェルはとにかく少ない音で作曲する名手、というか化け物ですね
>マ・メール・ロワもあの音数でドラマを描き、最後は圧倒的なクライマックスを作る辺りいつも感動します


Ravel: Concert for a Deaf Soul [DVD] [2014] [Import]

↑これは「買い」かも知れない(この映像は、97分もあって、面白そうだし・・・)。しかし、金がない。

« 【Apple Music】 ディアベッリ変奏曲 聴き比べ(バックハウス、ブレンデル、ポリーニ盤)/「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集」/「グレン・グールド・オリジナル・ジャケット・コレクション」について | トップページ | 今のクラシック音楽業界は盛況?低迷?どちらでもない? »

ラヴェル」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/276661/69462426

この記事へのトラックバック一覧です: RAVEL Miroirs, Gaspard de la nuit, Pavane pour une infante defunte. Concert for a Deaf Soul. A Play for Ragna Schirmer and Puppets about Maurice Ravel [CD]:

« 【Apple Music】 ディアベッリ変奏曲 聴き比べ(バックハウス、ブレンデル、ポリーニ盤)/「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集」/「グレン・グールド・オリジナル・ジャケット・コレクション」について | トップページ | 今のクラシック音楽業界は盛況?低迷?どちらでもない? »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カテゴリー

無料ブログはココログ