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2017年2月 9日 (木)

バックハウスの「ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲」

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/apple-music-c50.html の続き

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Backhaus

ベートーヴェン:ディアベッリの主題による33の変奏曲 ハ長調 作品120
ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)
1954年モノラル録音


結論から書くと、このベートーヴェンの「ディアベッリの主題による33の変奏曲」という作品は、私には『期待はずれ』だった。この作品は論理性において「ゴルトベルク変奏曲」に劣り、諧謔性、即興性(あるいは自由度)において「ゴルトベルク」に勝り、技巧性において「ゴルトベルク」と同等と思われる。そして、第29〜31変奏のハ短調は《ハンマークラヴィーア》のロマン性に明らかに負ける。

第1変奏は、NHKのラジオ体操の音楽を思わせる。
33の変奏のうち、ほぼ真ん中にあたる第16変奏あたりで盛り上がるが、その後、盛り上がりに欠け、多くの変奏は特に印象的ではない。

「ディアベッリ変奏曲」は、誰が弾いても上手くいくという半端な作品ではない。言うまでもなくそれは大作である。そして「ディアベッリ変奏曲」のような性格の作品は、その規模の大きさ・その作風において、やっぱり、バックハウスが、得意とした:すなわち、これはバックハウスの十八番と言えるだろう。←にもかかわらず、この作品(演奏)は、私には、ヒットしなかった(汗;;

上のアルバムは、1954年モノラル録音であるが、下手なステレオ録音より聴きやすい。大音量で聴くと、ベーゼンドルファー・インペリアルの低音に迫力あり、また、バックハウスの技巧を楽しめる。

この作品の「主題」は滑稽なので写譜しない手はないと思い、楽譜作成アプリ「Finale」で写譜してみた(下記)。その「主題」を見ると、それは、けなされている割には、ユニークで面白いと思わせられた。


Beethoven_diabelli_theme_600
「ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲」の主題(midi


【「ディアベッリ変奏曲」の速度など(私、イタリア語は読めないので以下は間違があると思います)】

主題  ヴィヴァーチェ 活発に(速く)
第1変奏 アラ・マルチア・マエストーソ 行進曲風に、荘厳に
第2変奏 ポコ・アレグロ やや速く
第3変奏 リステッソ・テンポ 同じ速さで

第4変奏 ウン・ポコ・ピウ・ヴィヴァーチェ 今までよりやや活発に(速く)
第5変奏 アレグロ・ヴィヴァーチェ はなはだ急速に
第6変奏 アレグロ・マ・ノン・トロッポ・エ・セリオーソ 速く、しかし、はなはだしくなく、そして、厳粛に

第7変奏 ウン・ポコ・ピウ・アレグロ 今までよりやや速く
第8変奏 ポコ・ヴィヴァーチェ やや活発に(やや速く)
第9変奏 アレグロ・ペザンテ・エ・リゾルート 速く、重く、そして、決然と

第10変奏 プレスト 急速に
第11変奏 アレグレット やや速く
第12変奏 ウン・ポコ・ピウ・モッソ 今までより速く躍動して

第13変奏 ヴィヴァーチェ 活発に
第14変奏 グラーヴェ・エ・マエストーソ 重々しく、そして、荘厳に
第15変奏 プレスト・スケルツァンド 急速に、諧謔的に

第16変奏 アレグロ 速く
第17変奏 (指示なし)
第18変奏 モデラート 中ぐらいの速さ

第19変奏 プレスト 急速に
第20変奏 アンダンテ やや遅く
第21変奏 アレグロ・コン・ブリオ-メノ・アレグロ-テンポⅠ-メノ・アレグロ 速く、元気に - 今までより遅く - 初めの速さで - 今までより遅く

第22変奏 モルト・アレグロ(非常に速く) - モーツァルトの「夜も昼もくたびれるまで」になぞらえて
第23変奏 アッサイ・アレグロ 非常に速く
第24変奏 フゲッタ(アンダンテ) 小さなフーガ(やや遅く)

第25変奏 アレグロ 速く
第26変奏 (指示なし)
第27変奏 ヴィヴァーチェ 活発に

第28変奏 アレグロ 速く
第29変奏 アダージョ・マ・ノン・トロッポ 遅く、しかし、はなはだしくなく
第30変奏 アンダンテ・センプレ・カンタービレ やや遅く、常に歌うように

第31変奏 ラルゴ、モルト・エスプレッシーヴォ 極めてゆっくりと、非常に表情豊かに(感情をこめて)
第32変奏 フーガ(アレグロ) フーガ(速く)
第33変奏 テンポ・ディ・メヌエット メヌエットの速さで


【2017−2−9 追加】

【ちなみに「ゴルトベルク変奏曲」の構造について(概要)】

以下、コロリオフ盤リーフレット(英語・独語)を参考にして(間違いあるかも知れないです)

「ゴルトベルク変奏曲」の構造について(概要)

アリア

第1変奏 2声、インヴェンション、「ポロネーズ」、4分の3拍子、鍵盤1段
第2変奏 3声、シンフォニア、「トリオ」、4分の2拍子、鍵盤1段
第3変奏 2声、同度のカノン(ユニゾン)、自由なベースライン、「パストラール」、8分の12拍子、鍵盤1段

第4変奏 4声、模倣、「パスピエ」、8分の3拍子、鍵盤1段
第5変奏 2声、インヴェンション、両手の交差、4分の3拍子、鍵盤1段または2段
第6変奏 2声、2度のカノン、自由なベースライン、8分の3拍子、鍵盤1段

第7変奏 2声、ジーグ、8分の6拍子、鍵盤1段または2段
第8変奏 2声、インヴェンション、両手の交差、「協奏曲」、4分の3拍子、鍵盤2段
第9変奏 2声、3度のカノン、自由なベースライン、4分の4拍子、鍵盤1段

第10変奏 4声、フゲッタ、2分の2拍子、鍵盤1段
第11変奏 2声、ジーグ、両手の交差、16分の12拍子、鍵盤2段
第12変奏 2声、4度のカノン(回転)、自由なベースライン、4分の3拍子、鍵盤1段

第13変奏 2声、ソプラノアリア、4分の3拍子、鍵盤2段
第14変奏 2声、協奏曲、両手の交差、技巧的、4分の3拍子、鍵盤2段
第15変奏 2声、5度のカノン(回転)、自由なベースライン、ト短調、4分の2拍子、鍵盤1段

第16変奏 フランス風序曲、2分の2拍子 - 8分の3拍子、鍵盤1段
第17変奏 2声、協奏曲、第14変奏に似ている、4分の3拍子、鍵盤2段
第18変奏 2声、6度のカノン(アラ・ブレーヴェ)、ストレッタで、自由なベースライン、「stilus antiquus」、2分の2拍子、鍵盤1段

第19変奏 3声、メヌエット、8分の3拍子、鍵盤1段
第20変奏 2声、協奏曲、2段鍵盤、両手の交差、技巧的、後打音(16分音符)、4分の3拍子、鍵盤2段
第21変奏 2声、7度のカノン、自由な半音階的ベースライン、ト短調、「ラメント」、4分の4拍子、鍵盤1段

第22変奏 3声、フガート、自由なベースライン、リチェルカーレ様、2分の2拍子、鍵盤1段
第23変奏 2声、協奏曲、速い連続走句、両手の交差、後打音(和音)、4分の3拍子、鍵盤1段
第24変奏 2声、8度のカノン、自由なベースライン、「パストラール」、8分の9拍子、鍵盤1段

第25変奏 2声、ソプラノアリア、半音階的、「stile Monodico」、(ヴァイオリン・ソロ)、ト短調、4分の3拍子、鍵盤2段
第26変奏 和音によるサラバンド、4分の3拍子、飾り気のないアリア(高音部)と16分の18拍子の速い連続走句、両者は両手で交互に奏される、鍵盤2段
第27変奏 2声、9度のカノン、自由なベースラインを伴わない、8分の6拍子、鍵盤2段

第28変奏 自由な形式の技巧的協奏曲、「練習曲」、トリル、ダブルトリル、4分の3拍子、鍵盤2段
第29変奏 自由な形式の技巧的協奏曲、後打音付き「練習曲」、「トッカータ」、4分の3拍子、鍵盤1段または2段
第30変奏 3声、クォドリベート、自由なベースライン、4分の4拍子、鍵盤1段

アリア(繰り返し)

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