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2017年2月27日 (月)

【メモ】 一番簡単な E=mc2の導き方/ただし裏技「テイラー展開」を使う/広江克彦先生の「趣味で相対論」より(2016年6月29日ほか)

以下、広江克彦先生の「趣味で相対論」35〜39ページより無断で抜粋させて頂きます。誠に申し訳ありませんが宜しくお願い致します。

1.10 E=mc2を導く(抄)

(4元運動量)

 前節では4元速度を定義したが、4元速度は素人には使い道がないので確かにつまらない。ではこれを4元運動量に拡張してやったらどうだろう。力学で、速度と質量を掛け合わせることで運動量を定義したように、4元速度と質量を掛け合わせることで「4元運動量」を作るのだ。これには意外な結果が待っている。
 しかし運動量を作るために4元速度と質量を掛け合わせただけでは不都合がある。それは単位の次元の問題である。普通の速度は距離を時間で割ったものだが、4元速度は距離を「固有時」で割ったものである。固有時は時間に光速度 c を掛けて長さの単位に合わせたものであった。つまり、4元速度は長さを長さで割っていることになるので無次元量になってしまっている。時間を長さの単位で表すために掛けた光速度 c の分だけ割りすぎているのである。そこで4元運動量を定義する際に、その分を掛けて単位をちゃんと普通の運動量の単位に合わせておくことにしよう。
 本来こういうことは4元速度の定義のところで光速度 c を掛けて調整しておくべきなのだが、今回は話の流れ上、私が学生時代に愛読していた本に従った。それで、そのツケが4元運動量の定義の部分に回ってきただけの話である。教科書によってはちゃんと4元速度に光速度 c を掛けて定義してあるものもある。
 とにかく、次のように4元運動量 (p0, p1, p2, p3) を定義しよう。

(p0, p1, p2, p3)=(mcu0, mcu1, mcu2, mcu3)

これは4元速度に mc を掛けただけなので当然次のような組み合わせは不変量になる。

(mc)2=(p0)2-(p1)2-(p2)2-(p3)2

 前に出てきた 4 元速度についての式の両辺に (mc)2 を掛けてやっただけだ。この式はしっかり意味を考えて見なくてはならない。p のすぐ右上についている数字はべき乗を表すのではなく、ただの添え字である。そして、括弧の外についている「2」は、2 乗を表している。

<--- 当ブログ開設者より ココから --->

【参考】

以下、「物理入門コース 相対性理論 中野薫夫 岩波書店 74ページ」

τ12 2 = - s 12 2 / c 2

を参照致しました。

Relativity_katsuhiko_sato_42_3

(佐藤勝彦先生の相対性理論 岩波基礎物理シリーズ 9 42ページより抜粋)

<--- 当ブログ開設者より ココまで --->

(中略)

(mc)2=(p0)2-p2

 残る問題は「では p0 の正体は何でしょう?」という点だけである。それを探ってやるために、この式を p0 について解くことをしてやれば、

p0=√{(mc)2+p2}
=mc√{1+p2/(mc)2}

さらにこのルートの中身は p2 が (mc)2 に比べて非常に小さい時には次のような近似で展開できる。こういう計算に慣れていない人は微分の教科書で「テイラー展開」なんかの項目を参考にして欲しい。

p0=mc(1+p2/2(mc)2+...)
=mc+p2/2mc+...

<--- 当ブログ開設者より ココから --->

Relativity_eman_p38_3

以上、下記補足を参照致しました。

<--- 当ブログ開設者より ココまで --->

ここまで来たら、そろそろ気付いて欲しいものだ。この式の右辺の第2項は力学に出てくる運動エネルギーの式

E=(1/2)mv2=p2/2m

に似ている、と。ただ分母に c が余分なだけである。すると、この式全体に c を掛けてやれば、これはエネルギーについての式になるのではないか。

E=p0c=mc2+p2/2m+...

 ここで p0 の正体は「物体の持つ全エネルギー E を c で割ったもの」だったのだ、と解釈することにしよう。もし、p=0 であるならば、物体が動いていない時のエネルギーを表しており、それが E=mc2 となるわけだ。有名な公式はこうして導かれるのである。しかし当時、この式を根拠にして「物体は静止しているだけでエネルギーを持つ」と言い切ってしまうのはなかなか勇気の要る事だったろうと思う。

 すぐ上の式は運動量が 0 に近いときの近似式に過ぎないので、どんな場合にでも成り立つ正確な表現にしたければ、次のように書くべきだろう。

E2=(mc2)2+(pc)2

 この式は非常に面白い。と言うのも、もし、m=0 だとすると E=pc となるが、これは電磁気学で導かれるところの、電磁波の持つ運動量とエネルギーの関係式と同じになっているのである。このことから光の質量は0であると考えられるようになった。光のエネルギーと物質のエネルギーが一つの式でまとまめて表わされるようになったというわけだ!

 いや、しかし質量とは何だったろうか。それはニュートン力学で定義された概念であって、加速も減速もしないような光に対してはそもそも当てはめることのできない考えだったはずなのだ。だから光の質量などと言うのは、どうにもおかしなお話である。

 ところが20世紀初めには光を「質量0の粒子」であると受け入れることで、大変都合良く素粒子を分類できたのである。質量が小さい粒子ほど、ほんの小さなエネルギーだけで光速度近くまで加速してしまい、めったに止まることがない。光の粒子というのはそのような状態の極限的存在であると考えることにしても話が合うわけだ。要するに、光の質量は「便宜上」0なのである。

(2016年6月29日)

(下に続く)

(上の続き)

【2016−7−1 追加】

固有時間というのは、二通りあるのだろうか(?)

Formula97

微小距離の時には

Formula98

すなわち

Formula99_2

とあらわされる。ここで

Formula100

とおいた。

(物理入門コース 相対性理論 中野薫夫 岩波書店 74ページより)


【2017−2−18 追加】

なんで、固有時間が(あたかも)2つあるのか分かった。

ミンコフスキー時空の座標において、

縦軸を ct とすると横軸は x (ct, x の次元は長さ)その場合、

(c×固有時間dτ)の二乗 = (dcτ)2 = (dct)2-(dx2+dy2+dz2)

縦軸を t とすると横軸は x/c (t, x/c の次元は時間)その場合、

(固有時間dτ)の二乗 = (dτ)2 = (dt)2-(1/c2)(dx2+dy2+dz2)

∴ dτ= (1/c)√(dct)2-(dx2+dy2+dz2)

まあ、こういう感じになるのかな(?)


ところで、広江克彦先生の「趣味で相対論」30ページでは:

<---引用ここから--->

2 = dw2 - dx2 - dy2 - dz2

ただし、w = ct .

<---引用ここまで--->

↑勿論、これも正しい。

(下に続く)


(上の続き)

【参考】

【補足】

以下、『EMANの物理学』 テイラー展開 具体例 5 より抜粋

Massenergy_equivalence_20180207


(2018年1月29日)


【参考】

【メモ】

エネルギー運動量テンソルおよびエネルギー運動量保存則

Energymomentum_tensor_20180207

(前略)

解析力学を学んでいるならば、エネルギー保存が時間変化の不変性に、運動量保存が空間的移動の不変性に関わっていることを知っているだろう。相対論は時間と空間に同じ資格を持たせているのだから、こうなって当然なのである。

(後略)

(広江克彦先生の「趣味で相対論」 115〜120 ページをもとに)

(2018年2月3日)

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