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2016年12月30日 (金)

カール・アマデウス・ハルトマン:交響曲集(3)/聴き比べ/同交響曲集「インゴ・メッツマッハー EMI 盤」vs.「Challenge Classics 盤」

http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-e053.htmlの続き

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Metzmacher

Karl Amadeus Hartmann (1905-1963)
Symphonies 1 - 6 (2 CDs)
Bamberger Symphoniker
Ingo Metzmacher, conductor
EMI
Barcode: 5099909466623

Hartmann

Karl Amadeus Hartmann
Symphonies Nos. 1-8
Netherlands Radio Philharmonic Orchestra
Netherlands Radio Chamber Philharmonic
Gaffigan / Metzmacher / Poppen
Schønwandt / Stenz / Vänskä
Challenge Classics
CC72583

・・・

「カール・アマデウス・ハルトマン:交響曲集」聴き比べ。

以下、「インゴ・メッツマッハー EMI 盤」vs.「Challenge Classics 盤」を聴き比べる。

・・・

【前置き】

九鬼 蛍さんのサイト「幻想旅人團 後の祭り/ハルトマン」が、非常に参考になります。そのサイトは、下記のキーワードで検索できます:

キーワード:第1交響曲「レクィレムへの試み」〜女声とオーケストラのための〜ウォルト・ホイットマンの詞による

上記のサイトは、本当に参考になります。すなわち、ハルトマンの交響曲全集を聴くとき、その全体像俯瞰、および、各作品鑑賞への良き手引きとなります。

※ ちなみに私はこのエントリーから九鬼 蛍さんのサイト「幻想旅人團 後の祭り」へのリンク承諾を頂いております。

・・・

【交響曲第1番『レクィエムの試み』】

【歌詞対訳】

とりあえず、交響曲 第1番『レクィエムの試み』の歌詞対訳してみたが、悪い訳になってしまった。どなたか正しい訳をご教示下さい。宜しくお願いします。(KM)

カール・アマデウス・ハルトマン作曲 交響曲 第1番『レクィエムの試み』ウォルト・ホイットマンの詩に基づく (1948 rev. 1954 - 55) 歌詞対訳

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コルネリア・カリッシュ(メゾ・ソプラノ)インゴ・メッツマッハー(指揮)より、キスマラ・ペッサーティ(アルト)マルクス・シュテンツ(指揮)の方が粗いが、後者の方が迫力ある。つまり、(前者も録音は良いが)後者は大音量で聴くと迫力あり、後者のキスマラ・ペッサーティ(アルト)の方が説得力ある歌唱をしていると思う。インゴ・メッツマッハーは、音楽的にまとまりのある指揮をする人である。それに対し、マルクス・シュテンツは、この交響曲第1番で、「爆演」型の指揮をしていると思う。

※ 「Challenge Classics 盤」は、複数の指揮者に、指揮を分担させたことが、成功していると思う。オケに問題なし。録音は、大音量で聴くに耐えるもの、すなわち、良好だと思います。

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【交響曲第2番『アダージョ』】

この作品は、単一楽章であり、標題が『アダージョ』なので、終始、アダージョの静かな曲かと思ったら、上記、九鬼 蛍さんもご指摘の通り、「アダージョといっても、アダージョ〜激しい部分〜アダージョのアーチ形式。
低絃からアダージョが開始され、すぐに厳しいモダン音調となるも、アダージョは続けられる。いきなり日本の民謡っぽい(笑)妙な旋律がソロで提示される。チェロっぽい響きだが、これはバリトンサックス。テンポを上げながらそれが変奏されて行く(中略)10分ほどでその加速は頂点に達し、打楽器も激しく、マエストーゾになって伽藍を築く。」
←その頂点において、あるいは、その前後において、ジェイムズ・ガフィガン盤(Challenge Classics)は、激しく、エキサイティングに《盛り上がる》のが気持ちいい・・・が、ガフィガンの指揮は全体的に少し粗いと思う。

インゴ・メッツマッハー(指揮)は、テクスチュアがよく聞こえ、この作品の《構成》を美しく流していると思う・・・が、ガフィガン(指揮)の熱演に比べれると、少しゆるいと思う。

この作品において、《聞きやすさ》を求めるならメッツマッハー、《迫力》を求めるならガフィガン。

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【交響曲第3番】

I. Largo ma non troppo - Allegro con fuoco (Virtuose Fuge)
II. Adagio (mit bewegtem Ausdruck) - Andante - Allegro Moderato - Andante - Adagio

私は、この交響曲は、嫌いだ。

この交響曲は、九鬼 蛍さんが、お書きのように「中途半端」っぽい。もしかして、中途半端、かつ、しつこい?

この交響曲の第1楽章「ラルゴ」の「弦楽五重奏のフガート」は、バルトークの弦楽四重奏曲第1番っぽく聞こえる。後半「アレグロ・コン・フォーコ(ヴィルトゥオーゾ・フーガ)」。「コン・フォーコ」は「熱烈に・火のように」の意。←しかし、第6番の第2楽章に比べると、オルガズムに達しないまま終わるようだ。

第2楽章は、九鬼 蛍さんが、お書きの通り、シンメトリー構成構造。すなわち、「アダージョ(動的な表現で) - アンダンテ - アレグロ・モデラート(ほどよく快速に) - アンダンテ - アダージョ」
第2楽章にて、ストラヴィンスキーや、フランス音楽、さらには、ワーグナーっぽさが聞けるが、それらは、私には面白くない。

・インゴ・メッツマッハー(指揮)、ジェイムズ・ガフィガン(指揮)について

交響曲第3番も、第2番と同様に「《聞きやすさ》を求めるならメッツマッハー」。すなわち、前者メッツマッハー(指揮)は「しつこさ」を補う演奏(それでも退屈する)。前者は、第2番と同様、テクスチュアがよく聞こえる。後者ジェイムズ・ガフィガン(指揮)は、前者より粗いと思う。

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【交響曲第4番(弦楽オーケストラのための)】

Symphony No. 4 for String Orchestra (1947)

I. Lento assai - Con passione
II. Allegro di molto, risoluto
III. Adagio Appassionato

私は、この作品も、あまり好きではない。

この交響曲も、九鬼 蛍さんのページが非常に参考になる。

弦楽器だけで演奏される、しかも、ある意味、変化に富んだ作品。ただし、九鬼 蛍さんが言うように、本当に「ラストは、一気に消える印象がある。」

同じことばかり書いて悪いが、第4番も、インゴ・メッツマッハー(指揮)はテクスチュアがよく聞こえ、構成力のある演奏であり、しかも、熱演・・・良い演奏だと思う。メッツマッハー(指揮)より、マルクス・シュテンツ(指揮)のほうが熱演だが、前者のほうが聞きやすい・・・前者の演奏において、この作品が論理的に聞こえるかも知れない。

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【交響曲第5番『協奏交響曲』】

Symphony No. 5 - Sinfonia Concertante (1950)

I. Toccata (Lebhaft)
II. Meldoie
III. Rondo (Lustig - Sehr lebhaft)

ハルトマンの交響曲第3、4番が、他の作曲家の語法を匂わせる点において(←私の主観)、私は、それら(ハルトマンの交響曲第3、4番)を、好きではなかった。だが、しかし、自己矛盾するようだが、「(第)2楽章は、ストラヴィンスキーへのオマージュとすらある」交響曲第5番を、ストラヴィンスキーを苦手とする私は好きである。なぜなら、同交響曲が、ハルトマンの作曲家としての技術力を示す一作であるからだ。

この作品の成立の経緯は、トランペットと管楽器のための協奏曲(1933)→管楽器とコントラバスと2つのトランペットのための協奏曲(1949)→第5交響曲「協奏交響曲」なのだそうな。

 従って、今作は変則オーケストラで、ホルンを除く木管金管の管楽合奏とチェロ、コントラバスである。(以上、九鬼 蛍さんのサイトより引用)

交響曲第5番は、言わば、「管楽器、チェロ、コントラバスのための協奏交響曲」。しかも、演奏時間が短い作品である。

第1楽章。いきなり、スケルツォが始まったかと思って、びっくりさせられる。しかし、それは、「トッカータ」だった。第3楽章「ロンド」も、諧謔的であり、余裕が感じられる。第2楽章(←ほとんど、管楽器だけで演奏される)は、テンポが遅い「メロディー」であるが、中間部は一部、諧謔的。

・インゴ・メッツマッハー(指揮)、ミカエル・ショーンヴァント(指揮)について

前者は、例によって、テクスチュアがよく聞こえ、アンサンブルも良いが、むしろ、余裕がありすぎて面白くないと思う。後者は、前者より、やや粗い。だが、後者のほうが、迫力があり、不気味さも感じられ、聞き応えあると思う。

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【交響曲第6番】

私の大好きな作品。

第1楽章は、調性が不安定な開始。単純な「短調」ではない。ある種の民族的な旋律に始まる(多分ファゴット、いや、イングリッシュ・ホルンかオーボエかな)、その旋律がオケと対話する。

第2楽章は、ペンデレツキの派手な音楽(たとえば、ポーランド・レクイエム)を、さらに10倍ぐらい派手にした音楽。私は、勘違いをしていた。コノ第2楽章が、「Dithyrambe ドイツ語、ディテュランベ、女性名詞、酒神賛歌、陶酔的賛歌」かと思っていた(単なる大ボケ)。「Dithyrambe」は、ハルトマンの交響曲第8番第2楽章に付けられた標題だった。しかし、上記サイトの九鬼 蛍さんも、ご指摘の通り、コノ第2楽章は、「バッカス的狂乱」と陶酔、そして、ある種、シニカル、パロディーを、私に感じさせる。そして、ドイツ的!

インゴ・メッツマッハー(指揮)は無難にまとめている。それに対して、クリストフ・ポッペン(指揮)は、かなり激しい(特に第2楽章)。←オーディオの音量を大音量にして、ポッペン(指揮)を聴いていると、途中で、思わず、さらに大音量、さらに最大音量にして、これらの第1、2楽章を聴いてしまう。

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【交響曲第7番】

ハルトマン:交響曲第7、8番については、私が、「メッツマッハー(指揮)交響曲第7、8番、ピアノ作品集(EMI 盤)」を所有していないので(廃盤)、「カール・アマデウス・ハルトマン:交響曲第7、8番 EMI 盤」と、「同 Challenge Classics SACD Hybrid 盤」を、比較することは出来ない。

・第1楽章
九鬼 蛍さんが、お書きの通り、「第1部は序奏とリチェルカーレ。ただしバロック的なそれではなく、現代的な複雑なもの。」おそらく、その「リチェルカーレ」は、たとえば、1分13秒あたりから木管で始まると思うのだが(間違えているかも知れない)、その「リチェルカーレ」は、一応、バッハのリチェルカーレのような音楽に聞こえる(ただし、出だしの約1分弱だけ)。その後の、フーガは、複雑であり、野蛮であり、バッハとは似ても似つかない。つまり、いかれている。

・第2楽章
オスモ・ヴァンスカが指揮する「アダージョ・メスト」は、たしかに痛々しいのだが、多分、情緒が足りないと思う。
11分41秒あたりで、「フィナーレ:スケルツォーゾ・ヴィルトォーゾ」に行く。←コノ「ハルトマンのハチャメチャな音楽」を、ヴァンスカ(指揮)は、大音量で聴くにたえる演奏をしていると思う。

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【交響曲第8番】

「ハルトマン:交響曲第8番 Challenge Classics SACD Hybrid 盤」は、「EMI 盤」と同じインゴ・メッツマッハーが指揮をしている。

第1楽章「カンティレーヌ(仏語)カンティレーナ(哀歌?)のこと」
第1楽章は、インゴ・メッツマッハー(指揮)をもってしても、うまくまとめるのは、難しかった、と、思わせられる。しかし、彼は、第2楽章で、もしかしたら、挽回しているかも知れない。アタッカで第2楽章へ。

第2楽章「ディテュランベ(独語)酒神賛歌、陶酔的賛歌:スケルツォ、フーガ」(多分、5分20秒あたりで、フーガに行く)
第2楽章を聞くと、結局、メッツマッハーという指揮者は、ハルトマンの支離滅裂な音楽(交響曲第8番第2楽章)を、《聞きやすく》演奏する能力を持っていると言っていいようだ。交響曲第8番第2楽章は、第6番第2楽章ほどは盛り上がらないが、私は、メッツマッハーが指揮する第8番第2楽章を嫌いではない。

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