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2016年8月 7日 (日)

ヒューイットのベートーヴェン(5) (Beethoven: Piano Sonatas, Vol. 6 Nos. 9 16 19 20 & 26)

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==

Hewitt

Beethoven:
Piano Sonata No 9 in E major Op 14 No 1 [14'02]
Piano Sonata No 19 in G minor Op 49 No 1 [8'25]
Piano Sonata No 20 in G major Op 49 No 2 [9'10]
Piano Sonata No 16 in G major Op 31 No 1 [25'07]
Piano Sonata No 26 in E flat major 'Les adieux' Op 81a [17'48]
Angela Hewitt, piano
2015年録音
Piano FAZIOLI
hyperion

【前置き】

このアルバムは、ヒューイットのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集、第6弾。

・・・

これで、ヒューイットのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集の残りは:

10
13
17
21
22
25
29
30
32番
計10曲
になった(2016年8月現在)。

・・・

まだ、第13番(作品27の1)、第17番「テンペスト」(作品31の2)、第21番「ワルトシュタイン」(作品53)、第25番「かっこう」(作品79)、第29番「ハンマークラヴィーア」(作品106)、第30番(作品109)、第32番(作品111)などの大作・傑作が残っている。←それらを演奏するのは大変だぞ〜。

・・・

【ところで】

何故か、私は、このブログにおいて、ヒューイットのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・チクルス第3弾(Nos 6 12 14 27)のレビューを書いてない。←いつか書きます。

【本文】

結論から書くと、このアルバム(ヒューイットのベートーヴェン第6弾)は良い。

このアルバムの全部の曲において、ヒューイットの演奏には、セブンイレブンのおむすびの味付け海苔のように「味」がある。たとえば、このアルバムは「ベーゼンドルファーやスタインウェイではなく、ファツィオリこそ、ベートーヴェンに合う」と主張する音で味付けされているような気がする。そして、これまでヒューイットがファツィオリで弾いたベートーヴェン:Pf ソナタにおける強い打鍵が(もしかすると)このアルバムにおいて最も生きているような気がする。分かりやすく言って「ディナーミク」が生きている。リストの「ペトラルカのソネット」におけるファツィオリの優美と違い、ここではファツィオリの「激音」を聴けると思う(爆音ではない)。そして、その「激音」「強音」「強い打鍵」は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを好きな人には、たまらない音だ。それらの音は、大まかに言って、このアルバムの曲の順を追って増して行き、顕著になる。

・第9番 ホ長調(作品14の1)
「これら2曲(作品14の1と14の2)のソナタは当時の作品の中でとくに目立つ特色は持っていないが、しかし、力みのないきわめて自然な音楽の書き方は、それなりにすてがたい美しさをもっており、シンドラーは『最も内容の豊かな優れたものであるにもかかわらず、あまり一般に認められない曲』といっている」(作曲家別名曲解説ライブラリー ベートーヴェン 373ページより)
 上記シンドラーの言うが如く内容の豊かな優れた作品(しかもなかなか技巧的)。その第1楽章正調ソナタ形式「アレグロ ホ長調 4分の4拍子」に始まり、第2楽章「アレグレット ホ短調 4分の3拍子。3部形式」、そして、第3楽章「ロンド アレグロ・コーモド ホ長調 2分の2拍子」に持って行くのが簡単そうで難しい。ヒューイットの演奏は(大音量で聴くと)やはり「強音」が生きていると思う。

・第19番 ト短調(作品49の1)
まず、最初に一言。ヒューイットは、第19番の第2楽章を「ディナーミク」で勝負しているように聞こえる。
そして、次に、H.J.リムについて。リムは「49-1(第19番)、49-2(第20番)については、ベートーヴェンが学生用練習曲として書いただけで、本人の意思に反して出版されたとし、あえて全集から外して録音していません」HMV.co.jp より)。が、この二つのやさしいソナタをまともに弾くのはそんなに簡単じゃないと、私は思う。いや、まともに弾くのは簡単かも知れないが、簡単すぎるので、演奏者の性格や、あるいは欠点が見えて面白いかも・・・「ツヴァイ・ライヒテ・クラヴィーアゾナーテン(二つのやさしいピアノ・ソナタ 作品49)」←というか、私はこの2曲、好きです。弾けませんが・・・。

第19番 ホ長調 第1楽章(第12小節、midi
Beethoven_op_49_1_1

・第20番 ト長調(作品49の2)
第19番の上手さが保持されている。第20番も、やっぱり、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを好きな人には「(第19番には及ばないものの)弾く者にも聴く者にも楽しい学生用練習曲だろう」。
あまり意味ないこと書くが、こんなやさしい曲(作品49の1、2)を、何度も聴きたくさせるのは、ヒューイットの不思議な魔法か?

・第16番 ト長調(作品31の1)
正直言って、私は、この「作品31の1」をあまり好きではなかったが、このヒューイットの演奏を聴くと、この作品が退屈しない作品であることが初めて分かった。「激音」「強音」が強すぎる。が、その解釈でないと、やはり、私にとって、この作品は、退屈な作品に終わったであろう。
ヒューイットは、第3楽章(275小節)を遅いテンポで弾いている。したがって、全曲の演奏時間が、25分。長い。
さて、私は、これまで、ベートーヴェン:第16番ト長調を好まなかったので、それを、あまり真面目に聴いたことがない。という訳で、よく分からないが、ヒューイットの16番は、ユニークと言うか、イレギュラな演奏(?)

・第26番「告別」(作品81a)
同じことを繰り返し書く必要はあるまい。ヒューイットの演奏が乱暴に聞こえる人もあるかも知れない。賛否両論あるだろう。ヒューイットを大好きな私でも、やはり、ヒューイットというピアニストは、危険な演奏をする人だと思う。ヒューイットの演奏は、誰にも真似できない。また、真似してはいけない。

【追加】

第16番と第20番は、同じト長調であり、出だしの雰囲気が少しだけ似てると思った。

【関連記事1】

ヒューイットのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・ディスコグラフィーを整理する

【参考】

アンジェラ・ヒューイットのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・ディスコグラフィー:

Beethoven: Piano Sonatas, Vol. 1 Nos 4 7 & 23(2005年録音)

Beethoven: Piano Sonatas, Vol. 2 Nos 3 8 & 15(2006年録音)

Beethoven: Piano Sonatas, Vol. 3 Nos 6 12 14 & 27(2009年録音)

Beethoven: Piano Sonatas, Vol. 4 Nos 11 18 & 28(2012年録音)

Beethoven: Piano Sonatas, Vol. 5 Nos 2 5 24 & 31(2014年録音)

Beethoven: Piano Sonatas, Vol. 6 Nos 9 16 19 20 & 26(2015年録音)

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