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2016年8月12日 (金)

ヒューイットのベートーヴェン(6) (Beethoven: Piano Sonatas, Vol. 3 Nos. 6 12 14 & 27)

このエントリーはhttp://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/beethoven-piano.htmlの続きです

==

Hewitt

Beethoven:
Piano Sonata No 12 in A flat major Op 26 [19'13]
Piano Sonata No 6 in F major Op 10 No 2 [16'19]
Piano Sonata No 27 in E minor Op 90 [13'22]
Piano Sonata No 14 in C sharp minor 'Moonlight' Op 27 No 2 [14'58]
Angela Hewitt, piano
2009年録音
Piano FAZIOLI
hyperion

【収録情報】

ベートーヴェン:
・ピアノ・ソナタ第12番変イ長調Op.26『葬送』
・ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調Op.10-2
・ピアノ・ソナタ第27番ホ短調Op.90
・ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op.27-2『月光』
 アンジェラ・ヒューイット(ピアノ/ファツィオーリ)

 録音時期:2009年8月30-31日、9月1-2日
 録音場所:イタリア、ドビアコ、クルトウアツェントルム・グランド・ホテル
 録音方式:デジタル(セッション)

・・・

このアルバムは、ヒューイットのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集、第3弾です。

・・・

『月光』が素晴らしいので、星5つ。

・・・

● ピアノ・ソナタ第12番変イ長調Op.26『葬送』
何度も繰り返すが、ソナタ形式の楽章を一つも持たないベートーヴェンのピアノ・ソナタは、この作品26(第12番)と作品27の1(第13番)と作品54(第22番)の3曲のみ。
ヒューイット:第1楽章(アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ)は巨匠的な重々しい演奏ではなく、テーマは、あたかも、歌っている。ヒューイットを、メジューエワ、小菅優と聴き比べてみたが、格が違う。全楽章を通して、ヒューイットのは、乗りが良い。

● ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調Op.10-2
例によって、強烈な打鍵。やっぱり、乗りが良い。

● ピアノ・ソナタ第27番ホ短調Op.90
第2楽章は「Nicht zu geschwind und sehr singbar vorgetragen 速すぎず、よく歌うように演奏すること」つまり、カンタービレだが、ヒューイットの演奏は、表現が強すぎる。第2楽章は、290小節もあるので、これを、いかに歌うかが、キーだろう。ヒューイットにしては珍しくその290小節をやや持て余しているような気がする。

● ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op.27-2『月光』
このアルバムの4曲の中で、これが最も良い演奏だと思う。
『月光』第3楽章、ヒューイットは、ヒステリックな演奏が良い。
ワタクシゴノミの「淀み」あり(第1楽章、3分30秒あたり、および、第3楽章、6分47秒あたり)。

私は『月光』の第2、3楽章は、全然弾けない。が、第1楽章は、途中でどこを弾いているのか分からなくなって止まってしまうが、一応弾ける。それで気づいたのですが、下記譜例で示した音符はリズムが狂う。そして、たとえば、シュナーベルは「そのリズムの狂い(音符、三連符)」が、よく聞こえる。それに対し、ヒューイットは微妙。コノリズムの狂わせ方は演奏者によって異なる・違うのが面白い。

Beethoven_op_27_no_2_1
《月光》第1楽章、第36小節〜(midi

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コメント

KMさんの記事で興味を持って、ゆちゅぶでのHyperion公式チャンネルのサンプラーを聴いてみましたが、造形のくっきりした古典性に驚きました
全く後期ロマン派風の大仰さや曖昧模糊が無い
素晴らしい演奏ですが、予想していた通りHyperionは録音がきつめですね
KMさんのおっしゃる「音が強すぎる」はかなりの部分録音状況によるのではないでしょうか
生ライブで聴いてみたいところです

ねこのみーくらす様
こんばんは、KMです

メジューエワ、小菅優(のベートーヴェン)にも、大いに意外性ありますが、ヒューイットの場合・・・彼女の演奏は「引出しが少ない」の正反対(!)つまり、引出しが多い、というか、引出しがデカい、沢山ものが入っている・・・。そして、私は不覚にも涙が出ました。
>> ヒューイットの第28番最終楽章を聴いて不覚にも私は涙が出た。
>> http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-2bcb.html
>>(の一番下の行)

・・・

これは、意味ありませんが、彼女は、グールドと同じ、カナダ出身ですね。

・・・

>「音が強すぎる」はかなりの部分録音状況による
はぁ、そうなのですね。
彼女の音は「エージングされてないファツィオリ」のようにやや粗い感じが、私は、時々、します。

>生ライブで聴いてみたいところです
アンジェラ・ヒューイットは、時々来日しているんじゃないかいなぁ〜

>ゆちゅぶでのHyperion公式チャンネルのサンプラーを聴いてみましたが

追加。
ねこのみーくらすさんが、お聴きになったのは、ヒューイットのベートーヴェン以外の作曲家のサンプルもあったでしょうか?

https://www.youtube.com/watch?v=Ko5rQoUauro&list=PLpiMiYZXBVkALXos1Gm8Fc3hE-9MKEd8G

これだけチャンネル登録があるようですね
スカルラッティ、ドビュッシー、フォーレ、モーツァルト…

やはりフランス系が強いようです

ベートーヴェンでは解釈の明晰さに驚かされましたが、KMさんのおっしゃる通り、引き出しがものすごく多い人だというのは私も同感です
恐らくテューレックのバッハのごとく、ライブでは一回一回演奏が全く変わり、それでいて確信を持った明晰さは変わりないでしょうね
正直このベートーヴェンを聴いて初めてヒューイットはすごいと思いました(テューレックがいるからか、彼女のバッハはそれほど好きでない)

ヒューイットのドメニコ・スカルラッティは、購入しました(そのCDは今、私のパソコン机の上、私の目の前に置いてあります)。しかし、そのレビューを、私は書けません。なぜなら(私はこのヒューイットのドメニコ・スカルラッティを大いに気に入ったんですが)私は、D.スカルラッティが苦手だからです。

>ドビュッシー、フォーレも私は苦手。←これは購入していません。

>モーツァルト←これも購入していません。私はモーツァルトは苦手ではありませんが、前にも書きました通り、私は、いま、モーツァルトを聴く気がしない・・・からです。
http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-bd14.html

>(テューレックがいるからか、彼女のバッハはそれほど好きでない)
ヒューイットは、バッハを弾くときは、意外に大人しい(というか、少し暗い?)。しかし、上手いと思います。もっとも、私は、例の「Angela Hewitt plays Bach (Complete Solo Keyboard Recordings) 15cds Box set」
http://koshiro-m.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/1997-1999-9318.html
を、ほとんど、消化していない。ただし、
↑ヒューイットの「2、3声のインヴェンション」はうまいと思う。「フランス組曲」は、昔、聴いた時うまいと思いました。「平均律」は、何度も言うように。スタインウェイ盤(旧盤)の方が好きです。
また、彼女は「フーガの技法」を発表していますね。私はそれを購入しましたが、何が何だか分かりませんでした。

https://www.amazon.co.jp/Bach-J-S-Fugue-Angela-Hewitt/dp/B00MX51FHW/

しかし、私にとって、ヒューイットのバッハは、信頼できるリファレンス(参考になる演奏)です。グールドの次に。

前後しますが、
>ベートーヴェンでは解釈の明晰さに驚かされました(中略)私も同感です
そうですか! 意見が一致して良かったです。嬉しいです(笑

追加。

でも、個性はあると思います。←ヒューイットのバッハ

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