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2016年3月11日 (金)

小菅優のベートーヴェン:ピアノ・ソナタ Nos 8 12 22 23 30 31 32

Kosuge

ベートーヴェン:

Disc 1
ソナタ第8番ハ短調 op.13『悲愴』
ソナタ第12番変イ長調 op.26『葬送』
ソナタ第22番ヘ長調 op.54
ソナタ第23番ヘ短調 op.57『熱情』

Disc 2
ソナタ第30番ホ長調 op.109
ソナタ第31番変イ長調 op.110
ソナタ第32番ハ短調 op.111

小菅 優
2015年録音
SONY

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【私の評価】 CD 2 で挽回しているので、星5つ。

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このプログラムは、ハ短調で始まり、ハ短調(ハ長調)に終わる。その間に、変イ長調、ヘ長調、ヘ短調、ホ長調が、挟まれている。

Disc 1

・『悲愴』
第1楽章、小菅のスコアの読みがユニークで、アルゲリッチ的だと思う(←そもそも、傑作中の傑作『悲愴』のスコアを、私、改めて、見てみたら、第1楽章はそれこそユニークですね)。
第1楽章、序奏で、小菅は、フェルマータの指示がないのに、フェルマータしているが、私はそれを気に入った。
第2楽章、小菅は、カンタービレを情感込めて弾いているが、欲を言えば、私の大好きな音:第6小節の「ラ」(0分29秒)を、強調して欲しかった(下記)。

Beethoven_op_13_2_1
ピアノ・ソナタ第8番《悲愴》第2楽章 アダージョ・カンタービレの主題(midi

ところで、小菅の演奏とは関係ないが、私は「悲愴」の第2楽章が大好きなので、その断片(冒頭)だけでもいいから弾いてみようと思ったが、私の手が小さいので弾けなかった(泣

・『葬送』
ソナタ形式を持たないピアノ・ソナタ。
繰り返すが、ベートーヴェンのピアノ・ソナタでソナタ形式の楽章を持たない曲は、この作品26(第12番)と、作品27の1(第13番)と、作品54(次の第22番)の3曲のみ。
そして、《その特殊性を生かすために》、小菅は、この曲を、むしろ、もっと《単調》に弾いたほうが良かったんじゃないか? 願わくは、リヒテルのような風格で・・・。小菅は、多分、この作品のユニークな形式(変奏曲 - スケルツォ - 葬送行進曲 - ロンド)を、消化していない。流れが良いとは言えない。

・作品54(第22番)
同上。これも、流れが良いとは言えないと思う。

・『熱情』
激しく技巧的な演奏だが、おそらく、彼女は、冷静に弾いていると思う(一音一音がよく聞こえる)。すなわち、第3楽章のコーダ以外は、冷静。第3楽章のコーダ(presto)の勢いは、彼女の自律神経が反応したのだろう。ただし、この演奏もまた「動 - 静 - 動」の流れが必ずしも良いとは言えないと思う。

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Disc 2

ソナタ第30番ホ長調 op.109 ←以下「ソナタ第30番ホ長調 op.109」の「第1楽章」を「30-1」と略す。
ソナタ第31番変イ長調 op.110 ←同上。
ソナタ第32番ハ短調 op.111 ←同上。

以上、3曲について、まとめて書く。

小菅の弾く 30 31 32 は、強い表現【注】や、癖があるが、その全3曲を通して気負わない演奏をしていると思う。たとえば、30-1 は「展開部から再現部への部分、第41小節(1分34秒〜。下記)」は、私にエクスタシーを感じさせて欲しかった。が、彼女は、そこで《エクスタシーを感じさせる加速・運動量》では打鍵していない(←【2016-3-13 やばい。訂正します(汗;;)】エクスタシーを感じさせる十分な運動量だ)・・・だが、気負っていない。彼女の気負わない演奏は、彼女の演奏に対するリスナーの評価を、リスナーの嗜好に依存させないであろう。

【注】 小菅が、30 31 32 において、強い表現をしている箇所は、30-2, 30-3 の第3、4変奏など, 31-2, 31-3 の2回目のフーガに入るところとフーガあたりである。それに対し、小菅は「激烈な減7の和音に始まるマエストーソ 32-1」にて、あまり強い演奏をしていない・・・冷静な演奏。←それは好感を持てる。(なお「激烈な減7の和音に始まる」という解説文は、作曲家別名曲解説ライブラリー ベートーヴェンから引用しました。)

Beethoven_op_109_1
30-1 の展開部第41小節〜(midi

30-3 において、ベートーヴェンが「Etwas langsamer als das Thema(主題よりいくぶん遅めに)」と指示した第4変奏(下記)を、グールドは、狂ったように速く演奏しているが、小菅は、ベートーヴェンの指示通り、ちゃんと遅いテンポ(主題よりいくぶん遅めに)で弾いている。←それを聴くと、私はホッとする。と同時に、その小菅の解釈に、私は好感を持つ。彼女は、やはり冷静なのだ。また、小菅は、30-3 において、グールドが「難しいパッセージ」とした第5変奏を《普通に》演奏している(下記)。←そこも好感を持てる。

Beethoven_109_3_4
30-3 の第4変奏(midi

Beethoven_109_3_5_2
30-3 の第5変奏より(midi

31-3 の2回目のフーガにおいて『嘆きの歌』からフーガにもって行くところ(第130小節。8分28秒〜)は絶妙。そして、2回目のフーガは力強く、かつ、丁寧、かつ、エキサイトしながらも、美しく高まる。それは上手い。

繰り返すが、32-1 は、あまり強い演奏をしていない。32-2 は、ベートーヴェンが指示した「カンタービレ」が効いている(!)(下記)。32-2 の第3変奏の(内田光子が言うところの)ラグタイムは、いいノリだ。非常に格好いい。しかし、そのラグタイムのあとの第4変奏を停滞していると感じる人もあるかも知れない。だが、私は、小菅の弾く 32-2 は、これまた、丁寧な演奏であり(シュ・シャオメイのリスナーをめろめろにさせて昇天させる演奏に対して)冷静であり、うどんに例えると腰があって、切れそうで切れない(緊張の糸が切れそうで切れない)。

Beethoven_op_111_2_1
32-2 の主題「アダージョ・モルト・センププリーチェ・エ・カンタービレ」(midi

【まとめ】

CD 1 は、個性的・特長的な演奏ではあるが、何故か、私には、CD 1 は、フラットな演奏に聞こえる。CD 2 における、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 30, 31, 32 は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの圧巻なのであるが、小菅が弾く、それら3つの作品は、私に圧巻を感じさせるよりも、また、私をエキサイトさせるよりも、むしろ、私に安らぎを感じさせる。そして、最後の 32 において、小菅の「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集」は、その最後の幕を下ろすのであるが(ハ長調)その余韻が美しい。そして、その美しい余韻が、小菅の Botschaft(メッセージ)なのかも知れない。

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