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2016年1月19日 (火)

ブルーノ・ワルターのベートーヴェン:交響曲全集(ステレオ盤)

Walter
Bruno Walter conducts Beethoven
Symphonies Nos. 1-9, Violin Concerto in D major, Op. 61, Rehearsal excerpts
1958 / 59年録音
SONY

結論から書くと、私の嗜好は安直な嗜好だが、ブルーノ・ワルターのある意味《ワーグナー的(?!)》なベートーヴェン:交響曲全集を、私は、気に入ってしまった:

猫も杓子もベーレンライター版によるベートーヴェンの交響曲全集・・・すなわち(度合いの違いはあれ)HIP (Historically informed performance) を志向した指揮者たちが、ベーレンライター版を使用し、また、ベートーヴェンが(メトロノームで)指示したテンポに因りながらも、彼らがそれぞれ工夫したりアイデアをひねり出したりして他の指揮者との差別化をはかり個性的な指揮をしたのは、学究的意義があっただけでなく、面白かった・・・が、私は、それらに飽きてしまった。

これは既に指摘されていることかも知れないが、ベートーヴェンの(特に第3番以降の)交響曲は、高度な《作曲技術》で書かれていると思うが、ベートーヴェンが生きていた時代のオケが、ベートーヴェンのスコアを完璧に演奏できる技術を持っていただろうか? ベートーヴェンの時代のオケは、本当に、今日、世に出回っている「HIP (Historically informed performance)」の如く上手かったのか? ←コレすなわち、「HIP」の指揮者が「古楽器オケ」に、超絶技巧的な演奏をさせているという傾向があるなら、それは矛盾(!)

ベートーヴェンの交響曲を指揮するとき、《原典に忠実に》という「HIP」の志向は《手段》である。また、ベートーヴェンの交響曲を指揮するとき「ワーグナーやそれ以降の作曲家・指揮者だったら、こう指揮しただろう」と思わせる「指揮」もまた《手段》である。しかし、手段より目的が大事。私が、後者を好きなのは《聴きやすく》《分かりやすい》からであり、後者は、私の嗜好・欲求を充たしている。

私の記憶では若い頃のワルターの指揮は、トスカニーニのように激しかったと思う。それに対し、この1958年から1959年にまとめてセッション録音されたワルターによるベートーヴェン・チクルスは、彼の肉体的・精神的衰えにより、若き頃の求心力・集中力は失われていると思うが、ところどころ「アクセント(=特定の音や、特定の楽器の発音を強調するなど)」「テンポ・ルバート」「淀み」あり。それらは古き良き時代を偲ばせ、その点、ベーム、カラヤンより面白い。そして、ワルターのベートーヴェン:交響曲は、ある意味、祝祭的雰囲気が明示されている、と、私は思うのだが・・・←私はそれを気に入った。なぜなら、ベートーヴェンの交響曲は祝祭的だと私は思うからである。繰り返すが、ワルターのベートーヴェンは分かりやすい:言いたいことが見える。

ちなみに、トスカニーニによる1950年代のベートーヴェン・チクルスは衰えていると思う。1939年のトスカニーニのベートーヴェン・チクルスは、残念ながら音が悪い。

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【例によって、トスカニーニのベートーヴェンを、Apple Music で聴くなら】

検索キーワード:Beethoven Symphonies 1-9 Toscanini

および、

検索キーワード:Beethoven Complete Symphonies Toscanini

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【2016−1−22 追加】

ベートーヴェンの交響曲を知るのに、ベーレンライター版は、原典として重要。
しかし、たとえば、交響曲第5番は、有名になりすぎて、その複雑さが見落とされる傾向があるのではないだろうか:

たとえば、

「第1楽章 Allegro con brio ハ短調 4分の2拍子
(中略)
提示部では、第2主題が提示される直前に、ハ短調の主和音(C、Es、G)からC、Es、Ges、Aからなる減七の和音(コードネームで書くとCdim)に移行し、それが変ホ長調のドッペルドミナントとして機能し、変ホ長調の属和音に解決して、第2主題がハ短調の平行長調の変ホ長調で現される。対して再現部では、対応する箇所で、ハ短調の主和音(C、Es、G)から同じ減七の和音に移行するが、Gesが異名同音のFisで表記され、今度はそれがハ長調のドッペルドミナントとして機能し、ハ長調の属和音に解決して、第2主題がハ短調の同主調、ハ長調で再現される。(ウィキペディアより)

←コレを知るのに、ベーレンライター版である必要は無い。

また、同交響曲同楽章の再現部の入りにて、オケが止まって、オーボエ・ソロになるのを、初めて聴いた聴衆は、さぞかし驚いたことだろう。←コレを知るのに、ベーレンライター版である必要は無い。

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