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2015年10月20日 (火)

ムローヴァの「プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63」「2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.56」「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115」

Prokofiev

Viktoria Mullova
Prokofiev

Sergei Prokofiev
Violin Concerto No.2 in G op.63 (1935)* (live recording)
1 I Allegro moderato 10.15
2 II Andante assai 9.15
3 III Allegro, ben marcato 6.09

Sonata for two violins in C op.56 (1932)† (live recording)
4 I Andante cantabile 2.27
5 II Allegro 2.45
6 III Commodo (quasi Allegretto) 3.30
7 IV Allegro con brio 5.08

Solo Violin Sonata in D op.115 (1947) (live recording)
8 I Moderato 4.33
9 II Andante dolce. Tema con variazioni 2.37
10 III Con brio 3.48

Total timing: 50.55

Viktoria Mullova, violin
*Frankfurt Radio Symphony Orchestra
*Paavo Järvi, conductor
†Tedi Papavrami, violin II

Recorded: 2012 / 2014

Catalogue No: ONYX4142

(以上、onyxclassics.com より)

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【収録情報】

プロコフィエフ:

1. ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63(ライヴ・レコーディング)
2. 2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.56(同上)
3. 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115(同上)

 ヴィクトリア・ムローヴァ(ヴァイオリン)
 テディ・パパヴラミ(ヴァイオリン:3)
 フランクフルト放送交響楽団(1)
 パーヴォ・ヤルヴィ(指揮:1)
 2012 / 2014年録音

(以上、HMV.co.jp より)

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私の評価:星4つ。老獪な演奏。しかし、後輩たちより、格が上だとは思わない。

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私は、「プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63」を、いつの間にか、9種類も持っていた(←ムローヴァの旧録音(1988年録音)を含む)(下記)。

Shostakovich: Violin Concerto No. 1 Prokofiev: Violin Concerto No. 2 Viktoria Mullova André Previn 1988年録音

Prokofiev: Violin Concerto No 2 Shostakovich: Violin Concerto No 2 Vengerov Rostropovich London Symphony Orchestra 1996年

Prokofiev: Violin Concertos Nos.1 & 2 Tchaikovsky: Sérénade mélancolique Charles Dutoit and Leila Josefowicz and Orchestre Symphonique de Montréal 1999年

Tchaikovsky: Violin Concerto, Op. 35 Prokofiev: Violin Concerto No. 2, Op.63 神尾真由子 Sanderling 2010年

Prokofiev: Violin Concerto No.2 in G minor, op.63 Sonata for 2 violins in C major, op.56 Sonata for violin and piano in F minor, op.80 no.1 Janine Jansen, violin Boris Brovtsyn, violin Itamar Golan, piano London Philharmonic Orchestra Vladimir Jurowski 2012年

Prokofiev: Violin Concertos Nos 1 2 Sonata for Violin Solo in D major Op. 115 Arabella Steinbacher Vasily Petrenko 2012年

Prokofiev: Violin Concertos Nos 1 2 庄司紗矢香 Temirkanov 2012年

Prokofiev: Violin Concerto No.2, Op.63 Stravinsky: Violin Concerto in D Kopatchinskaja Jurowski 2013年

Prokofiev: Violin Concerto No. 2, G Minor, Op. 63 Max Bruch: Violin Concerto No. 1, G Minor, Op. 26 Guro Kleven Hagen Oslo Philharmonic Orchestra Bjarte Engese 2013年

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「ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63」

結論から先に書くと、ヴェンゲーロフ盤が、ベストであると思う。

ヴェンゲーロフ「Op.63」について

プロコフィエフの Vn 協奏曲(1、2番)は、本当はこういう曲だったのかと思わせられた(プロコフィエフ1番にはカデンツァがないけど、テーマがダカーポする前にヴァイオリンソロがあるということに、私はヴェンゲーロフの演奏を聴いて初めて気がついた)。
オケとソロイストがつぼを押さえているような気がする、かつ雄弁である(オケの音がよく聞こえる)。
ロストロポーヴィチは、プロコフィエフと親交があったのかどうか知らないけど、ロストロポーヴィチの指揮する微妙なテンポ、デュナーミク、アーティキュレーション、音色は作曲家の意図に近いのだろうと推測される。
ヴェンゲーロフとロストロポーヴィチのコンビは相性が良いと思う。息が合っている。ロシア製高級車&豪華客船に乗っているような気分にさせる。
それに対し、シュタインバッハーとペトレンコの演奏は粗いし、息が合ってない(音がぶつかる、かぶる)。
しかしながら、私はシュタインバッハーに思い入れがあるので、シュタインバッハーの荒くれ演奏のほうに快感を感じる。

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ムローヴァの「Op.63」について(ボロが出ないように出来るだけ簡単に書きます)

このアルバムの「Op.63」を聴いて、私は「ムローヴァは、コノ作品に慣れている」と思った。「彼女は、満を持して、同曲を初録音した」と私は思った。しかし、コレは、彼女の2度目の録音だった。

ちなみに、ムローヴァの同曲旧盤の第2楽章は、堂々たる演奏。力強くも、よく歌っている。

彼女の「Op.63 新録音」(さらに「二重奏 Op.56」「ソロ Op.115」)は、御歳五十を過ぎたムローヴァの、良い意味でも悪い意味でも老獪(ろうかい)な演奏だと思う(良い意味では、キレがあり、力強く、適度に歌い、緻密。悪い意味では、新鮮さ・若さが消えた)。

【注】老獪:(ろうかい)経験を積んでいて,非常にわるがしこいこと(さま)。「―な手口」「―な政治家」「―ぶりを発揮する」(大辞林より)

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その他の演奏者の「Op.63」について

・ジャニーヌ・ヤンセン:若々しくて新鮮。ムローヴァに比べて自然体。←つまり癖がない。←コレを好む人は多いだろう。
・コパチンスカヤ:表現が強すぎる。
・庄司紗矢香:第2楽章を、ねちっこく歌っているのが美しい。しかし、彼女の「プロコフィエフ:Vn 協奏曲 Nos 1 2」は、私にとって期待はずれだった。
・Leila Josefowicz:久しぶりに、改めて聴いてみると、意外に良かった。
・シュタインバッハー:第2楽章の歌が素晴らしい。←この第2楽章は、ムローヴァの「技巧と表現の両立」に比べると、素直、自然体、作為的でないのが良い。
そして、シュタインバッハーの第3楽章(Allegro, ben marcato アレグロ、十分にアクセントをつけて)は、第2楽章とは対照的に荒々しいのが良い&退屈させない(ムローヴァ新盤を含めてシュタインバッハー以外の人が弾いた同曲第3楽章は、私を退屈させる)。

上記の演奏者に対し、ムローヴァは、当然、ベテランの域に達している。しかし、彼女が後輩たちより、格が上だとは私には思えなかった。

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私は、このアルバムの中で、下記「Op.56」「Op.115」が気に入った。

「2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.56」

緩急緩急の4楽章からなる。ムローヴァの技巧は衰えていない。
遅い楽章は、たっぷり歌っているが、歌いすぎない。速い楽章は「やや表現がきつく、やや粗い」が、それが気持ち良い。また、ムローヴァとテディ・パパヴラミは、プロコフィエフ独特の旋律・テクスチュアを、技巧だけに走らず、肩に力を入れずに、インティメートに弾いていると思う。
第3、4楽章の民族性が良い。
上手い。

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「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115」

これまた、上手い。
これは「Op.56」より、さらに、インティメート。聞きやすい。そして、民族的旋律が生きている。
第2楽章は「テーマ(アンンダンテ、ドルチェ)」と5つの変奏曲からなる。
ムローヴァは、リスナーのために、一風変わった「Op.115」の形式を「聞きやすくしている」と思う。繰り返すが、旋律の生き生きした美しさ!
第4楽章は、なんだか分からないが、全曲を《閉めている》(ジャケットに、The third movement shows something of Prokofiev’s wry humour in its wayward yet nostalgic waltz theme. 気まぐれでノスタルジックなワルツのテーマにおいて、皮肉なユーモアを見せる、と書いてある)。

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