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2015年9月14日 (月)

キャシー・クリエ plays ラモー&リゲティ

Krier

CATHY KRIER - RAMEAU , LIGETI

CATHY KRIER, Klavier

JEAN-PHILIPPE RAMEAU (1683-1764)
Suite en Sol : Aus / From : Nouvelles Suites de Pièces de Clavecin (1726/27) 新クラヴサン組曲集第2番(第5組曲)
1 Les Tricotets. Rondeau 01 :38 (編物。ロンド)
2 L’Indifferente 01 :37 (無頓着)
3 Menuet - deuxième menuet 02 :19 (第1メヌエットと第2メヌエット)
4 La Poule 03 :59 (雌鶏)
5 Les Triolets 04 :29 (三連符)
6 Les Sauvages 01 :38 (未開人)
7 L’Enharmonique 05 :27 (異名同音)
8 L’Égyptienne 02 :02 (エジプトの女)

GYÖRGY LIGETI (1923-2006)
Musica Ricercata (1951-1953)

9 I. Sostenuto - Misurato - Prestissimo 02 :43
10 II. Mesto, rigido e cerimoniale 04 :46
11 III. Allegro con spirito 01 :05
12 IV. Tempo di valse (poco vivace - « à l'orgue de Barbarie ») 02 :15 (手回しオルガン)
13 V. Rubato. Lamentoso 03 :34
14 VI. Allegro molto capriccioso 00 :46
15 VII. Cantabile, molto legato 03 :00
16 VIII. Vivace. Energico 00 :55
17 IX. (Béla Bartók in Memoriam) Adagio. Mesto - Allegro maestoso 02 :33
18 X. Vivace. Capriccioso 01 :16
19 XI. (Omaggio a Girolamo Frescobaldi) Andante misurato e tranquillo 03 :34

JEAN-PHILIPPE RAMEAU
Aus/from : Pièces de Clavecin en Concerts (1741) クラヴサン合奏曲集からの小品集
20 La Livri 03 :19 (リヴリ)
21 L’Agaçante 02 :09 (いら立たしいいやつ)
22 La Timide Premier Rondeau – deuxième rondeau 05 :02 (内気。第1ロンドと第2ロンド)
23 L’Indiscrète 01 :11 (無遠慮)

24 La Dauphine (1747) 02 :58 (王太子妃)

TOTAL TIME 64 :13

Recording : XI 2013, Köln, Deutschlandfunk Kammermusiksaal,
Publishers : Rameau (Bärenreiter & Anne Fuzeau éditions classique), Ligeti (Schott)
Executive Producer : Klaus Gehrke
Producer : Holger Urbach
Balance Engineer : Wolfgang Rixius
Sound Technician : Jutta Stein
Editing & Mastering : Holger Urbach Musikproduktion, Ratingen / Germany
Piano Technician : Christian Schoke

© & (p) 2014 Deutschlandradio / Avi-Service for music, Cologne / Germany
All rights reserved . LC 15080 . STEREO . DDD . GEMA . Made in Germany .
Cat No 42 600855330 www.cathykrier.com

Eine Co-Produktion mit Deutschlandfunk

http://www.avi-music.de/html/2014/3308.htmlより

--

【収録情報】

● ラモー:新クラヴサン組曲集第2番(第5組曲)
 トリコテ(ロンドー)
 無頓着な
 メヌエット-第2メヌエット
 雌鶏
 3連音
 未開人
 エンハーモニック
 エジプトの女

● リゲティ:ムジカ・リチェルカータ

● ラモー:クラヴサン合奏曲集からの小品集
 リヴリ
 軽はずみ
 内気(第1ロンドー/第2ロンドー)
 おしゃべり

● ラモー:王太子妃

 キャシー・クリエ(ピアノ)

 録音時期:2013年11月、12月
 録音場所:ケルン、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

HMV.co.jp より)

--

このアルバムにおいて、ラモーにおけるキャシー・クリエの技巧がおぼつかなかったし、このアルバムのコンセプトがよく分からなかったし、そもそも、私は、ラモーとリゲティが苦手なので、このアルバムは、購入後、1度聴いただけで、長い間、私の机の上に置きっぱなしになっていた。しかし、(せっかく買った)私の好きなピアニスト:キャシー・クリエのアルバム・・・勿体ないので(購入の約10ヶ月後、改めて、コレを聴いてみると)このアルバムの良さがようやくわかった。

このアルバムのライナーノートは、キャシー・クリエ自身が書いている。もし、私が、英語・ドイツ語を完璧に読めたら、このアルバムの真のコンセプトはわかるはずだが、残念ながら、私の語学力では、そのコンセプトは、よくわからない。

そのライナー・ノートの文章の最後の部分:

「私がこのプログラムを作り上げる過程で、ラモーとリゲティの作曲へのアプローチが似ていることがますます明らかになりました。たとえ、それが私だけに感じられることであっても、私はその二人の作曲家の新しいものへの飽くなき衝動、新しい発見(認識)への渇望の跡をたどりたいです。その跡(道)やはり類似していると思われるからです。キャシー・クリエ」

・リゲティ:ムジカ・リチェルカータは「探求」である

「リチェルカーレ ricercare」は「探求」を意味するイタリア語である(ウィキペディアより)。キャシー・クリエは、リゲティの「ムジカ・リチェルカータ(Musica Ricercata)」を、リチェルカーレという様式へのオマージュとみなすのは間違いだと指摘している。たしかに、作品「ムジカ・リチェルカータ」の第11曲は、12音の対位主題からなるバロック的フーガではある。が、作品「ムジカ・リチェルカータ」のコンセプトは、「リチェルカーレ」というイタリア語が意味するところの「探求」なのだ:すなわち、リゲティは、作品「ムジカ・リチェルカータ」にて、ソノリティと構造において彼自身の音楽様式を「探求」したのだ。

この作品は、11の小品からなるが、第1曲は2音→第2曲は3音→第3曲は4音・・・第11曲は12音で書かれている。私見では、第11曲が、「ジローラモ・フレスコバルディへのオマージュ(Omaggio a Girolamo Frescobaldi)と題されていることからすると、リゲティの探求は、必ずしも、バロック音楽から離れたものではなく、フレスコバルディのジェスチャーを、彼は、彼の探求のため取り入れ、利用したのではないかと思う。

一方、キャシー・クリエが、リチェルカーレという形式に拘ったのなら、彼女は、彼女自身が《リチェルカーレの父》と呼ぶフレスコバルディを、このアルバムの中で、取り上げたはずである。しかし、彼女は、そうしなかった。やはり、このアルバムのコンセプトは(繰り返すが)「リチェルカーレ」と呼ばれる「器楽曲様式」ではなくて、「リチェルカーレ」というイタリア語が意味するところの「探求」であり、それは、ラモーの場合、彼の組曲における、彼の「探求」なのだろう。

・このアルバムの統一性

ラモーの作品は、私には、普通の(バロック)《組曲》《合奏曲集(ラモーのクラヴサン合奏曲集からの小品集は、一人で演奏しても良いし、三人で合奏しても良いという前提で書かれた)》に聞こえる。すなわち、ラモーの《普通の組曲》&《合奏曲集》と、リゲティの《実験的な習作》のように聞こえる作品(ムジカ・リチェルカータ)は、ともに、共通する『新しいものへの探求』を、本当に包含しているのか? それは私にはわからない。ただ、もしも、リゲティが「ムジカ・リチェルカータ」の第1曲〜第11曲に、巧みに埋めこんだ《主題(?)》と《変奏(?)》が、ある意味、擬古的であるならば、それは、ラモーに通じるかも知れないし、逆に、ラモーの《組曲》&《合奏曲集》に「新しいものへの探求」がひそんでいるなら、それは、リゲティに通じるかも知れない。

もし、リゲティの「ムジカ・リチェルカータ」において、新旧の作曲技法が、うまくミックスされているとすれば、両者(リゲティとラモー)の距離は縮まるかも知れない。

(キャシー・クリエは、ライナーノートの中で「ムジカ・リチェルカータ」の作曲技法として、ポリリズム、多調同期 Bitonality、同音反復、ピアノ共鳴 piano resonance、新しいデュナーミクへのアプローチなどを挙げている。私は「ムジカ・リチェルカータ」に、ジャズっぽさを感じた。)

・モダンピアノで古楽を弾くこと

キャシー・クリエは、バロック音楽のクラヴィーア作品(チェンバロによる作品)を、現代のモダンピアノで弾くためのキーワードを、2つ挙げている。ひとつは、Agréments(楽しみ)(ラモーの Table d'agréments)←これの意味はわからない。もうひとつは、jeu inégal(不規則な演奏?)。←これの意味もわからない(汗

・まとめ

このアルバムにおいて、私が気に入ったことは、キャシー・クリエ自身の探究心である:すなわち、彼女が、クラシック音楽に、新しい「文脈」を見い出そうとする、その探求の姿勢である(たとえ、彼女の探求が間違えていようとも)。

【追加】

ところで、このアルバムは、APPLE MUSIC で聴けます。キャシー・クリエのデビュー盤とセカンドアルバム(ヤナーチェク)も聴けます。

検索のためのキーワード:Cathy Krier

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