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2014年10月21日 (火)

リヒャルト・シュトラウスの「ヴァイオリン・ソナタ 作品18」聴き比べ

【楽曲説明】

Richard Strauss (1864-1918)
Sonata for Violin and Piano in E-flat, Op. 18 (1887)
I. Allegro, ma non troppo
II. Improvisation (Andante cantabile)
III. Finale (Andante - Allegro)

この作品を初めて聞いた時、「何ともつかみ所がない作品」と、私は思った。が、第3楽章《フィナーレ》(ロンド形式)における下記主題(譜例1)は、「若きシュトラウスの《ドン・ファン》や《英雄の生涯》への野心をみせる」。
コノ主題(譜例1)が、コノソナタにおいて最も印象的かつ格好いい主題だろう。すなわち、リヒャルト・シュトラウスでないと書けない《開始》!

Strauss_vn__sonata_3_0
【譜例0】第3楽章冒頭、ピアノだけのゆるやかな前奏(アンダンテ、8分の6拍子、midi

Strauss_vn__sonata_3_1
【譜例1】第3楽章、ピアノだけのゆるやかな前奏(譜例0)に続く速い主部。アレグロ、4分の3拍子、midi

繰り返すが「これは、8度で激しく始まり、若いシュトラウスの熱と力を示し、《ドン・ファン》や《英雄の生涯》への野心をみせる。」(作曲家別名曲解説ライブラリー R.シュトラウスより)

--

さて、前後するが、

第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ 変ホ長調 ソナタ形式
第1楽章(ソナタ形式)の主題、モチーフを、以下に羅列する。それらの譜例が、第1楽章を把握するのに役立てばいいと私は思う・・・というか・・・私は、私自身のために、以下の譜例を作った・・・作らざるを得なかった(私自身がコノソナタを理解するために)。というのも第1楽章は正調ソナタ形式であるが、規模が大きく、やや複雑な楽章だからである。

Strauss_vn__sonata_1_1_1
【譜例2】第1楽章 第1主題は、ピアノで激しく始まる。midi

Strauss_vn__sonata_1_1_2
【譜例3】第1楽章 第1主題(ヴァイオリン)。midi

Strauss_vn__sonata_1_1_3
【譜例4】第1楽章 第1主題のつづき(第1主題冒頭とコントラストを為す美しい旋律)。midi

Strauss_vn__sonata_1_1_4
【譜例5】第1楽章 もう一つの情熱的な旋律。midi

Strauss_vn__sonata_1_2
【譜例6】第1楽章 第2主題。midi

--

第2楽章 アンダンテ・カンタービレ 変イ長調 3部形式 「即興曲 Improvisation」

Strauss_vn__sonata_2_7_2_2
【譜例7】中間部。
「ピアノの3連譜のうえに情熱をこめた旋律があらわれる(midi)。この部分は、とくに即興曲にふさわしいといえるかもしれない。旋律はまもなく繊細になり、ピアノは精巧になる。すると、ヴァイオリンは弱音器をつけて、ピアノの精巧な音の間にこまかい音の音形(譜例8、midi)を加え、まもなく、絶妙な旋律を流す。」(作曲家別名曲解説ライブラリー R.シュトラウスより)

Strauss_vn__sonata_2_8_2
【譜例8】

==========

【リヒャルト・シュトラウスの「ヴァイオリン・ソナタ」聴き比べ】

Frang

Grieg: Violin Sonata No. 1 in F major Op. 8
Bartók: Sonata for solo violin
R. Strauss: Violin Sonata in E Flat major Op. 18
Vilde Frang, violin
Michail Lifits, piano
Recorded: 2010
EMI

Steinbacher

César Franck (1822-1890)
Sonata for Piano and Violin in A (1886)
Richard Strauss (1864-1949)
Sonata for Violin and Piano in E-flat, Op. 18 (1887)
Arabella Steinbacher, violin
Robert Kulek, piano
Pentatone Classics SACD PTC5186470
2012年録音

Migdal

Ludwig Van Beethoven: Sonate Nr. 6 A-Dur op. 30 Nr 1
Claude Debussy: Sonate g-Moll
Richard Strauss: Sonate Es-Dur op. 18
Liv Migdal, violin
Marian Migdal, piano
ARS Produktion SACD ARS38145
2013年録音


リヒャルト・シュトラウスの「ヴァイオリン・ソナタ」作品18
上記の3つの中では、ヴィルデ・フラング(Vilde Frang、1986年8月19日生)の演奏が私は一番好きだ。
彼女の演奏は悪い意味で若い。しかし、彼女のテンポの設定・変化、デュナーミクには節度とナイーブさがあり、それらは耳障りが良い。さらに言えば彼女の演奏は見通しが良い。自然体。

・第1楽章
力強いフレーズは力強いが、彼女はその力強さに《泣き》を添える(展開部など、3分12秒以降)。そして、緩やかなフレーズは軽やかに歌う(11分01秒などに、グリッサンド OR ポルタメントを効かしている。それは下品じゃない)。

・第2楽章
カンタービレ。なよやか。

・第3楽章
「若きシュトラウスの《ドン・ファン》や《英雄の生涯》への野心をみせる」主題(譜例1)で爆発している。Vilde Frang, violin と Michail Lifits, piano は、第3楽章を第1、2楽章に対して明確に差別化しているようだ・・・すなわち第3楽章のパワフルさが生かされている。

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リヒャルト・シュトラウスの「ヴァイオリン・ソナタ」作品18
シュタインバッハー(Arabella Steinbacher、1981年11月14日生)は、前のモーツァルトと同様、「より手堅く、より正攻法に」に弾いていると思う。そして、シュタインバッハーの演奏は、その「手堅さ」「正攻法」さらに「正確さ」において、ヴィルデ・フラングより格が上だと思う。しかし、シュトラウス23才のときの「ヴァイオリン・ソナタ」に、「より手堅く、より正攻法に、より正確に」は、要らないと思う。それよりも、「ヴァイオリン・ソナタ」作品18は、泣き、歌われることに魅力があると思う・・・シュタインバッハーも新鮮に歌っているが、私は、ヴィルデ・フラングの古くさい歌の方を好む。
シュタインバッハーは、このアルバム(SACD)でも、「日本音楽財団より貸与されている1716年製ストラディヴァリウス『Booth』」を弾いているが、必ずしも音が美しくない。<最初聞いた時、私は私のオーディオが壊れたかと思った。

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リヒャルト・シュトラウスの「ヴァイオリン・ソナタ」作品18


リフ・ミグダル Liv Migdal(あるいは、リーフ・ミグダル)は、1988年生まれのドイツのヴァイオリニスト。彼女は、ヴィルデ・フラングより年下だが、フラングより大人っぽいシュトラウスを聞かせていると思う。しかし、ソレが必ずしも、魅力的に聞こえない。


ヴィルデ・フラングの演奏はむしろ新鮮ではないと思われる。しかし、フラングの古くさい指使い(分かりやすく言ってアンネ=ゾフィー・ムターのような)のほうが、むしろシュトラウスの「ヴァイオリン・ソナタ」の「擬古典的と若々しさ」の同居を引き出していると思う。たとえば、ミグダルの第3楽章は面白くない(第3楽章、3分00秒のアルペジオはよく聞こえるが鮮やかでないような気がする)。


ピアノ伴奏者の Marian Migdal は、彼女の父親。コノ父娘による「ベートーヴェン:作品30の1」のインティメートな雰囲気は、父親 Marian Migdal のピアノの《ろうたけた優美さ》に負うところが大きいだろう。しかし、シュトラウス「ヴァイオリン・ソナタ」のほうは、その《ろうたけた優美さ》が必ずしも生かされていないように思える。さらに「Jean-Baptiste Vuillaume aus dem Jahr 1872」というヴァイオリンの音色も生かされていないように思われる。
リフ・ミグダルは「Jean-Baptiste Vuillaume aus dem Jahr 1872」というヴァイオリンを弾いているが、その楽器の特長は、やはり、ベートーヴェンとシュトラウスより、おそらくドビュッシーにおいて聞かれるんじゃないか・・・(私、ドビュシー苦手だから分からない)。

【参考】
VUILLAUME, Jean Baptiste (1798 - 1875)
ジャン・バティスト・ビョームは、19世紀にフランスの弦楽器業界を世界に広め、その中心的な役割を果たした人物です。彼自身は、弓製作者ではなく、バイオリン製作をしていましたが、彼は弓を非常に重要な物と考え、その発展の為に様々な発明をしました。そして沢山の職人を育て、価値ある弓を残しています。(弦楽器専門店 ラルジュより)

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