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2014年8月19日 (火)

アリーナ・イブラギモヴァの「プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1、2番」

Prokofiev

Serge Prokofiev (1891-1953)
Violin Sonatas
Alina Ibragimova, violin
Steven Osborne, piano
Hyperion Records
2013年録音

【収録情報および演奏時間】

Violin Sonata No 1 in F minor Op 80 [26'50]
Five Melodies Op 35bis [11'49]
Violin Sonata No 2 in D major Op 94bis [22'04]

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私はプロコフィエフが苦手だ。彼の作品は、「Pf協奏曲第3番」と「Vn協奏曲第1、2番」しか知らない。したがって、以下のレヴューは《信頼できない》と思ってください。

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英国アマゾンのレビューで評価が高かったので、イブラギモヴァの「プロコフィエフ:Vnソナタ」を購入。

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プロコフィエフのVnソナタの決定盤は、オイストラフ盤だと思う。
(ただし、私は「同曲/オイストラフ盤」を持たない。上記のユーチューブで聴いたのみ)

プロコフィエフのVnソナタは、私には手に負えない作品。つまり、煮ても焼いても食えない作品。
(私、アイヴズのVnソナタの方がわかりやすいです)

「同曲/庄司紗矢香盤」は、火事で焼失したが、この度、聴き比べのために買い戻した。庄司の演奏は、勿論悪くなかった。彼女のプロコフィエフは、繊細かつ力強く雄弁であり冴えた演奏。庄司は、彼女の技巧で、プロコフィエフの特長を生かしていると思う。思うに、「プロコフィエフ:Vnソナタ」の特長とは:

・複雑さ(複雑なソナタ形式、形式的と非形式的の同居やアンビバレントなど)
・旋律、音形のユニークさ(複雑?)
・調性のあやふやさ
・ユニークな奏法(必ずしも特殊奏法ではなく、ヴァイオリンの重音。また、たとえば第2番の第3楽章の中間部は四分音に聞こえる)
・激しさと甘美さの同居、コントラスト
・リズムの不規則性(ヘミオラなど?)
・テンポの緩急変化
・アクロバティック(ヴァイオリンのアクロバティックな技巧。ヴァイオリンとピアノの掛け合いなど)
・ポリフォニー(ヴァイオリンとピアノとの対位法など)
・民族性など

私は、上で、「複雑、ユニーク」と書いたが、本当は、私は同曲をグロテスクだと思っている。そして、その「グロテスク(?)」とプロコフィエフの「擬古典(??)」が異様に(???)結びついていると思う・・・同曲の特長は、オイストラフの演奏(すなわち上記ユーチューブにおけるオイストラフの演奏)を見ると、よくわかる。

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話が脇道にそれるが、件のユーチューブの動画は著作権侵害にならないのだろうか? その動画ではプロコフィエフ:Vnソナタ全曲のスコアを見ることができる(同曲スコアは高くて買えないので助かる!)。また、その動画は、動画上、音楽の進行と「スコア」のページが《めくられる》のが同期しているので、(音楽・作品を知る上で)分かりやすく、かつ有意義・・・。そしてさらに言えば・・・プロコフィエフのVnソナタのスコアは複雑なので、私などは、スコアを購入しても音楽を聴きながら音楽がスコアのどこを演奏しているかを追うこと、繰り返すが、《音楽を聴きながらスコアを追うこと》は私にはできないだろう。だから、ユーチューブの動画における「音楽とスコアの同期」は非常に有難い。

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さて、本題のイブラギモヴァのプロコフィエフだが、それを庄司のプロコフィエフと比べるのは面白いと思う。
イブラギモヴァのプロコフィエフは手堅い演奏だと思う。渋い。彼女は秀でた技巧を聴かせているが、それでも寡黙に聞こえる。イブラギモヴァの「寡黙」というのは感情移入の無さだと思う。それは、硬派な演奏であると思う。ただし、イブラギモヴァの「寡黙」とは、飽くまで、《庄司紗矢香の「雄弁」との比較において》である。イブラギモヴァもよく歌いながもさわがしい。ただイブラギモヴァの庄司に対する優位は、激しさから静かさへと移行するのがうまいこと、だと思う(たとえば、第1番第4楽章の終わり、第2番第2楽章スケルツォ1分40秒あたりなど)。したがって、余韻がある。ただし一つ思うことがある。それは、イブラギモヴァは重音をもっと生かして欲しかった・・・オイストラフの演奏は重音が生きている。

庄司はプロコフィエフのユニークさを技巧と歌で聴かせる。だがしかし、庄司のプロコフィエフにロシアの民族性はあるのか、は、疑問だ。ちなみに私が、プロコフィエフ:Vnソナタに、民族性を感じるのは、たとえば、第1番第4楽章の終わりの部分(下記)。
イブラギモヴァ、クレーメル、オイストラフの民族性が随分違うと感ずるのが面白い。

クレーメル&アルゲリッチ盤は、2人のバトルを期待したが、アルゲリッチはもうちょっと強く弾いて欲しかった(クレーメルの演奏はまあまあだと思う)。アルゲリッチは、「ベートーベン:Vnソナタ」で強烈だったと私は記憶しているが、このプロコフィエフの伴奏は普通に聞こえた。彼女の十八番、プロコフィエフのPf協奏曲第3番を、私は、生で聴いたことがあるが、それはすごかった・・・そのことについて、ココで書くと長くなるので書かない。

イブラギモヴァ盤ピアノ伴奏 Steven Osborne は、庄司紗矢香盤のイタマール・ゴランと同様にうまいと思う。

(追加)イブラギモヴァ盤は、ソナタ1番より2番が良いかも知れない。そして、ソナタより「5つのメロディー」が良いかも知れない。

Prokofiev_vn_sonata_1_1_9
プロコフィエフ:Vnソナタ 第1番第1楽章の終わり(midi

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