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2014年5月 9日 (金)

ジョン・ケージの「北のエチュード(Etudes Boreales)」ほか

Boreales

John Cage (1912-1992)
Etudes Boreales
Harmonies
10'40.3"

Friedrich Gauwerky, violoncello
Mark Knoop, piano
Aufnahmen: 2009
WERGO

1 Harmony XXVII for Violoncello and Piano (1976) [1:45]
(Reflection - Supply Belcher)

2-5 Etudes Boreales for a Percussionist Using a Piano (1978) [18:01]

6 Harmony XXII for Violoncello and Piano (1976) [4:27]
(Wisdom - Jacob French)

7 10'40.3" for a String Player, as part of: 26'1.1499" for a String Player (1955) [10:40]

8 Harmony XXIV for Violoncello and Piano (1976) [2:37]
(St. Thomas - William Billings)

9-12 Etudes Boreales for Cello Solo and Piano Solo (1978) [19:44]

13 Harmony XIII for Violoncello and Piano (1976) [1:46]
(Worchester - William Billings)

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私の評価:★★★★☆

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このアルバムは、「Harmony」以外は、チェロもピアノも超絶技巧。
「北のエチュード(Etudes Boreales)」に、「Freeman Etudes」のすごさが聞ける。

「北のエチュード(Etudes Boreales)」は、「南のエチュード(Etudes Australes)」「Freeman Etudes」と対をなす小品と見なされている(The set is a small counterpart to Cage's other etude collections - Etudes Australes for piano and Freeman Etudes for violin.)(ウィキペディアより)

このアルバムは、「北のエチュード(Etudes Boreales)」の全曲録音ではない。「北のエチュード」は、4つのパートからなる。このアルバムに収められたのは、その2つ。「北のエチュード」以外の曲は、おそらく「北のエチュード」とは無関係な作品。つまり、このアルバムは、寄せ集め。このアルバムは、寄せ集めの良さはあるが、それが「北のエチュード」の全曲録音を含まないのは残念。演奏者 Friedrich Gauwerky, violoncello と Mark Knoop, piano は、その超絶技巧曲を演奏する力量を持っているのだから・・・。

1、3、5、7曲目の「Harmony」は、チェロとピアノのための編曲集。Supply Belcher, Jacob French, William Billings というアメリカ独立戦争時代の作曲家を取り上げている。のほほんとしている。

2曲目「Etudes Boreales for a Percussionist Using a Piano (1978)」
ピアノ独奏曲。
題名通り、ピアノを打楽器のように叩いて演奏している。鍵盤を叩く音や内部奏法も聞こえる。トラック2(第1曲)は、意外に静かである。トラック4(第3曲)の2分29秒などで、耳をつんざく破壊音が聞こえる(多分、ピアノ線を道具ではじく音)。そんな、特殊奏法は、実際にピアノを壊してしまうかも知れない。だが、ケージの特殊奏法は、大音量かつ鮮明な音で聴くと強烈すぎてうるさいが、オーディオ装置で音質を適度に調節して聞くと意外に美しい(?)

4曲目「10'40.3" for a String Player」
チェロ独奏曲。
この作品は、「Time-length compositions」と呼ばれる作品の一つで、そのタイトルは、演奏時間を示す。冒頭から、チェロの胴体を叩く音が聞こえる。それから、動物(または怪獣)の鳴き声のような音。そして、この作品は、終始、チェロ独奏者が、声を出しながら演奏される。「北のエチュード」と同様、技巧的。技巧的で、乾いた音楽。

6曲目「Etudes Boreales for Cello Solo and Piano Solo (1978)」
チェロとピアノのための曲。
この曲が、このアルバムのメインだろう。これは良い演奏だ。二人、すなわち、Friedrich Gauwerky, violoncello と Mark Knoop, piano のコラボレーションが素晴らしい。美しい演奏だと思う。
私の主観では「トラック9(第1曲)」は、東洋的に聞こえる。
「北のエチュード」は、被献呈者に「演奏不能」と言われた難曲。ピアノは、ほとんど、打楽器のように奏され、チェロは、滅茶苦茶に動く。ただし、「北のエチュード」は「Freeman Etudes」と違って、音域が限られる箇所があるようだ(The difference between the works is that in Etudes Boreales the pitch range is limited at any given time, and changes throughout the pieces, whereas in Freeman Etudes the range was unlimited.)(ウィキペディアより)

「南のエチュード(Etudes Australes)」と同様、「北のエチュード(Etudes Boreales)」は、北の「星座」に関連がある。

このアルバムは、リスナーを不安に陥れるかも知れない。「Harmony」は、古い音楽だが、音を止めながら演奏されるのが、不安げだ。「北のエチュード」は、美と暴力が同居しているし・・・。

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