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2014年4月27日 (日)

ゲオルク・ティントナーの「ブルックナー:交響曲全集」を少しずつ聴く(第1、2番)

Tintner

Anton Bruckner (1824-1896)
The Complete Symphonies (12-CD Boxed Set)
Royal Scottish National Orchestra
National Symphony Orchestra of Ireland
New Zealand Symphony Orchestra
Georg Tintner
Recorded 1995/98

--

結論から言うと、ティントナーのブルックナー1、2番は、模範的であり、私にとって良き入門であった。

Anton Bruckner (1824-1896)
Symphony No. 1 in C Minor, WAB 101 (orig. 1866 unrevised Linz version, prep. W. Carragan)
Royal Scottish National Orchestra
Georg Tintner
Recording 1998

第1楽章 14:39
第2楽章 15:22
第3楽章 09:07
第4楽章 15:55
合計   55:03

ブルックナー:交響曲第1番
第1楽章の個性的な第1主題は、アニメ映画「グスコーブドリの伝記」の映画音楽(オリジナル・サウンドトラック)の中の「工場長」と題された曲に、よく似ている。

交響曲第1番は、のちにブルックナー自身により「生意気な浮浪児」と呼ばれたが、さらにこれに対して、ブルックナーは、つぎのようにのべたのである「これほど自分が大胆で、生意気だったことはことはない。まさしく恋した馬鹿者のように作曲した」。これはのちの交響曲と性格的、技巧的にこの交響曲第1番が異端者的な存在であることを裏書きすることにほかならない。たとえば、技巧的にこのブルックナーの言葉を立証するものとして、この交響曲ではこまかい音符がきわめて豊かに愛好されている。のちの交響曲では、32分音符がアダージョの楽章でさえも稀にしか用いられていないのにもかかわらず、ここでは第1楽章で頻繁に使われているし、終楽章では16部音符が好まれている。こういうわけで、この交響曲では、同じ速度のなかで、音の動きの速さが極端にいろいろと変化している。全音符でゆったり動くかと思うと、こまかい音符で忙しく進む。こういう運動の変化がこの曲の特徴であるといってもよい。
 しかし、またいっぽう、この交響曲はブルックナーの交響曲様式と呼ばれるものの本質的特徴もすでにみせている。このことについては前にものべたとおりだが、さらにこれ以外の特徴もそなえている。たとえば、ソナタ形式で、小結尾主題の存在価値と重要性を拡大して、第3主題としてそれを設定する基本的な形式の確立が認められる。また、弦のトレモロふうの動きや、ホルンの信号や、ホルンによる叙情的な旋律もそうした特徴にかぞえられる。
(作曲家別名曲解説ライブラリー5「ブルックナー」36ページより)

ティントナー指揮の「第1番」は迫力ある(特に最終楽章)が、ある意味、模範的であり、羽目を外した面白さはない。すなわち、ティントナーの指揮は、「この交響曲第1番が異端者的な存在であることを裏書きする」ブルックナー自身の言葉『生意気な浮浪児』『恋した馬鹿者のように作曲した(上記)』・・・それらの言葉が示すこの交響曲の性格を言い表すのではなく、むしろ、この交響曲を「完成された交響曲の仲間入り」させようとするかのように聞こえる。もっと、暴れて欲しかった。

==

Symphony No. 2 in C Minor, WAB 102 (1872 first version, ed. W. Carragan)
National Symphony Orchestra of Ireland
Georg Tintner
Recorded 1996

第1楽章 かなり速く [20:54]
第2楽章 スケルツォ、速く [11:00]
第3楽章 アンダンテ、荘厳に、いくぶん動的に [18:06]
第4楽章 フィナーレ、さらに速く [21:19]
合計   [71:22]

ブルックナー:交響曲第2番
第1楽章が、ヴァイオリン、ヴィオラのトレモロで始まり、チェロが第1主題を奏でること(譜例1)。その第1主題がブルックナー的旋律であること(←当たり前か)。以下、第1、4楽章を貫くポリリズム(譜例2)。第1楽章第3主題におけるオスティナート。休止の活用・多用。スケルツォの楽章を第2楽章に持ってきたこと。終楽章の終わりに第1楽章を回想・・・など・・・、私の主観では、のちの「ブルックナー:交響曲」の特徴は、第1番よりこの第2番のほうに、よりはっきりした「音」として聞こえると思う。この交響曲は、ウィーンで書かれたようだが、なんとなく、(天国的長さと、ウィーンっぽいという意味で)シューベルトの「交響曲グレート」を聞いているような気にさせる。ティントナー以外の指揮者によって指揮されても、天国的なのか? この交響曲は、ハ短調(in C Minor)なのに、長調の交響曲のように聞こえる。

作曲家別名曲解説ライブラリー5「ブルックナー」に、演奏時間60分とあるのに、ティントナーの指揮は、71分22秒もある。ティントナーは、この交響曲をうまく「料理」しているかも・・・演奏時間が長いが、退屈しない。
ティントナーが選んだ版は、第2楽章がスケルツォである。

ティントナー指揮の「第2番」もまた、「第1番」とほとんど同じ印象を受ける。すなわち、この第2番も迫力ある(第2楽章スケルツォ)、そして、美しい(第3、4楽章)。
しかし、全曲を通して、もっと暴れてくれたら、もっと、迫力あっただろう。

Bruckner_02_1_1
【譜例1】 第1楽章 第1主題、midi

Bruckner_02_1_signal_new
【譜例2】 第1、4楽章を貫くリズム(信号風、トランペット)(←【ブログ開設者より】 実は、私はこのリズムがよく分からない)。

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