« 【じぇじぇじぇ〜あっと驚く】佐村河内守作曲「鎮魂のソナタ」(前書き) | トップページ | 【じぇじぇじぇ〜あっと驚く】佐村河内守作曲「鎮魂のソナタ」(2) »

2014年2月10日 (月)

【じぇじぇじぇ〜あっと驚く】佐村河内守作曲「鎮魂のソナタ」(1)

Samuragochi

佐村河内守作曲「鎮魂のソナタ」 ソン・ヨルム(2CD)

【収録情報】
Disc1
佐村河内守:
・ドレンテ〜子どものために〜
・ピアノ・ソナタ第1番

Disc2
・ピアノ・ソナタ第2番

ソン・ヨルム(ピアノ)

録音時期:2013年7月15-18日
録音場所:富山県、新川文化ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

このアルバムは、本当に、ソン・ヨルムが熱演していると思う。ソン・ヨルムは作曲者の意図を読み取るのがうまいと感じさせる。

1曲目の佐村河内守作曲「ドレンテ」は、親しみやすく美しい主題を持つ3部形式。5分足らずの小曲であるが、中間部、静から動(アルペジオで始まる)への鮮やかさ!(DENON の録音技術は優秀)

2曲目の佐村河内守作曲「ピアノ・ソナタ第1番」は(超絶)技巧的であり、作曲技法に優れ、無調性と調性をうまくミックスした作品だと思う。この作品は、論理的な構造を持ち、リーフレットの楽曲解説によると全曲を通して統一した主題(?)を持つ(下記画像参照)。技法と音色はリストを思わせる。正直言って、この作品は私の好みに合う。
佐村河内守作曲「ピアノ・ソナタ第1番」は、複雑で難解だが、聴いていて気持ち良いし、大音量で聴くと良きフラストレーション解消になる。そういう意味でリスナーの期待を裏切らない作品だと思う。
佐村河内守作曲「ピアノ・ソナタ第1番」は、細かいところにこだわれば「傷」がない訳ではないし、若干「受け」を狙っている・・・と言ってもいいかも知れん・・・が、佐村河内守作曲「ピアノ・ソナタ第1番」はピアノの技巧が生かされている・・・その意味で、佐村河内守作曲「ピアノ・ソナタ第1番」は「名曲」かも知れない。

第1楽章
ソナタ形式。11分30秒。いかめしい開始はニ短調で「ラ」の音がオクターブユニゾンを2度鳴らす。
難解できわめて激しい部分と、静かな部分、親しみやすく美しい叙情性が、華麗な技巧(装飾的パッセージ、スケールなど)によってうまくミックスされている。そして、それらは心地よく、また形式的に美しく展開される・・・と言っていいと思う。

第2楽章+ブリッジ
14分あまり。
野本由起夫の楽曲解説によると、第2楽章は「特定の形式を当てはめて考えることはできない」とあるが、大まかにいうと3部形式だと思う。第1楽章とは対照的に静かな開始。中間部にて爆発(同音反復がキース・エマーソンを思わせる)。楽章の後半は静けさのあと、また激しくなり、わずか3小節の「ブリッジ」が第3楽章への「つなぎの部分」であり、それは《HIROSHIMA》の「運命の動機」から引用されている。

第3楽章
10分あまりの楽章。
激しいトッカータのフガートで開始、しかも、そのフガートは、しばし継続される。同音反復、厚い和音、強烈な下降音型などの激しい楽想を経て、4分30秒あたりで冒頭のフガートが再現される。第3楽章の最後の部分は、調性を取り戻しつつ、美しさと平安と不安が入り交じった静けさのうちに作品全体を閉めている。

ソナタ第1番は、総じてソン・ヨルムの超絶技巧が冴えている。しかも、彼女の作品に対する解釈はほぼ完璧に聞こえる。
この作品は、クラシック音楽の「現代曲入門」に適していると思えるのだが・・・。

3曲目の佐村河内守作曲「ピアノ・ソナタ第2番」は、調性を持つ普通の作品。テーマが「鎮魂」なので難解さを避けたのだろう。

第1楽章
ソナタ形式。多分、イ短調。
マエストーソ〜アンダンテ〜アレグロ・アパッショナートで始まる、17分あまりの楽章。
いかめしい開始(マエストーソ)〜アンダンテの「レクイエム」の主題は美しいアルマンド。その旋律から、次第に曲が盛り上がる。展開部「レクイエム」の主題を再現、展開。音楽が頂点に行ったところで再現部開始「レクイエム」の主題拡大形。「レクイエム」の主題の変奏。第1楽章は、終始、「レクイエム」の主題が用いられている。コーダも、その再現で終わる。

第2楽章
110小節の比較的短い楽章(8分足らず)。レチタチーヴォ風。これもバッハ風。激しい楽想と美しい旋律の対比。「レクイエム」の主題も用いられている。アタッカで、激しい第3楽章へ。

第3楽章
ソナタ形式。約17分。激しく技巧的な開始。ショパン風。次第に音楽が静まり「レクイエム」主題が現れる。「レクイエム」の主題の回想(ぱっとしない3声フーガ)が多い点は第1楽章に似ていて、作品全体を閉めるには弱い。

この作品は、バッハやショパン、その後のロマン派を取り入れた・・・というより真似した・・・というよりごちゃまぜにした寄せ鍋のようだ。あくまで「レクイエム」の主題を生かすための作品であり、それを多用しすぎているし、仰仰しい。受けを狙ってる。
作曲技法に走った冗漫で安易な作品に聞こえる。

【参考】

Samuragochi_0

「佐村河内守:鎮魂のソナタ」のリーフレットより(著作権者:野本由起夫、2013 NIPPON COLUMBIA CO., LTD. )

« 【じぇじぇじぇ〜あっと驚く】佐村河内守作曲「鎮魂のソナタ」(前書き) | トップページ | 【じぇじぇじぇ〜あっと驚く】佐村河内守作曲「鎮魂のソナタ」(2) »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/276661/54939525

この記事へのトラックバック一覧です: 【じぇじぇじぇ〜あっと驚く】佐村河内守作曲「鎮魂のソナタ」(1):

« 【じぇじぇじぇ〜あっと驚く】佐村河内守作曲「鎮魂のソナタ」(前書き) | トップページ | 【じぇじぇじぇ〜あっと驚く】佐村河内守作曲「鎮魂のソナタ」(2) »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

無料ブログはココログ