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2012年12月24日 (月)

ソフィー・パチーニの「ロ短調ソナタ」

Pacini

・シューマン:謝肉祭 op.9
・シューマン:6つの間奏曲 op.4
・リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調

ソフィー・パチーニ(ピアノ)

録音時期:2012年
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

HMV.co.jp の商品レビューに「やや大柄な体から繰り出される力強い表現力と、構成力に優れた理知的な演奏もパチーニの大きな魅力」と書いてあるがその通りだと思う。

ミハエル・シューマッハのように前のクルマをスイスイと追い越すテクニックと冷静さを持っていると思う(彼女はしたたかさを持ってると言ってもいいかも知れない)。
平成生まれ・・・若いのに、リストについては欠点のない演奏だと思う。

「ロ短調ソナタ」について
フーガのあと提示部が再現され、その後、トラック30の 4' 07 あたり「ハンマー音(616小節)」が、同主調(ロ長調)で演奏されるところがうまい(提示部では平行調(ニ長調)153小節)。「650小節:ストレッタ」以降はコーダである。
彼女の演奏によって「ロ短調ソナタ」がソナタ形式にのっとっていることがわかる。

他の2曲について
「シューマン:6つの間奏曲 op.4」というのはあまり弾かれない曲ではなかろうか・・・私は、シューマンは苦手なので、彼女が「6つの間奏曲 op.4」をうまく演奏しているのか分からないが、彼女は「謝肉祭」「6つの間奏曲」「ロ短調ソナタ」をちゃんと弾き分けているように思える。知的であると思う。

Liszt Piano Sonata in B minor
Analysis from wikipedia.de

1 - 7:枠
8 - 13:跳躍動機
13 - 17:(ピアノの)ハンマー音
18 - 29:跳躍動機成分
30 - 39:跳躍動機成分とハンマー音(拍子を交替させながら)
40 - 44:跳躍動機成分
45 - 54:自由な上昇音形
55 - 81:継続を伴う跳躍動機
82 - 104:枠(バスにて)

上記から傍系主題が始まる

105 - 119:グランディオーソ(壮大に)の動機(2分の3拍子、傍系楽章の第1動機)
120 - 140:跳躍動機(再び4分の4拍子で)
141 - 152:ハンマー音
153 - 170:ハンマー音(音価2倍)(傍系主題の第2動機)
170 - 190:跳躍動機成分(バスに)
190 - 196:ハンマー音(音価2倍)と枠
197 - 204:短いソロカデンツァ
205 - 231:跳躍動機と反行
232 - 238:ソロカデンツァ
239 - 254:カデンツァ 伴奏付
255 - 269:ハンマー音成分(カデンツァ成分を伴って)
270 - 277:跳躍
278 - 286:枠
286 - 296:継続を伴う跳躍動機
297 - 300:グランディオーソの動機(2分の3拍子)
301:レチタティーヴォ(自由な拍子で)
302 - 305:グランディオーソの動機(2分の3拍子)
306 - 310:レチタティーヴォ
310 - 314:ハンマー音
315 - 318:跳躍動機成分
319 - 330:ハンマー音 拡大された音価の跳躍動機(右手)を伴って

ここからテンポが遅い中間楽章が始まる

331 - 348:叙情的なアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題(4分の3拍子)
349 - 362:ハンマー音(音価2倍)カデンツァ成分を伴って
363 - 380:グランディオーソの動機(音価半分)
381 - 384:跳躍動機への接近
385 - 394:跳躍動機
395 - 415:変奏されたアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題
415 - 432:パッセージ 枠成分(バスの下降音形)を伴って
433 - 445:ハンマー音(音価2倍)
446 - 459:枠

ここから再現部が始まる

460 - 523:跳躍動機とハンマー音によるフガート
524 - 530:跳躍動機(16分音符の技巧的な走句が続く)
531 - 540:跳躍動機(ハンマー音と交替しながら・その後、16分音符が続く)
541 - 554:16分音符
555 - 569:和音と16分音符
569 - 581:跳躍動機(バスにて下降音階と交替しながら)
582 - 599:パッセージとハンマー音
600 - 615:グランディオーソの動機の再現(600小節以降はこの動機はロ長調で演奏)
616 - 650:ハンマー音(音価2倍)ソロカデンツァが続く

ここからコーダであると分離することができる、すべての重要な動機が逆の順番で現れる

650 - 672:ストレッタ:ハンマー音(音価2倍)、跳躍動機成分
673 - 681:プレスト:4分音符の下降音形
682 - 699:プレスティッシモ:和音と8分音符
700 - 710:グランディオーソの動機(2分の3拍子)変奏を伴う(伴奏は1拍に8分音符4つではなく、4分3連符で)
711 - 728:叙情的なアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題が再現する(4分の4拍子)
728 - 736:オリジナルのハンマー音(バスにて、ロ長調)
737 - 743:跳躍動機(両手に分担されて演奏、パラレルの8分音符を伴わずに)
743 - 749:和音
750 - 754:枠
755 - 760:終結和音

(独ウィキペディア Klaviersonate h-Moll (Liszt) より)


--

France_clidat

リスト:ピアノ作品集 クリダ(14CD)

少し気になったので、フランス・クリダの「ロ短調ソナタ」を聴いてみた。クリダは、さすがにリストのスペシャリストだけあってうまいのだが、フーガのあと疲れているように聞こえる。この作品を弾くときは、いかに、いい意味で手を抜くか・・・力を抜くか・・・ということも大事だと思う。私の主観では、パチーニのほうが、リストのスペシャリスト・フランス・クリダに勝っていると思う。
(2012−12−25)

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