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2012年11月 7日 (水)

リーザ・デラ・カーザの「4つの最後の歌」

Della_casa
Strauss: Four last Songs, Arabella / Della Casa


イソコフスキLisa Larsson
の「4つの最後の歌」を聴いてみたが、どちらもピンと来なかった。

「4つの最後の歌」がなぜ難しいかというと、音楽的には旋律・調性・オーケストレーションが複雑だからだろうが、さらに、ヘッセの詩が難しい。

私は「九月」という楽曲の旋律と、その詩が好きなのだが、よく読んでみると、その詩は難しい:

「九月」

雨が降っている。
バラの花が咲いている。一方、アカシアは落葉する。
「夏が微笑む」「夏が目を閉じる」という擬人化(春になればまた夢見ることができるよ、と夏は庭に微笑んでいるのか)。
私は、太陽(Sonne)が微笑み目を閉じるのかと思い込んでいたが、よく読むと主語は「夏」だった。雨が降ってるのだから、この詩には太陽は出て来ない。
上の光景を思い浮かべるのは難しい。

ベームとリーザ・デラ・カーザは、リヒャルト・シュトラウスを知っていた。つまりその二人は、作曲家リヒャルト・シュトラウスと親しかった。高橋アキが、モートン・フェルドマンの弟子であり、他のピアニストに比較して、フェルドマンを弾くのがうまいのと同様、リヒャルト・シュトラウスを知っていたベームとリーザ・デラ・カーザはうまい。ベームの指揮は「眠りにつくとき」で、イントロがフガート風に始まるところがうまい。

【追加】

音楽とは関係ないことだが、リーザ・デラ・カーザという人は、歌がうまいだけでなく、容姿端麗なので、彼女がいま生きていたら、ブルーレイなどの新しいメディアにおいて、クラシック音楽愛好者の耳だけでなく、目をも楽しませただろう。

--





FRÜHLING

In dämmrigen Grüften[墓,洞窟]
träumte ich lang
von deinen Bäumen und blauen Lüften,
von deinem Duft und Vogel[ge]sang.

Nun liegst du erschlossen[蕾などが開く]
in Gleiß[輝き] und Zier,[飾り]
von Licht übergossen[光を浴びて]
wie ein Wunder vor mir.

Du kennst mich wieder,
du lock[e]st[誘う] mich zart.
Es zittert durch all meine Glieder
deine selige Gegenwart.


SEPTEMBER

Der Garten trauert,
kühl sinkt in die Blumen[4格] der Regen.[1格]
Der Sommer schauert
still seinem Ende entgegen.

Golden tropft Blatt um Blatt
nieder vom hohen Akazienbaum,
Sommer lächelt erstaunt und matt[驚き力無く]
in den sterbenden Gartentraum.[4格]

Lange noch bei den Rosen
bleibt er stehen, sehnt sich nach Ruh.
Langsam tut er die [großen]
müd[e]geword'nen Augen zu.


BEIM SCHLAFENGEHEN

Nun der Tag mich müd[e] gemacht,
soll mein sehnliches Verlangen
freundlich die gestirnte Nacht
wie ein müdes Kind empfangen.

Hände laßt von allem Tun,
Stirn, vergiß du alles Denken,
alle meine Sinne nun
wollen sich in Schlummer senken.

Und die Seele, unbewacht,
will in freien Flüge[l]n schweben,
um im Zauberkreis der Nacht
tief und tausendfach zu leben.


IM ABENDROT

Wir sind durch Not und Freude
gegangen Hand in Hand,
vom Wandern ruh[e]n wir [beide]
nun überm stillen Land.

Rings sich die Täler neigen,
es dunkelt schon die Luft,
zwei Lerchen nur noch steigen
nachtträumend in den Duft.

Tritt her und laß sie schwirren,
bald ist es Schlafenzeit,
daß wir uns nicht verirren
in dieser Einsamkeit.

O weiter, stiller Friede,
so tief im Abendrot!
Wie sind wir wandermüde ---
ist dies etwa der Tod?


暗い墓の中で
私は長い間 夢見ていた
お前の樹々と青い大気を
お前の香りと鳥の歌を

いまお前は蕾をほころばせて
輝きと飾りの中に
光を浴び奇跡のように
私の前に横たわる

お前は再び私に気づき
優しく私を誘う
私の全身はお前の至福に
うち震える


九月

庭は悲しみ
冷たい雨が花々に沈む
夏は震え
静かにその終わりを迎える

黄金色の葉が アカシアの高木から
一枚[ひとひら]また一枚と舞い落ちる
夏は驚き力無く微笑みかける
死にゆく庭の夢に

夏はまだしばらく薔薇のもとにとどまるが
やがて安息を恋いながら
疲れたその[大きな]眼を
ゆっくり閉じる


眠りにつくとき

いまや昼は私を疲れさせた
私は空一面に星がきらめく夜を恋い求め
友として迎えたい
疲れた子どものように

手よ すべての行為をやめよ
頭よ すべての思考を忘れよ
私の五感はいまや
まどろみを求める

そして私の魂は見張られることなく
自由に飛翔しただようことを望む
夜の魔法の輪にあって
深く幾千にも生きるために
[ヘッセ]


夕映えに

私たちは手に手を取り
苦楽をともに生きてきた
いまや私たち[二人]は旅を終え
静かな土地に安らおう

あたりの谷は陽が傾き
すでに夜の気配がせまる
二羽のヒバリだけがまだ
夢を見ながら夕もやの中を昇っていく

あなたはこっちに来て下さい ヒバリはさえずるままにして
まもなく床につく時だ
私たちは迷わないようにしよう
この孤独の中で

ああ 広く静かな平安よ
夕映えの中でそれはとても深い!
私たちは なんと旅につかれたことか ---
もしかしたらこれが死なのか?
[アイヒェンドルフ]

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