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2012年4月28日 (土)

サルヴァトーレ・シャリーノ作曲「松尾芭蕉の俳句による12のマドリガル」

12_madrigali

Salvatore Sciarrino (*1947)
12 Madrigali (2007)

Part I
1 Quante isole! - Tempo d'altro spazio 04:13
2 Ecco mormorar l'onde - In attesa (non troppo lento) 04:13
3 La cicala! - Andante 02:51
4 Rosso, così rosso - Con slancio 03:22
5 O lodola - Alto volando 03:03
6 Sole alto - Disteso ma non lento 02:45

Part II (a specchio infedele)
7 Quante isole! - Tempo d'altro mare 03:59
8 Ecco mormorar l'onde - Tempo d'attesa 02:29
9 La cicala! - Andante 02:44
10 Rosso, così rosso - Lentissimo 03:07
11 O lodola - Gocce di parole 02:35
12 Sole alto - Col canto si alterna un tempo stretto 03:33

Total time: 38:54

Neue Vacalsolisten Stuttgart
World premiere live recording
August 3, 2008, Kollegienkirche Salzburg
2009 col legno

【収録情報】(HMV.co.jp より)
・シャリーノ:松尾芭蕉の俳句による12のマドリガル (2007)
 ノイエ・ヴォーカルゾリステン・シュトゥットガルト
  サラ・スン、スザンヌ・ライツ=ロレー(ソプラノ)
  トゥルイケ・ファン・デア・ペル(メゾ・ソプラノ)
  ダニエル・グローガー(カウンターテノール)
  マルティン・ナジ(テノール)
  グリエルモ・アンツォレーナ(バリトン)
  アンドレアス・フィッシャー(バス)

 録音時期:2008年8月3日
 録音場所:ザルツブルク、大学教会
 録音方式:デジタル(ライヴ)






12 Madrigali

Quante isole!
In frantumi
lo specchio del mare

Ecco mormor l'onde
è ritmo
di vento profumato

La cicala!
Assorda nella voce
un'aura di campane

Rosso, così rosso
il sole fugge
vento d'autunno

O lodola
non basta al canto
un lungo giorno

Sole alto
mare di cicale
bevono le rocce

12 Madrigals

How many islands!
Shattered
the mirror of the sea

This murmur of wave
rhythm
of the scented wind

The cicada!
Deafening in sound
an aura of bells

Red, so red
the sun takes flight
autumn wind

Oh skylark
the song is not done
in a long day

Empyrean sun
sea of cicadas
the rocks are drinking

島々や千々に砕きて夏の海(しまじまやちぢにくだきてなつのうみ)松島の島々は自然の力によって夏の海に千々に砕かれている

さざ波や風の薫りの相拍子(さざなみやかぜのかほりのあひびやうし)さざ波が風の薫りに相の手の拍子をつけている

撞鐘もひびくやうなり蝉の声(つきがねもひびくやうなりせみのこゑ)蝉の声に促されてつきがねも響くようだ

あかあかと日は難面くも秋の風(あかあかとひはつれなくもあきのかぜ)明るい太陽の光が無情に差しているなか秋の風が吹いている

永き日も囀り足らぬひばり哉(ながきひもさへづりたらぬひばりかな)長い春の日に一日中さえずってもひばりはさえずり足りないようだ

閑かさや岩にしみ入る蝉の声(しづかさやいはにしみいるせみのこゑ)岩にしみいるほど大声で蝉が鳴いているのがむしろ静かさを感じさせる

最初聴いたときは、シャリーノは芭蕉の句を正しく解釈していないと感じたが、何度か聴くうちに、よくできていると思うようになった。

「さざ波や風の薫りの相拍子」では手拍子のような音が聞こえる。
「あかあかと日は難面くも秋の風」では「fugge(飛ぶ)」という語が強調されていて暑苦しさを表していると思う。
「撞鐘もひびくやうなり蝉の声」「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」では、蝉の声が連続音で模倣されている。

【追加】
パート2の「a specchio infedele(to unfaithful mirror)」は変奏曲のようなもの。

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コメント

はじめまして。
興味深く読ませていただきました・。
先日、14日のサントリーホール(ブルーローズ)で、この演奏会を聴きました。
たまたま、半額でチケットを譲ってくれた人がいたので、「マドリガル」という言葉に釣られて聴きに行きましたが、入り口でパンフレットを渡されるまで、作曲者についても、曲についても、全く予備知識がありませんでした。
7人のアカペラで正味45分間、難曲を歌いきったということはわかりましたが、「マドリガル」というイメージとは全く違う物を聴いた感じで、メロディやハーモニーの充足感を得られないまま、帰ってきました。
ルネッサンス期のヴィクトリアやジョスカンの曲を好む私には、合わない種類の音楽だったようですが、芭蕉の句を、ああいう風に音楽にする事もあるのだと知った点では、なかなか面白かったとも言えます。
事前のコンサートチラシには、ただ「12のマドリガル」とだけで、「芭蕉云々」などの解説も入っておらず、聴いてびっくりでした。
「マウリツィオ・ポリーニ」が主役のシリーズ演奏会、最後の演目である、このアカペラ曲は、ポリーニが登場しないので、主催者側も力を入れていなかったのか、会場で関係者共々聴きに来ていた作曲者にとっても、せいぜい半分くらいしか埋まっていなかった客席の人たちにとっても、ちょっと残念なことでした。
ほかの演目に比べて6000円は高いので、それだけを聴きに来た人は、私を除き、かなりマニアックな人たちだったのかも知れません。

Clara さん

ご報告ありがとうございます

この作品は、シャリーノの

句の選び方、

俳句に対する理解、

俳句に対するセンスが素晴らしい作品だと思います。

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