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2012年1月 8日 (日)

アイヴズ作曲「ピアノ・ソナタ 第2番」の決定盤を求めて(8)

Shannon

Charles Ives (1874 - 1954)
Piano Sonata No. 2
John Harbison (b. 1938)
Piano Sonata No.1
"Roger Sessions in Memoriam"
Robert Shannon
1992年頃録音
BRIDGE

この人は、Violin Sonatas Gregory Fulkerson violin Robert Shannon piano 1989 年録音でピアノを弾いている人。
この人は、Fulkerson とのデュオでは丁寧かつ雄弁に演奏している。そのような演奏を「コンコード・ソナタ」でも期待したが、むしろ豪快で少し粗かった。
ただ、この人の強い表現の中に新しい発見もあった。
たとえば「譜例8」の旋律の中に「譜例3」が用いられているのではないか、と思わせられた(実際には譜例8に譜例3と同じ音形はなかったが)。

Ives_pf_sonata_2_1_03
譜例3(midi

Ives_pf_sonata_2_1_07
譜例8(midi

この人の演奏は、旋律やアーティキュレーションや音そのものを強調し豪快だが、同時に、弛緩があり、退屈させられる部分もある。

第4楽章の終わりは美しかった。

--

Blackwood

Ives: Piano Sonata No. 2
Copland: Piano Sonata
Easley Blackwood
Recorded: 1991
Cedille Records

この人は、作曲家なので、作曲家としてのアプローチすなわち論理的で明晰で緻密な演奏をしている。技巧は秀でている。私はこの人の演奏を気に入っている。
しかし、むしろ弛緩がなく論理的な演奏であるが故に退屈する。「弛緩がなく論理的な演奏であるが故に退屈する」というのは変だと思われるかも知れないが、アイヴズのピアノ・ソナタは45分もある。その45分を論理だけで演奏するのは、何かが足りないような気がする。

--

Kalish

Ives: Piano Sonatas No. 2
Gilbert Kalish
Recorded: 1976
Elektra Nonesuch

この人の演奏はテクスチュアがよく聞こえる。Easley Blackwood に比べると粗いが、この人の演奏のみが退屈させない。

【まとめ】
Gilbert Kalish 盤はお薦めだが、それが、アイヴズ作曲「コンコード・ソナタ」の決定盤であると断言する自信は私にはない。誰かもっと若い演奏家が Gilbert Kalish を超える演奏をしてくれればよい、と私は思っている。


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