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2011年6月 5日 (日)

リストの「ロ短調ソナタ」聴き比べ(1)アルゲリッチ

Argerich

Liszt: Sonate h - Moll in "Martha Argerich Collection 1: The Solo Piano Recordings"

「ウィキペディア・ドイツ」から下記を引用。これは、この作品が、音楽的にどのように経過するかを示したもの。これは、参考になる。

【参考】
1 - 7:枠
8 - 13:跳躍動機
13 - 17:(ピアノの)ハンマー音
18 - 29:跳躍動機成分
30 - 39:跳躍動機成分とハンマー音(拍子を交替させながら)
40 - 44:跳躍動機成分
45 - 54:自由な上昇音形
55 - 81:継続を伴う跳躍動機
82 - 104:枠(バスにて)

上記から傍系主題が始まる

105 - 119:グランディオーソ(壮大に)の動機(2分の3拍子、傍系楽章の第1動機)
120 - 140:跳躍動機(再び4分の4拍子で)
141 - 152:ハンマー音
153 - 170:ハンマー音(音価2倍)(傍系主題の第2動機)
170 - 190:跳躍動機成分(バスに)
190 - 196:ハンマー音(音価2倍)と枠
197 - 204:短いソロカデンツァ
205 - 231:跳躍動機と反行
232 - 238:ソロカデンツァ
239 - 254:カデンツァ 伴奏付
255 - 269:ハンマー音成分(カデンツァ成分を伴って)
270 - 277:跳躍
278 - 286:枠
286 - 296:継続を伴う跳躍動機
297 - 300:グランディオーソの動機(2分の3拍子)
301:レチタティーヴォ(自由な拍子で)
302 - 305:グランディオーソの動機(2分の3拍子)
306 - 310:レチタティーヴォ
310 - 314:ハンマー音
315 - 318:跳躍動機成分
319 - 330:ハンマー音 拡大された音価の跳躍動機(右手)を伴って

ここからテンポが遅い中間楽章が始まる

331 - 348:叙情的なアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題(4分の3拍子)
349 - 362:ハンマー音(音価2倍)カデンツァ成分を伴って
363 - 380:グランディオーソの動機(音価半分)
381 - 384:跳躍動機への接近
385 - 394:跳躍動機
395 - 415:変奏されたアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題
415 - 432:パッセージ 枠成分(バスの下降音形)を伴って
433 - 445:ハンマー音(音価2倍)
446 - 459:枠

ここから再現部が始まる

460 - 523:跳躍動機とハンマー音によるフガート
524 - 530:跳躍動機(16分音符の技巧的な走句が続く)
531 - 540:跳躍動機(ハンマー音と交替しながら・その後、16分音符が続く)
541 - 554:16分音符
555 - 569:和音と16分音符
569 - 581:跳躍動機(バスにて下降音階と交替しながら)
582 - 599:パッセージとハンマー音
600 - 615:グランディオーソの動機の再現(600小節以降はこの動機はロ長調で演奏)
616 - 650:ハンマー音(音価2倍)ソロカデンツァが続く

ここからコーダであると分離することができる、すべての重要な動機が逆の順番で現れる

650 - 672:ストレッタ:ハンマー音(音価2倍)、跳躍動機成分
673 - 681:プレスト:4分音符の下降音形
682 - 699:プレスティッシモ:和音と8分音符
700 - 710:グランディオーソの動機(2分の3拍子)変奏を伴う(伴奏は1拍に8分音符4つではなく、4分3連符で)
711 - 728:叙情的なアンダンテ・ソステヌート - 旋律主題が再現する(4分の4拍子)
728 - 736:オリジナルのハンマー音(バスにて、ロ長調)
737 - 743:跳躍動機(両手に分担されて演奏、パラレルの8分音符を伴わずに)
743 - 749:和音
750 - 754:枠
755 - 760:終結和音

私は、ロ短調ソナタのスコアを購入し上記をスコアに書き入れて、アルゲリッチ盤を聴いてみたところ、彼女の演奏において、形式における論理性と激しい情熱が両立しているという点で、私がいままで聴いた中で、いまのところ、これが最高だと思う。

私は、絶対音感がないから、調性については、正確に述べられないが、この作品は、h - Moll から、Fis - Dur, A - Dur(349 小節)を経て、H - Dur に落ち着くのだと思う。

この作品の特徴は、「調性の変化」が「動機の変容」をでうまく処理していることだと思う。だが、それと同時に、この作品においては、リズムとテンポの変化が「動機の変容」に効果的である・・・私はアルゲリッチ盤を聴いて、そう思った。2分の2分拍子の強烈な開始は、そのあと、4分の4拍子、2分の3拍子にて、しだいに、各モティーフが親和していく(この作品は、ある意味、最後にはすべての動機が融合するのではないだろうか)。私は、この作品は、多分第 301 小節の「レチタティーヴォ」辺りを折り返し地点にして、橋梁形式に近い形式を持っているのではないかと思う。

> 153 - 170:ハンマー音(音価2倍)(傍系主題の第2動機)

「ハンマー音」が傍系主題の第2動機として非常に効果的に使われていると思う。この作品では、音価を変えた動機(例:ハンマー音 音価2倍)は、コーダにおいて、最初に提示された音価に戻る。そして、この作品は、コーダにて「すべての重要な動機が逆の順番で現れ」、静寂のなかに終わる。この作品は、アルゲリッチ的ヴィルトゥオージティと激しい演奏が有効である。すなわち、ここにおいても、アルゲリッチは、シノーポリと共演したベートーヴェンと同様、自由奔放で強烈な演奏と、作品の様式・形式を両立させている。それが彼女のすぐれた持ち味である。

それに対し、アムラン(Marc-André Hamelin)の「ロ短調ソナタ」は、散漫であり、漫然とした平凡な演奏である。彼は、スコアの読みが浅いと思う。それはアルゲリッチ盤と聴き比べてみれば分る。

ル・ゲの「ロ短調ソナタ」は、丁寧に、音楽を流しているが、彼女の特徴であるその丁寧さが裏目に出ている。つまり、焦点がない。

【6月6日 追記】
それにしても、アルゲリッチは、第 710 - 711 小節のフェルマータと休符を無視している。すごい演奏だ。

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