« Music of Elliott Carter, Vol. 8 (1/16) | トップページ | Stockhausen: Spiral 1 & 2, Pole, Wach, Japan, Zyklus, Tierkreis, In Freundschaft »

2010年12月20日 (月)

シュトックハウゼンのシュティムング

Stimmung

Stockhausen
Stimmung
The premiere 1968, Copenhagen version 2006
Theatre of Voices, direction Paul Hillier
Elsa Torp, soprano I
Louise Skovbaech, soprano II
Clara Sanabros, mezzo - soprano
Wolodymyr Smishkewych, tenor I
Kasper Eliassen, tenor II
Andrew Hendricks, bass
Recorded: 2006
Hybrid SACD

「Stimmung」というドイツ語を辞書で引くといろいろ出てくる。気分、機嫌、調子、色調、調律。シュトックハウゼンは、英語の「tuning (調律)」の意味で使っているようである。

「『Stimmung』とは、英語に訳すと『tuning (チューニング)』。楽器や声の調子を合わせる意味ですが、ここでは、声の調子のみならず、人の魂をもチューニングする、という内的な意味合いも含まれています。(キングインターナショナル)」

人間の声の中で最も原始的なものは、赤ちゃんの泣き声だろう。そして、最も人工的なものは、カストラートのソプラノの歌声だろう。シュトックハウゼンの「シュティムング」にて発声される声は、後者だと思う。

この作品において言葉や歌を排した人工的な声は、人間の肉声を楽器のように鳴らしているに過ぎないと思う(シュトックハウゼンはなぜ叫び声を使わなかったのか)。私見では、この作品が意味するのは、様々な神々の名前が作品の中に登場するのとは裏腹に、人間の声にひそむ「性的ニュアンス」ではないかと思う(意味も歌もない人間の声。そしてそれが他者により強いられた声であり、しかもそれが聞く者を high にするとすれば、それは性的あえぎ声に共通する)。

この作品で聞かれる人間の声は物理的効果だけだ(この CD はスピーカの試聴に結構適していると思う)。その声を、78 分も聴かされた私は、その帰結として「性的エクスタシー」にしか至らなかった(おそらくそれは作曲者の意図ではない)。ただし、この作品は、作品としては面白い。録音もよいし、一度ならず二度三度聴きたくなる。

シュトックハウゼンのシュティムング(再掲)に続く

« Music of Elliott Carter, Vol. 8 (1/16) | トップページ | Stockhausen: Spiral 1 & 2, Pole, Wach, Japan, Zyklus, Tierkreis, In Freundschaft »

シュトックハウゼン」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/276661/38152524

この記事へのトラックバック一覧です: シュトックハウゼンのシュティムング:

« Music of Elliott Carter, Vol. 8 (1/16) | トップページ | Stockhausen: Spiral 1 & 2, Pole, Wach, Japan, Zyklus, Tierkreis, In Freundschaft »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カテゴリー

無料ブログはココログ