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2010年11月22日 (月)

モーツァルトの「ピアノ・ソナタK.333」聴き比べ

私は火事になったのち、モーツァルトをあまり聴かなくなってしまった。火事によって私の嗜好が変わった。私は火災後、モーツァルトに代わって特に20世紀の音楽を多く聴くようになった。

私は、デュティユー(Dutilleux)の作品(彼の作品はチョン・ミュンフンの幻想交響曲とカップリングされていたと記憶しているが焼けてしまったので作品名は分からない)を聴きたくなって、HMV.co.jp で検索したところ、クレール=マリ・ル・ゲ(Claire-Marie Le Guay)というピアニストがデュティユーのピアノ・ソナタを録音している CD を見つけた。

私が、ル・ゲのモーツァルトを買った理由は、彼女がどういうピアニストか知りたかったからだ。私がモーツァルトをあまり聴かなくなったといってもやっぱり私にとってモーツァルトは馴染み深い作曲家だから、ピアニストがモーツァルトをどう弾くかを聴くことはピアニストの品定めとなるのだ。そこで私は、クレール=マリ・ル・ゲのモーツァルトを購入して、マルコム・ビルソン、クララ・ヴュルツ、クレール=マリ・ル・ゲのK.333を聴き比べてみた(特に第2楽章の展開部の入りの部分で短調になるところと第3楽章のカデンツァに着目して)。

Bilson

Mozart: Complete Piano Sonatas Malcolm Bilson 1988 - 90年録音

マルコム・ビルソンは、パウル・バドゥラ=スコダ Paul Badura-Skoda と同様、他者に先駆けてモーツァルトを「ピアノフォルテ」で弾いているところを見ると、Historically informed performance の研究者としてもすぐれているのだろう。ビルソンはモーツァルトのピアノ・ソナタの性格を誇張するためにピアノフォルテの特質を生かしきっていると思う。つまり、激しくメリハリある表現が、ピアノフォルテには適しているようだ。

ビルソンのK.333は力強すぎるが三つの楽章すべてうまい。第2楽章の展開部で短調へ行くところはうまいし(そもそも彼は展開部をリピートしている)第3楽章のカデンツァもうまい(結局、3人のなかでビルソンが一番うまいと思う)。

Wurtz

Mozart
Piano Sonatas (Complete) Klára Würtz, piano
Recording: 1998
BRILLIANT CLASSICS

クララ・ヴュルツの演奏は、改めて聴いてみても、まったく問題なし。第2楽章の展開部も第3楽章のカデンツァもうまかった。しかし、残念ながらその録音は音がこもっているからダメだ。つまり、もしヴュルツのモーツァルトは録音が良かったらモダンピアノによる「モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集」のベストだったかも知れない。

Le_guay

モーツァルト:ピアノ・ソナタK.309、K.333、ハイドン:ピアノ・ソナタHob.XVI.46、Hob.XVI.50 クレール=マリ・ル・ゲ(Claire-Marie Le Guay)2008年録音

ル・ゲのK.333は残響音がうるさいのが少し気になる。

ル・ゲの第2楽章の展開部の入りの部分は、最初に聴いたとき、私はダメだと思った。しかし、何度か聴いてみると、彼女はその部分を非常にデリケートに弾いていることが分かった。そして第3楽章のカデンツァが圧巻。というわけで私は、クレール=マリ・ル・ゲを追いかけることにした。

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