« シュテンツのマーラー5番 | トップページ | レオンスカヤのベートーヴェン »

2010年7月 5日 (月)

人間国宝 ユゲット・ドレフュス(Huguette Dreyfus)の平均律第1巻

Dreyfus

平均律クラヴィーア曲集 第1巻/ユゲット・ドレフュス Huguette Dreyfus

ユゲット・ドレフュス(Huguette Dreyfus)の平均律 第1巻は、端正でストイックで、厳格すぎるんじゃないかと思え敬遠していた。しかし、繰り返し聴くうちに、彼女の技が見えた。やっぱり、ドレフュスは、ただ者じゃなかった。

使用チェンバロは、アンリ・エムシュの弟ギョーム・エムシュ製作(1763年)を修復した名器。1992年デジタル録音。

この人の演奏は、CD1からCD2まで、48のトラックのどこかに1箇所ぐらいミスがあるだろうと思って聴いているとミスが無い。リスナーは、すべての音に聴き惚れさせられ、我を忘れ、いつの間にか最後の「ロ短調のフーガ」を聴いている自分に気づく。グールドは前奏曲よりフーガに思い入れのある演奏をしたが、この人の演奏は、前奏曲とフーガが、完全に同等。たとえば、CD1の「ヘ短調のフーガ」が終わり、CD2の「嬰ヘ長調の前奏曲」が始まる瞬間、私は「嬰ヘ長調の前奏曲」に(快感とともに)充実を覚える。と同時に「バッハはフーガに対し前奏曲を軽んじたということはない」と思わせられる。この人の演奏を聴くと、結局、平均律第1巻は、スコアそのものが有形文化財であり、それを再現(演奏)すること自体、方法は一つしかしかないと思わせられる。それは、スコアの通り弾くことである。ところが、それが難しい。平均律第1巻の録音は、グールドでさえ、数年の時間をかけて、何度もテイクを録っては、それを、つぎはぎし、やっと完成させた。言ってみれば、グールドにとって平均律録音はライフワークだった。ところが、ドレフュスは、たとえば、グールドが苦労し格闘して録音した「第1巻イ短調のフーガ」これを特に苦労せずに録音しただろう・・・と思わせられるほど、彼女は巧い。どこが巧いかって? 「音が明快!!!」

【2015−10−11 訂正】

さすがのドレフュスも、「第1巻イ短調のフーガ」で、緊張の糸が切れる。だが、h-Moll の Fuga で、それを挽回して、この WTC1 を、うまくまとめ上げている。

やっぱり私の評価は、星5つ。

« シュテンツのマーラー5番 | トップページ | レオンスカヤのベートーヴェン »

バッハ, ヨーハン・ゼバスティアン」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/276661/35640342

この記事へのトラックバック一覧です: 人間国宝 ユゲット・ドレフュス(Huguette Dreyfus)の平均律第1巻:

« シュテンツのマーラー5番 | トップページ | レオンスカヤのベートーヴェン »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カテゴリー

無料ブログはココログ